花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    2013年12月 の記事一覧

    祝!! 39000hit  ゲストの皆様、ありがとうございます

    いつもご愛読・ご訪問ありがとうございます。
    たった今、39000人目のゲスト様を無事お迎えすることが出来ました。
    本当にありがとうございます。

    まさか、大晦日に39000hitを達成するとは思いもしませんでした。
    最後の最後に皆様からのサプライズプレゼントをありがとうございます。

    ほんとに皆様に助けられ、励まされた一年でした。
    険しい山あり大河あり・・・崖っぷちあり。

    ありがとうございました。

    来年も楽しい作品をお届けできるように頑張りたいと思います。


    さくらぱん



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    【年末のご挨拶】今年も大変お世話になりました

    皆様
    こんにちは
    さくらぱんです



    「花の四阿」での年越しも2年目となりました。
    今年は、たくさんの皆様に「花の四阿」に遊びに来ていただけて嬉しかったです。
    こちらで初めてお会いした皆様。遊んでいただいた皆様。
    あちらでもこちらでもお世話になった皆様。
    ありがとうございました。
    あと数時間となりましたが・・・来年も宜しくお願い致します。

    さくらぱん

    DSCN0903-1.jpg


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    イラストは、先ほど高月慧ネンさんに贈った【Creuzシリーズ】の二人です。
    金色のイルミネーションの下で。
    1月11日に「兎と狼のラビリンス」一周年になるそうです。
    黎翔・芸能人っぽくを目指しました。
    夕鈴は高校生らしく。

    高月慧ネンさん、一周年おめでとうございます。

    SNSのプロフ絵としても使わせていただいてます。
    間繋ぎ・・・
    プロフ絵を描かなきゃな。

    色鉛筆じゃ映えない。サメザメ・・・・限界です。

    【SNS年末のご挨拶】今年も大変お世話になりました


    こんにちは
    さくらぱんです。

    とうとう今年もあと半日ですね。
    ガソリンスタンドで、洗車中。
    してもらってるので、待っている状態。

    クリスマスから、ずっとガラゲー入国だったので、先ほどPC入国してビックリしました。
    模様替えしてた。
    違うSNSに、来たのかと思いました。
    可愛い。



    「月晶の雫ー神事編ー」のイメージイラストです。

    DSCN0908-1.jpg 

    「月晶の雫ー祭り編ー」を書かなきゃ書けない。
    早く書きたいな。
    イメージボケる。

    でも、別コミュのシナリオ優先中なのでしばらく放置です。
    お待ちいただいている方、すみません。

    書けば書くほど、深みに嵌る。
    才能なくて、凹みます。



    あと30分で、お泊まり親戚御一行様が到着します。
    親戚は、イインです。
    家族だし…

    問題は、二人ほど店のお客を連れてくること。
    親戚は、横浜で、焼き鳥店経営してます。
    まったくの他人です。
    知らない人たち。
    「田舎の正月を体験」って・・・訳わかんない。。。
    長休みのたびに、あおさんに代理で怒ってもらいましたけど。
    毎回のことなので、諦めた。
    我が家の特殊事情。

    まったく関係ないよその家に来て、寛げるのでしょうか?
    疑問です。
    私は、年末年始は、部屋に引き篭もる予定。
    だって、何を話せばいいの?




    今年は、連れが夜勤当番なので、12人分の年越しそばを用意。
    魚も12切れ
    (地方によって魚はまったく違うみたいですね。
    うちは宮城のなめたガレイが嫌いなので、魚屋でぶ厚く切った銀タラです。
    スーパーの三倍厚い…。
    煮るのも大なべ。
    昨日は、こしあん作った。
    大なべが足りない。)

    この辺りは、おせちを作らない代わりに、年越しがご馳走になります。
    今年は何にしよう。

    年越し蕎麦は23時頃みんな食べるので、こんなに作っても仕方ないと思うのだけど
    年に一度のことだから。長男の嫁は、フル稼働です。

    テーブルに乗り切れない。テーブルに全員座れない。
    時間差です。
    そして、お年玉は子供達に今日渡す。

    来年は、午年ということで地元の不動尊神社が駒がつくので、年神様みたいです。
    近くて助かる…
    子供たちは、除夜の鐘をつくと今から騒いでます。

    雪降らない分、凄く寒いです。
    星は綺麗。
    修験場とか霊場ってなんであんなに寒いのでしょう?
    寒さが堪えます。

    宮城にある日本三大稲荷神社も、駒がつくので、今年は…例年以上に混むと思う(>_<)
    親戚御一行が、行きたいといわなきゃイイなと、戦々恐々としてます。
    (毎年、神社のハシゴ。出店の数が違う。出店目当て。)

    今年は、たくさん皆様にお世話になりました。
    助言、アドバイスしていただいた皆様。
    遊んでいただいた皆様。
    そして更新少ない我が家にお越しくださった皆様。
    感謝してもし足りないです。

    皆様、良い年末年始をお過ごしください。
    来年も宜しくお願い致します。

    さくらぱん

    2013年12月のご訪問御礼

    ご訪問の御礼をこちらにて、お返ししたいと思います


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    【宝物殿】2013年度11、12月の頂き物

       皆様から頂いた素敵なプレゼント・自慢しちゃいます!!!
    続きを読む

    【詩文】「冬鳥」※狼陛下関係なし

    吹き荒ぶ
    木枯らしに逆らう
    冬鳥

    灰色の空に
    青灰色の翼を広げ
    風に逆らう

    風に任せて
    飛べば
    楽だろうに……

    風上を目指し
    頭(こうべ)をあげる

    進まず…
    後退せず…
    ただ空にある

    強い風に
    風切り羽根を
    散らせても

    その嘴(くちばし)を凍らせても

    進むことを
    諦めない…

    空にある

    影駈ける
    北の冬鳥 続きを読む

    【日記】「祭りも終わり慌ただしく…」

    こんにちは
    皆様、いつもご愛読・拍手・コメントをありがとうございます。
    さくらぱんです。

    クリスマス企画も終わり、比較的、余裕のはずでしたが…

    何かと子供達が冬休みで、振り回されています。

    なかなかブログも整理できずにおりました。
    コメントも、やっとお返しできました。

    あとは、おりざさんの宿題を返したい。
    それと、今年中に某絵師様と約束した浩大を仕上げて納品したい…ペン入れまだです←

    アレもコレも…書きたいものが半端。

    今は、ガラケー中心で、日記を書いています。

    ようやく今日、時間を見つけて、PCで最新更新やクリスマス企画の再リンク、最新の頂き物のページを直しました。

    分館も、ほんの少し…
    なかなか時間がとれませんね。

    あと少しで今年も終わります。

    シナリオや月晶など…
    来年へ持ち越しの宿題の多さにため息つきつつ…

    特にシナリオは、のたうち回ってます←難しい~

    リアの多忙さの合間に、今年は、もう少し更新したいなと思っています。

    もう少しお付き合い下さいね

    さくらぱん


    ガラケーなので、改行が、変だと思います。

    ごめんなさい。

    後ほど直します。

    麻杉慎さんからの誕プレ【短編】「秘密の花園―クレマチスの花影で―」  

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    【イラスト館】「SNS40000hit御礼・サンタ夕鈴」


    デリバリー・サンタのイメージイラスト

    なんか、どっか変だよなと思いつつ・・・・色塗り完了してから気付いた。

    うわぁぁぁっっ・・・・恥ずかしいっ!!!

    ありえない構図。すみません。

    伏せ耳。


    さらりと雰囲気だけ見てください。


    DSCN0886-25.jpg



    DSCN0888-25.jpg

    続きを読む

    【詩文】「冬景色」※狼陛下関係なし

    泣きたいくらい
    綺麗な青い空。

    遠くの白い稜線は
    空に溶けて…

    私の心を、震わせる。
    厳しく寒い冬景色。

    そこにあって
    揺るがないもの。

    冷たい空気が、
    私に微笑む。

    とても寒い綺麗な朝。
    冬景色に心奪われ
    立ち竦む。

    遠くの神々しい
    山並みに
    想いを馳せた。

    絶え間ない、熱い想い。

    なんだか涙が零れた。

    私は、進めているのだろうか?
    少しでも、未来に近づいているのだろうか?

