花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【宝物殿】2014年度01月の頂き物

       皆様から頂いた素敵なプレゼント・自慢しちゃいます!!!
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    2014年01月のご訪問御礼

    ご訪問の御礼をこちらにて、お返ししたいと思います



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    2014.1月の更新履歴

    こちらにて、2014年01月の更新履歴が辿れます。

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    【詩文】白鷺 ―自由を願う翼―

    まるで一幅(いっぷく)の絵のような
    霜凍る 寒い朝

    まだ色の無い 
    薄墨の世界

    川面から 立ち昇る
    白き朝霧

    飛沫が半分
    凍りついた岩の上に
    景色に溶ける 
    一羽の白鷺(しろさぎ)

    俯き(うつむき)
    空気に溶け
    自らも
    風景になったかのように
    微動だにしない
     
    その眼差しは ただ一点に
    冷たい川面を見すえる

    息さえも、はばかれる
    静寂の世界

    突然、世界は変わる

    白き翼の
    羽ばたきと共に

    静寂の世界から
    動の世界へと

    翼を持つ 鳥の宿命(さだめ)

    何処へでも 自由に行ける 
    何処までも 羽ばたける

    自由な空を 舞う為に
    澄んだ青い空を 見る為に 

    その翼を大きく広げた

    もう白鷺は川面を見ない
    眼差しは頭上にある 
    あの広い大空へ

    自由を願う翼は
    ゆっくりと力強く 飛び立った

    広い世界を知る為に

    未来を信じて 鳥は旅立つ









    残されたのは
    静かな河辺

    一筋の濁りも無い
    清冽な水が流れる

    そこに白鷺が居たことは
    誰も知らない

    ただ 時だけが知る

    白い朝霧が
    静かな世界に
    ゆっくりと流れていく

    そこには
    もう気高く
    美しい鳥は居ない

    凍った飛沫(しぶき)から
    煌めく雫が
    川面に落ちた

    川岸に
    融けた雪の間から

    気の早い
    金色の福寿草が咲いていた

    春は もうすぐ近づく 
    春の足音が聞こえる

    凍える世界は
    もうすぐ終る

    芽吹きの季節は
    あたたかな幸せと共に 訪れる

    だから……
       
    雪解けの川面に
    一面の福寿草が咲く 時を待とう

    いつか この場所に
    旅立った白鷺が 
    舞い戻ることを信じて……


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    祝総ご訪問者数42000人(≧∇≦)〈ありがとう―

    思わず叫んじゃった。

    改めまして
    おはようございます
    さくらぱんです。
    本日は、通院の為仙台です。
    先ほど、カウンターを見ましたら
    42007人でした。
    今朝かな?
    更新まばらな花の四阿に足をお運びしていただいて(しかも、更新報告をあまりしない)
    ゲストの皆様、ありがとうございます。

    昨日も二桁の沢山の拍手をありがとうございます。

    これからも、頑張ります!

    取り急ぎ、診察前にお礼まで……


    さくらぱん

    2014.01.30. 瑞希さんへ

    見ましたの印

    【写真館】宮城県角田市  さくらぱん撮影
         

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    【日記】総拍手数5000回(≧∇≦)〈ありがとう

