花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】パラレル・メルヘン『魔性の月』※大人風味

    パラレル・コミュ『展覧会の絵1』でラストコメント賞を踏んだるるさんのリクエストに応えた作品です。





    真夜中に耀く魔性の空
    血のように滴る赤い月が漆黒の闇に耀く

    月光に耀く    髪を靡(たなび)かせて
    瞳を耀かせた
    あなたを狩るため 一歩を進めた

    今宵の獲物は愛しいあなた
    口元に優しい微笑みを浮かべて
    魅惑の情熱の瞳で見つめる愛しき獲物

    「お腹が空いたわ。」
    「欲しいものがあるの。」
    「私をあなたで満たして欲しいわ。」

    白い腕(かいな)を逞しい背に廻し
    真っ赤な唇で獲物(あなた)を狙う。


    IMG_1694-1.jpg IMG_1695-1.jpg


    (たくま)しい二つの腕に抱きしめられながら
    あなたの首筋に穿つ牙
    ぷつ・・・と芳(かんば)しいあなたの血が香る

    香る血に恍惚(こうこつ)の表情を浮かべ
    更に深く穿(うが)とうと思った時

    『大胆だな、夕鈴。』
    『まだ出逢ったばかりだというのに』
    『少し痛むが、女性からこんな情熱的な口付けを受けたのは初めてだよ。』

    至近距離で彼女を見つめるハンターの瞳。
    彼女より獰猛(どうもう)で危険な支配者の瞳。

    素早く黎翔は夕鈴の手首を掴(つか)む。
    夕鈴は両腕を後ろ手で拘束(こうそく)された。

    華奢(きゃしゃ)な夕鈴の身体は、たやすく黎翔に戒(いまし)められた。
    はしばみ色の瞳は悔しそうに涙で滲(にじ)

    「もう少しで満たされたものを・・・・」
    「私と一つになれたらあなたは幸せになれたのに・・・・」
    悔しげな怨嗟(えんさ)の声が滲(にじ)む。

    驚きで見開かれた柘榴石(ざくろいし)の瞳。
    黎翔は、夕鈴の頤(おとがい)を捕らえて囁(ささや)いた。

    『そんなに僕が欲しいの……夕鈴?』
    『……僕と一つになりたいの?』

    黎翔の美味しそうな吐息(といき)に夕鈴は、空腹でくらりと眩暈(めまい)がした。

    「あなたが欲しい。」
    「あなたを喰(く)らいたい。」
    「私を満たしてっっ!!!!」

    暗く愉悦(ゆえつ)を含んだ瞳は、美しいはしばみ色の瞳のヴァンパイアの少女を見つめる。
    いつの間にか立場は、逆転していることに彼女は気付かない。

    「いいよ。」
    「僕が君を満たしてあげよう。」
    「その代わり僕の花嫁になってね。」

    (と)かれた胸元の紐に、夕鈴はきょとんと可愛らしい頭(こうべ)を傾(かし)げた。
    無垢(むく)で痛ましい魔界の少女は、こうして一人の人間の男に囚(とら)えられた。

    満たされたのは、彼のほう
    彼に喰(く)われた少女は飢えを満たされぬまま彼に愛された。
    そして生涯の愛と忠誠を誓わせられる。

    種族の違う決して結ばれぬはずの運命を一人の男が変えた。

    満たされぬ想いを抱きながら、愛を育む夕鈴。
    彼女にとってこの出会いは運命の出会いだった。

    黎翔の首筋に穴を穿ち、空腹を満たしながら愛を囁く夕鈴。
    「愛しております。黎翔さま。」
    はしばみ色の瞳は満たされた想いの涙を零す。
    『思う存分満たされるがいい。』
    『私も君を愛しているよ。夕鈴。』
    白い姿態を羞恥に染めて、夕鈴はその華奢な身体に彼の欲望を受け入れた。
    黎翔の首筋を穿つ牙には、彼を愛する夕鈴の愛情が込められていたという。


    おしまい




    2013年
    09月12日
    23:25




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    「魔女のお菓子」

    キャラメル★アップル
    パンプキン★パイ♪

    ハロウィーンの甘い魔法

    あなたの為の甘いお菓子

    甘酸っぱいフルーティなお菓子を召し上がれ♪ 



    IMG_1785-1.jpg 

     

