花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    完【書庫】『千日紅ーせんにちこうー』 

    こちらは、if シリーズ・中編を収めた書庫室です。
    こちらは、珀 黎翔陛下と汀 夕鈴妃の物語。本誌より関係性を薦めているものが主です。
    閲覧には、ご注意ください。
    続ける余地のある終わり方をしています。不定期更新。




     

    完『 千日紅-センニチコウ- 』
    2012.09.08.『千日紅-センニチコウ-Ⅰ』
    2012.09.08.『千日紅-センニチコウ-Ⅱ』


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    【中編】『千日紅-センニチコウ-Ⅰ』

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    今朝の定時報告で女官長より
    王宮の薬草園の千日紅畑が開花したとの報告を受けた

    千日紅の花言葉は『永遠の命』

    残暑の残るこの時期に綺麗に咲くためと
    乾燥花としての利用が知られているため
    この花言葉が、付けられたのだろう。

    その為、国の繁栄を願い花畑が作られる

    満開に咲き始めた花を、夕鈴は摘んでいく
    普段、侍女たちにお願いしている仕事を
    妃がするのは、不思議だったが、千日紅だけは別なのだという。

    妃が摘み取った千日紅は、乾燥花にして、
    茉莉花と茶葉を合わせて 工芸茶を作る

    新年の宮中行事に陛下が飲む大切なお茶だった。

    そんな大切なお茶の材料となる花。
    自然と、夕鈴の顔は、真剣になる。

    「夕鈴様、心赴くままで良いのです。」

    「お気に召した花をどうぞお摘みくださいませ。」

    爽やかな風が吹く 千日紅畑
    炎天下の中で、咲き競う可愛らしい球状の丸い花は、
    風に揺れ花首を揺らす

    赤や白・・・・・・  ピンクに橙・・・・・・・真紅・・・・
    花は、どれも綺麗で捨てがたく選べない。

    『女官長・・・そうは、言っても全部綺麗なのだもの。』

    『・・・・・難しいわ』

    「陛下の恩為です。夕鈴様。」

    王宮の薬草園の広大な千日紅畑で、それでも何とか必要分を取り、
    夕鈴は摘んだ花篭を女官長に渡した。

    そのまま、一掴み分の千日紅の花束を持って、
    陛下の居る執務室に夕鈴は向かった。


    ・・・続く。



    2012年
    09月08日
    14:27

    【中編】『千日紅-センニチコウ-Ⅱ』


    IMG_9062.jpg




    ああ・・・もうそんな時期なのか。』

    陛下は、夕鈴の手に持っている千日紅の花を見て呟く。

    『薬草園の千日紅畑に行っていたんだね。』

    「花が綺麗でしたので、陛下にも見てもらおうと思って・・・」
    「花を活けにきました。」
    「お邪魔でしたか?」

    『いや・・・大丈夫だよ。』
    『会えて嬉しいよ』
    『ちょうど、休憩しようと思っていたんだ。』

    『夕鈴、お茶を入れてくれる?』
    『夕鈴の入れたお茶が飲みたいな』

    陛下は、わざわざ政務室の入り口まで来て夕鈴を迎え入れてくれた。

    「分かりました。花を活けてからでいいですか?」

    『いいよ。』

    ちゅっ

    夕鈴の手の甲に優雅に口付けながら、陛下が了承した。

    夕鈴は、突然の過度な演技に、顔が熱くなる。
    ドキドキが・・・止まらない。

    『君が、僕の為に摘んできてくれた花が、千日紅だなんて・・・・』
    『嬉しいな。』

    『では、夕鈴お茶を頼むよ』

    そういって陛下は、お茶の用意ができるまで、また仕事を始めるのだった。



    「陛下、お茶の用意ができました。」

    『ありがとう、夕鈴。』
    『今行くよ。』

    暖かい入れたての茶と口解けの良い焼き菓子を用意しながら、
    政務を続ける陛下に声をかける


    『一緒にお茶を楽しもうか。』

    いつものように、陛下の向かいに卓を挟んで座る

    お茶の湯気の向こうに
    明るい赤の千日紅の花が花瓶に青硝子の花瓶に活けてあった。
    丸い花が可愛らしく首をかしげている。

    『夕鈴、千日紅の花言葉知ってる?』

    「はい、今朝女官長から聞きました。」
    「《永遠の命》ですよね。」
    「今日の千日紅の儀式のときに内容と共に知りました。」

    『もう一つ意味があるのだけど・・・』

    『その意味あいで飲む 新年のお茶は、とても特別で』
    『とても効能があるんだ。』

    『来年の新賀の祭典は、君の摘んだ千日紅で作ったお茶が飲める』

    陛下は、とても嬉しそうに夕鈴を見つめた。

    『もう一つの花言葉は知ってる?』

    「いえ、知りません。」
    「何ですか?」
    「教えてください!?」

    『《変わらぬ愛情》っていうんだよ』
    『夫婦円満のお茶なんだ。』

    『夕鈴ありがとう。』

    二人の目の前の
    卓上の活けた紅い千日紅が
    控えめに俯いて優しく揺れていた。


                       ー完ー


    2012年
    09月08日
    15:36 続きを読む