花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    2013年01月 の記事一覧

    【長編】現代パラレル『氷解Ⅳーsestaシエスター』





    ゆらゆらと・・・

    木陰のハンモックに

    揺られながら

    君の指どおりの良い

    金茶の髪を梳く。




    素直な髪は

    木漏れ日の

    柔らかい陽の光を受けて

    金に輝きながら

    僕の指から零れ落ちる。




    いつの間にやら

    揺れに身を任せていたら

    僕の胸の中で

    くうくうと

    かわいい寝息をたてる君。





    時が止まったかのような景色の中で

    確実に進む太陽の角度。

    刻々と変化する木陰のモザイク模様に

    確かに時が刻まれいてることを実感する。






    いつまでも、このまま二人で抱き合っていたいのに

    容赦なく時は過ぎていく

    一陣の熱い風が吹き抜けて

    傍らの満開の花々から

    赤いハイビスカスが

    一輪、砂浜に零れ落ちた。




    2012年
    07月15日
    15:54
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    【書庫】《一日限定》甘味処【白陽-はくようー】『1月の甘味』

    先日1/31に、白陽国SNS地区・パラレルコミュで行なわれました。限定トピックのさくらぱん作品の書庫です。


    『《一日限定》甘味処【白陽-はくようー】一月の甘味』
    副題『1月の一日限定トピック・なんでもござれ!!!』
        《皆様、やり残したことありませんか?祭り》


    《一日限定》甘味処【白陽-はくようー】『1月の甘味』ご挨拶
    現代パラレル『日常の幸せー愛妻感謝の日』※祭り開催中
    ・・・・離さない
    if下町.『お買い物』
    現代パラレル『・・・・甘い辞令』
    現代パラレル『狙い撃ち』イラスト
    本誌設定『勝負の時』
    『言いにくくて・・・』
    【秘密の呪文ー女の子の魔法ー】
    アラビアンナイトの夜
    ーデビュタントー
    求婚の日
    【短編】if『うたかたの幻』改コミュ品※禁酒の日
    よゆまま&さくらぱんコラボ 『梅園にて・・・』
    とんとんさん&さくらぱん『白陽国ー金の●●・銀の○○ー』 続きを読む

    第二章【美女と野獣 7 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン




    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』


    続きです


    まばゆい光りを放つ老婆に、皆がおそれおののきました。

    みんなの見ている中で、老女は、美しい魔女へと姿を変えました。

    銀色の月光を紡いだような光り輝く髪。

    黄昏の空の色のアメジストの瞳。

    あの白陽国の外れの森に住む魔女でした。

    黎翔王は、恐ろしさに打ち震えました。

    魔女のアメジストの瞳には、ぞっとするような怒りの焔が

    冷たく宿っていたからです。

    『どうか、お許しください。』

    黎翔王は、魔女にひざまづいて、許しを請いました。

    『そのようなかたとは知らずに・・・・』

    けれど、魔女は黎翔王の言葉を最後まで聞こうとしませんでした。

    ひざまづいた黎翔王を今度は、魔女が冷ややかに見つめます。

    その瞳には、失望と・・・・凍りつくような怒りの焔がありました。

    「先ほどの言葉で、おまえの心にはひとかけらの愛がないことがよくわかった。

    愛を知らぬ者は人間とはいえぬ。」

    「・・・・ならば、その心にふさわしい野獣となるがいい黎翔王よ!!!」

    『お許しを!!魔女殿、そればかりはどうか・・・』

    黎翔王は、必死に叫びました。

    怒りに満ちた魔女が両手を

    高々と上げると、銀色の髪が逆立ち眩い光りが、城の大広間に満ちました。

    光りと共に黎翔王の姿がしだいに変わり始めました。

    通り名の狼陛下にふさわしく、顔や手・・・全身に黒々とした漆黒の毛に

    覆われていきます。

    指先には、鋭く尖った鉤爪。

    歯が鋭く長い牙へと。

    王冠の変わりにその頭上には、鋭く捻じ曲がった山羊の角が生えました。

    自らの身が、変わる痛みに、黎翔王は、苦痛と失望の悲鳴で絶叫しました。

    その恐ろしい黎翔王の悲鳴は、冷たい夜の城に響きました。




    続く







    2012年
    11月25日
    21:27

    2013.1月の更新履歴

    こちらにて、2013年1月の更新が辿れます。

    続きを読む

    ☆氷解Ⅴ【sestaシエスタⅡ】





    とくん・・・とくん・・・
    規則正しい貴方の音と

    さらさらと
    何度も何度も
    滑りゆく
    私の髪を梳く
    やさしい貴方の指先



    貴方のたくましい胸の中で
    ゆらゆらと
    まどろむ時間は
    私に
    至福の時間を与える

    時折、熱い熱風が
    二人に吹き付けるが。
    今は、それさえも心地いい



    いつの間にやら
    瞳が閉じて
    沈みゆく眠りの中で、
    瞼に感じる貴方の唇。

    刻々と
    流れる
    至福の時の中で

    ゆらゆらゆらぁり・・・・
    揺れに任せて
    このまま
    夢の中でも
    貴方の胸の中で
    至福の時間を過ごしたい



    沈みゆく意識の底で
    貴方の熱だけを感じている
    そんな昼下がりの午後のひととき

    ふぁさり
    傍らの花が
    風に散され
    砂浜に落ちる
    音がした。

    ぎらぎら、熱い真夏の太陽は
    二人の頭上高く
    夏の海の波頭をきらきらと
    輝かせるのだった。


    2012年
    07月17日
    08:02 続きを読む

    《一日限定》甘味処【白陽-はくようー】『1月の甘味』ご挨拶

    今晩は
    トピック立ち上げ人のさくらぱんです。
    いよいよ祭りの開催です。

    『《一日限定》甘味処【白陽-はくようー】一月の甘味』
    副題『1月の一日限定トピック・なんでもござれ!!!』
        《皆様、やり残したことありませんか?祭り》

    昨年から燻っている方もそうでない方も萌えを どうぞ、ここで吐き出しちゃってください。

    ーーー今年最初の限定トピック。
    この日限定ですので、どうぞ皆様、奮ってご参加ください!

    目指せ。コメント100超えです!!!←をい!!!