    埋まらない距離。
    遠い遠いこの距離は、まったく近づいている気がしない。

    この手は何も掴めていない…

    終わりたい…
    終わりたくない…

    すべてを包む空でありたい
    時を流れる雲でありたい
    儚く綺麗な雪でありたい
    揺るがない強い意志あの山になりたい。

    あなたの心にあり続けたい
    あなたの側にいたい…

    肌を刺す冷たい空気に、温かいはずの息が白い。

    遠くで光る白い稜線を見ながら

    また、決意を新たにする

    さぁ、頑張ろうか。

    サクサク…と
    まだ、足跡のない雪を踏みしめて…。

    私の未来に、一歩近づく為に。

    【詩文】現代パラレル「微熱の口付け」

    静かに降る
    粉雪が
    聖夜を彩る
    白い夜

    あなたの肩越しに
    はるか彼方に続く
    金色のイルミネーションを見る

    訪れる人々は
    天を見上げ
    片隅みの恋人達に
    見向きもしない。

    ポストカードのような
    止まった時間

    眩しい光に
    目を細める

    夜空に光輝く
    輝く地上の星を背に
    あなたの瞳が見つめる

    「君が寒そうだから…」

    そんな言い訳が自然な夜

    抱き寄せられて
    キュッと…
    抱き締められた。

    聖夜の恋人達は
    寒さ知らず

    粉雪に繰り返す
    微熱の口付けは

    粉雪さえも
    溶かす

    冷めない恋の口付けだから…

    そあらさんからの誕プレ 

    心温まるメッセージとエピソードを
    Fullむんっ さん

    Fullむんっ さんの娘さん
    そあらさんから頂きました。

    私の誕プレとして
    急遽描いてくれたそうです。
    ありがとうございます。


    securedownload-22.jpg


    >デジタル初心者
    とのことですが…アナログonlyのわたしにとって
    先輩ですね←笑

    素敵なクリスマスの夜をお過ごしください。



    【日記】「ありがとうございました!」

    おはようございます。
    さくらぱんです。

    【お礼とお知らせ】


    一昨日の「花の四阿」の一周年記念と、昨日の「クリスマス特別企画・メルティkiss大作戦」に遊びに来てくれたゲストの皆様ありがとうございました。
    そして、「花の四阿」の一周年記念と私の誕生日をお祝いしてくれて、ありがとうございました。

    おかげさまで、たくさんの拍手とコメントを頂きました。
    ありがとうございます。
    即日ですべて御返しできなくてごめんなさい。
    現在、頂いた拍手コメントに返信できなくなっています。

    :現在、FC2の拍手の緊急メンテナンス中です。
    携帯でログインすると、どの管理ブログも
    漢字と記号の同じ羅列となっています。

    拍手コメントが消えていないかととても心配しています。
    瀬津音さん、各絵師さんに頂いた拍手コメントは、
    ご本人さんに必ずお渡しいたします。
    心配ですが、拍手コメントいただいた方には、
    必ずお返事しますのでお待ちください。






    さくらぱん

    2013年
    12月25日
    07:12


    SNSで日記を書いていた間に直っていました。
    一安心。
    コメントも無事でした。
    今朝は、ビックリしました。
    こんなサプライズは、要らないです。

    2013年
    12月25日
    07:15





    【日記】「今朝起きたら……」

    ガラケーでログインしたら、全部バグっていた。
    意味不明の漢字と記号の羅列
    PCで入ったら、メンテナンス中。
    頂いた拍手コメント等無事だといいんですけど・・・・
    ちょっと心配です。

    はっちさんからの誕プレ・初コラボ品

    こーんにーちわー!
    クリスマスサンタ夕鈴小犬Ver.
    をお届けします!

    さくらぱんさんとの初コラボ作品です。

    ではどぞー!

    【現パロ】【夕鈴×黎翔】

    「あ、そろそろ黎翔さん帰ってくる時間だ!
     急がなくっちゃ!」

    今日はクリスマスイヴ。
    黎翔さんの大学は今日まで講義があるらしくて
    彼はまだ帰ってきていない。

    私は先週の金曜日が終業式だったから既に冬休み。
    黎翔さんと相談して私が先に黎翔さんが
    一人暮らしをしてる部屋に行って準備をしておいて
    今晩2人っきりでクリスマスパーティをする事になった。

    それにしても…はぁ……
    気が重いなぁ。
    あんな格好して黎翔さんに呆れられないかしら。
    明玉に押し付けられちゃったけど…

    …よ、よし!
    女は度胸よ!
    は、恥ずかしいけど頑張ってみよう!

    ーーーーーーーーーー

    ガチャッ

    「ゆーりん、ただいまー!」

    「黎翔さん!おかえりなさい!」

    「わー!すっごい美味しそう!」

    黎翔さんがコートを脱ぎながらリビングに入って来た。

    リビングに入った黎翔の目に飛び込んだのは
    テーブルいっぱいに並ぶクリスマス料理の数々。
    ローストビーフにローストチキン、
    色とりどりのサラダに湯気を立てるコーンスープ。

    テーブルに溢れんばかりにのったそれらは
    お腹を空かせて帰って来た黎翔の食欲を唆るに十分だった。

    ぐぅぅ〜。
    案の定黎翔のお腹が鳴った。

    「お、お腹すいちゃった。」

    顔をほんのり赤く染めて照れ臭そうに
    黎翔が笑う。

    「手を洗ってきて下さい。
     すぐに食べましょう!」

    「はぁい!」

    クスクスと笑いながら夕鈴が黎翔を促した。

    ーーーーーーー

    「あー、美味しかった!
     やっぱり夕鈴は料理上手だね」

    「お粗末様でした。
     良かった。食べきれないかもって思ってたの」

    嬉しそうに笑いながら夕鈴が言う。

    「あの、ケーキも焼いたんですけど
     食べれますか?」

    「んー、ちょっと時間置いたら
     食べられると思う。
     今はちょっとキツイかも…」

    おずおずと聞いた夕鈴に黎翔が困り顔で答えた。

    「そう、ですよね。
     それじゃあもう少し後にしましょう!」

    「ねぇ夕鈴、プレゼント交換しよ?」

    黎翔がフォローするように話題を変えた。

    「はい!
     あ…
     あ、あの、ちょっと洗面所お借りしてもいいですか?」

    「??
     うん、いいけど?」

    不思議そうに黎翔がそう返す。
    夕鈴はどこか挙動不審だ。

    「じ、じゃあお借りしますね。
     ちょっと待ってて下さい」

    そう言い残して夕鈴は洗面所へ消えた。

    黎翔が待つことしばし…
    夕鈴がリビングの扉に隠れながらヒョコっと顔を出した。
    その頭にはサンタ帽がのっている。

    「あの、お待たせしました」

    恥ずかしいそうに小声で声を掛けてくる。

    「夕鈴、そんなとこに隠れてないで
     出ておいでよ。サンタ帽、可愛いね」

    微笑んで黎翔が呼び掛けるともじもじしながら
    胸元にプレゼントを抱き締めた夕鈴が出て来た。

    その格好は肩が出たワンピース型のサンタ服。

    思わず見とれ、固まった黎翔。
    夕鈴も恥ずかしげに俯いてそれ以上は寄って来ない。

    はっ、とした黎翔が素早く立ち上がり
    足早に夕鈴に近づくとギュッと抱き締めた。
     


    DSCN0891-25.jpg 
    (2013.12.23.挿絵☆さくらぱん)


    「夕鈴、すっごく可愛い。
     そんな格好して僕を誘惑してるの?」

    黎翔は抱き締めたまま夕鈴の耳元に囁いた。

    「ち、違います。
     明玉がせっかくのクリスマスだからって
     押し付けてきたんです」

    そう消え入りそうな声で返す夕鈴。
    余程恥ずかしいのかその肌はほんのり赤く染まっている。

    「でもホント食べちゃいたいくらい
     綺麗で可愛いサンタさんだね」

    「も、もう!やめて下さい!
     はい!これプレゼントです!」

    恥ずかしさの限界に達したのか
    夕鈴は黎翔の腕の中で身をよじり、
    その手に持っていたプレゼントを
    黎翔の胸に押し付ける。

    「あ、ありがとう!」

    そう言って受け取る時に緩んだ黎翔の腕から
    夕鈴はするりと抜けだした。

    苦笑しつつも初心で恥ずかしがり屋な
    可愛い年下の恋人の事を考えて
    黎翔はそのまま逃がしてあげる事にした。

    「わー、なにかな?」

    真っ赤なまま俯く夕鈴を気遣って
    わざとはしゃいだ声で楽しそうに包みを開けると
    出て来たのは暖かそうなマフラーと手袋。

    「これ、夕鈴が編んでくれたの?」

    「はい。
     売り物みたいにちゃんとしてないので
     少し恥ずかしいんですが…」

    「そんな事ないよ!
     凄く上手だね!それにすっごく暖かいよ!
     ありがとう!夕鈴!」

    その場で身に付ける黎翔の様子に夕鈴の気も緩んだようで
    クスクスと笑いながら話しかけてきた。

    「室内でしたら暖かいに決まってますよ」

    「それもそうだね」

    そう言って2人で顔を見合わせてひとしきり笑った。

    「じゃあ今度は僕の番!
     夕鈴」

    「は、はい!」

    はしゃいでにこにこしていた黎翔が
    急に表情を引き締めるとすっ、と近付いて
    夕鈴の前に跪いた。

    「れ、黎翔さん!?」

    驚いた夕鈴は狼狽えたが
    黎翔の真剣な瞳に見詰められて動きを止めた。

    「夕鈴、いつか僕と結婚してほしい」

    そう言って夕鈴の左手を取ると
    薬指にそっとピンクゴールドの指輪が嵌められた。

    夕鈴の指にピッタリなその指輪。

    「こ、これ…」

    「エンゲージリングとは言えないような安物だけど
     永遠に君を愛し続けると誓うよ。
     虫除けに付けてて?」

    最後はちょっぴり笑いながら黎翔が伝えると
    感極まった夕鈴はポロポロと涙を零しながら
    何度も何度もコクコクと頷いた。

    「あーもう、そんなに泣かないでよ」

    そう言いながら立ち上がった黎翔が夕鈴を抱き寄せると
    2人はギュッと抱きあった。

    「だ、だって、嬉しくて…」

    「夕鈴…
     この世の誰よりも君を愛してる」

    「わ、私も黎翔さんの事、愛してます」

    顔を上げてそう告げた夕鈴。

    2人はこのまま惹かれ合うようにそっとキスをした。

    2つの影は寄り添い、そっと重なったのだった。


    Fin


    ケーキ、食べてくれなかった(笑)
    時間があればオマケで書きます。



    2013年
    12月24日
    14:22 続きを読む

    高月慧ネンさんからの誕プレ【Creuzシリーズ】

    SNSで、ご交流いただいています。
    高月慧ネンさんから頂いた誕生日プレゼント!!!