    分館に続けて
    叫んでしまいました。

    改めまして、いつもご愛読してくれてありがとうございます

    本日、総拍手数が、5000回を越えてました。
    これも毎日、拍手ポチをしてくれるゲスト様のおかげです。
    ありがとうございます

    「花の四阿」「秘密の味は蜜の味」を、いつもご訪問して頂いてありがとうございます

    両ブログ共おかげさまで毎日、沢山の拍手をいただいております。
    とても創作の励みになります。

    これからも皆様に、お楽しみ頂けるよう頑張りたいと思います
    これからも、宜しくお願い致します

    さくらぱん

    運命  ※水月さんのお話

    ※水月さんのお話です。




    ――その出会いは、運命という名の必然だった。


    珍しく温和な父が、半ば強制的に
    年に一度の市へ行けと言った。

    「そこへ行けば、いくらお前でも、
    気に入った――が、見つかるだろう」と。

    別に市になど、興味は無かったが……
    父の命令には逆らえない。

    どうせ屋敷に居ても、暇なのだ。
    時間を潰すぐらいは、市でも出来る。

    賑やかな場は、嫌いではなかったが、
    騒動の類は嫌いだった。

    人目を避けて、私は、市をそぞろ歩くことにした。
    しばらくして何処からか
    私を見詰める視線を感じた。

    誰だろうと見渡すと、視線の先に君が居た。
    君の漆黒の瞳と私の瞳が重なる。
     
    視線が合った。
    ――その瞬間、私はようやく求めるものを見つけた。

    (君だ!)

    君は、私に出会う為、生れてきたのだと悟った。

    広場の中央で、優雅に歩む姿に私は見とれた。
    とにかく私は、君から目が離せない。

    私は吸い寄せられるように、君へと歩む。
    ようやく出会えた君と、至近距離で見つめる。

    広場に居た店主が、私に何かを騒いでいたが
    私の耳には入らない。

    ああ……私は、君に出会う為に、ここに来たんだね。
    君の首筋を優しく撫ぜた。

    私の手のひらに
    君のあたたかな温もり。
    柔らかな肌触り。

    更に撫ぜると、
    君は、頭(こおべ)をすり寄せてきた。
     
    君も、感じているのかい?
    私を主と認めてくれるのかい?

    葦毛の真珠色に輝く美しい馬。

    すり寄る姿も、愛らしい。

    私は、優雅さや優美さに欠ける軍馬を、愛馬にはするつもりはなかった。
    どうしても愛せなかった。

    今まで何頭にも出会い、その全てに失望してきた。

    “氾家に生まれたものが、いまだに愛馬の一頭もいないのはおかしい”

    そう言われ、父から与えられた馬はいたが、
    私の愛する馬は一頭も居なかった。

    再び、首を撫でると人懐こそうに鼻面を擦り寄せてきた。
    つぶらな瞳が、じっと私を見ている。

    “さあ、乗って……”

    君は、そう言っているようだった。


    * 続きを読む

    【日記】ようやく提出

    本日日記。 続きを読む

    2014.01.29. Fullむんっさんへ

    見ましたの印

    【写真館】宮城県角田市  さくらぱん撮影
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    【写真館】雪冠の蔵王

    先日、送迎中に見た蔵王がとても綺麗でした。
    ここ数日、雪冠が耀いて、とても綺麗です。


    DSCN0069-20.jpg

    DSCN0066-20.jpg 続きを読む

    【写真館】曙の空を駆けるアルテミス

    白みはじめたばかりの空
    冴え冴えとした光を放ちながら
    西の空にアルテミスが耀く

    夜と昼の狭間
    朱鷺羽根色(ときばねいろ)に染まる空
     
    刻々と色を変えていく様を仰ぎ見て
    私は、心がときめく


    朱鷺(とき)めく空
    太古の人々も
    このような景色に出会い
    心 ときめいたに違いない

    見ていたい
    あの明けいく空を

    宙天に
    アルテミスが耀く
    月の色を溶かして
    朱鷺色の空を駆けていく

    私の心を奪い
    また陽が昇る

    *


    DSCN0081-20.jpg
    曙(あけぼの)と月(アルテミス)と真ん中の小さいのが、たぶん金星(明けの明星・ヴィーナス)
    続きを読む

    お土産いただきました。

    日曜日、娘の英検の付き添いで、仙台に行く予定でしたが
    前日からの体調不良で留守番していました。

    娘達から、「仙台アンパンマンミュージアム」のパンをお土産に頂きました。
    とても凝っているパンでしたので、食べるのが勿体無い。
    といいつつしっかりと頂きました。


    DSCN0077.jpg



    カレーパンマンなカレーパン・ばいきんマンなチョコクリームぱん(各300円くらいと聞きました。)
    DSCN0079-20.jpg


    カレーパンマンなカレーパン
    顔は、トマトケチャップとマヨネーズと聞きました。


    ばいきんマンなチョコクリームぱん
    顔は、ピンク色のパンとチョコレート
    中に、黄色のクリームが入っていて美味しかった。
    個人的には、ばいきんマンがいい。 続きを読む