    1月31日限定!
    一日限りですよーーー☆


    参加者の皆様、宜しくお願い致します。ぺこり。

    2013年
    01月31日
    00:00

    【詩文】『胡蝶の夢』


    ーーー夢も
    ーー現(うつつ)も
    己であったはずなのに

    夢から醒めた私は
    天と地ほどの落差に
    ーーーーただ呆然と佇む

    我が身は夢で、果てしない大空を舞い
    軽やかな蝶となりて、生を謳歌していたのに

    現の己は地を這い、重い身を引きずって
    死を見つめている

    願わくば、また胡蝶となりて
    空を舞い花々を廻る旅がしたい。

    この世のしがらみも、
    空蝉(うつせみ)もぜんぶ脱ぎ捨てて・・・

    ーーーーー再び、あの果てしない青い大空へ・・・・



    2013年
    01月30日
    11:33 続きを読む

    快適に、使わせていただいてます。ブログの話。

    テンプレートの話です。

    現在 Chako様が制作されたテンプレートを使用しています。

    Chako様のブログ

    とても、実用的で使いやすく、素敵なデザイン。
    大変気に入っています。

    Chako様が作ったテンプレート一覧


    ありがとうございます。いつも、お世話になっています。ぺこり。

    現在、唯一のプラグイン  展開可能なツリーカテゴリ表示 制作者・篠宮 結城様を使っています。 

    名前:【展開可能な】ツリーカテゴリ表示 作者:篠宮 結城[shinohinafc] ▼ 他の作品

    初期は、辿るのも大変だったと思います。
    現在は、スッキリ



    ありがとうございます。いつも、お世話になっています。ぺこり。 続きを読む

    第二章【美女と野獣 8 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン




    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』



    続きです


    「この城にも、呪いをかけてやろう。」

    「黎翔王よ。おまえはもう、人間の住むところへは、行けぬ。」

    「ここで、誰一人、友も無く、さびしく暮らすがいい。」

    そのとたん、家来たちも一人残らず姿が変わっていきました。

    それぞれが次々と魔女によって姿が変わっていきます。

    執事は、置時計に、給仕長は、燭台に、料理番はティーポットに、

    他の家来たちも家具や陶器や銀食器にと

    城の備品に次々とそういったものに姿を変えられました。

    そして、とうとう一人も人間の姿をした家来は、

    誰一人としていなくなってしまったのです。

    すると、魔女は先ほどの薔薇を差し出しました。

    「この薔薇は魔法の薔薇。」

    「お前の21歳の誕生日までは咲き続けるが、それを過ぎれば枯れてしまう。」

    「この薔薇が散る前に呪いを解くことだな。」

    「もし、それが叶わぬときは、黎翔王よ。お前は、死ぬまで永遠に野獣の姿のままだろう。覚悟するがいい。」




    『しかし・・・呪いを解くにはどうすれば・・・』

    変わり果てた姿の黎翔王は驚いて、魔女に尋ねましたが、口から出てきたのは、獣が吼えるような恐ろしいうなり声でした。

    声までもが変わり、黎翔王は、驚愕に目を見開きました。

    美しい魔女は、黎翔王に近づいて言いました。

    「・・・・呪いを解く道は、ただひとつだけ。」

    「誰かを愛し、その者の愛を勝ち得ることだけ。」

    テーブルの上へ置いた魔法の薔薇に、ガラスの覆いをかぶせると、

    魔女は、籠の中から銀の手鏡を取り出しました。

    「さて、おまえのために、もうひとつ置き土産を残してやろう。」

    「この鏡には、お前の望んだ場所が映し出される。」

    「気が済むまで、眺めるがいい。」

    「二度と、戻ることの出来ない人間界の様子をな!」

    次の瞬間、激しい雷鳴と稲妻とともに魔女の姿は、消えていました。

    魔女の薔薇と銀の手鏡を残して・・・・


    野獣は、すぐさま部屋を飛び出し、尖塔の階段を駆け上がりました。

    上へ上へと、毛に覆われた脚を駆り、まだ不慣れな身体をあちこちぶつけ

    躓(つまづ)き転びながら、どうにか、尖塔のてっぺんまでたどり着くと、

    稲妻と共に消えた魔女を呼び止めようと探しましたが、

    どこにもいませんでした。

    それどころか、塔の窓から、外を眺めた野獣は、愕然とします。

    目に映る景色の変わりように、野獣は言葉を失いました。

    城の周囲に、人影は無く、家も道も、緑の畑も姿を消し、

    日の光に明るく輝いていたはずの村は、厚くたれこめた灰色の霧に

    すっかり飲み込まれていたのです。


    「誰かの愛を勝ち得ること」魔女の言葉が、野獣の耳に蘇ります。

    『だが、この世のどこに、こんな醜い獣を愛してくれる人がいるというのだ。』

    深い絶望感が、野獣となってしまった黎翔王の胸を穿(うが)ちます。

    後ろ足で立ち上がり、彼方へ向かって叫ぶ野獣。

    それは、檻に閉じ込められた獣の叫び。

    何もかもを失ってしまった、若い王の悲痛な心の叫びでした。


            ー第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』・完ー




    続きます。




    2012年
    11月26日
    12:00

    【日記】『ふぅーーーっ♪珈琲がぶ飲み。』

    今日は、寝落ちしてられません。

    ゆっくり、大好きな珈琲を手入れしてる暇が無い。

    インスタント珈琲がぶ飲みです。

    まずーーーー(-"-;)

    とりあえず・・・『未来への約束』を完了しました。


    明日の準備の前に『Mr.~』終わらせないと・・・

    絶対、タネ被る。かぶるよ。かぶる・・・・。

    お引越し、中断して、やることやります。

    SNSのパラレルコミュの一日限定トピックの立ち上げ、さくらぱんだからオサボリできないのです。

    トピックで、出来た作品は、2/2以降にこちらにも公開したいと思います。

    それと、2/1は、長女の高校受験の付き添いがあり、これまた更新が難しい状況です。

    ・・・・三日間、更新無しになるのか。

    読み手の皆様、ごめんなさい。

    今から、潜ります。



    ストックしなくては・・・・!!!!

    完 未来への約束 11 『狼は、二度愛を誓うー熱望 4 ー』

    ※先日の、求婚の日の.『未来への約束』の続きです。
    果たして、黎翔のリベンジは成功するのか!?




