花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【書庫】花の四阿……はじめに

       花の四阿ーバラ白紙150


    こちらは、デビュー作と、その時々のさくらぱんの心情を織り交ぜた詩文作品書庫です。
    作品に気持ちを織り交ぜていますので、個人的に思い入れの深い作品ばかりです。
    基本、制作当時の本誌設定で書いております。
    ほぼ夕鈴の心情です。
                                                  
    不定期更新

    2016.02.14.改訂
    2012.05.27.初稿

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    花の四阿 1


    頭上を覆う 
    純白の白木香薔薇(しろもっこうばら)

    複雑に絡み合い 
    照り映える緑の隙間から

    見え隠れする 
    澄んだ空の色……

    夕鈴は、後宮の片隅にある
    池のほとりで
    秘密の場所を見つけた

    白木香薔薇、白木蓮、雪柳……

    ひとつひとつが、違う白をもった。
    白い花をつける樹木が、生い茂り
    天井を織り上げる。

    中央には、陽の光が差しており
    はらはらと積み重なる花びらに、
    この世のものとは思われぬ
    幻想的な天然の四阿であった……


    2012.05.28
    書き手デビュー作品です。


    続く

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    花の四阿 2




    『……君が、私の妃だ』

    頭上を覆う 満開の春の花木(かぼく)
    夕鈴は、降りしきる花びらの中
    ……一人、佇(たたず)んでいた。

    はらはらとこぼれ落ちる
    小さな雪のような花びらは、
    雪の名を冠していても、
    雪と違い、決して溶けはしない。

    彼女に、優しく降り積もる。
    ・・・彼の人の言の葉のように。

    触れられた過去の優しい記憶が、
    今は傍に居ない、彼の人を思い出させる。

    引き出された甘い熱の記憶は
    より甘く、切ない想いとなり、
    リアリティを伴って、身を焦がす。

    掘り起こされる熱の記憶、
    彼の人との思い出。

    傍らに居ないのに……
    彼の人がこの場に居る様な錯覚を感じ
    戸惑いで身を震わせてしまう。

    ……こんな想いさえ本来ならば
    許されるはずもない 身分違いの恋。

    身体に刻まれた彼の人との熱の記憶。
    忘れてしまえば、どんなに楽になるだろう。

    ……こんなにも貴方が好き。

    思い出すだけで、恥ずかしい白昼夢。

    身体に刻まれた熱の記憶は、
    彼女をいたずらに惑わせ、翻弄する。

    自然、自らの身を……
    頬を染めるのは無理からぬこと。

    甘く降り積もる
    白い花庭(かてい)の四阿。

    唯一、あでやかな薄紅の
    甘やかに匂いたつ花のように

    その身を鮮やかに染めた夕鈴は、
    甘い記憶に浸され“花の四阿”に、一人佇む。




                        -完-


    2012.05.29.



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    花の四阿 3  石棺の想い  -せきかんのおもい-

    緑濃い四阿の奥
    木立に隠れた天然の隠れ家に
    くずおれて、夕鈴は泣いていた
    自室にて人払いはしていても
    つね日頃から、妃の様子を伺うのが侍女達の仕事
    本当の意味での一人になれる場所など
    ここを見つけるまで、知らなかった。

    陛下に恋焦がれる想いは、
    報われぬ重責となり胸を締め付ける
    息さえもできない・・・
    そんな気持ちに蓋をすべく
    ここにきた・・・梅雨空に重い雲が垂れ込める
    木々に覆われた四阿に霧雨の雫が、伝う。
    かき集めた透明な雫は、ゆっくりと落ち、夕鈴の袖を濡らす。





    報われぬ恋にピリオドを、
    さまざまな思いが溢れて
    心はじくじくと胸をさいなむ。
    いっそ大声で泣き叫びたい。
    この声を誰かに聞かしてやりたい
    そんな思いに囚われる。
    妃としての立場から、そんなことなどできやしないのに。


    「---こんなにも、陛下。あなたが好き---」
    泣き濡れて頬を伝うのは、冷たい涙・・・
    静かに声を忍殺(おしころ)し泣き濡れる・・・・・
    今だけは、自分の恋心のために弔いの涙を

    明日も、偽りの演技ができるように・・・
    焦がれる気持ちにピリオドをつけるために。

    緑濃い四阿の奥
    泣き崩れた夕鈴の側に、
    白く輝くギボオシの花が
    霧雨に重く
    うつむいて咲いていた。




                      -完-


    2012.07.09.