    【未来への約束2】恋の花3


    木立に広がる紫の花畑。
    バニラのような甘い香りが、一面に広がるヘリオトロープの花園。

    「わあ……
    綺麗ですね。」

    「今年も見事に咲いてるね!」

    一面の花の美しさに
    満面の笑みで喜ぶ夕鈴を見つめながら、
    僕は予想どおりの夕鈴の反応にクスッと笑った。

    「夕鈴、どの辺りで、お弁当を食べようか?」

    「陛下に、お任せします。」

    木々の隙間から、明るい日差しが差し込む。
    柔らかな下草が茂る場所を選んで、僕は敷物を敷いた。

    爽やかな初夏の風が吹き抜ける、
    とても気持ち良い季節。

    木々の隙間から見える青空。
    木漏れ日の眩しい光が、紫の花々を輝かす。

    「夕鈴、早くお弁当を食べようよ!」

    花々の美しさなど、お構いなしに、
    お弁当を強請る僕に、夕鈴はクスクスと笑った。

    「お待ちくださいね。」

    「うわぁ…
    どれも美味しそうだね、夕鈴。」

    夕鈴は僕の目の前に、手早くお弁当を広げ
    お弁当の説明をはじめた。

    「今日は、ちまきを作ってみました。」

    「それと、蓮根(れんこん)入りつくねと野菜のキンピラ…それと、卵の…」

    「夕鈴、これだけ朝から作るの大変だったんじゃない?」

    「いいえ。
    久しぶりでしたので張り切りすぎて、作りすぎちゃいました。」

    少し恥ずかしげに、はにかむ夕鈴を
    微笑ましく思いながら、僕は箸をとった。

    「全部食べるよ!
    いただきま――す!」

    「夕鈴も一緒に食べよう!」

    「はい。
    いただきます。」

    「美味い!
    やっぱり、君の料理は最高だね!」

    僕は、夕鈴に取り分けて貰った
    ちまきを食べて彼女に微笑んだ。

    「陛下のお口に合って、嬉しいです。」

    「夕鈴の料理は、いつも美味しいよ。
    ただ…最近は、作ってくれる回数が減って寂しいけど……」

    「すみません。
    私も、できるだけ陛下に
    手料理を召し上がっていただきたいのですが…」

    「分かっているよ。
    我が妻よ。
    君が私の正妃になって忙しいのは、分かっている。」

    「ツマラナイことを言った。
    許せ、夕鈴。」

    「今は、君との思い出の場所で
    久しぶりの君の美味しい手料理を
    思う存分堪能すべきだな。」

    あれから、一年…いろんなことが、僕達に立ち塞がった。
    それでも尚、この胸に咲き誇る恋の花は散らず、君との恋は成就した。

    あの日、この場所に君が迷わなかったら、
    僕は君に求婚していなかったかもしれない。

    こんなにも早く、君を手に入れられなかった。

    甘い花の香り。
    風にそよぐ、満開の恋の花々。

    感慨深く花々を見つめる。

    「夕鈴、愛しているよ。」

    「また、来年もここに来よう。
    君との思い出の場所へ」

    「はい、陛下。」

    「また来年も、お弁当を持ってここに来ましょう。
    楽しみですね。」

    また来年も変わらず、この場所に満開の恋の花が咲くのだろう。
    再来年も、その次の年も……ずっとずっと。

    君と毎年、ここに来よう!
    君との秘密の花園。

    僕らの花を見る為に!