     『狼は、二度愛を誓うー熱望 4 ー』※大人風味




    ・・・続きです

    求め続けた彼女への想い。

    ようやく彼女を本当に手に入れた喜びに、黎翔は瞳を輝かせ歓喜した。

    きつくキツク抱きしめ・・・喜びを伝える。

    今まで、抑圧されていた想いを全て彼女に伝えることが出来る喜びが

    黎翔の胸に溢れた。

    「ーーーーッ!!!陛下、くるし・・・『黎翔だ。夕鈴。これからは、名前で呼べ』」

    「ーーーぁ!!!」

    夕鈴の返事を待つこともせず・・・唇を奪うような口付け。



    黎翔の性急な激しい口付けに、夕鈴は翻弄され再び涙を零す。

    「ーーへい「・・・ぁん!!!」」


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


    零れる吐息さえも奪う黎翔に、夕鈴は甘い嵐に飲み込まれた。

    夕鈴の唇に刻まれた未来への約束の口付けは、

    どこまでも甘く激しくて・・・・

    風薫る五月の季節に、二人の愛が花開く・・・

    身分違いの叶わぬ恋だった夕鈴と黎翔。

    その運命を切り開いたのは、

    彼女を熱望していたこの国の王 珀 黎翔だった。

    そして、夕鈴は彼の本当の唯一無二の妃となったのである。




           ー狼は、二度愛を誓う。・熱望Ⅳ  完ー



    2013年
    01月29日
    13:32 続きを読む

    氷解Ⅵ 【水中花火】




    目覚めて
    いつもの
    優しい笑顔。


    優しく啄まれ
    私は、覚醒する。


    貴方は
    私の手を握りしめて
    私を渚へと導き
    走り出す
     

    プライベートビーチに残る
    二人の
    白い足跡の
    濃い陰影。


    追いつけず
    足がもつれる
    貴方は先を急ぎ
    もどかしげに海中の中に。


    息つく間もなく
    二人
    コバルトブルーの世界に飲み込まれる。


    揺らめく銀の泡に
    どこまでも澄んだアクアブルーの水。


    金茶と漆黒の髪がゆらめき、海中に広がる。


    銀の泡が二人を静かに包み込む
    海中の熱帯魚たちが、僕達を彩る。


    僕らは
    空気を奪いあうように
    激しくキスをした


    僕は、君に溺れる


    頭の中の激しいスパークと銀の泡とで、僕は浮上することができない。

    浮上できない。




    2012年
    07月18日
    21:48 続きを読む

    第三章【美女と野獣 9 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン




    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第三章『鍵の乙女-かぎのおとめー』

    続きです

    ひっそりと、人知れずたたずむ野獣の城から遠く離れた地に、

    美しい小さな村がありました。

    その村には、国中で一番の美女が住んでいました。

    娘の名は、夕暮れ時の美しい鈴と書いて【夕鈴】

    蜂蜜色した素直な髪。

    おおきなはしばみ色の瞳。

    真珠のような美しい白い肌。

    咲き初めの薔薇色の頬。

    薄く色づいた淡い唇。

    その美しさには、だれもが振り返るほどでした。

    夕鈴が村を歩くと、パン屋もかじ屋も果物売りも、乳搾りの女達も、

    子供たちまでもが遊ぶ手を止めて夕鈴の姿に見とれています。

    けれど、夕鈴は自分が見られていることになど、まるで気がついていません。

    それどころか、自分が人目を引くほどの美人とは、思っていませんでした。

    彼女の頭の中は、愛する家族・・・特に大事な弟のことばかり。

    幼い頃に母親を亡くし、父親はすっかり元気がなくなりました。

    人が変わったように、闘鶏にのめり込みました。

    父の気持ちも分かりますが、弟を養わなければなりません。

    彼女は、必死に働いて弟を幼い頃から育ててきました。





    時には、父親代わりになって、時には、母親代わりになって、

    弟を育ててきたのです。


    弟は、そんな姉に感謝して、国のためにお役人になるんだと勉強をしました。

    彼女にとって弟は、彼女の誇りであり、心の支えであり、希望の光りでした。

    今日も、家族のために村へ夕飯の買い物に来ていました。

    八百屋のおじさんに、にっこり笑うと、おじさんも笑い返します。

    『いらっしゃい。夕鈴ちゃん。今日は、何をご入用だね。』

    「・・・・そうね。今日の特売・オススメは、なにかしら?」

    『今日は、いい大根が手に入ったよ。オススメは大根だ。持ってくかい?』

    「じゃ・・・それを。1・・・いいえ、三本買うから、安くして頂戴!!!」

    『いつも、負けるなぁ・・・夕鈴ちゃんには、じゃ半額にまけとくよ。』

    『ついでに、ジャガイモ3個もサービスだ。』

    「おじさん、ありがとう。」

    気さくで、明るい彼女のことを訳知る村人は、進んで彼女の力になりたいと

    思っていました。

    夕鈴は、そんな不思議な魅力を持った乙女でした。

    彼女の魅力は、それだけじゃありませんでした。



    続きます。



    2012年
    11月27日
    09:36

    現代パラレル『日常の幸せー愛妻感謝の日』※祭り開催中




    夕方、黎翔さんから、夕鈴にメールが届いた。

    ーーごめん、夕鈴。残業が決まっちゃった。
    ーー遅くなるから、僕を待たずに先に夕飯食べていいよ。

    優しい夫からの優しい気遣いのメールに微笑む。
    と同時に萎んでいく心とへの字に下る眉毛

    最近、黎翔さんが忙しくて、構ってくれない。
    仕事なのは、分かっているのに寂しい。

    こんなメールが来ても、一人で夕飯を食べるのは忍びない。
    きっと、一人では美味しくない。

    窓の外は、粉雪が舞い散る。

    きっと、お腹を空かせて寒い中帰ってくるであろう夫を気遣い
    夕鈴は、夕飯のメニューを決めた。

    ・・・・今夜も、彼を待っていよう。
    二人で、食べたほうがきっと美味しいもの。

    冷蔵庫から、クリーム・シチューの材料を取り出して、夕鈴は料理を始めた。






    もうすぐ日付が変わろうかという時に、玄関の鍵がカチャリと開いた音がした。
    ーーーー黎翔さんだ!!!
    急いで、玄関に出迎える夕鈴の顔が輝く!!!

    「おかえりなさい!!!黎翔さん  」
    暖かな笑顔で、夕鈴は出迎えた。

    『ただいま、夕鈴。』
    玄関で、服についた粉雪を払う黎翔も、嬉しそうに返事を返す。
    まだ靴を履いたままの黎翔は、玄関にいる愛しい妻を抱きしめると呟いた。

    『夕鈴、もうお腹がぺこぺこだよ。』
    「そう言うと思ってすぐに食べれる用意してました。」
    「一緒に食べましょうね。」
    『夕鈴、メールしたのに、まだ夕飯食べてなかったの?』
    「だって、一人で食べるの美味しくないんですよ。」
    「それに、先に食べるのは黎翔さんに悪い気がして・・・・」
    『夕鈴、ごめんね。遅くなって!!!』

    黎翔は、そう言うと妻を抱きしめてその柔らかな胸に顔を埋めた。
    『ほんとだ・・・夕鈴から美味しそうな匂いがする。』
    『今日の夕食は・・・・ 』





    いつの頃からか、玄関の框(かまち)の高さに気付いた黎翔。
    帰宅すると、愛しい妻の胸に顔を埋めて、甘えるように抱きしめるようになった。
    そのまま、鼻を鳴らして夕飯を当てるのが、日課になった。
    その行為が、夕鈴は恥ずかしい。
    だけど、年上の彼が甘えてくれるのが嬉しい。
    恥ずかしくて、玄関先で身悶える。
    羞恥に染まる妻を、毎晩愛でるのを夫が楽しみにしていることを夕鈴は、知らない。
    「そんなところで匂いをかがないで下さい!!!」
    夕鈴の願いもむなしく玄関に響く。

    『だって、夕飯が当てられないよ。夕鈴。』

    困ったように、微笑む黎翔。

    小犬のような無邪気な瞳に夕鈴は、どうしても弱い。





    微かにため息をついて諦めた。
    再び、彼女の胸に顔を埋めて匂いを嗅ぐ夫は

    (まるで・・・小犬ね。)

    夕鈴は、呆れてそう思った。




    顔を輝かせて、嬉しそうに黎翔は、夕飯を当てた。
    『今日は、シチューだね  』

    「当たりです。」
    「早くしないと、シチューが冷めちゃいますよ。」
    ようやく、気の済んだ夫から解放されて、夕鈴は台所へ向かった。
    夕飯を温めるために・・・・



    『待って、夕鈴!!!』
    黎翔に、呼び止められてそのまま後ろから再び廊下で抱きしめられた。
    そのまま、夕鈴の耳朶に囁かれた愛の言葉。

    『いつも僕を待っててくれて、ありがとう夕鈴。』
    「だって、アナタの妻ですもの。」

    誇らしげに、優しい笑顔で笑いかける夕鈴に、黎翔は笑み返す。
    優しい夜が今夜も更ける。
    黎翔は、優しい感謝の口付けを愛しい妻の唇に自らの唇を重ねた。

    すでに、日付は変わっていた。
    昨日から、今日へと・・・・
    ようやく訪れた二人の夜。
    二人には、暖かな食卓が待っていた。


    『日常の幸せー愛妻感謝の日 完ー』






    2013年
    01月31日
    00:20
    続きを読む

    未来への約束 10 『狼は、二度愛を誓うー熱望 3 ー』

    ※先日の、求婚の日の.『未来への約束』の続きです。
    果たして、黎翔のリベンジは成功するのか!?