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    花の四阿 4 ―想いの手紙―





    貴方を想い



    書き出した  この手紙
    書いては、捨てて……
    捨てては、書いて……の繰り返し

    結局。
    いつもと同じように、
    “こんにちは“で始まる
    無難な手紙に、なってしまった。

    戦地へ赴く貴方に

    ――あの日言えなかった
    想いを書き綴ろうと……したけれど 
    私の想いは、重すぎて
    貴方の負担になるだけ。

    私は貴方の元には、行けなくて
    ここで貴方の帰りを待つだけ。

    だけど……せめて
    溢れる この思いだけは、
    手紙で、貴方に届けたい。



    無難に書き綴られた 私の手紙
    結局、書けなかった私の想い。

    溢れる想いを、
    空白の白い部分に託した。

    手紙と一緒に、
    優しい青の勿忘(わすれな)草を同封しました。

    他人まかせの私の手紙。

    この手紙が届く頃には
    貴方は何処に居るのでしょうか?

    今日もまた、貴方に続く この空を見上げています。

    貴方も、この空を見上げていますか?
    戦地で、頑張っていますか?
    ご無理など、していませんか?
    少しでも私を、思い出してくれていますか?

    この手紙を読んで、
    少しでも、思い出してくれたのなら、
    それだけで私は幸せです。

    今日も、貴方の帰りを待つ
    一日が始まります。

    どうか、ご無事で……
    早く貴方に会いたいです。



    2014.10.20.改定
    2012.09.05.初稿


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    花の四阿 5 -真心-


    私の手のひらから

    零れ落ちる種は
    私の真心

    貴方の世界に
    種を蒔く

    時には、寄り添い
    時には、遠くから
    耳を澄ませ
    声を聞き
    励ましたい

    時には、力強く
    時には、優しく
    手を取り 
    手を引き
    導きたい

    貴方の心に
    私は種を蒔く

    いつかは
    貴方の世界が
    私の花で
    いっぱいになるように

    私は
    今日も
    貴方の心に
    種を蒔く

    いつか
    芽ぶく
    夢をゆめ見る




    2014.10.20.改定
    2012.09.24.初稿


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    花の四阿 6 銀杏―いちょう―




    私を彩る 鮮やかな
    黄金(こがね)の木の葉

    一陣の風に
    空高く
    舞い上がり

    澄んだ青空から
    はらりはらりと
    舞い落ちる

    手のひらに 落ちた
    その一葉(ひとよう)

    その鮮やかな黄金(こがね)の葉が
    柔らかく私の周りに降り積もる

    季節を感じ
    過ぎて来た 月日を振り返る

    重なる暖かな黄金(こがね)の色は
    出逢いのあの日から降り積もる
    貴方と私の思い出のよう…
    大切な黄金(こがね)の記憶が蘇る

    もう幾つの昼と夜とを
    ここで過ごしてきたのだろうか?

    巡る季節は、緑だった木の葉を染め
    秋の彩りに庭を変えた

    見渡す景色は
    艶めく深い色合い

    秋の訪れは 密かに
    目にみえる 変化を見せて
    流れゆく時を感じさる。

    瞳を閉じれば
    鼻を擽(くすぐ)る  秋の高薫
    オレンジ色した 甘い花木

    瞳を開ければ
    くるくると
    我が身に降り注ぐ…
    銀杏の葉

    降り積もる
    鮮やかな黄金(おうごん)