    【Creuzシリーズ】
    甘い二人をありがとうございます。                 2013.12.24.さくらぱん




    【黎翔×夕鈴】【Creuzシリーズ】【ラストちょこっと大人表現?】

    冬の夕暮れは早い。
    授業を終え学校を出た夕鈴は、バイトに行くため、すでに暗くなり始めている道を駅に向かう。
    電車に揺られ最寄駅に着くと、学生やサラリーマン、OLで溢れ返っている改札を抜ける。

    駅を出て歩き始めた彼女が足を止めたのは、知っている声が耳に届いたからだった。
    目の前の駅ビルに設置されている、大型のテレビ。
    ちょうど流れていたのは、王手菓子メーカーの新商品のCMだ。

    とても端正な顔立ちの俳優が、商品の箱を片手に持ち、画面の前(つまりは視聴者)に向かって囁き掛ける。

    『寒い冬』

    『溶けるほどの 口付けを君に』

    『melt♥kiss』

    チョコレートを一粒口に銜えた彼は、妖艶な笑みを湛えた。
    しかも、チュッと言うリップ音付き。

    「キャー!!」
    「いや~ん、カッコいい~~っ!!」

    同じようにテレビを見上げていた年齢を問わずの女性達から、悲鳴のような声が上がる。

    「Reiみたいな彼氏が欲しい~。」
    「…それ、高望み過ぎない?」
    「えー?でも、Reiって確か彼女いるよね?」
    「その女が羨ましい~!」

    高校生くらいの数人の女の子達の会話に、夕鈴は思わず肩を竦め、身を小さくする。

    「Reiって、滅茶苦茶情熱的っぽいと思わない?」
    「彼にキスされたら、文字通り溶けて腰砕けそう。」

    俯く夕鈴の顔が、ますます真っ赤に染まった。

    大型テレビはもう別のCMが流れている。
    先程チョコレートのCMに出ていた、彼女達が話している俳優Reiは、実は夕鈴の恋人だった。

    彼はとても情熱的で、口付けは甘く優しく、彼女達が言っているように、夕鈴はいつもとろとろになってしまう。
    真実を知っているわけではないのに言い当てられ、居た堪れなくなった夕鈴は、火照った顔をマフラーに埋めるようにして、とぼとぼと歩き始めた。

    21時過ぎ、バイトを終えて外に出ると雪が降っていた。
    今夜は客が少なかったので、途中から裏で在庫整理や掃除をしていて外の事が分からなかった。
    いつから降っていたのか、道の隅や植木にはうっすらと積もっている。

    そう言えば今夜は冷えると朝の天気予報で言っていたなあと思う。
    手袋をしていても寒くて悴む手を擦り合わせて、夕鈴は歩き始めた。
    するとすぐに夕鈴の横に、一台の車が停車した。
    驚いて足を止めると窓が降り、運転席にいる男がにこりと笑う。

    「お疲れ様、夕鈴。」

    どんな変装していても、普段絶対にテレビでは見せない表情をしているとしても、彼の放つ一般人ではないオーラは隠しようがない。

    黒縁眼鏡の奥で光る紅い瞳。
    全ての人を魅了する、容姿端麗な男。
    そこにいるのは、紛うことなき芸能人Reiだ。

    夕鈴はキョロキョロと辺りを見渡し、道行く人々が自分達を見ていないか確認して、急いで車に乗り込んだ。

    Reiこと珀黎翔は、運転をしながら楽しそうに夕鈴に話し掛ける。
    「今日はね…」と自分自身の事を話したり、「夕鈴は今日何か良い事あった?」と、興味津々に問い掛けて来たり。
    多忙で、年下の可愛い恋人となかなか一緒にいられない彼は、二人で会える時間をとても大事にしていた。

    黎翔は明日も朝早くから仕事で、夕鈴も学校がある為、今夜は真っ直ぐに彼女の自宅に送って行く事にする。
    名残惜しいが、仕方が無い。

    「あ、そうだ夕鈴、これ。」

    信号待ちの時、彼が渡してきたのは先程見たCMで彼が食べていたチョコレート。

    「業者さんに頂いたんだけどね、すっごく甘くて美味しいよ。僕のオススメ。」

    一粒食べてみると、さすが黎翔が勧めてくるだけある。
    生チョコが、スウッと口の中で溶けていく。

    溶けるような、彼の口付けと同じ。
    その感触を思い出して、夕鈴は一人頬を染めた。

    黎翔が夕鈴を自宅に送る時、いつも車を停める公園の傍。
    別れの前に、二人は熱い口付けを交わす。

    夕鈴としては恥ずかしくて、いつ誰に見られるかもわからない場所でこんな事をするのはためらいがあるが、黎翔は必ず抱擁と口付けを贈る。

    ただ触れるだけでは足りなくて、ちょんちょんと彼女の唇を舌で突く。
    躊躇いがちに開かれた唇の間から舌を挿し入れると、少しだけ夕鈴の身体が強張った。
    慰めるように頭を撫でながら、一通り咥内を味わって離す。

    「はぁ…。」

    とろんとした夕鈴から、甘い吐息が漏れる。

    「…夕鈴の中、とっても甘い。」
    「っ!…チョコ食べたからです…!」
    「ううん。」

    顔を真っ赤にして弁解する彼女に、黎翔はふふっと笑う。

    「…媚薬のように甘くて、溶けそうになる。僕を魅了する、夕鈴の味だよ。」

    また口付けて、舌を絡め合い、深い口付けを交わす。


    大粒のぼたん雪が、ふわふわと舞い降りてくる。
    溶ける事なく積もっていく雪は、明日の朝まで降り続けるだろう。

    夕鈴の甘い声と、水音だけが車内に響く。

    外は闇
    舞い降る雪


    黎翔と夕鈴は
    二人だけの世界で

    甘い口付けに、溶けた。


    END

    【御礼】花の四阿「一周年御礼」

    たくさんの皆様に、「花の四阿」一周年38000hitキリ番・「SNS」40000hit大キリ番・誕生日等のメッセ・メール・メッセージ・コメント・プレゼント等、お祝いを頂きました。
    皆様、ありがとうございます。

    いただいた皆様へ、返信の最中ですが…遅れています。
    すいません。
    必ずお返ししますからお待ちくださいね!

    ささやかながらお礼を描きました。
    これからも、花の四阿を宜しくお願い致します。

    2013.12.24.さくらぱん





    DSCN0897-25.jpg



    おりざさんからの誕プレ 現パライラスト

    お誕生日、おめでとうございます *^-^*

    いつも親切に仲良くしてくださってありがとうございます。

    お誕生日プレゼントにイラストを描かせていただきました。

    2013年12月23日 月曜日 午後9:29

    おりざ


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    Sanaさんからの誕プレ「聖なる夜の贈り物」後編

    ※本物夫婦?アホアホです!














    王様は一生懸命考えました。
    王様はずっと愛するお妃様に贈り物をしたいと思っていたのです。
    贅沢だといつも怒られていた王様は考えました。
    自分で作れば受け取ってもらえるかもしれないと。
    幸いにして、その話が出たあとに地方への視察がありました。
    王様は自ら近くの鉱山へと赴きました。
    王様の登場に鉱山は騒然としましたが、王様は望むものを手に入れました。

    王様は考えを巡らせました。
    お妃様は実用的なものが好きです。
    これならば喜んでもらえるかもしれないと職人に弟子入りして自らの手で一生懸命作りました。



    「陛下!こんなの使えません!!」


    一生懸命作った作品に対してお妃様はそんなことを言います。


    「なぜだ?君に似合うと思って一生懸命作ったのだぞ?」
    「陛下が作られたのですか!?」
    「そうだ。私が鉱山に赴き、職人に弟子入りして作ったのだ」


    王様は誇らしげに胸を張ります。

    「尚更使えません!!」


    お妃様は王様からの贈り物を握りしめ、悲鳴をあげます。


    王様からの贈り物、それは銀で作られたお玉だったのです。
    しかも柄の部分には王様が自ら探したルビーが燦然と輝いています。

    「なぜだ?料理好きの君に合わせたつもりだったのだが」

    王様は顔を悲しげに歪ませます。

    「こんな高価なもので野菜炒めが作れますか!?」


    王様とお妃様の部屋に、お妃様の絶叫が響き渡ります。


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    お妃様は一生懸命考えました。
    王様が喜ぶものはなんだろうと。
    王様はいつもお妃様の手料理を喜ばれます。
    だけどお妃様は形に残るものを渡したかったのです。

    王様が大好きなものでお妃様があげられるもの、それを考えるのは難しいことでした。


    これだ!と閃いたお妃様は回りの女官たちの反対を振り切り、陛下の為に準備なさいました。


    「こんなの使えないよ!」


    王様は思わず叫びます。

    お妃様は考えました。
    王様はお妃様の髪が大好きなのです。
    だからこれを上げれば喜ぶんじゃないかしらと思いました。

    王様はお妃様の髪が大好きで、伸ばし続けるようにと言われています。
    膝近くまで伸びた髪をお妃様はいつも切りたいと思っていました。
    だからいい機会だと思われたのです。