    ―未来への約束2・恋の花 完 ―
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    【未来への約束2】恋の花2

    “秘密の花園”が近付くにつれ、甘い香りに僕の心が弾む。
    この先の風景を見て、君のはしゃぐ姿が目に浮かんだ。

    「もうすぐですね、陛下。」

    ハシバミ色の大きな瞳を、期待で輝かせ、
    上気した顔で嬉しそうに微笑む夕鈴を
    僕は眩しく見つめた。

    「陛下、たくさんお弁当を作りましたから、重くないですか?
    やっぱり、私が持ちましょうか?」

    「重くないよ、夕鈴。
    それより水筒も、持ってあげるよ!」

    「コレは大丈夫です。」

    「陛下は、敷物とお弁当と荷物が、大変ですもの。
    コレくらい持たせて下さい。」

    「そう?
    平気なんだけどな…」

    「それにしても、夕鈴の手作りお弁当かぁ。
    楽しみだなぁ…お腹が空いたよ!」

    「えっ!?
    もうですか?」

    「君のお弁当が楽しみで、朝ご飯を抜いてきたんだ。
    もう、お腹が空きすぎて死にそう……」

    「大袈裟ですね。
    お腹が空きすぎても死にません。
    ちゃんと朝ご飯は、食べて下さい。」

    呆れた君の声。

    「しかたが無い人ですね。
    着いたら、少し早いですがお弁当にしましょう!」

    「やった!
    楽しみだ!夕鈴、早く行こうよ!」

    「あっ!
    陛下、待って下さい!」

    先頭を切って足早に進む僕を、
    夕鈴は笑いながら、後ろから付いてくるのだった。

    ……続く。

    【未来への約束 2 】恋の花1

    何時の日か
    君に伝えることが、できるかな?

    (いと)しい君に
    「愛している」という言葉を…

    甘い香りが誘う初夏の後宮。

    君が、迷子になって一年。
    今年も、匂い紫の花の香りが、後宮の夕鈴の部屋に漂う。

    今年は好奇心旺盛な君が迷子にならないよう、
    僕は先手を打った。

    「去年、君が見つけた秘密の花園に、花を見に行こうか?」

    「いいですね。
    また見たいと思ってたんです!」

    「今度は君が迷子にならないように、
    僕が案内してあげるね。」

    「--っ!
    陛下っ、意地悪ですね!!!
    去年のことは、忘れて下さい!」

    「もう迷子には、絶対になりません。
    陛下に、ご心配かけましたから!」

    強気な言葉に、去年のことが思い出される。
    空振りに終ったほろ苦い告白の思い出と共に。

    僕は、小さくクスリと笑った。
    君が迷子になったって……

    「そう?
    君が、また迷子になっても、
    必ず僕が見つけ出してあげるから、大丈夫!」

    自信たっぷりに、僕は君に約束する。
    きっと僕は、何度でも君を見つけ出すよ。
    何故だか不思議なんだけど、君の居場所が分かるんだ。

    君のことなら、確信できる。
    これも、君への愛故なのか?

    夕鈴の瞳を見つめて、そう伝えると
    「もう…迷子はこりごりです!」
    見当違いの空振りの返事。

    相変わらず、にぶい君の呟きに、僕は苦笑するしかない。

    君を愛しているんだよ。

    回りくどい言葉は、ホントに君には伝わらない。
    僕はいつも君に好きだと伝えているのに、気付かない。

    切なすぎるよ夕鈴。
    「ああ…そうだ!
    夕鈴、美味しいお弁当を作ってよ。
    花を見ながら、お弁当を食べよう!!」

    「素敵ですね。
    では、張り切ってお弁当を作りましょう!」

    少しでも、二人だけの時間を引き延ばしたい。

    無邪気に笑う君を見つめて、僕は綺麗に下心を隠した。

    秘密の花園で君に告白をしようか?

    一年越しの2度目の告白。

    僕から君への愛の告白。

    今度こそ、君の心に届け!!