     『狼は、二度愛を誓うー熱望 3ー』※今後、大人風味

    夕鈴の手を握り締めて、切ない想いを伝える。

    『君を愛してる。私の本当の妃になってほしい。』

    突然の私の告白に、はしばみ色の大きな瞳を更に大きくして、
    真っ赤な顔で驚く君。

    「・・・・でも・・・その、李順さんが、陛下のお・・『李順は、関係ない!!』」

    『私の妃は、私が選ぶ』

    『私の妃は生涯、君だけだ。夕鈴。』

    『君しか居ない。』

    「・・・・陛下。」

    『夕鈴、私を愛して欲しい。』

    『君だけだ。私を動かせるのは・・・』

    『君しか居ない。心から欲しいと思う女性(ひと)は・・・』

    『私は君から、《是》という言葉しか聞きたくない。』

    『夕鈴・・・《是》と言ってくれないか!?』

    ぽろりぽろりと大粒の涙が零れだす。

    信じられないという風な表情で、見つめ続ける夕鈴に

    更に優しく尋ねた。

    『君を愛してる。』

    『君だけが、私の唯一の妃だ。』

    『夕鈴・・・《是》と言ってくれ。』

    倒れこむように、本格的に私の肩先で泣き出した君を優しく抱きしめる

    夕鈴の大粒の涙は、みるみるうちに黎翔の衣を濡らしていく。

    五月の優しい風が吹く・・・。

    祝福されたそよ風に、二人は包まれていた。

    甘い香りのするそよ風は、二人の間に特別な甘い時間を届けていった。









    ・・・・・・しばらくして、

    顔を黎翔の肩先につけたまま夕鈴が呟く。

    「ホントに、私でいいのですか?」

    「後悔しませんか?陛下。」

    『君がいい。先ほどから、君しか居ないと言っている。』

    『夕鈴、返事は!?』

    濡れそぼる睫に大粒の水晶の涙を纏いながら

    夕鈴は、ゆっくりと身を起こす。

    伏せられた瞳が、真っ直ぐに黎翔の瞳を見つめた。

    交錯するはしばみ色の瞳と紅い瞳。

    ドクン・・・ドクン・・・・・・と

    大きく高鳴る二人の胸の鼓動。

    夕鈴を見つめる黎翔は、彼女の返事を待った。

    夕鈴は首筋まで薔薇色に染まり、微かに緊張しながら

    柔らかな薄紅色の薔薇を思わせるの唇が、言葉を紡ぐ・・・

    「私も陛下をお慕いしておりました。」

    「身分違いの叶わぬ恋と思っておりました。」

    「陛下が、私でよいと願うなら、貴方の妃になっていいですか?」

    『夕鈴!!!ーーーー私の愛しい妃!!!』

    『一生涯、君だけを愛すると誓おう!!!』

    晴れ渡るこの空のような明るい笑顔で、微笑みあう二人に

    燦燦と太陽の陽射しが降り注ぐ。

    今までの想いをようやく夕鈴に届けることができた黎翔。

    熱望する愛しい妃をようやく手にいれることが出来た。

    彼の本当の花嫁として・・・・

    ・・・・続く



    2013年
    01月29日
    12:03




    続きを読む

    未来への約束 9 『狼は、二度愛を誓うー熱望 2 ー』

    ※昨日の、求婚の日の.『未来への約束』の続きです。
    果たして、黎翔のリベンジは成功するのか!?


     『狼は、二度愛を誓うー熱望 2 ー』※今後、大人風味

    膝に抱きかかえた、夕鈴を見上げる…
    外の景色に見とれるフリをしている君の行動はバレバレで
    意識していないフリをして、すごく僕を意識しているのが分かってしまう。

    羞恥に美しく染まった君の、この嘘をつけないことが
    こんなにも愛しい。
    素直すぎる君に、どうやってこの気持ちを伝えようか!?

    僕の求婚に

    君は、恥ずかしがるだろうか?

    それとも、喜んでくれるだろうか?

    僕の気持ちを受け止めてくれるだろうか?

    大きな深呼吸を一つして、タイミングを見計らう。

    かつて無いほどの緊張感
    心地よい君の重み
    期待と不安に襲われる

    ーーーーー今度こそ。

    固い決心を決めて、
    はしばみ色の瞳を見つめて、囁いた。

    『夕鈴、いいかな!?』
    君の視線が、外から僕へと注がれる。


    無垢で、綺麗なはしばみ色の瞳に僕は、吸い込まれるように見つめ続けた。

    「陛下、なんでしょうか?」

    小首を傾げて、僕の言葉を待つ君に、僕は、言葉を繋げることができない。

    甘い緊張感と酩酊感
    くらくらと君に酔わされる。
    こんなにも、きみが欲しいと心が啼く

    ドキドキと高鳴る胸の音は大きくて
    呼吸さえも、ままならない。

    ーーーーー熱望する君の瞳に囚われる
    それだけで、幸福に包まれる気持ち

    ずっと、僕の傍にいてほしい
    こんなにも、愛しているのは、君一人だけ・・・・

    自由で純粋な君のまま、僕の腕に捕らえることができるだろうか?

    一つひとつ言葉を選ぼうと思うけれど、どれも君に伝わらない気がする
    どうすれば、君にこの想いを受け入れてもらえるのだろうか?

    僕らの間を、爽やかで甘い風が吹き抜ける。

    僕の緊張感を感じ取り
    君までもが、緊張をし始めた。

    ・・・・・・・このまま、僕らは時が止まってしまうのかと思った。


    ・・・・続く


    2013年
    01月28日
    14:59 続きを読む

    未来への約束 8 『狼は、二度愛を誓うー熱望 1 ー』

    ※昨日の、求婚の日の.『未来への約束』の続きです。
    果たして、黎翔のリベンジは成功するのか!?




     『狼は、二度愛を誓うー熱望 1 ー』




    足を痛めた私の為に、陛下が私を抱いて四阿へと連れ出した。

    風薫る五月の昼下がり
    小鳥は唄い、花は咲き乱れる

    夕鈴は、陛下の逞しい腕の中で、小兎のように震えが止まらない。
    両足が不自由だと、陛下の腕から逃げ出すことも出来ない。

    危ないからと、陛下の首を廻した両腕で、触れ合うほどに顔と顔とが近づいている。

    恥ずかしくて、身悶える。
    羞恥で震えが止まらない。
    ・・・・重くないかしら?
    そんな事を考えてしまう自分が、よけい恥ずかしい。

    きっと、耳だけじゃなく全身まで赤いはず・・・
    早く四阿に着いてと願いながら、陛下の腕に身を任せていた。




    夕鈴の小刻みに身体が震えるのが、腕に伝わる。
    緊張で、全身を紅潮させて羞恥に染まる君が愛おしい。

    おずおずと僕の首に絡めた白い腕(かいな)
    どうしようもなく嬉しくて仕方ない。
    ほんの少しの距離で、君に口付けができる。
    そのことに、君は、気付いているだろうか?