    腰近くまで切られた髪は、丁寧に集められ、筆に加工されました。

    お妃様も職人さんの所に出向き、作り方を教えてもらい一生懸命作りました。



    「君の髪に墨をつけるなんて出来るわけがない!」


    けれどお妃様が大好きな陛下にはそんな使い方をすることは出来ません。




    結局、二人が送ったものは、その用途では使われることはありませんでした。

    けれど心のこもった贈り物は二人を暖かい気持ちにさせました。


    王様が忙しくてなかなかお妃様の元に帰ってこられない時、お妃様は王様からの贈り物を手に取り寂しさをまぎらわせます。
    ルビー付の銀のお玉には王様のお妃様への思いがこもっています。
    お妃様はそれを見ると優しい王様に温かい食事を作ってあげたくなります。

    王様もお妃様からの贈り物に心を休められています。
    仕事が忙しく、お妃様にお会いできない時、王様は懐からお妃様の贈り物を取り出されます。

    お妃様の髪で出来た筆に口づけをします。
    実際のお妃様の髪には劣りますが、やはり大好きなお妃様の髪に慰められます。

    早く仕事を片付けて、愛するお妃様に会いに行こうと一生懸命仕事に取り組みます。


    二人の贈り物は直接には役にたたなかったけれど、二人の絆は更に深くなりました。


    その後、聖なる夜には、王様とお妃様の絶叫が響き渡るのが恒例になりました。

    後宮の人々はその絶叫を聞きながら、今年もお二人は仲良く過ごされてるなと温かい気持ちになりました。

    聖なる夜の贈り物の習慣はそうやって白陽国に根付きましたとさ。 



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    お誕生日おめでとうございます!
    お遊び品の残りを納品です(^ー^)つ

    さくらぱんさんにとっていい一年になりますように。
    素敵な一日をお過ごし下さいませ☆

    2013年12月24日 06:30
    Sana






    Sanaさんからの誕プレ「聖なる夜の贈り物」前編

    ※本物夫婦かな?











    仲睦まじいと評判の王様とお妃様様は、その日も二人仲良く長椅子に座っていました。
    王様はお妃様を膝の上に乗せ抱きしめています。
    お妃様は恥ずかしそうに頬を染めながら王様に寄り添っていました。



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    王様が言います。

    「その日は異国では聖夜と呼ばれているんだ」
    「綺麗な響きのする記念日ですね」
    「その日は家族や恋人同士で贈り物をしあって一緒に食卓を囲むらしいよ」

    お妃様は王様の言葉に耳を傾けます。

    「僕たちもやってみない?」

    王様の事が大好きなお妃様は、王様の頼みを断る事が苦手です。

    「ダメ?」

    小首を傾げ小犬のような可愛らしい様子の王様に、お妃様が勝てるはずもありません。


    「やりましょう!」

    お妃様はしょんぼりしかけた王様を励ますように、王様の膝の上で拳を握りしめました。



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    約束したものの王様は悩んでいました。
    王様がプレゼントたいものは沢山ありますが、質素倹約を旨とするお妃様はいつも受け取ってくれません。
    王様はどうにかして大好きなお妃様を喜ばせようと一生懸命考えました。


    お妃様も頭を悩ませていました。
    王様はあまり物を欲しがりません。
    それにこの国で一番偉い人ですから、何でも持っています。
    お妃様はいつも優しい王様にどうしても喜んでほしくて一生懸命考えました。


    聖なる夜、王様とお妃様はいつものように二人で仲良く過ごします。
    王様もお妃様も贈り物を楽しみにしていました。
    そして自分が選んだ贈り物が喜んでもらえるか、とてもドキドキしていました。

    どちらから渡すか、譲り合って決まらなかったので、二人で一緒に贈り物を出すことにしました。

    王様とお妃様は向かい合って立ち、背中に贈り物を隠します。

    「せーの」の掛け声と共に差し出された贈り物を見た二人は声を揃えました。




    「「こんなの使えない(です)!!」」



    王様もお妃様も相手からの贈り物に驚き、目を見開きました。


     

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    あささんからの誕プレ《贈り物》

    【設定 未来夫婦】



    《贈り物》




    「はい、どうぞ。」

    「・・・?」


    突然の、夕鈴からの贈り物。

    全く心当たりが無くて、面食らった。


    「あの、夕鈴、これ。」

    「ふふ、ナイショ、です。」


    茶色の瞳がくるりと光り。

    楽しげに笑う。


    「どうぞ、開けてください!」


    期待に満ちた眼差しを裏切るのがもったいなくて。

    綺麗な手巾に包まれた小さなそれを、黎翔はそっと受け取り。


    「なんか、ふわふわしてる・・・」

    「ふふ。」


    開く。



    中から出てきたものは。


    純白の、小さな。

    柔らかな手触りの、ふんわりとした、産着。


    「_______っ!」

    「・・・私からの贈り物、です。」


    頬を染め、俯きながら。

    夕鈴は微かに震えて。


    「よ、喜んで、頂けましたか?」


    不安げに、問う。




    目の前には、愛しい妻。

    何を棄てても手に入れたい、愛しい、君に。


    僕、の。


    「_______夕鈴っ!」

    「むぐっ!」


    気づけば、力の限り抱き締めていた。


    「く、苦しっ!」

    「夕鈴、夕鈴!ありがとう!!」


    笑いながら、涙を流して。

    二人はいつまでも抱き締め合った。


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    【イラスト館】「賢者の瞳」お初☆水月さん

    さかなやさんに、1月の誕生日のプレゼントとしてお渡ししたものです。

    髪の長い線の細い美人さんは、昔から好きです。
    それで、強ければなおのことよし。
    水月さんも、細身の剣だったら強いぞ。の設定あります。
    芸能系強いので、剣舞が上手いという設定です。
    私では、お話しにならないからなぁ。
    さかなやさんに、呟いてこようかな。

    うちの母は着付けができる人なので、よく幼い頃から御着物は着せてもらっていたのですが・・・・
    思いっきり着かたに、捏造が入りました。
    何でしょう。コレは一体。

    ヘンだなぁと、思いつつ。色を塗ってから気付きました。
    気付くの遅いっ。
    サラリと見てくださいね。

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    【イラスト館】コラボ「sanaさんへのコラボ品 2 」

    sanaさんへの納品したコラボ作品 2 です。
    続きに、線画を納めています。


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    【イラスト館】コラボ「sanaさんへのコラボ品 1 」

    sanaさんへの納品したコラボ作品です。
    続きに、線画を納めています。


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    【現代パラレル】ピュア「瀬津音さんのメルティ作品 2 」

    「うわあ…」

    一般社員が立ち入れない屋上。夕鈴はその景色に目を見張る。
    一面の、白、白、白。
    そして周囲には空、空、空―――。

    「―――すごい…」
    「この辺りでうちのビルより高いところはないからね」

    屋上はヘリが発着出来るようになっており、フェンスすらない。

    「あんまり端へ行かないで。落ちるよ」

    そんな言葉も耳に入ったか怪しい。既に夕鈴は彼の腕から逃れ、声を上げながら誰一人踏み跡のない真っ白な雪へと飛び降りた。

    「きゃーっ!すごいーっ!!」
    「夕鈴」
    「真っ白ー!」

    ごろごろと転がる様子はまるで子供。かと思いきや、ててて…と向こうへ駆けて行き―――ばたりと倒れた。

    「ちょ…っ!夕鈴!!」

    慌てて彼女へと向かう。ここ数十分で降り積もったであろう雪は踏まれる事のなかった屋上では程よく積もっているとはいえ、踝よりほんの少し上辺りまでしかない。そんな所で尚且つ下がコンクリートならケガをする可能性だって―――
    焦る彼が近寄って目にしたのは

    「えへへーーーっ」

    幸せそうな彼女の笑顔。

    ああ。
    ああ、もう。

    鼻や頬を真っ赤にして笑う彼女に脱力すると共に―――。
    ほんのちょっぴり怒りが沸いた。

    なんで、なんでそんな顔して笑うの。
    相手は『僕』じゃないのに。

    そう思うとふいに彼女の笑顔を崩したくなってしまう自分の悪い部分が顔を出す。
    夕鈴は上下左右に両手両足をバタバタさせると「見てみて下さい!」と言わんばかりにこちらにくるりと反転する。

    「天使の出来上がり!」

    ぷつん、と何かが切れた。






    「―――じゃあ」

    持って来た紙袋から何かを取り出し、せっかく綺麗にラッピングされた物をビリビリと破る。驚きに目を見張る夕鈴そっちのけで無用になった紙くずを放ると、彼女に向かってゆっくりと倒れ込む。

    「ちょ… っ!黎翔さ…っ!」

    迫り来る黎翔の顔を直視出来なくて、夕鈴はぎゅっと目を閉じる。
    ―――しかし、いくら経ってもぶつかって来る気配はなく。そろそろと恐る恐る目を開けると、がちんと固まってしまった。
    ほんの10cm程の目の前に。
    吐息が暖かく相手の鼻に掛かる距離に。
    睫毛の一本一本までもはっきりと数えられる距離で―――彼は彼女を見つめていた。
    その紅い瞳はただただ茶色の瞳を見つめていて…夕鈴はこくりと息を飲む。
    辺りは下の喧騒から離れ、酷く静かで。雪に全てを遮られたかのように、二人しか存在していなかった。

    「―――れ…しょ、さ…」

    ささやかな声が耳朶を打つ。
    黎翔は漸く己を映したその瞳に満足し、小さく微笑んだ。

    「これを纏えば雪の天使…かな」

    夕鈴の両肩近くに置かれた手には真っ白いファーが掴まれていて。よくよく見るとそれは純白のマントだった。

    「そして僕は闇の悪魔」

    す…っと目を細めると紅い瞳が艶を増す。コートからワイシャツ、ネクタイに至るまで黒ずくめの彼は、己が言うようにまるで底知れぬ闇からやって来た悪魔のように―――夕鈴にとっては未知なる何かを秘めているように見える。