    ずっと、一生僕の傍に居てよ。

    少しでも、君が居ないのは、嫌なんだよ。

    あんな思いはもうしたくない。

    君が居なきゃ安心出来ない。

    夕鈴に、お弁当を作ってもらい後宮の奥 “秘密の花園”を目指す。

    君は、ウキウキとしながら足取りも軽く、私の隣を付いて歩く。

    カウントダウン。

    動き出した砂時計は、止まらない。

    楽しそうに、はしゃぐ夕鈴を、僕は微笑みながら見つめていた。


    …続く。


    【日記】未来への約束2 up予告

    本日、求婚の日ですね。

    先ほど、分館で、「未来への約束2 恋の花 」をぴあぴあで終わらせました。
    なんと、kissも無し…
    おかしいなぁ…

    ということで
    明日、こちらにもupしたいと思います。

    お知らせでした。

    さくらぱん

    とんとんさんからの2013誕プレ「むぅみん&狼陛下こらぼ 3 」 

    遅くなりました(><)
    本当は1カ月前にお届けするハズだったのに
    思ったより長くなり
    思ったより忙しく
    思ったよりコタツの誘惑が強かったwwww

    お誕生日おめでとうございました←

    さくらぱんさんに、何をささげようかと思って
    コレ
    にしましたwwwww


    お好きだといっていたアノキャラだしてみました。
    私は彼の方が好きです。
    でもどんな喋り方をしていたのか忘れました。
    ダンディ-なのは希望ですwwww


    よろしければお納めくださいませ?
    細かい事は気にしてはいけないんだよ~w



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    むぅみん&狼陛下こらぼ 3

    その日、白陽国の国王夫妻は夏も訪れた北部の離宮へと滞在していた。そこは夏場は避暑地となるだけあって、反対に冬場は多くの雪に閉ざされる地だ。今年の積雪は少ないと言う予報をうけて、雪深くなる前にと訪れていた。その地に湧く豊富な温泉を楽しもうという予定だった。

    「おいしいねえ~夕鈴の作ってくれたお饅頭」

    国王である黎翔は『冷酷非情の狼陛下』とよばれる二つ名を、どこかに置き忘れたかのような満面の笑顔だった。
    「この離宮には源泉が湧いているので、その蒸気で蒸しあげてみたんですよ」
    笑顔の黎翔の隣で、そう説明をしていたのは唯一の妃(仮)である夕鈴だ。
    「この離宮の女官さんにお聞きした調理法なんです。地元の方は普段からそうやって温泉をお料理に利用しているそうですよ。温泉は普通のお水と違って栄養があるそうですから」
    「へえ~そうなんだ~」

    正直黎翔にとって大事なのは『夕鈴の手作り』だということで、作り方にはあまり興味がなかった。
    それでも一生懸命温泉の効能を説明しているお嫁さん(あくまで、仮)が可愛いなあと思いながら、相槌を返す。

    二人がいるのは、奥庭に面した四阿だった。
    侍女も口うるさい側近も下げている。そんな二人っきりの時間を、夕鈴の手造りおやつを食べながらゆっくり楽しめそうだと、黎翔は至極ご機嫌である。
    ほかほかと湯気をあげる饅頭を頬張りながら、黎翔は隣の夕鈴へと話しかけた。
    「ねえ、夕鈴明日は裏の山の方へ散策に行こうか?渡り鳥がやってきて・・・夕鈴?」

    さっきまで自分に向けられていた夕鈴の視線がある一点に注がれていることに気付いて、黎翔は眉をひそめた。
    「夕鈴?どうかした?」
    「・・・・陛下・・・」
    「どうしたの?」
    再度問いかけた黎翔ではなく、いまだに前をむいたままゆっくりと夕鈴がそちらを指差した。
    「・・・あれ・・・何でしょう?」

    その指差す方向には生け垣がひろがっている。さすがに真冬なので花が生い茂っているということはなかったが、綺麗に整備された国王が滞在するのにふさわしい景観が広がっていた。

    「―――?」

    木々の緑色の間に、白い物が見えた。
    先端が丸くそれ程大きいものではない。そして、それは一つではなかった。遠目にも同じような物体が5,6つ並んでいるのがわかる。

    何だ?あれは・・・

    思わず黎翔も目を見開いてしまった。

    なぜなら、それは少しずつではあるが動いていたからだ。風に揺れているわけではなく、行進しているかのように行儀よく、同じリズムで移動している。

    「・・・あれ・・何なんでしょう?近付いてきますよね」
    「動物ではないと思うが・・」
    さりげなく夕鈴を背に庇いながら、二人でその動きをみつめていた。
    白い物体達は少しずつではあるが、四阿の方へ向かっているようだった。害があるのか、それ以前に正体もわからない存在に、思わず黎翔はいつでも抜刀できるようにと腰へと手を伸ばす。