    今まで重ねてきた
    貴方との信頼は
    巡る月日の中で
    私の中の
    恋心という気持ちを
    育てた

    貴方は
    手の届かない人

    知らなくてもいいの
    この気持ちは、私だけのもの

    重なる思い出のひとつ一つが
    私には宝物
    大切にしたい…私の秘密なの

    重なる想いに降り注ぐ
    黄金(こがね)の思い出

    佇み
    思い出に浸る
    彼女に降り注ぐ
    黄金の光
    黄金の記憶

    微笑み微睡む
    彼女の思い出の旅は今どこへ…

                                                        22012.11.07. 続きを読む

    【詩文】花の四阿7・黎翔編『水鳥の行方』


    青墨の斑(まだら)の雲間から
    覗く 冴えた星空

    夜の静寂から 聞こえてくる
    微かな水鳥の 羽ばたきの音

    明朝の出立を知らせる
    密やかな音無き音 

    震える夜に 羽音が耳を打つ





    清らかな美しい渡りの水鳥の息遣い
    何時までも 眺めていたかったのに…
    渡りの鳥を留めることは 出来ない。
    冴えた星空に 水鳥の行く末を案じる

    …心は、千々に乱れる


    明日には、清らの 清流が流れて
    朝日が煌めく ―いつもの風景。いつもの景色。
    水鳥が居た痕も見当たらないのだろう…
    涙がこぼれ落ちる。

    ずっと 見ていたかったのに

    …それは 出来ない。

    せめて、岸に羽の一枚でも 落ちていないものか…
    胸に抱きしめて、キミの縁(よすが)とするものを…

    流れる風を 留めることは出来ない…
    渡りの あの綺麗な水鳥も然り…

    せめて 明日の出立には 青空に羽ばたく水鳥を
    笑顔で見送くろう

    美しい鳥の行く末を案じ…
    キミの健康を乞い願う  キミの未来が幸多からんことを…

    静寂の空 冴えた美しい星明り

    千切れた雲が、涙を誘う。


    ーーーーーーーーーーーーーー今夜だけは許して欲しい。

    見ることも出来なくなるキミよ。幸せであれ。



    2013年
    03月04日
    21:46 続きを読む

    【詩文】花の四阿 8・黎翔編『ー最後の我侭ー』

    瀬戸際の
    心が痛い

    鉛を飲み込んだように
    心が重い
     
    雲ひとつ無い
    柔らかな夕暮れ

    山並みの影が
    私の心にまで影を差す

    紡がれる 言葉は君を惑わせ
    傷つける言葉ばかり

    切なくて苦しいよ…

    もっと、私は我侭になってもいいのかな。
    物分かりのいい大人になんてなれないよ。
     
    君に甘えたことばかりが浮かんで消える。
    別れの言葉を聞いてから、涙で前が見えない・・・・

    もっと君の心を聞かせてよ。
    隠さないで教えて欲しいんだ。

    子供のように甘えていいよ   

    そのままの君が好きなんだから
    どんな君でも好きなんだ。

    だから僕は我侭言うよ
    君を困らせることは分かっているのに

    スタートラインには戻れない。

    君を知らなかった頃の僕には戻れない。

    全てを断ち切って無かったことになんてできないよ。

    君が好きだから、それは出来ない。



    許してくれると思ってたから甘えていたんだ。
    このままの関係が続くと思ってた。 


    願ったことは、ささやかだった筈なのに
    叶わない・・・・・無常にも時が迫る
     

    ホントは、君が支えて欲しかったはずなのに
    いつの間にか立場が逆転していたね。


    歪んだ視界に
    しっかりと握り締めたはずの
    君の手が見えない。

    泣き笑いの僕達
    別れが、こんなに辛いだなんて、誰も教えてはくれなかった。。

    いつものように繋がっていたいんだ。
    大好きだから、傍にいたい…

    溢れる涙が
    君の思い出を消してゆく
     
    暖かな記憶も
    苦い想いも・・・

    ーーーーーーーーー好き過ぎて苦しいよ。

    このまま、繋いだ手を離したくない。

    ーーーーーーーー絆まで、手放すつもりはないんだ。







    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕の最後の我侭を言わせて

    君が好き・・・傍にいて
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    【詩文】花の四阿 9 『言葉に出来ない』