    「悪魔は天へは行けない」
    「―――れ…」
    「だから天使を欲する」
    「―――…っ」

    ゆっくりと上がった右手が。細く長い指先が。夕鈴の髪を優しくなぶる。するりと指から逃れた髪は白い雪の上に零れ落ち、黎翔はその行方を見ながら小さく笑った。

    「…れ、い…っ」

    白磁の肌がほんのりと色付く。
    その頬を二本の指で輪郭をなぞる。

    「君が欲しい」

    一瞬の沈黙の後―――どっかん!と音を立てるかのように一気に真っ赤になってぶるぶると震え出した。
    そんな彼女に苦笑しながら、指と同じ場所を唇でなぞる。

    震えていたって構うもんか。
    彼女はこの手に堕ちるのだから。

    黎翔は仄かに漂う少女の薫りを思う存分吸い込むと。
    おもむろに立ち上がって乙女にあるまじき両手両足を広げた、所詮大の字と呼ばれる格好で寝転がったままの夕鈴に微笑みかける。

    「…っしょ…っ!?」

    ガバッと起き上がったその頭には雪がまとわり付いていて、まるで白い羽根のよう。
    彼はコートの裾を翻しながら室内へと続くドアへと向かう。

    そして、ふと立ち止まると、上半身だけで振り返る。
    そっと唇に人差し指を当てて囁いた。

    「―――本気だよ」




    【悪魔が天使を愛する時。】

















    「―――もう、もうもうもう!」
    「…そんな怒らなくてもいいんじゃない?」
    「だって…だってだって、キ「スされちゃうかと思った?」
    「~~~!!!」
    「…今からご希望にそってもいいけど」
    「いやいやいや!遠慮しときます!!」
    「…傷つくなあ」
    「ところでこれ…ありがとうございます!」
    「気に入った?」
    「はい!今度出掛ける時に着ていきますね♪」
    「めいいっぱいおしゃれしてくれると嬉しいな♪」
    「…っ、わかりました!」
    「じゃあ差し当たり我が社の忘年会に。ドレスは僕が選ぶからね」
    「………え?ドレスって…これフェイクファーじゃないんですか?」
    「…………あ、えーっと…」
    「ちょ、まっ、これ、もしかして毛皮とか「あー…すっかり冷えちゃったねー!温かいコーヒー飲みたいな♪」
    「ちょっと、何誤魔化してるんですか!!待って!黎翔さん!?」





    ☆おしまい☆



    【現代パラレル】ピュア「瀬津音さんのメルティ作品 1 」

    《恋人ながらまだキスすらお預けな正しい交際期間中。
    黎翔さん我慢な時期設定でお届けいたします。(=人=)ナムー》

                                 2013.12.17.瀬津音


    今年の瀬津音さんの狼陛下納めだそうです。
    貴重な作品を、ありがとうございます。
    題は作品末にあります。
    ピュアピュアな瀬津音ワールドをお楽しみください。       
    最後になりましたが、瀬津音さんへのコメントは、直接ご本人様にお届けします。
    お気軽に、お寄せください。  
    (拍手数と皆様のコメントのご報告に、いつも瀬津音さんは喜んでおります。)

                                  さくらぱん












    暗くなるはずの空は微妙に明るく、いつもとは異なる色を醸し出していた。

    これは―――雪だ。

    普通の女子高生、汀夕鈴はぼんやりと遥か頭上を見上げつつも、歩む足を止めない。右手には学校指定のバッグ。左手にはほんの少しの気休めになればと手作りクッキーが入っている。しかも近所の豆腐屋からもらったヘルシーなおから入りクッキーだ。彼女は材料費の割には上出来なそれにほくほくしつつ弾むような足取りで、ある一つのビルに入った。

    「こんばんは、汀さん」
    「こんばんは。御苦労様です」

    入口の警備員にぺこりと頭を下げる。自分の娘程の年齢の夕鈴に警備員は微笑みかけ内心思った。

    ―――ああ、こんな子がうちの馬鹿息子のところに来てくれれば…いや、いかん!この子は社長の―――

    彼の思考はそこで半強制的に終了した。いや、させたと言った方が正しいだろうか。これ以上考えても否生産的であったし、何より―――

    「―――あの、これ」

    ちょっとはにかんだ笑顔に再び「うちの嫁に…」と横に逸れた思考を中断し、差し出された物を見る。小さくラッピングされたクッキーを反射で受け取ってしまった。

    「おからクッキーですけど、少しお腹の足しにして下さい」
    「でも―――社長に」

    そう、彼が警備する白陽コーポレーションの社長はI T業界の寵児の名を欲しいままにし、その頭脳とビジュアル故どんな女でも欲しいままに出来るものの、彼が溺愛しているのはこのごくごく普通の女子高生なのだ。
    しかもその執着の度合いは異常なまでで。このようなシーンを見られたら最後、職を失うどころか命すらも危うい。
    しかし彼女はからっと笑ってみせる。

    「大丈夫です!黎翔さんがそんなちっちゃい事言うわけないですから!」

    いや、充分貴女に関しては心ちっちゃいですから!

    突っ込みたいのは山々だが賢明にも口には出さない。
    牽制か。はたまた天然なのか。
    まあ多分この子の場合は後者であろうと当たりをつけつつ、ありがたく受け取る。

    「すまないね」
    「いいえ!雪が降りそうですし、風邪ひかないように気をつけて下さいね!」


    じゃあ、と軽く右手を振って自動ドアを潜る彼女を手を振って見送る。そして小さなクッキーを制服のコートのポケットにそっと入れると、甘い物好きで夕鈴ファンの妻へのお土産にしようと心に決めた。一度、弁当を持って来た時に鉢合わせ、すっかり彼女の魅力にとりつかれてしまったのだ。

    でも―――一つくらいは先にくれよ?

    次の交代時には普段飲まない紅茶を飲もうと密かに決め、彼は改めて前を向く。
    そしてふと気づくと、白い物がふわふわと舞い降りて来ていた。




    顔パスと言えど、彼女は一人一人に立ち止まり「こんばんは」と頭を下げる。当初は女子社員の目の敵にされていた彼女も、今ではごく普通に『社長の最愛の恋人』と認識されている。
    それでも彼女はただの掃除婦として勤務していた頃と同じように挨拶をする。そこまで行くともう彼女の性分なのだろう。片手を挙げて挨拶する者もいれば、無視する者もいる。それでも夕鈴はさして気にもせず、ある一室へと歩みを進める。
    ―――そして着いた先は重厚なドアの前。
    ノックをしようと右手を挙げた時、中からタイミングよくドアが開いた。慌てて避けると開けた人物がにこりと笑う。
    ああ、この人も大分変わったな…と思わず思ってしまうのは本人には内緒だ。

    「―――いらっしゃいませ。夕鈴さん」
    「こんばんは。李順さん」
    「どうぞ。お待ちかねですよ」

    秘書である李順が入れ違いに部屋から出る。

    「すみません、遅くなって」
    「―――大分おかんむりですよ。予告されていた時間からかなり遅れましたから」

    こそり、と囁かれた情報に眉を下げ、もじもじと制服の裾を弄る。

    「実は…再テストで」
    「…またですか」
    「あ!でも前よりも点は上がって「夕鈴!!」

    室内から響いた声にびくりと身体が強張る。微かに青ざめた彼女に苦笑しつつ李順は夕鈴を室内へと通してさっさと消えた。

    あ、ああ!李順さんっ!!せめて室内まで一緒に…

    「夕鈴!!」

    再度呼ばれた己の名に、彼女は視線を下に下に向け、敷き詰められた絨毯に穴でも開けようかという勢いで凝視しながら恐る恐るその室内へと足を踏み入れた。

    「―――夕鈴」

    先程よりは荒々しくなかったものの、黎翔の声が響く。夕鈴はびくびくしながら視線を上げると―――どっかりとレザーの社長椅子に座った紅い瞳と目が合った。
    いや、会ってしまった。

    「こ、こんばん「遅い」

    目を眇められ、ぴしりと身体が固まる。

    「遅くなるまでにおいでって言ったでしょう?もう暗いよ?」
    「…はい」
    「心配なんだよ」

    ああ、この目には勝てない。

    「本当なら学校まで迎えに行きたいぐらいなんだけど」
    「や、やめてください!それだけは!!」

    あの目立つ車で校内に横付けなんて!
    以前のあの騒ぎを再び起こしたら、それこそ先生の心証が悪くなる。

    ―――そ、それに…。

    「…楽しみを奪わないてください」
    「―――え?」
    「ここに来るまでの間…すっごく楽しいんです」

    黎翔さんは楽しみに待っててくれているだろうか。―――自分が来る事を。
    いつ来るか、わくわくして。
    持参したおやつを二人で食べて。
    どんな話をして。
    どんな言葉を交わそうか。

    「~~~~~…っ!」
    「すっごく楽しみなんです」

    そう恥ずかしげに微笑む彼女をどうしてくれようか、と不埒な思いが脳裏をよぎる。
    可愛すぎる、自分の恋人は。
    限りなく、純粋過ぎて、彼には眩しいくらいなのだ。―――手に触れる事すら戸惑うくらい。