    ようやく白い物体が二人の側へ近付き生け垣の間から姿を現せた時、再び二人の目は見開かれる事になった。

    白い物体の大きさはそれ程大きくはなかった。おそらく黎翔の膝までの高さもなかっただろう。細長く先端が丸く、なぜか途中に触手のようないくつかの小さな突起がある。
    なにより・・・・その物体には目があった。丸く大きな目がキョロキョロとあたりを見渡しているかのように動いているのだ。

    黎翔の頭の中は疑問で一杯だった。動物にも植物にもみえない。わけのわからないその物体を警戒しながら、背に庇った夕鈴をどうやって離宮の建物の中へ逃がそうかと算段していた。
    「・・夕鈴、僕が合図したら――」
    「・・かっ・・」
    「え?」
    「可愛い!!」
    「ええ?」
    突然叫んだ夕鈴に、黎翔は驚きの声をあげた。

    「可愛いですね、陛下!あれ、何なんでしょう?」
    自分の背中から飛び出すようにして身をのりだした夕鈴にそう尋ねられて、黎翔の頭の中は少し混乱していた。

    え?可愛いのか?あれが?だって変な突起があるし、口はないし・・・不気味としか思えない・・・・

    内心そう疑問符が浮かんでいても、隣で嬉しそうに白い物体をながめている夕鈴に正直に問いかけることもできなくて、黎翔の表情は複雑な物になった。

    「触っても大丈夫でしょうか?もう少し側で見て・・」
    「駄目だよ、夕鈴。安全かどうかまだわからないし」
    「害はないと思いますよ」
    「え?何でわかるの?」
    「カンです」
    「ええ?」
    「ちょっと触って来てみますね」
    「ちょ、夕―――」

    一歩前にでた夕鈴が、その物体の方へ近づこうとするのを慌てて黎翔が押しとどめようとした。

    「―――触ってはいけない!」

    それ程大きくはないけれど、はっきりとした声が辺りに響いた。

    「触ってはいけない。ニョロニョロは電気を帯びているから、触ると感電する恐れがある」

    声の主が白い物体が現われたのと別な生け垣から姿を見せた。
    最初に見えたのは羽のついた緑色のとがった帽子。その唾から覗く大きな目が印象的だった。それより、なによりその小柄さに驚く。張老師も小柄だが、それよりも更に小柄ではないだろうか。幼児のような身長だ。

    「・・・何者だ?どうやってここまで入りこんだ」
    「申し訳ない。そのニョロニョロを見かけて追いかけているうちにこちらへ迷いこんでしまったようで・・ただの旅人です。すぐにお暇します」
    黎翔の問いかけにきちんと腰を折って礼を取ったあと、顔をあげた相手の視線が黎翔の背後にいた夕鈴へと止まる。
    「・・・貴女は・・・」
    「え?」
    「・・ひょっとして、以前ムーミンを助けて下さったお妃様ではありませんか?」
    「・・・むーみん・・え?あの『むーみん』さんの事ですか?」

    以前この離宮に訪れた際、夕鈴が助けた不思議な生き物。それが「ムーミン」だった。
    意外な名前が出てきて夕鈴だけでなく、黎翔も驚いた顔になる。
    「ええ。私は彼の友人でスナフキンと申します。あの時、私も船に同乗していたのです」