    君から薫る、甘い残り香。
    今朝、夕鈴に渡したあの花園に咲く紫の花の香り・・・

    甘く・・・切なく・・・狂おしくなる
    昨日の君が聞いていない求婚の言葉を思い出す。

    もう一度、君に伝えてみようか?
    今度こそ、君が聞いてくれますように・・・

    この腕の中の君を、本物の花嫁にするために






    ようやく目的の四阿に着く

    池の畔の四阿。

    池に咲く薄桃色の睡蓮の花。

    丸い葉の隙間から青空が映りこむ。

    時折、煌めき眩しい水面の太陽。

    祝福された風が吹く・・・

    風にやさしく靡く金茶の髪、微笑む愛しい人に黎翔は微笑んだ。


    ・・・続く

    2013年
    01月28日
    12:11

    氷解Ⅶ 【海藍-ハイラン-】





    ふわふわと・・・
    海に漂い
    貴方に溺れ
    波に翻弄される


    息つくまもなく
    水中で、ふさがれた唇は
    されるがままで


    苦しくて
    貴方の背中に
    爪をたてる

    水面に出て
    空気を求めて
    浮上したいのに

    激しいキスに
    気が遠くなる

    私は貴方に溺れてしまう・・・・

    貴方と二人、海に溶かされる・・・

    溶けていく・・・・


    2012年
    07月20日
    08:43 続きを読む

    第三章【美女と野獣 10 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第三章『鍵の乙女-かぎのおとめー』

    続きです


    彼女は、正しい美徳感を持った人でした。

    弱いものを助け、曲がったことは、大嫌いでした。

    進んで、村の困っている人に手を貸して
    揉め事には、いち早く駆けつけ、仲裁をします。
    又、約束事は、必ず守る人でした。

    ですから、困ったことがあると、人々は彼女のもとへ行き
    彼女は、人々を助けました。

    皆に慕われ、高い信用を勝ち得ていたのです。

    そんな彼女ですから、村の人や友人たちは、彼女のことが
    気になって仕方ありませんでした。

    特に、幼馴染の青年は、彼女を慕い、心配してこう言いました。

    『色気は、ないわ』
    『所帯くさいわ』
    『凶暴だわで』
    『村でも、貰い手のねえって評判の女が』

    ・・・・はぁーーーーーーっ・・・
    『それ以上、揉め事に首を突っ込んでどうすんだ。』

    幼馴染は、憐れみの目でため息をひとつつきました。


    「余計な、お世話よ。」
    (ええ・・ええ・・散々言われてきましたとも、あんたに。)
    (バイトと家事三昧で嫁き遅れ街道まっしぐらだと・・・!!!)

    今日も、道の往来で、仲の良い幼馴染二人の喧嘩が始まりました。
    村の人々は、青年の気持ちを知っていましたので
    とても暖かい目で見守ります。



    ・・・・ただし、肝心の彼女には、ちっとも青年の気持ちなど伝わっていないのでした。

    そんな、毎日が平凡で穏やかな美しい村に彼女は、住んでいました


                ー鍵の乙女-かぎのおとめー完ー


    続きます。


    2012年
    11月29日
    10:46

    ・・・・離さない

    指先を絡めて、瞳の扉を覗く

    はしばみ色の綺麗な瞳に僕が映る

    言葉を紡ぐ僕の言葉を・・・

    耳をそばだてて真剣に聞いてくれた。

    『ーーーこの手は、離さない。』

    『夕鈴、僕と地の果てまでも逃げよう!!!!』

    ーーーーそして、二人の逃避行が始まった。




    2013年
    01月31日
    00:34
    続きを読む

    【書庫】長編『白陽国・豊穣の祈り』

    こちらは、完了しています。 if 設定【長編】『白陽国・豊穣の祈り』です。

    少し進んだ恋人設定です。それでもよければ、どぞ。

    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅰ』 
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅱ』 
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅲ』
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅳ』 
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅴ 』 
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅵ』
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅶ』
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅷ』
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅸ』
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り Ⅹ』 
    【長編】『白陽国・豊穣の祈り ⅩⅠ』
    完【長編】『白陽国・豊穣の祈り ⅩⅡ』   

    未来への約束 7 ー甘い目覚めー

    ※昨日の、求婚の日の.『未来への約束』の続きです。
    書いてみたら、大人風味も、なんも無かったのでSNSに少しUP しました。




    甘い香りで、目が覚めた。
    大きなはしばみ色が捕らえたのは、濃い紫の濃淡。
    朝露のついた爽やかな紫色の花には、見覚えが・・・

    『おはよう。夕鈴。』
    目覚めと共に、爽やかな甘い笑顔の陛下が居た。


    夕鈴の跳ね上がった心臓は、ドキドキが止まらない。
    朝から心臓に悪い、陛下の低音の甘い囁き。

    (いったい、いつからここにいたの・・・?)
    (・・・・・寝顔を見られてた!?)

    恥ずかしさで、顔も身体も火照りだす。
    きっと、顔が真っ赤だわ。
    恥ずかしすぎて、まともに陛下の顔が見られない。

    朝から、演技なんて必要無いのに
    寝室で演技を見せる相手も居ないのに
    小犬でなくて、狼っぽいのは、何故だろう・・・・・

    「おはようございます。陛下。」

    起きたばかりで、ぼーっとする。
    廻らない頭で考えた。
    このまま、布団に潜ってしまおうか?

    先に動いたのは、陛下だった。

    『足は、まだ痛む?』

    朝陽に輝く朝露のついた甘い花を、陛下が持っていた
    差し出された花束を、夕鈴は無意識に受け取っていた。

    『足を痛めているのに、また抜け出してしまうと困るからね。』
    『コレは、お見舞い!!!』

    昨日の記憶が蘇る
    木立の奥の花園の記憶。

    甘い香りに、引き出される
    陛下の大きな背中の温もり
    ・・・・・夢の中で、聞こえた陛下の声。

    《危なっかしい君は、僕が一生見てないと安心できないって・・・》

    (あれは、夢!!!あれは、夢!!!・・・・・・ゆめなのよ。夕鈴!!!))

