花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】現代パラレル『恋人達の日 1 』※甘々々の実

    今日は何の日?・・・・・『恋人達の日』でも、あるそうです。   甘々の実で・・・・

    陽だまりのカフェテラス
    街路樹のメープルが、金色に染まり
    幸せな二人の世界に浸る
    ある恋人達

    風も無いのに
    はらりと落ちる金色の木の葉
    青空に眩しい太陽の輝き
    木漏れ日は、キラキラと
    二人を彩る

    彼女のくるくるとかき混ぜる
    紅い紅茶に
    白のミルクがマーブルに混ざっていく
    彼は、そんな彼女の仕草を見守りながら
    適温に程よく冷ましたマンデリン・ブラックの珈琲に口をつけた。

    彼女は注文した期間限定のモンブランを一口食べた。
    とたん、嬉しそうに頬を染めて、幸せいっぱいに微笑む。

    「うわぁ・・・コレ美味しい!!!」
    「黎翔さん・・・黎翔さんも、一口どうぞ。」

    『夕鈴、味見させてくれるの?』

    「だって、こんなに美味しいのですもの。」
    「黎翔さんと、分かち合いたいです。」
    「はいっ・・・“あ――ん”してください。」

    その言葉が嬉しくて、テーブル越しに差し出した
    君のケーキフォークに乗ったモンブランをそのまま口に含んだ

    真っ赤になりつつも、嬉しそうな君の笑顔。
    口に広がるケーキの甘さより、僕は恋人の甘さに酔いしれた

    普通のケーキでさえ、
    きっと君の差し出すケーキの一口は、
    何倍も美味しく感じられると思うよ。

    『ほんとだ。美味しいね、夕鈴。』
    「ね・ホントに美味しいですよね。」

    恥ずかしそうに嬉し気に微笑む 優しいはしばみ色の瞳の君に
    僕も飛び切りの《君限定の優しい極上の笑顔》で、笑みを返した。

    君が愛(いと)しくて、たまらない。
    微笑みが耐えない。
    優しい気持ちが溢れる。
    なにげない小さな幸せが、こんなにも嬉しい。
    僕を、そんな気持ちにさせるのは、君だけ
    こんなに僕を甘い笑顔にするのは、君一人だけ
    君だけを僕は見つめていたい。

    秋の木漏れ日の中
    彼女の髪が、陽の光を浴びてキラキラと輝く
    恋人達の甘いときめきの時間
    ゆっくりと過ぎ行く時に身をゆだねる
    幸せでなにげないひととき。

    はしばみ色の彼女の瞳は、彼だけを・・・
    暖かな真紅の彼の瞳は、彼女だけを・・・
    捕らえて、離さないお互いの瞳
    この瞳には、愛しい恋人しか映らない

    恋人達の小さな幸せは、これからも続いていく・・・・・。


    2012.11.11.さくらぱん
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    【中編】現代パラレル『恋人達の日 2 』※甘々々の実 今後、大人味かも…。

    ☆今後の展開次第では、ピュア・kissぐらいの大人味入るかもです。





    過ぎ去った夏の思い出を辿り
    海岸線を二人でドライブ
    すっかり秋めいた木々の彩り
    深味を増した海のブルーに
    少し、センチメンタルな気分になる

    車内に流れるラジオ番組のリクエスト
    秋に聞きたいラブソング特集
    艶めくヴォイスの甘いラブソング
    繰り返し流れるBGMに・・・
    急に切なくなって、ハンドルを握る彼を見つめる

    その視線に、気付いた彼の
    口元が優しく弧を描く。
    海辺の眩しさを抑えるサングラスの奥で
    紅い瞳が優しく笑った気がした。


    『夕鈴、この先に、綺麗な岬があるんだ。』
    『そこで、休憩しよう?』
    私を気遣う、優しい彼の声色に
    見つめていたことを気付かれて・・・真っ赤な顔で俯いた。

    (恥ずかしい・・・・)
    結構長い間、彼だけを見つめていたことに、
    夕鈴は今更ながら、気がついた。
    膝の上でスカートを握り締めた両手が赤い。
    真っ赤に、染まった顔を彼に見られたくは無かった。