    可愛い魔女の君が言う「trick or treatお菓子をくれないといたずらするよ 」

    僕は困ったふりして彼女にポケットの裏を見せる。

    「君にあげるお菓子は無いよ。どうぞ悪戯をしていいよ。」

    困った魔女は、戸惑いを隠せない。


    目の前の可愛い魔女に僕は言う「trick or treatお菓子をくれないといたずらするよ 」

    今にも泣き出しそうなはしばみ色の瞳。

    「……ごめんなさい。あなたにあげるお菓子は無いの。」

    僕は困っている可愛い魔女を引き寄せて彼女を捕まえた。

    「trick or treatお菓子が無いならいたずらするよ 」

    ますます泣き出しそうな可愛い魔女

    しょせん狼男には、かなわないんだよ。

    君の唇を優しく食べた。

    キャラメル★アップル
    パンプキン★パイ♪

    ハロウィーンの甘い魔法

    僕の為の甘いお菓子

    甘酸っぱいフルーティなお菓子を食べようよ♪

    僕のお菓子は、甘い君。

    ハロウィーンの時期だけの甘いお菓子。

    「……ぁ。」

    真っ赤な顔で口付けを受ける君は知らない。

    君が僕にとって、どんなに甘いお菓子なのかを。

    caramelみたいなKissを召し上がれ♪

    【狼の優しさ】

    真っ赤な月が夜空に耀く魔物の夜
    10年に一度の大運動会が開かれた。

    走る走る金茶の兎
    網を潜り抜け
    平均台も軽々と……
    足に自信のある兎は、皆を置いて一番に飛び出した。

    ……ところが、とあるところで立ち止まる。
    兎の頭上には、ぷらんぷらんと丸いもの。
    障害物競走のラスト○○くい競争。

    兎の獲物は、定番のあんぱん。

    それぞれ皆は、好きなものをぶら下げていた。
    肉に、きゅうりに、瓶詰めの生き血に……
    このままでは、他の魔物たちに追い抜かれてしまう。

    せっかくここまで一番だったのに、
    ぴょんぴょんと飛び跳ねても、どうしてもあと少しで届かない。
    空しくぷらぷらとゆれるあんぱんが恨めしい。
    そのうち涙が滲んできた。

    「……どうしよう。」

    ーーーーーーーこのままだと、ゴールできない。
    呟いたその時。

    ん  きゃああっっっ!!!??

    ふわりと兎の身体が後ろから持ち上がった。

    『見ていられない。これなら、届くだろう?夕鈴』

    「黎翔さんっ!!!」

    冷たくてとても怖いと評判の狼さん。
    夕鈴には、とても優しい。

    『ホラ早く』

    「はっ・・・はいっっ!!!ありがとうございますっ!!」

    ぱくっっっ小さな口を大きく開けて、
    ようやく兎はあんぱんを手に入れた。

    『しっかり、つかまっていてね』

    ・・・・!?!!!

    え!?

    このまま???

    ンキャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!


    早い早い。
    狼は兎を抱えたまま走り抜けた。

    兎を追い抜いた他の仲間たちをあっという間に追い越して、
    一番にゴールテープを切った。 

    無題 
     
      (コミュから転載 2013.11.01.挿絵・ダリ子様)

    狼の用意した肉がコースに残されて
    狼は失格になったけれど。

    気にする様子も無く、兎を抱えたままゴールに佇んでいた。

    「ごめんなさい。私のせいで失格になっちゃいました」

    『気にすること無いよ。君の役にたてたのだもの。それに・・・』

    『一番好物の食べたいものを用意するルールでしょ?』

    『まさか君があんぱんとは予想もしなかったけど。』

    『僕の一番好きなものは、ちゃんとルールに従い持ってきたよ』

    そう言って狼は、兎の頬をペロリと一舐めするのだった。






    変なの降ってきたなぁ・・・・お粗末さまでした。
    一発書き即興なので許してね。



    11/1  昨日、無茶ぶりリクエストでイラストを描いてくれたダリ子さん。
    強奪・転載許可が下りましたのでお披露目いたします。
    ありがとうございました。


    【散文】「満月」※狼陛下関係なし

    ぽっかりと浮かぶ大きな月を飽きずに眺める
    昇ったばかりの月は、いつもより赤みを帯びた黄色で浮かんでいる。

    不思議なほど、いつもより眩しくない美しい月。
    追いつかれそうで逃げてみた。

    どこまでもどこまでも……
    月は、地平線を滑るように僕についてくる。

    だんだんと夜が更けていった
    あっという間に、頭上に昇った月は、いつもの耀きを取り戻し
    もう僕の手には、届きそうに無い。

    冷たく美しく
    白く耀く。
    届かない月。

    先ほどの月は、何だったのだろうか?
    幻だったのか……

    ほんのひとときだけの禍々しくも、楽しい
    美しい月に魅せられて……
    今夜も僕は、月の出を待ち望む。

    もう一度、見たくて。
    今夜も月と競争したくて……