花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【書庫】『天藍の玉響』シリーズ

    楽を好む黎翔と夕鈴のお話を集めた書庫です。

    2014.01.06.【短編】「月琴詩譜―げっきんしふ-」 天藍の玉響&玻璃天蓋

    2013.04.16.【短編】『李園の恋ーりえんのこいー』

    2012.10.28.【短編】『天藍の玉響ーてんらんのたまゆらー』めいさんとのゲームコラボに提供した作品です。

    2012.10.02.【詩文】『金木犀―きんもくせい―』

    2012.08.14.【短編】『龍笛―りゅうてき―』

    2012.06.02.【短編】『菩提樹の下で』
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    【短編】『菩提樹の下で』


    伸びやかな子供たちの歌声が聞こえる。
    その中に混じる、楽しげな妃の歌声。

    歌声に気付き、姿を探すと王宮の菩提樹の大木の下で
    子供たちに囲まれた、いとしい姿を見つけた。

    『・・・申し訳ございません。』
    筆頭女官長に隣の侍女が問う。
    『良いのです。なにより、夕鈴様がお望みです。』
    『良い気晴らしになるのでしょう。』
    子らの母親なのだろう。問うた侍女は、視線を妃に戻した。

    『・・・さあ。今度はなにを歌いましょうか?』
    『・・・楽しそうだな。わが妃は。』
    『!!!・・・陛下!。』
    慌てて陛下を迎え入れる。子供たちも、夕鈴にならい礼をとった。

    黎翔は、そんな子らに手で制止ながら
    『・・・そのままでよい。』
    『楽しげな妃の声がしたから、誘われただけだ・・・続けよ。』

    天下の狼陛下の意外な発言に、子供たちは目を見開き驚きを隠せない。

    陛下の意味をようやく呑み込めた時、生来の子供らしい笑顔で、笑った。
    『『『ありがとうございます』』』

    その様子を見守っていた夕鈴が、不安げに問う。
    『陛下。・・・ご休憩中のお邪魔でしたでしょうか?』
    夕鈴の髪の一房に口付けながら
    『わが妃の顔を見に来ただけだ。』
    『夕鈴続けよ。私もいとしいわが妃の歌声が聞きたい。』
    そう言って、夕鈴がよく見える位置に座った。

    空高く歌声が重なる
    高く低くのびやかに子供たちと妃の歌声が

    女官長は、
    『早くあのように、夕鈴様のお子とでの家族の姿が見たいものですわ。』
    そっと隣の侍女に呟いたという。



    2012年
    06月02日
    13:39

    【短編】『龍笛―りゅうてき―』※ 天藍の玉響シリーズ



    龍笛が鳴り響く
    天の声と喩えられる澄んだ笛の音

    陛下の龍笛の音が秋の空に震える
    傍らの妃は、笛の音に酔いしれ
    楽を楽しむ

    後宮の四苛
    秋の庭に
    寛いだ王と妃の姿

    傾き始めた
    午後の日差しに
    照り映える
    黄金の景色

    澄んだ音色が
    空に響く
    澄んだ青空に
    陛下の龍笛が
    空高く
    空気に溶けてゆく


    2012年
    08月14日
    08:17

    【詩文】『金木犀―きんもくせい―』



    甘い香りが辺りを包む
    濃厚で華やかな金木犀の香薫

    優しい月の夜に
    私の最愛の妃の歌が
    夜の静寂(しじま)に木霊(こだま)する

    君のやわらな子守歌で
    私は、嬰児(みどりご)のように
    眠りに落ちる

    私の静まらない心音
    聞きほれる愛の天使の歌声は
    星々の歌さえも適わない
    妙なる癒しの調べ

    僕の心を和ませる
    君の優しい歌には
    癒やしの力が宿る

    香り豊かな金木犀の大樹。
    天を貫こうと枝葉を伸ばす
    金木犀の甘い香りの癒しに負けない。
    最愛の君の癒やしの歌
    愛に溢れる優しい子守唄

    私は、今夜も乞おう
    夜の静寂(しじま)を和ませ私を癒す。
    天上の歌と金木犀の花の甘い香を

    ずっと聞いていたいと願う
    私の大好きな君の声を・・・・

    2012.10.02. さくらぱん 続きを読む

    【短編】『天藍の玉響ーてんらんのたまゆらー』

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    はらはらと零れ落ちる
    オレンジ色の金木犀の花の下

    輝く太陽が地上を彩る
    降り注ぐ太陽は
    爽やかで柔らかな陽射しを贈る

    或る晴れた日の後宮の庭でのこと

    力強い弦の掻き鳴らされる音と
    五爪で叙情的に掻き鳴らされる二つの音色
    私がお使えするお二人の楽の音が、秋の澄んだ空気に響く

    素晴らしい琵琶の調べは、敬愛してやまない陛下のもの
    優しくそれに追従する月琴(げっきん)の調べは、私がお使えする夕鈴様のもの

    今まで、少しづつ練習してきた月琴(げっきん)の音色は
    お妃教育の賜物


    始まりからの月日を思い出す
    楽器など触ったことなど無いとこぼしていた夕鈴様。

    陛下から賜った月琴(げっきん)は、五色の綺麗な螺鈿細工の4本弦のもの
    膝に乗せ、五本の付爪で弾奏する

    手にする楽器を、悲しげに眺めては、いとおしげに撫ぜていた。

    「思ったとおりに、巧(うま)く音が出ない」

    と悲しげに呟いた日は、一日、二日ではない。
    そのたびに、陛下が慰められ励ましてこられた。

    『夕鈴、焦らないで。』
    『まだ、;練習を始めたばかりでしょう?』
    『大丈夫。夕鈴なら自分の音に出会えるよ。』
    『君の楽器は、きっと君に応えてくれるよ。』