    「今日はおからクッキー、持って来たんです」

    ごそごそとバッグを漁り、はいっとラッピングされたクッキーを取り出す。そして勝手知ったるとばかりにお茶の支度を始めた。
    楽しそうなその後ろ姿に彼は再び目を眇める。今の紅い瞳は―――愛しさで満ち溢れていた。





    ざっと書類を片付け。来客用のソファに落ち着くとブラックコーヒーと共に待ちに待ったおやつが供される。

    「もう夜ですから、お砂糖とミルク、少し入れた方が眠りに響きませんよ」

    そんな言葉と共に置かれたカップからは香ばしい香りが辺りに漂っている。
    対して彼女は紅茶だ。今日はミルクティーにしたようで、黎翔の向かいにティーカップを置き、お盆を脇に置いて座る。
    隣に座ろうと考えないところが如何にも彼女らしいのだが、些か残念な面も否めない。
    それでも彼は紳士らしく彼女の一日の出来事を尋ね、今日体験した事を一つ漏らさす残らず聞き取る。普段知らない所で可愛い彼女の一面を他人が見るのはしゃくだけれど―――自分も彼女の全てを知りたいから。黎翔は心の中で自嘲しながらコーヒーを飲み、彼女の話に耳を傾けた。



    どれくらいたった頃か。
    ふと会話が途切れ夕鈴が窓へ目を向けると、そこには白い物が漂っていた。
    彼女はソファから立ち上がり足早に窓へ寄る。「夕鈴?」と尋ねる黎翔の声も耳に入らぬ程、彼女は外の世界に釘付けとなった。

    「―――雪」

    しんしんと降り注ぐ雪は超高層の最上階故遮る物もなく、不思議と明るい空から舞い降りて来る。ぺたりと両手と額を大きな窓にくっつけた彼女は首を上下に振りながら白くてぼたん大の雪が地上に降りて行くのを見守っていた。

    「積もりますかねー?」
    「…さあ?ねえそれよりこっちでお茶の続きをしない?」
    「え、あ…はい…」

    生返事にむっとする。
    柔らかなその茶色の瞳に己の姿だけを映して欲しい―――というのは我が儘なのだろうか。
    華奢な背中を眺めつつ、ため息をつく。この白陽コーポレーションを一代でここまで築き上げたこの珀黎翔を、ここまで溺れさせるこの汀夕鈴というただの女子高生を―――僕は一体どうすれば良いのだろう。

    「―――夕鈴」

    ぽつり、とその名を呼んでみても、彼女の意識は既に外。―――彼は全くの蚊帳の外だ。返事すら返してくれない。
    黎翔は子供っぽくも口を尖らせ、むうっとその背中を睨む。
    面白くない。
    誠に面白くない。
    雪に彼女を盗られるなんて。
    こんなにも淋しい想いをさせているのもそっちのけで、彼女は空と地上を見比べている。

    ―――まるで雪が恋人みたいだ。

    そんな子供っぽい思考に捕らわれた恋する男を誰が止められるだろう。

    その目に自分を映して欲しくて。
    その唇で自分を呼んで欲しくて。

    黎翔は音もなく彼女の背後へ近づいて一気に彼女を抱き上げる。

    「きゃ…っ!」

    ぐらりと傾いだ身体に思わず彼の首へ腕を回し、頬を膨らませながら睨んでも黎翔は至極満足げだ。

    「あ、危ないですよ!黎翔さん!!」
    「大丈夫だよ。君を僕が落とすわけないし」
    「そ、そういう問題じゃ…っ!と、とにかく降ろして…」
    「やだ」

    きっぱり断言した黎翔は唖然と黙り込んだ彼女を抱き上げたまま、コート掛けに掛かっていた二人分のコートと紙袋を取ると、社長室のドアを開ける。

    「ちょ、こんなままで…降ろして「空に一番近い所へ行こうか、夕鈴」

    そう甘やかに囁き、真っ赤になった恋人を、彼は漸く自分を見てくれたとばかり嬉しそうに外へと連れ出す。

    そしてその先には―――


    ……続く

    【短編】本誌設定ぴあの実『ふゆのもり』※Sanaさんの萌え



    冬になった。
    この季節は政務も落ち着き、国王夫妻は冬の離宮に休暇を取りに行く。

    すらりとした木々の幹の上では、もつれあった大枝、小枝がしだいに広がっている。
    絡み合った木の根の間には洞穴や雪道ができる。
    地面の上ではを冷たい風がうなり、凍りついた草の間を駆け抜けていく。

    「よく振りますね」

    窓に息を吹きかけると、息は凍りおとぎの森のようになった。

    「明日は大丈夫でしょうか」

    夕鈴は長椅子に腰かけている黎翔を振り返った。

    「明日には上がると思うよ」


    この冬、数日間だけ黎翔は国王であることを止める。
    情勢が落ち着いたからこそ取れる休暇を夕鈴はどうしても取らせてあげたかった。


    「雪が止んだから、すぐに出かけましょうね」

    意気込む夕鈴に黎翔は微笑んだ。







    あくる朝早く、辺りがぼんやりと明るくなると、二人はすぐに出かけた。
    深い雪を分けて行く。
    夜の間に積もった雪はまだ柔らかく行く手を阻む。
    まもなく日が昇ると、かわいいらしい鳥のさえずりが聞こえてきた。
    ナナカマドの茂みに鳥が止まっている。
    赤い実の房はどれも雪の帽子をかぶっていたけれど、鳥たちはその赤い実を美味しそうに食べていた。

    王都では見る事のない風景に夕鈴は興味深く見惚れた。

    「夕鈴、先は長いよ?」
    「はい・・・」

    真っ白な無垢な雪上に、二人で足跡を刻んでいく。
    夕鈴はもちろん先が長いのは分かっていた。
    けれど普段見る事のない冬の景色から目を離すことができなかった。

    どんどんと進んでいくうちに、雪の深く積もった森に入り込んだ。
    高い木も低い木も雪が積もり怪物のようになっている。
    龍もいれば、犬もいる。

    「陛下!すごいですね!」

    王都とは違う雪景色に夕鈴は興奮する。
    嬉しそうに振り返る夕鈴の姿に黎翔は目を細めた。

    「僕の育った場所を君が楽しんでくれると嬉しいよ」

    そんな風に夕鈴が立ち止まっていたからか、目的地にたどり着く頃にはもう辺りが暗くなり星が輝きはじめた。

    その時、たき火の灯りが見えた。
    7人の男たちがお茶を沸かしていた。


    「遅かったな!」
    「お久しぶりです!」

    その声に黎翔は足を速めた。
    笑ったり、喜んだり、叫んだり、抱き合い、肩をたたき合い、その場は賑やかになった。

    「お湯も煮えたし、中に入るか」
    「やっと連れてきてくれたお嫁さんに風邪をひかせてもいけないしね」





    小屋の中は暖かく、明るかった。
    大きな暖炉には明々と炎が踊っていた。
    大きな卓があり、その上には沢山のご馳走が並んでいた。
    王宮で食べるような繊細なものではない、猟師の料理だ。
    この冬にこれだけのものを用意するのは大変だろう。
    この人たちが陛下と会えるこの機会をどれほど心待ちにしていたかが窺い知れる。

    大きな卓の真ん中に私たちは並んで腰かけた
    陛下は懐かしげに皆を眺め、うなずいてから話をした。

    「またこうして一緒になれて嬉しく思う。私が一番苦しい時に助けてくれた君たちがいなければ今の私はなかったからな」

    即位前に親しくしていた人たちに会いに行くとは聞いていたけれど、この人たちは陛下にとってそれほど大切な人なのだ。
    私は改めて7人の男たちを見回した。

    「ここにいる間は私は王ではなく、あの頃と同じ一人の男だ。同じように接してもらいたい」
    「じゃあ黎翔と呼ぶぞ。私たちもお前と会えて嬉しい。あの頃は一緒に山を駆け巡って楽しかったな」
    「ああ、立場があるだろうが出来るだけ長くいてくれたら嬉しいぞ」
    「堅苦しい事は抜きにして楽しもう」

    屈強な男たちが嬉しそうにしている様子はどこか面白い。
    私は思わず微笑んだ。

    「嫁さん連れてきてくれたんだな」
    「お前たちがどうしても連れて来いと言ったんだろう?」
    「だけどまさかこんなところまで付いてきてくれる嫁さんだとはな」
    「王を手玉に取る絶世の美女だという噂だったが」

    こればかりはどこに行っても逃れることは出来ないのね。
    陛下が縁談除けに大げさに言うから、どこに言っても意外そうな顔をされる。

    「手玉に取られてるぞ。お嫁さんに逆らえないからな」
    「ウソ!この前だって私がどんなに言っても下町に行くって言う事聞いて下さらなかったじゃないですか!」
    「私は君に骨抜きにされているからな。わずかな時間でも離れるのが辛いのだ」
    「もう!都合のいい時ばかりそんな事言うんですから!」

    黎翔はどんな状況でも夕鈴に対して甘い言葉を囁く姿勢を貫く。
    夕鈴はこんな私的な場でまで妃を愛するふりをしなくてもいいのにと膨れる。
    黎翔はそんな夕鈴の髪を宥めるように撫でた。

    「いや~、あなたがそんなに女に夢中になるとは思いませんでしたよ」
    「確かに骨抜きにはされてるようだな」
    「もう!みなさんまでそんなことおっしゃらないで下さい!」
    「いやはや、可愛らしい奥方だ」