    スナフキンが、にっこりと笑って頷いた。

    「その節はお世話になりました。大切な友人を助けて下さって感謝しております」
    「いえ・・あ、むーみんさん達はお元気ですか?」
    「彼たちは、今冬眠中です」
    「え?とう・・みん?」
    「彼らは春まで冬眠するのです。だからその間僕はこうして孤独になる旅をしています。その途中でニョロニョロをみかけて・・・」
    「そうだったんですか・・・この・・にょろにょろさん・・不思議な形をしてますね」
    すっかりスナフキンへの警戒を解いた夕鈴は、ニョロニョロが気になるようだった。
    すると、なぜかニョロニョロたちもすこしずつ夕鈴達へと近付いてくる。
    まるで手を伸ばすかのように、触手を揺らしながら近付いてくるニョロニョロに、思わず夕鈴が手を伸ばしてしまった。
    「夕――」
    「いけない!」
    黎翔が止めるより早く、スナフキンの小さな手が夕鈴の手を押さえ込んだ。
    「先程も言いましたが、ニョロニョロ達は電気を帯びているので、触れると感電します。迂闊に触ってはいけません。このお美しい手が大変な事になります」
    「え?あ・・は、はい。ごめんなさい・・・」

    真摯な眼差しでそう告げられて、思わず夕鈴の頬が赤くなった。それをみて、黎翔の眉間に皺がよる。そのまま、さりげなく夕鈴の肩を掴んで自分の方へと引き寄せた。
    「・・・それ程危険なものを、このままここに存在させるわけにはいかないな。駆除しても構わぬか」
    「陛下!そんな、駆除だなんて」
    「御心配はいりません。彼らは己達で移動します。彼らのエネルギー源である電気を求めているだけなのです。ほら・・移動を始めました」

    スナフキンの言うとおり、ニョロニョロたちは再びその小さな体を揺らしながら四阿から離れて行った。
    それを見送ってからスナフキンは黎翔達へと向き直る。
    「私もこれで失礼します。国王陛下、そしてお妃様、お邪魔いたしました」
    「え?もう行かれるのですか?」
    「ええ。僕も旅の途中なので・・春にはまたムーミン谷へ戻らなくてはいけませんし」
    「そうなんですか・・・あ!よろしければこれを持って行かれませんか?」

    そう言って夕鈴が差し出したのは、四阿の机に置かれていた饅頭だった。
    「え?夕鈴?それ・・」
    「私が作ったものなんですけど。旅はお腹がすくでしょう?」
    「よろしいのですか?」
    「もちろん!いいですよね?陛下」
    「・・・・ああ・・・」

    正直、夕鈴の手造り饅頭を得体のしれない、しかも夕鈴の手に触れたような相手にあげるのは嫌で仕方なかったが、花嫁(やっぱり仮)の笑顔に白旗をあげた黎翔はしぶしぶながら頷いた。


    お礼を言って去っていくスナフキンを見送ってから、夕鈴が不思議そうに呟いた。
    「そう言えば・・・どうしてすなふきんさん、私たちのことがわかったんでしょう?むーみんさん達にしか会っていないのに」
    「話を聞いていたんじゃないの?夕鈴、僕のこと『陛下』って呼んだし」
    「でも、呼ぶ前から私のことをわかっていたみたいでしたよ?」

    まだ腑に落ちない風の夕鈴と見つめ合いながら、黎翔はふと思い出した。
    「ああ!そう言えばあの『ムーミン』が、夕鈴は自分の友達に似てるって言ってたよね。だからじゃないかな?」
    「・・・・・・」
    「あ、あれ・・?夕鈴どう、したの?」

    いきなり黙り込んでしまったお嫁さん(仮)の纏う空気が、先程の自分以上に冷たいものになった事に、黎翔は焦った。

    「・・・ゆ・・ゆ~りん?」
    「・・・・むーみんさんに・・似てる・・」
    「え?え?ゆーりん?」

    「~~~へ、陛下のばかああああああ」


    離宮にそびえたつ山々へ、狼陛下唯一のご寵妃の叫び声が響き渡った

    2014.01.26. 瑞希さんへ

    見ましたの印

    【写真館】宮城県白石市  さくらぱん撮影
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    【詩文】「二人の世界」