    花束を持ったまま、ボフンと爆発した兎に、くすくすとした陛下の笑い声。

    抱き寄せた彼女の頬に口付けて、優しく耳朶に囁いた。

    『お腹が空いたでしょ!?夕鈴。   一緒に朝食を食べよう。』

    僕は、触れそうな距離のまま、はしばみ色の瞳を見つめ続けた・・・・

    たちまち、再び薔薇色の肌に染まる君は、瞳まで潤みだす。

    頃合を見計り、素早く口付けて君と離れた。



    過剰な演技は、意趣がえし・・・

    昨日の求婚で眠ってしまった君への僕の意趣がえし

    予測どうりに、二回目の爆発をした君を寝台に残して、

    仕度をさせるために侍女達を呼び戻すべく居間へと移動した。


                ー甘い目覚め・完ー



    2013年
    01月28日
    09:10 続きを読む

    未来への約束 6 ー月夜に狼ー

    ※昨日の、求婚の日の.『未来への約束』の続きです。
    書いてみたら大人風味も、なんも無かったのでSNSに少しUPしました。



    居なくなった夕鈴が、無事に陛下の手で見つけ出されて
    騒動が治まったその夜

    中空の蒼天に、綺麗な望月が昇る

    夕鈴の寝台の帳に降り注ぐ・・・・月の明かり。

    ーーーー今は、真夜中。

    寝台の主は、ぐっすりと夢の住人だった。

    微かに揺れ動く空気に、人の気配。

    寝台の帳を開けて、夕鈴を見つめる人影・・・・

    影と化したその人は、唯一この後宮を出入りできる男性

    ーーー陛下だった。


    夕鈴が、怪我をしていること、政務を投げ出して妃捜索に陛下自らが携わったことで、仕事が滞り・・・・
    結局 夜に夕鈴に逢えなかった。

    昼間のように、いつの間にか居なくなってしまったのではないか?

    不安に駆られ、ふらふらとここまで来た。

    寝台に座り、夕鈴の金茶の髪を漉く・・・・

    素直で綺麗な髪は、月明かりに上質な絹糸のような艶やかさで、
    黎翔を楽しませた。

    月明かりに照らされた夕鈴は、あどけない子供のような無垢さで熟睡していた。

    夢を見ているのか、震える睫。

    夜目にも分かる薔薇色の頬、薔薇色の唇。

    『君には、驚かされてばかりだな。』

    『君が無事で本当に、良かった。』

    黎翔は切ない想いが溢れて、夕鈴の柔らかな唇にかすめるような口付けをした。

    目覚める気配の無い夕鈴を見つめる陛下の瞳は、とても優しい。

    陛下の愛に見守られて眠る夕鈴は、そのことを知らない。

    窓辺から見える綺麗な望月だけが、二人を静かに見ていた。


                   ー月夜に狼・完ー

    2013年
    01月28日
    08:19

    続きを読む

    完 未来への約束 5

    ※今日は、求婚の日だそうです。
    ifパラレル・甘あまの実を目指します。





    ・・・続きです。

    『夕鈴、やっと見つけた!!!!』

    近づく足音に、逢いたかった人の声!!!

    俯いた顔を上げると、まだ息の荒い・・・・優しい陛下の笑顔。

    「・・・・・へいか。」

    逢いたかった。そう思っていたのに、実際に目の前に居るのが
    信じられなくてぽかんと、見上げていた。

    『心配したんだよ。』

    息を乱してまで、ここまで陛下が探しに来てくれた事が嬉しかった。

    「ごめんなさい。陛下。」

    言葉と共に、見つけてもらった安堵でポロリと涙が零れた。

    『ーーーー君が、無事でよかった。』

    居なくなったことを、責めもせず、どうして私がここにいるのか理由も聞かず・・・・

    ただ優しい笑顔を向けられて、陛下に心配をかけてしまったことが、
    心苦しい。

    『帰ろう・・・夕鈴。』

    差し伸べられた手に手を重ねて、夕鈴は立ち上がろうとした。

    ーーーーーーーーーズキン!!!!ズキン!!!

    「・・・・・ぁ!!!」

    両足を痛めたことを忘れて、身体が傾ぐ・・・・

    このまま・・・地面に激突するかと夕鈴は、思った。

    ふわりと陛下に抱きとめられて、夕鈴は無事だった。

    至近距離の陛下の紅い瞳が陰り、柳眉が寄せられた。

    あまりにも、近い距離に頬が赤らむ。

    『夕鈴、足をどうしたの?』

    「木の根に転んでしまって、痛めてしまったんです。」

    顔色を窺がうように、陛下が見ていた。

    『夕鈴、痛めた足を見せて!!!』

    ーーーーーーーーーーーーー!!!!

    「たいした事ないので、いいです。」

    怪我して、汚れた足など好きな人には、恥ずかしくて見せられない。

    そんな乙女心を分かっていない陛下。

    『少しだけだから、見せて、心配だからね。』

    そこまで、言われたら見せるしかなかった。

    夕鈴の返答も聞かずに、夕鈴を抱きかかえた。

    恥ずかしくて火照る身体をもてあます夕鈴を、陛下は近くの倒木に連れて行った。

    足元にかしずいて、痛めた脚を調べ始める陛下。

    『ああ・・・・両膝から血が出てるね。』
    『足首も、腫れてるかな。熱を持ってる。』
    『戻ったら、侍医に診て貰おう。』
    『夕鈴、戻るまで、もう少し我慢してね。』

    「・・・・はい。へいか・・・・」

    恥ずかしくて、恥ずかしくて・・・・かろうじて返事をした声は、擦れて震えた。


    『じゃあ、夕鈴、今度こそ帰ろうか。』

    そう言った陛下は、かしずいたままくるりと、夕鈴に背を向けた。

    『夕鈴、背負っていくから乗って!!!!』

    なんでもないように、さりげなく言われた陛下の言葉が飲み込めない。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数秒の沈黙。

    「え?ぇ??えぇーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
    「無理です。陛下そんな恐れ多い!!」
    「私、歩けますから、歩きます!!!!」