    男たちに笑われ夕鈴は恥ずかしくなった。
    愛しい人の大事な存在だと人に言われるのは嬉しい。
    それがたとえ幻だったとしても。

    宴は盛り上がり、昔の陛下の話に声を上げて笑ったり、驚いたり、青ざめたりと夕鈴は忙しい。
    間違えて飲んでしまったお酒に目を回して眠り込んでしまった夕鈴を黎翔は抱き上げた。

    「良かったな、見つかったんだな。お前だけの人が。安心したよ」

    ポツリと呟かれた言葉に黎翔は腕の中のぬくもりを抱きしめた。

    「僕と一緒にいて不幸にならないかな」
    「彼女はお前に惚れてる。大事にしてやれよ」

    黎翔の目が大きく見開かれる。

    「何驚いてるんだよ。嫁さんだろ?嫌いな奴につきあってこんな雪深い場所まで来ないぞ」
    「そうだといいな」

    黎翔は眠る夕鈴の額に口づけた。




    翌朝は見事な快晴だった。
    この北の地で冬に青空が広がることは珍しい。
    男たちは元気に雪原に飛び出していく。
    少ない時間を一刻たりとも無駄にしないように。

    夕鈴は楽しそうな男たちの様子を見守る。
    雪原を走り回り、雪玉をぶつけあり、はじけるように笑いあう。

    そんな無邪気な黎翔の遊ぶ姿を夕鈴ははじめて見た。

    「あんなお顔もされるのね。・・・・・かわいい」

    男たちは夕鈴にいいところを見せたいと張り切ってどんどんと盛り上がって行く。

    誤って飛んできた雪玉から黎翔が守る。
    二人はそのまま雪原に倒れ込む。


    DSCN0814-25.jpg


    「ひゅ~!熱いね!」

    冷やかされて夕鈴は真っ赤になる。

    「羨ましいだろ?お前たちもさっさと嫁を貰え」

    黎翔はニヤリと言い返す。
    幸せな男にはおしおきだと雪玉が黎翔に集中する。

    男たちのじゃれ合いを夕鈴は楽しく見守った。




    遊んだあとは、凍った森を抜けて小屋まで戻る。
    そこの木々は白くきらめく針だらけの衣装に包まれていた。
    ほんのちょっと触っただけでも、きれいなうすい氷や雪は、さらさらと枝を離れ、まるで滝みたいに、木から滑り落ちてくる。

    一人の男が一本の木に登った。
    すると雪や氷が雪崩のように降ってきて、しばらくの間、黎翔や夕鈴は、雲みたいにもやもやした中に隠れてしまった。
    再び二人が出てきた時は、上から下まで真っ白な雪だらけだった。

    その姿を見てみんなで体を振るわせて笑いあった。

    「もう!陛下のお友達ってみんな陽気で悪戯好きなんだから!」
    「普段は真面目な顔をしてるくせにな」
    「いやいや国王陛下を真っ白けに出来るのは今だけだしな」


    静寂の森が笑い声で満ちる。
    祝福するように光が降り注ぎ、凍った森はキラキラと白く輝いた。







    楽しい時間は過ぎるも早く、帰らなければいけない刻限が迫ってくる。
    あれほど笑い合っていた男たちは、今ではもうしゃべらなくなっていた。

    「もう帰らなければな」

    黎翔は重い口を開いた。

    「ああ、そうだな。国王なんて難儀な商売につきやがって、まともに会えもしない」
    「まさか継ぐと思わなかったよ」
    「でも安心したよ。いいお嫁さん貰って良かったな」

    黎翔は微妙な表情で微笑む。

    「なんだよ!また遊びに来ればいいじゃないか!」
    「そうだ!また嫁さん連れて来いよ。その時までには俺も嫁さんを捕まえとくぞ」
    「お前に黎翔みたいなかわいい嫁さん見つけられるわけないだろ!?」
    「俺だってモテるんだからな!」

    寂しさを振り払うように賑やかに会話をする。
    夕鈴は寂しそうな黎翔の手を握った。




    「ずっとあそこに居たかったですか?」

    たどり着いた離宮で、夕鈴は黎翔の為に暖かいお茶を入れながら聞いてみた。

    「あそこにいるのは楽しい。でも僕の役割はここにある」

    寂しそうな黎翔の様子に夕鈴は思わず寄り添った。
    声に出せない愛しさを込めて。

    「僕には妃がいるからいいんだ」

    抱きしめる黎翔の背に夕鈴も泣きそうな思いで手を回した。

    バイトじゃないですか・・・・。 




    「また僕と一緒にあそこに行ってくれる?」
    「はい」

    もしも許されるのであれば共にありたい。

    目を閉じた夕鈴に黎翔はそっと口づけた。




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    2013年11月30日 16:51

    【短編】IF設定「賢者の瞳・クリスマスの日の贈り物」※汎兄妹秘話

    ◆クリスマスネタ
    ◆捏造注意!!!
    ◆本誌設定・兄妹秘話
    ◆幼い紅珠と小さな水月おにいちゃんしか出てきません。
    ◆水月さんが髪を大事にする理由と紅珠が物語を書くきっかけ妄想
    ◆むちゃぶり設定。

    それでもよければ、どうぞ。 





    私は、自室で書棚を整理していた時に、懐かしい絵本を見つけた。
    それは異国の物語「賢者の贈り物」

    何度も読んで、古ぼけて擦り切れた表紙をひと撫でする。
    この本には、特別な思い入れがあった。

    穏やかな冬の陽射しが差し込む自室
    暖かな窓辺に椅子を引き寄せて、私は絵本を片手に無造作に座った。
    そのまま……懐かしい思い出と共に、私は本を開く。

    時を重ねた特有の古紙の香りと琥珀色した陽射しの匂い。
    sepia色した思い出と共に、私はページをめくる。

    遠い異国情緒溢れる、美しい装丁の絵本をめくると……
    暗記するほどに何度も読んだ懐かしく優しい文章。

    古ぼけて擦り切れたその絵本は、大切な妹・紅珠との思い出の品。

    瞬く間に懐かしいsepia色の思い出が、
    つい最近の記憶のような鮮やかな原色となって蘇ってくる。
    私は、つい……懐かしさで笑みが零れた。


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    「水月にいさま、それから?……それから?」

    瞳を耀かせて布団の中で、小さな妹は物語をねだる。

    「紅珠、もう寝る時間だよ?
     ……もう十分読んだと思うけど?」

    「おねがい……にいさま。
     もう少しだけ……お話を聞かせて?」

    「水月にいさまの聞かせてくれるお話は、
     とっても面白いの……だから……ねぇ、お願い。」

    「しかたがないね、紅珠は。
     じゃあ、もう少しだけだよ?」

    「ありがとうっ!
     水月にいさまっ!」

    私は、いつの頃からか妹・紅珠に、絵本の読み聞かせをするようになっていた。
    毎晩、瞳を耀かせて物語を読んでと、せがむ妹。

    国内の絵本は、読みつくしてしまい、
    今夜は、取り寄せた異国の絵本を読み聞かせた。

    白陽国に住む私たちには、馴染みのないクリスマスの物語。
    それでも紅珠は、空想の翼を羽ばたかせてうっとりと話を聞いてくれた。

    「……おしまい。」

    物語の終わりを告げる私の言葉と同時に、妹の口から

    ほぅっ……

    と感歎のため息が零れた。

    物語の余韻に浸る夢見心地の妹は、まだ異国の物語に引き込まれているのだろう。
    黒曜石の大きな瞳が、うっとりと夢見るように耀いていた。

    「おにいさま、心温まる素敵なおはなしですわね。」

    「やっと満足したかい?
    今夜は、もうおやすみ紅珠。」

    妹の額(ひたい)に、おやすみの口付けを一つ落とすと、
    私は、絵本を読むため、一つだけ点けていた灯りを落とそうと立ち上がった。

    ところが……妹の小さな手がそれを拒む。
    いつの間にか袖をつかまれていた。

    「……?。
     どうしたの紅珠?」

    「水月にいさま。
     私もクリスマスに、水月にいさまに贈り物がしたいわ。」

    顔を紅潮して、わくわくしている妹の小さな願い。
    その気持ちが、私にまで伝わってくる。

    「いいよ。
     だけど、私ばかり貰ってもなんだから
     私も紅珠に贈り物をあげるというのは、どうかな?」

    「えっ! いいの?
    水月にいさま、ありがとうっ!」

    紅珠は、布団から飛び起きて、私を嬉しそうに抱きしめてくれた。

    「贈り物を、楽しみにしているよ!
    さあ、 風邪をひくといけない。
     今度こそ、もう寝ようね、紅珠」

    「はい、水月にいさま、おやすみなさい」

    「おやすみ、紅珠」

    ……今度は、素直に紅珠は眠りについた。


    まもなく小さな寝息が聞こえてきて、
    私は静かに紅珠の部屋をあとにした。

    こうして兄妹で、お互いに贈り物をしあうことになった。

    (何がいいだろうか?)

    (妹の喜ぶものとは、なんだろう?)

    私は悩みながら、自室へと戻る。

    ふと見た空は、冴えた星の耀く綺麗な夜空だった。 



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    その日から、私は妹の様子を観察することにした。

    汎家の末姫として生まれた彼女は、何不自由なく暮らしている。
    彼女は、父から欲しいものは、すべて与えられていた。
    ありきたりの贈り物では、喜ばないことが容易に想像がついた。

    “紅珠が喜ぶ贈り物”

    これは、難しい課題だった。
    今まで、妹の生活になど興味が無かったのに、初めて妹のことに興味が沸いた。

    普段、私は、人には興味が無いのだが、、
    初めて自分以外の誰かを気にして興味が湧いたのは紅珠だった。

    観察し始めて、妹の新たな一面を知る。
    表情豊かな素直な性格。
    隠し事は、苦手らしい。
    それでも彼女には、秘密があった。

    ――――その秘密に気付いた私は、妹への贈り物を決めた。

    贈り物の手配をして、その到着を待つ。
    今から、妹の喜ぶ顔が浮かんでくる。

    彼女は、気に入ってくれるだろうか?
    ビックリしてくれるだろうか?