    息凍る
    真冬の夜

    貴方の求めに
    私は応える

    私のぬくもりを
    貴方に分け与えた。

    外は深々と降る
    雪景色

    漆黒の闇に
    白く輝く
    純白の雪が
    静かに舞い踊る。

    耳を澄ませても
    何も聞こえない。

    ただ…隣 で眠る
    穏やかな貴方の寝息。

    幸せな無音の世界に、
    愛する人の存在が際立つ。

    雪の降る
    こんな夜は、
    無音の世界に
    二人溶けそう。

    世界中で
    愛する貴方と私だけ
    そんな錯覚をしてしまう。

    帳(とばり)の中の小さな世界。

    幸せな静寂の夜に
    私は酔いしれる。

    「愛してる」と囁けば…
    「愛してる」と応えてくれる幸せ。

    その存在への
    溢れる愛おしさ。

    満たされた想いは、貴方故に……
    「愛してる」と
    キュッとこの腕で抱きしめた。

    静かな夜
    帳の中の恋人たち

    凍える夜も
    二人一緒なら幸せ。

    【日記】寒い!

    今朝は、-7℃でした。
    寒い!

    だけど、昨夜の星空はきれいでしたし。
    蔵王は冠雪が輝いて綺麗でした。

    …そして寒さを忘れて、撮影した結果。

    見事に風邪ひきさんです。

    お布団にいますが、背中ザワザワ…ゾクゾクっ…サワサワ……

    昼は、吐き気もありましたし、胃が調子悪。

    インフルエンザじゃないよね~

    大人しく寝て直します。

    昨夜からの写真は後日upします


    さくらぱん

    寒っ!(∋_∈)

    【イラスト】 線画 「甘い耳打ち」 黎&夕

    momo苺イラスト


    時間が分断して迷いつつ…
    全てに集中して描けない・書けないことに苛立ちを募らせています。

    ……困ったなぁ。
    やらなきゃならないことが、たくさんあるのに。


    こちらも某ブロ友さんへの贈答品。
    いいかげん仕上げて納品しないとな。

    お好きな方だけどうぞ。 続きを読む

    【写真館】星空の誘い

    何度目なのだろう。
    今年最初の星の写真チャレンジ。

    いつか見せたいと約束した白友さんへ
    肉眼は、もっと満天の星空なんですよ。
    実際に、直接見てほしい。

    2014.01.22.19:00東の空40度ぐらい。
    オリオン座近辺。
    偶然の産物写真。
    写ればいいやで撮ってますので、実際に星座のどの辺りかは不明。
    でもオリオン座ぐらいは、分かるよ←笑


    DSCN0031-25.jpgDSCN0031-25.jpg

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    【イラスト】 線画 「表裏一体」 黎翔

    momo苺イラスト

    小犬陛下と狼陛下の対
    小犬失敗したかも……



    お好きな方だけ、続きからどぞ。
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    2014.01.22. らっこさんへ

    祝!! 41000hit  ゲストの皆様、ありがとうございます  に、拍手コメントありがとうございました


    【イラスト】momo苺 柊かなめさん用贈答品 鉛筆下書き付き


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    【写真館】川岸の渡り鳥たち


    CA3J0006 (2)-1
    ※右側の白いガードレールの道を朝、夕、送迎で走っています。



    CA3J0003-25.jpg
    ※見えますか?たくさんの野鳥達が…



    CA3J0003-00.jpg 
    ※寝てるのかな? 丸くて可愛いです。

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    FC2 検索フォームのサイズ変更の話

    検索フォーム
    プラグインの長さ(サイズ)改造

    サイドバーにすっきりと収まらない為、諦めていたプラグインです。
    大きさを変更する事が出来てサイドバーにすっきりと収まりました。

    タグ変更の仕方は下記に。
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    2014.01.21. 麻杉 慎さんへ 

    .【短編】大人風味「御代の春ーみよのはるー」に、コメントありがとうございました。



    【写真館】虹 さくらぱん撮影



      
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    【短編】大人風味「御代の春ーみよのはるー」 ※慎さんのイラスト付き

    慎さんの素敵絵からの妄想。
    書くって約束してましたが、当初と違って色多し。何故?



    宮中行事
    祝賀の宴
    夫婦設定
    やりたい放題の陛下。
    翻弄されちゃってる夕鈴。
    口付け止まり。
    御代の春ーみよのはるー 1月の季語 


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