    溢れる想いが咲き乱れる
    貴方の気持ちが嬉しくて
    胸が詰まり・・・言葉に出来ない。

    ずっと・・・貴方が好きだった
    貴方だけを見つめていたの。

    この想いを言葉に出来なくて・・・・

    少しでも、貴方の傍に居たくて・・・・数歩近づく。
    手を伸ばせば、届く距離。
    だけど、とても気持ちが遠い。

    もっと、貴方を知りたくて・・・・もう一歩近づいた。
    貴方の瞳に私が映る。


    笑って欲しくて、微笑んだ。
    見つめて欲しくて、見つめ返した。

    焦がれる気持ちは、膨れ上がり、愛おしさは募(つの)るばかり…

    いつからかしら?
    『おはよう』 の挨拶が貴方からになったのは?
    いつの間に、名前で呼んでくれていたの?
    さり気なさすぎて気づかなかった・・・・。

    貴方との距離がいつもより近い…

    貴方から どんどん近づく。  縮まる距離
    吸い込まれそうな綺麗な紅い瞳に映るのは、戸惑う私。

    震える私の唇に触れる 貴方の唇
    貴方も震えているの?

    溢れだす想いが、、頬を伝わって零れ落ちる。
    想いの涙がポロポロと・・・・大粒となって零れ落ちる。

    今 言葉にして伝えたい。

    ーーーーーーーーー貴方が好きです。




    2013年
    03月19日
    18:06 続きを読む

    【短編】本誌設定『花の四阿10ー花狩人ー』

    恋人の日SP企画 『花猟人イラスト・コラボ』
    麻杉 慎さん&さくらぱん  コラボ


       花の四阿ーバラ白紙150



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    【詩文】『花の四阿11ー心の澱ー』

    なんて…苦しくて
    切ないのでしょうか?

    あなたに
    『好き』と伝えられない気持ちが
    私の中に澱として溜まります。

    『大好きです。』
    素直な気持ち…
    ただそれだけなのに…

    あなたに否定されて
    誤解されても
    私の『あなたが好き』は揺らがなくて…

    臆病な私の心は
    これ以上
    あなたに嫌われるのを怖れて
    あなたに『好き』と伝えるのを
    止めてしまいました。

    気持ちをもう伝える勇気の無い私は
    あなたへと膨れあがる『好き』という気持ちを
    持て余しています。

    遠くから、見守っていてもいいですか?
    あなたに伝えられなくても『好き』なのです。
    どうしようもなく『好き』が溢れかえって苦しいです。

    あなたに私の気持ちを否定されたら、
    私はどうしたらいいのかわからない。

    誤解されたままでいいです。
    この気持ちはもう伝える気はありません。

    私の想いは心の澱となって積もり行くのです。

    あなたに伝えられない
    『好き』という
    切ない苦しみを

    心の澱を抱いて
    私は生きてゆくのです。



    2013年06月24日 続きを読む

    【詩文】花の四阿12『溢れる想いを花束にして…』

       花の四阿ーバラ白紙150





    溢れる想いを花束にして
    君に贈ろう。

    例えば、野に咲く
    可憐な白い花でいい。 

    私が選んだ
    香りの良い花を選び
    大好きな君に贈ろう 。

    私の想いが、詰まった花を

    ひとつ……
    ひとつ……

    また、ひとつ……
    丁寧に摘み取り
    抱えきれない大きな花束を作ろう !

    私が贈った花束で 、
    君が笑ってくれたのなら

    燦燦と降り注ぐ太陽の下で
     大好きな君に 優しくKISSして
    僕の心を、君に伝えよう 。

    君に出会えた奇跡に感謝して

    「好きなんだ」と……
    いま 君に伝えるから。


    2016.02.14.改訂
    2014.10.20改訂
    2013.09.05.初稿 続きを読む