    ――――期待と不安。
    微かな希望。

    自分がこんなにも、わくわくしているのは初めてだった。

    絵本に描かれていたクリスマスの日付まであと少し。

    私は、未来の妹の喜ぶ姿が、瞼の裏に浮かび
    楽しみに日を待つようになった。 




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    当日のクリスマスの夜。

    華やかな異国の飾りつけをした汎家の居間。
    大きなクリスマスツリーの前で、兄妹達はプレゼントを渡しあう。

    おずおずと、恥ずかしそうに差し出した紅珠からの贈り物。
    小さな包みを受け取ると
    私は、「ありがとう」と微笑んだ。

    紅珠は、可愛らしい花飾りのついた贈り物を私から受け取り
    受け取って、すぐにその重さに驚いた。
    見た目よりずっしりと重い私からのプレゼント。

    「まぁ、何かしら?
    開けていい?
    にいさま」

    「いいよ。
     私も君のプレゼントを開けていいかな?」

    「もちろんですわ。
     気に入ってくださると、いいのだけれど……」

    紅珠は、座った膝の上で、私からのプレゼントを開けた。
    最初に目に飛び込んできたのは、錦の布に包まれた漆塗りの木箱。

    「……?」

    ますます不思議そうに、小首を傾げて箱を開けると……

    紅珠は、息を呑んだ。

    そこには、紫色を基調にした美しい石でつくられた硯があった。
    生き生きとした花鳥が浮き彫りにされた特注品の美しい硯とそれに見合った硯箱。

    「……っ!!!」

    紅珠は、驚きで声が出ない。
    みるみる顔が紅潮し、喜びを露にした。
    大きな黒曜石の瞳が見開かれて、まじまじと信じられないいった面持ちで
    芸術品のような硯に見入っていた。

    「水月にいさま……これは……」

    「紅珠は、自分で物語を書き綴っているんだね。
     
      書き手は、ちゃんとした硯を持っていなくてはね。

     まだ紅珠は練習用の硯しかもっていないだろう!?
     それでは、良い作品は、産み出せないよ。

     この硯を使って書いてくれる?
     そして、作品が出来たら私にも見せてくれるかな?」

    自分が物語を書いていたことを、水月にいさまが知っていたことに
    紅珠は驚いた。

    紅珠は、そのことを今まで誰にも話していなかったのに……。
    隠していたことを、どうして水月にいさまが、知っているのだろう?

    幼いながらも、絵本の読み聞かせをきっかけに、物語を書き始めた紅珠。
    さらに物語を書くことを、応援するかのような兄の贈り物。

    紅珠は、顔を真っ赤に染めて、兄の首へすがりついた。
    嬉しくて、嬉しくて、たまらなかった。

    「水月にいさまっ、ありがとう!!!
     だいすきっっ!!!」

    紅珠の作品を楽しみにしているし、応援しているよとの証の硯。
    大好きなにいさまの応援に、紅珠は嬉しくて兄の頬に口付けた。

    私は、弾けるような眩しい妹の笑顔が見れて満足した。
    ところが紅珠は、すぐにシュンと落ち込んでしまった。

    「どうしたの……紅珠?」

    「あぁ……こんなことなら、もう少し水月にいさまへの贈り物を考えるべきだったわ」

    黒曜石の大きな瞳から涙が、滲み出す。

    紅珠からの贈り物は、水色の上質な絹のリボン

    「水月にいさまの髪が、私は大好きなの。
     綺麗な色で、癖が無くて……陽に透けるとキラキラ輝いていて」

    「最近、髪が長くなった兄さまは、髪をよく纏めていらっしゃるから……
     私のお気に入りのリボンを差し上げたかったの……」

    「紅珠、ありがとう。
     素敵な贈り物だよ。
     大切に使わせてもらうよ」

    そう言って、私は紅珠に優しく微笑んだ。
    それで、ようやく泣き止んだ妹も微笑むのだった。





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    (2013.12.10.挿絵☆さくらぱん)





    いつの間にか空から、チラチラと雪が降っていた。

    私がふわりと受け止めた雪は、手の中で瞬く間に融けた。
    いつの間にか陽射しが無くなり、どんよりとした灰色の雲

    (……どうりで寒いと思った)

    私は、絵本を閉じて窓を閉めた。





    そこへ控えめに入室を望む声。
    明るい妹の声だった。

    「お兄さま、新作が出来ましたの。
     お茶を楽しみながら、読んでいただけますか?」 




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    今も紅珠の物語は、兄が贈った硯を使って、書き綴られている。

    私の髪が綺麗で大好きという紅珠の言葉に、私はあの日から髪を伸ばし始めた。
    紅珠からの贈り物のリボンは、いまも大切に私の手元にある。

    ――――幼き日の思い出と共に。


    ―賢者の瞳・おしまい―

    2013.12.08.






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    【短編】本誌設定ぴあ切なの実『雪原の雪うさぎ』※ダリ子さんの萌え

    『……もう、泣かないで。』

    『君が、溶けてしまうよ……』

    (まぶた)に落ちた、優しい口付けとあなたの言葉に
    ……私の心は、切なさを増してゆく 。 


    チラチラと…雪原(せつげん)に舞い散る雪の花

    明け方に降りはじめた雪は、
    私達の足跡を、
    瞬く間に消して、周囲の景色を変えた。

    ……穢(けが)れない世界に、二人っきり。

    あなたの心を垣間(かいま)見て、その優しさに触れるたび
    私は切なくて、涙を零(こぼ)す。

    『――――もう昔のことなんだ。』

    『僕の為に、もう泣かないで……』

    「だって、……へ…いか。」

    あなたを想うと、切なくて苦しくて……

    ――――言葉に、出来ない。

    感情が震えて、涙が零れ落ちる。

    『僕の代わりに、そんなに泣かないで……』

    (まぶた)に触れた……優しいあなたのぬくもり。

    再び触れた……あなたの口付けは、切ないほど優しくて……
    私の心を、キュッと締め付けた


    雪原に舞う雪 

    (挿絵☆ダリ子さん)


    今年 初めて降った初雪は、切ない想いを閉じ込める。
    すべてを閉じ込め、静かに私の心に降り積もる。

    『風邪をひいてしまうよ、夕鈴。』

    フワリと、私の首にかけられた
    愛しいあなたの温もりが、私を温める。

    優しく柔らかな、陛下の愛に包まれて
    私は、感情が溢れて泣き出した。

    はらはらと……大粒の涙が
    瞳から、零れ落ちる 。

    きれいな 綺麗な 透明の雫。










    雪原(せつげん)の雪うさぎ

    何も知らない……雪うさぎ

    あなたの為に
    泣くことしかできない、雪うさぎ

    「両目が、赤く染まるまで泣いたら 、
    きっと君は溶けてしまうよ……」

    私を気遣う 優しい言葉と共に、あなたはクスッと笑ってくれた。

    切ないほどに愛しいあなた。

    ――――“心から愛しています”

    あなたの愛に包まれて、私はますます泣き濡れる。








    ……雪が降る。

    …………雪が降る。

    ――――切ない想いが、降り積もる。

    あなたの大きな愛に包まれて
    切ない想いが、私に降り積もる。

    穢れない恋が、冬の空に融ける。

    ――――今年も季節花(きせつばな)が、静かに降る。

    世界は、白銀の世界に変わる。

    穢れない私の恋を、純白の大地に閉じ込めて、
    あなたに抱(いだ)かれ、泣き濡れる

    ――――この涙が止まるまで。



    ―雪原の雪うさぎ・完―


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    【コラボ】「狼陛下の花嫁―冬のくちどけ・3―」


    「あ!……忘れてた。
     陛下 おみやげ、ありがとうございました。」

    「あの……この兎、
    後宮で飼ってもいいですか?」

    上目遣いで、強請る(ねだる)君の可愛らしい小さなお願い。
    もとより君へのお土産なのだから、気にしなくてもいいのに……

    「君の兎だ。
     好きにするといい。」

    「ありがとうございます!」

    チュッ……

    突然、私の頬に触れた君の甘い唇。



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    (2013.11.27.挿絵☆麻杉 慎様)


    真っ赤に頬染める君が、小さく呟く。

    「陛下、大好き……」

    キュッと兎を抱きしめて、可愛らしく微笑む君を
    私は、もう手放せない。

    狼陛下のこの心を、甘く溶かすことのできる奇跡の乙女。
    この甘さをもっと欲しいと強請るのは、罪なことなのだろうか?

    降り積もる雪を君と眺めて……寒さを忘れて、君を抱きしめる。






    私の心を動かすのは、いつも君だけ。

    温かな熱で私を満たしてくれるのは、君一人だけ。

    私の心を優しく包み込み、いつも甘く溶かしてくれる愛しい女性(ひと)






    I have nothing in the world without you.

    君以外 何もいらない。 欲しくない。

    ――――――――君だけが、私の愛しい妃。

    I love only you.





    ―狼陛下の花嫁―冬のくちどけ・完―




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