    ・・・・続く



    2012.11.11.さくらぱん

    【中編】現代パラレル『恋人達の日 3 』※甘々々の実 ・軽微大人味

    ☆お待たせしました。ピュア・kiss 入りました。


    この辺りでは、けっこう有名な風光明媚な高台の岬。
    足場の悪い自然な遊歩道を抜けて、岬の先端へ
    広がる海を早く見たくて、気が逸(はや)るけれど
    進まない距離に、夕鈴は少し苛立つ。
    強風に自然と曲がったまばらな松の枝越しに
    青い海が煌めき見えて、嬉しくて声が出た。

    「あっ・・・海が見えた。」
    「黎翔さん、海が見えますよ。」
    『本当だ。綺麗だね。』
    『もう少し、先に進むともっと綺麗に見えると思うよ。』

    ローヒールで足場の悪い場所を歩く 彼女に手を貸しながら、
    松の枝越しに海を見た。
    陽射しを浴びた海のきらめきが黎翔の目を射る

    強い潮風に、彼女の秋色の赤のニットワンピが風に捲れる
    V字の襟から覗く鎖骨にキラリと一粒ダイヤが、揺れていた。
    フワリと蒔いた紅葉のようなグラデーションのシフォンストールが
    風に巻き込まれ、髪が絡みつく・・・今にも、飛ばされるかも・・・
    そんないたずらな潮風に僕は、くすりと笑った。

    肌寒く、冷たい潮風に、軽装の彼女がふるりと身震いした。
    潮風に体温が奪われそう。
    寒さで擦り寄る彼女がとても愛おしい。

    腰を引き寄せ潮風から、君を守る
    そのぐらいしか僕には、出来ないけれど・・・・

    崖下から、吹き上げる強い海風
    風に乱される金茶の髪・・・
    僕に移る君の体温
    近い距離に僕は眩暈がしそうになる

    海風を背にして君を抱きしめる

    はらりと、解けた君のシフォンのストールが強い潮風に
    攫われて海へと飛んでいった。

    「・・・あっ!!」
    『危ないっ!!』

    ふわりと飛んでいったストールを追いかけて、
    君が岬の手すりに身を乗り出した。

    僕は慌てて、君を捕まえむ抱きしめる。

    赤いシフォンのストールは、君の手をすり抜け青い海へと落下していった。
    鮮やかな赤が、フワリと風を孕みながら舞い降りる・・・

    はしばみ色の瞳が残念そうに、その軌跡を追いかける。

    『夕鈴、危ないよ』
    『ここから落ちたら、怪我だけじゃすまない。』
    『落ちたのが、ストールだけでよかった。』
    『君が、落ちてたらと思うと・・・・』
    「ごめんなさい。黎翔さん。」

    唇が触れそうな距離で、翳る赤い瞳を夕鈴は見ていた。
    とっさに、反応していた身体。
    場所も忘れて、飛ばされたストールを追っていた。
    あのまま追いかけていたら・・・
    黎翔さんが、止めてくれなかったら・・・・
    そう考えて、青ざめた。

    みるみると、はしばみ色が潤みだす。
    「心配かけて、ごめんなさい。」
    「助けてくれて、ありがとう。」

    小刻みに震えだし、潤むはしばみ色の瞳の彼女の無事に安堵し
    強く抱きしめる。
    強い潮風に乱される金茶の髪。
    乱れた髪を梳り、顔が見れるようにした。
    涙で縁取られた瞼にKISSした。
    頬にKISSして、唇にKISSした。

    『夕鈴、君が無事で良かった。』
    「・・・・黎翔さん」
    『もう・・・無茶はくないでくれ・・・』
    「・・・・・はい。」

    目が離せない、大事な恋人に約束が守れるように
    甘く、蕩けるKISSをした。

    お互いを抱きしめる腕は、お互いを求め 更に抱き締める
    冷たい潮風さえも二人には、心地よい。
    攫われそうな潮風に、岬の恋人達の濃い影は離れなかった。

    潮風に攫われたストールは、
    崖下の青い波間に鮮やかな色で波に揉まれて漂っているのだった。

                    ー完ー


    2012.11.11.さくらぱん