    パニックになり、言い訳をつくり断る私に、ぼそりと陛下が呟いた。

    『夕鈴、そんなに僕が背負うの嫌なの??』
    『そんなに嫌だなんて・・・・・僕、傷つくな。』

    う・・・ ううっっっ・・・・

    陛下の小犬の幻の耳と尻尾がしょげている気がした。

    結局、夕鈴が折れたのは言うまでもない。

    後宮の夕鈴の自室に帰る道すがら、陛下が話してくれた。

    自分が居なくなってからのことを・・・

    帰ったら、心配させた人たちに謝らなくては・・・・

    大きな陛下の背に揺られながら、夕鈴は、安心感からかまどろんできた。

    夢うつつのなかで、陛下の声を聞く・・・

    『・・・・だからね。夕鈴。』

    『・・・・僕は、思ったんだ。』

    『危なっかしい君は、僕が一生見てないと安心できないって・・・』

    『・・・・・?夕鈴?』

    陛下の求愛の言葉は、夕鈴には届かなかった。

    少し切ない微笑で、陛下はまた歩き出す。

    二人の去った木立の花は、風に揺れて甘い香りを放つ・・・・

    ヘリオトロープ・・・・花言葉は、『献身的な愛』『永久の愛』

    陛下の思いは、熱望する花嫁に一歩届かず花園に閉じ込める。

    咲いたばかりの愛の花

    ・・・陛下の思いの花は、夕鈴にいずれ届くだろう。

    愛する人を本当の花嫁に。
    妃にするために陛下はあらゆる努力を惜しまないことだろう。

    ーーーーーー夕鈴の永遠の愛を手に入れるために。


                 ー未来への約束・完ー


    2013年
    01月27日
    17:20

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    未来への約束 4

    ※今日は、求婚の日だそうです。
    ifパラレル・甘あまの実を目指します。






    ・・・続きです。

    陽が傾きはじめるご゛とに、木立は薄暗くなり始めた。
    替わりに、強まる甘い香り・・・・夕鈴は、甘い花の園で途方にくれていた。

    先ほどまで、なんとか自力で戻ろうと努力をしたが、うまくいかなかった。
    あげくに、荒れた後宮の木の根に足をとられて、転んでしまった。

    足が痛む。両膝から血が滲んでいた。

    少しづつ夕方が近づいているのが分かる。

    お腹も空いていた。・・・・脚が痛い。

    夕鈴は、後悔していた。

    だいぶ、ここに来てから時間がたっていた。

    今頃みんなは、心配しているだろう。

    誰にも、何も言わないままに部屋を抜け出した結果だった。

    好奇心に負けなければ・・・

    まじめに書簡を読んで勉強していたらこんなことには、ならなかったのである

    甘い香りが夕鈴を包む。

    心配している陛下の顔が浮かんでくる。

    心密かに慕っている大好きな人の顔を思い出すと胸がズキリと痛んだ。

    膝を抱えて子供のようにうずくまる。

    涙が、・・・・ぽろぽろと零れだす。

    唇を嚙みしめているのに、嗚咽が零れる。

    一人ぼっちが、寂しかった。

    広い後宮で、誰にも知られずに迷ったままだったとしたら?

    陛下に、もう二度と会えないとしたら?

    もしもーーーばかりが、浮かんで消える。


    太陽のように、夕鈴を惹きつけてやまない大好きな人。

    ーーーーーーー今、夕鈴は、無性に陛下に逢いたかった。







    むせ返る花の園

    甘い香りは、もういらなかった。

    夕鈴を慰めてくれていたはずの花の香りが、夕鈴を苦しめる。

    花の香りが、陛下の甘さを思い出してしまう。

    ーーーーーー帰れないかもしれない。

    陛下のもとに帰りたくて夕鈴は無意識に呟いていた。

    「陛下」・・・・・と。



    ・・・・・続く

    2013年
    01月27日
    14:42 続きを読む

    第四章【美女と野獣 11 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』

    続きです


    ある日、夕鈴の父と弟は、街まで用事で行くことになりました。

    街までは遠く、馬の足でも数日かかる道のりです。

    幾つもの森や村を抜けたところに街はありました。

    夕鈴は、村で留守番をすることになっていました。

    父親は、娘に尋ねます。

    『せっかく街まで行くんだ。お土産は何がいいかな。』

    夕鈴は、答えました。

    「父さん達が、無事に帰って来てさえ、くれたら何もいらないわ。」

    弟は、そんな姉に更に尋ねます。

    『そんな事を言わないで、頼んでみたら、姐さん。』

    「では、薔薇を。道端の綺麗な薔薇を一本お土産に下さいな。」

    『薔薇だね、姉さん。分かった。』

    『お土産に、綺麗な薔薇を持って帰るから。』

    『行ってきます。』

    「行ってらっしゃい。気をつけてね。」

    そう言って、村に夕鈴を残して、二人は、街へと出かけていきました。




    続きます。



    2012年
    11月29日
    20:10

    未来への約束 3

    ※今日は、求婚の日だそうです。
    ifパラレル・甘あまの実を目指します。




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    ・・・続きです。

    間者が後宮で、夕鈴を攫ったにしては、綺麗に部屋が片付いていた。

    日常そのものの状態で、争った形跡の無い夕鈴の部屋。

    そこに、すっぽりと夕鈴の姿だけが無い。

    自分から、姿を消したと考えるのが自然だった。

    黎翔は、李順に夕鈴の捜索を任せ、自らは、後宮の管理人・老師のもとへと向かった。

    夕鈴が、後宮で向かう先は、限られていた。

    もしかしたら、そこに夕鈴が居るかもしれないと黎翔は、考えたのだった。

    黎翔が、老師のもとへ向かうとそこに夕鈴の姿は無かった。

    あては、外れたが、有力な情報を老師から一つだけ得た。

    老師が、妃姿の夕鈴を後宮立ち入り禁止区域で見たというのである。

    しかも、奥へと歩いていったという。

    遠すぎて声が届かなかったため、話しかけなかったらしい。

    黎翔は、素早く情報を整理する。

    ・・・・・老師が見かけたのは、今朝のこと。

    夕鈴が消えたという報告を受けるその前の話だった。

    ーーーー夕鈴の手がかりを見つけた。

    黎翔は、足早に後宮立ち入り禁止区域へと向かっていった。

    ほぼ走り出しそうな勢いのまま、黎翔は夕鈴のもとへと向かう。

    後宮立ち入り禁止区域は、広い。

    造りも似たようなつくりで、迷いやすい。

    奥へ奥へと行くほどに、それは更に探しにくくなる。

    季節は、初夏とはいえ、夜は肌寒い。

    昼間の過ごしやすさを考慮しての妃の衣は、単衣の衣装。

    何としてでも、夕刻までに夕鈴を見つけ出さなければならない。

    ーーーー夕鈴の迷子を確信した黎翔。

    足早に向かうその姿に、影が落ちる。

    すでに、太陽は昼時・・・・・中天だった。




    ・・・・続く

    2013年
    01月27日
    13:39






    続きを読む

    未来への約束 2

    ※今日は、求婚の日だそうです。
    ifパラレル・甘あまの実を目指します。

    本日の誕生花『ヘリオトロープ・木立ち瑠璃草』
    香水の原料ですね。
    設定の関係上、初夏です。


    ・・・・それでもよければ、どうぞ。



    img_1599716_38375651_0.jpg


    ・・・続きです。

    悪いことは重なるもので、迷子に気付いた夕鈴は、焦りだして見知らぬ場所を更に奥へと歩いていた。

    気持ちだけは、(自力で何とかしなきゃ・・・)と志は、立派だったけれど・・・彼女の性質なのか、悪い運が傾く。

    しかも、あれほどしっかりと香っていた甘い香りが感じられない。
    けっこう、あの香りに励まされてきたのに・・・・

    心が、不安に囚われる
    周囲の風景が、ぐるぐると廻る気がした。・・・・

    ただ・・・・しんと、静まり返る後宮の立ち入り禁止区域に
    途方にくれた夕鈴は、ぐるぐると廻る景色に、翻弄されて涙が零れていた。


    一方、その頃夕鈴の部屋では、いつの間にか居なくなった
    狼陛下の唯一の妃の変事に、
    攫われたのではないのかと大騒動が起こっていた。

    「大変です!!!・・・・陛下っ、お妃さまがっ!!!!」
    血相を変えて、転がるように政務室に飛び込んできた女官長に
    黎翔は、ただならぬものを感じて、すぐさま反応した。

    青ざめて、途切れ途切れの言葉にようやく夕鈴が部屋から居なくなったことを知る。

    すぐさま、李順と共に夕鈴の部屋を訪れて
    夕鈴の大捜索が行なわれた。


    そんな、大騒動になっていることとは、露知らず。

    夕鈴は、再び捕らえた甘い香りを頼りに歩き出していた。

    どうせ迷子になっているのなら、この香りの正体を見つけようと思ったのである。

    暗い木立が開けた場所に、香りのもとが現われた。

    木立に隠されたような陽だまりに一面に咲く紫の可憐な小花。

    むせ返るような花の甘い香り・・・

    素晴らしい香りに、夕鈴は自分が迷子だということを忘れた。

    一人ぼっちで、心細いということをしばし忘れる。

    暗い木立に、輝くように咲くこの花の名は、「ヘリオトロープ」、別名「恋の花」。

    紫の花園に見とれる、夕鈴はこの花を知らなかった。



    ・・・・・続く

    2013年
    01月27日
    12:30

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    未来への約束 1


    ※今日は、求婚の日だそうです。
    そして、白友・しっぽなさんの誕生日☆
    リアルでも、SNSでも楽しいお友達のしっぽなさん
    『お誕生日おめでとうございます!!!!』

    ifパラレル・甘あまの実を目指します。

    本日の誕生花『ヘリオトロープ・木立ち瑠璃草』
    香水の原料ですね。
    設定の関係上、初夏です。
    雪降ってるのに、すいません。暖かな気持ちだけお届けします。


    ・・・・それでもよければ、どうぞ。





    heliot_1.jpg







    ある朝、部屋でお妃教育として渡された書簡(しょかん)を読んでいた夕鈴が、 ふと顔を上げた。

    ・・・・初夏の爽やかな風に混じり、バニラのような甘い花の香りがする。

    昨日まで、気づかなかった甘い香りが気になって、書簡(しょかん)を机の片隅に置いた。

    窓辺に近づくと、掛け金を外して窓を開ける。

    ーーーーー明るい太陽の光りが、燦燦(さんさん)と降り注ぐ

    抜けるような青空が、印象的な爽やかな朝だった。

    眩しい外の眺望に、室内に目が慣れた夕鈴は、眩しそうにその甘い香りのもとを探す。

    昨日と同じ風景がそこにはあった。

    どうやらこの庭の先に、甘い香りのもとはあるらしい。

    お妃教育で勉強中だった夕鈴を気遣って、侍女達はいなかった。
    女官長が、邪魔をしては・・・・と気遣い、人払いしてあったのだ。

    とても良い甘い香りに、夕鈴の好奇心がうずうずと動き出した。
    大きなはしばみ色した瞳が輝きだす。

    丁度、書簡も読み進み、息抜きしようと思っていたのである。
    甘い香りの正体を見つけること。
    これは、丁度良い息抜きとなるだろう・・・・。


    そっと部屋を妃が抜け出した姿は、誰にも見咎められず、誰にも知られなかった。

    それが、どんな騒動になるかということを、この時の夕鈴は知らなかったのである。





    風に乗る・・・・甘い香りを鼻(ね)で辿る。
    特徴のある甘いあまい香り・・・

    (・・・・とてもいい香り。)

    この香りは、どんかな花なのだろうか?

    ワクワクしながら夕鈴は、誘われるように後宮立ち入り禁止区域の更に奥。
    普段夕鈴が入らない所まで足を伸ばしていた。

    見慣れた紅い柱は、目印とはならない。
    広い後宮は、みな似たような作りで、夕鈴は、自分が迷っていることに気付けなかった。

    荒れた景色を見てはいても、危険を回避するくらいで・・・
    大きな剪定をしていない木を避けたり、隠れるように雑草が生い茂る中の配された庭石を遠回りしたり・・・
    見てはいても、自分の置かれた状況にまで結びつかない。
    集中している鼻(ね)を頼りに、さらにさらに奥へと迷い込む。

    はたと、気付いた時には、遅かった。
    気付けば見知らぬ場所に一人。

    ぽつんと広い後宮の夕鈴の知らない場所に夕鈴はいた。
    荒れ果てた庭、見知っているようで知らない後宮のつくり・・・・

    「ど・・どうしよう・・・・」

    呟いた言葉も、誰も聞かれることなく儚く消えた。

    陛下の心配そうな顔が思い浮かぶ・・・・
    怖い上司の呆れた怖い顔が思い浮かぶ・・・・

    知らない場所に一人ぼっち。

    夕鈴は、心細くなって泣きたい気分だった。


    ・・・・続く


    2013年
    01月27日
    11:02 続きを読む

    if下町.『お買い物』

    久しぶり里帰り
    夕飯の買出しに八百屋に来た夕鈴。
            
    (・・・・あら・・・大根安いわね。)

    「おじさんっ大根一本・・・やっぱり、三本ちょうだいっ!!!」

    《へいっ・まいどっ・・・おやぁ。夕鈴ちゃんじゃないかぁ》
    《しばらくみないうちに、綺麗になっちゃって・・・》
    《隣の人は、彼氏かい???》

    「・・・・ややややや・・・やだなぁ。おじさん。上司だよ。職場の上司。」

    『ゆうりん、こっちの林檎もおいしそうだよ?』(李翔)

    《ほんとかい?   はいよっ。  大根三本と林檎五個。》

    「おじさん、りんご頼んでないっ。」

    《いいっていいって・・・おじさんからのお祝い》  
    《彼氏にたべさせな。》

    「だから、上司なんです。」 がうっ 

    (・・・・・・信じてくれない。ふぅ。)







    『夕鈴、重そうだから、大根持つよ♪』

    「ありがとうございます。李翔さん。」

    手渡す、四本の大根。

    『たくさん買ったね』
    『林檎・・・あとで、りんご剥いてくれる?』

    「いいですよ。食後のデザートでいいですか?」

    『うん、それでいいよ。』







    『しかし、さっきのおじさん面白かったね。』
    『僕達、恋人同士にみえるんだ♪』

    「職場の上司と部下です。」ばっさりwwww

    『ええーーーーっ』不満げな李翔

    「只の上司と部下です。」さらに、ばっさり

    不満そうな李翔に淡々と説得する夕鈴だった。






    「きゃっ・・・」

    『危ないっ。夕鈴!!!』

    よろめく夕鈴。
    向かい側からの人に思いっきりぶつかった。
    李翔が慌てて、彼女を胸の中へかばう。

    『大丈夫?夕鈴???』

    「ありがとうございます。李翔さん。」

    『気をつけてね』

    「はい。」






    『ところで、夕鈴、お財布ある?』

    「お財布ですか?」

    『そう。。お財布。』

    がさこそ・・・・がさこそ・・・・
    さーーーーーーーーーーーーーーーーっ

    「無いッ!!!やだっ・・・・お財布無いっ!!!」

    『やっぱりそうか』

    (掏られた)

    「へ・・李翔さん、さっきの人どっちいきましたか。」

    静かに夕鈴のはしばみ色が怒りに燃える




    『・・・・・。あっちかな。そんなもの聞いてどうするの?』

    「もちろん、捕まえて、私のお財布取替えしてきます。」

    李翔の指差した方向に走り去る夕鈴。



    『待って、僕も行くよ!!!』

    「李翔さんは、家で待っててください。」

    そんなわけには、いかないよ。』

    そういってる間にも、どんどん夕鈴は、遠ざかる。







    ・・・・・チッ

    『浩大。』

    ・・・お呼びッすか、李翔様。

    『コレとコレ・・・夕鈴の家に届けて来い。』

    李翔様は?

    『決まっている。夕鈴の後を追う。』

    見えなくなった夕鈴を心配して李翔も走っていくのだった

    2013年
    01月31日
    07:09 続きを読む