    夕鈴様も、陛下の御心に応え、練習を重ねた。
    今日やっと、陛下と合奏して楽しむまでに上達した。
    ことのほか上達を喜んだのは、やはり陛下と夕鈴様だろう。
    なぜならば、夕鈴様自らが、今日の日を望んだからである。

    昨晩、ほんのりと頬を染め
    月琴(げっきん)を手にして
    おずおずと、陛下に明日の予定と
    合奏のお願いをした夕鈴様。

    その時の陛下の喜びに満ちたご尊顔の輝き
    この日を、どんなに待ち望んでいたか窺がえます。

    陛下の5弦の琵琶は、代々王のみが奏でることを許された
    由緒正しい宝物 (ほうもつ)

    背面(はいめん)の細工がとても見事なもの
    紫檀(したん)で作られた琵琶は、紫檀地(したんじ)の一面に
    白く光る夜光貝と真紅の赤瑪瑙(あかめのう)で、美しく螺鈿(らでん)され
    上方(じょうほう)に向かって、沸き立つような花鳥文様を表現されている

    中心の八弁花の夜光貝と紅い花芯の真紅の赤瑪瑙を細工し
    百花文様を中心に鴛鴦(おしどり)や鳳凰(ほうおう)を配した宝物(たからもの)であった。

    音も素晴らしく、低音域から高音域までよく響く
    代々王達が愛してやまない理由の一つなのだろう。

    陛下の紅い象牙の桴(ばち)が、
    時に激しく・・・・時に穏やかに・・・・・
    陛下の手により、創弦の音が掻き鳴らされる・・・・

    優しく導く陛下の琵琶の音は、
    常(つね)の夕鈴様への日頃の深い愛情を表現しいるかのよう・・・・
    初めての合奏に戸惑われ、緊張されている夕鈴様を優しく導く

    夕鈴様の五指甲で弾奏する月琴の音は、透明に空に優しく響く
    優しい夕鈴様のような繊細な音色
    陛下の琵琶の音に、叙情豊かに盛り上げる澄んだ複層の音色

    響きあう二つの楽器
    掻き鳴らされる四弦と五弦
    絡み合い、複雑に響きあう二つの楽の音。

    金木犀の優しい香りの中、時を忘れ楽の音を楽しむ御二人。
    暖かく降り注ぐ秋の穏やかな一日を、琥珀の音が彩る

    白い菊花が足元で風に揺れる。
    濃い青紫の竜胆(りんどう)の花が美しい。
    後宮の庭は、秋の草木が美しく彩る。

    抜けるように、澄んだ天藍(てんらん)の空の色
    紅く色づいき燃え立つように美しい紅葉の葉色。
    陛下の琵琶の桴(ばち)の形にによく似た、黄金色の銀杏の葉色。
    コントラストの美しい風景と響きあう妙なる玉響(たまゆら)の調べ。


    至福の音、眼福の時が後宮の庭に刻まれる
    私は、この御二人の至福の時に立ち会うことが出来き、無上の幸せなのです



    2012.10.28.さくらぱん



    1/6 本日まで、非公開でした。
    先ほど、凄く素敵なゲームになって帰ってきました。
    大変ご苦労なさったみたい。
    まだ、ゲームしてないんです。
    スチールの確認しただけ・・・・明日だな明日。
    めいさんと、コラボできて、凄く嬉しいです。

    この話は、某お絵かき白友様と続編コラボの話が持ち上がっています。・・・どうなるのかしら??
    例によって、ノープラン。

    【短編】『李園の恋ーりえんのこいー』※天藍の玉響シリーズ




    ぼけっ・・・・としてつらつら作りました。意味ないです。頭まわってない。


    傾国の絶世の美女・・・楊貴妃は、李園をよく使っていたようです。
    玄宗皇帝と愛を語らい、人々を集めて宴を開き、自らの歌舞音曲を披露する楊貴妃。
    中国の李園って梨園なんですね。李(スモモ) じゃないんだと初めて知りました。

    歌舞伎の世界も李園っていいますよね。
    別天地・世界観が違う意味で使われてるらしいです。

    うまく、李園を使えませんでした。組み込めなかった。
    それでもよければ、どぞ。





    枝いっぱいに、白い5弁の花びら
    折り重なるように花をつける梨の花

    果実を求め、人の手により手入れされた李園は、
    春満開の別天地

    後宮の一角
    李園の四阿

    零れ落ちそうな花々は、遠くへ行くほど霞む柔らかな乳白色
    天界もかくやと思う春景色

    四苛の長椅子に座り
    月琴を奏でるのは、我が妃。

    しなやかな細い指は、震える弦を押さえ
    紅く染めた付爪で、月琴をかき鳴らす。

    繊細な5弦の調和
    奏でる音は、天上の調べ

    高く低く・・・透明な空に溶ける

    零れ落ちる白い花びら

    はらはらと音も無く舞い踊る。

    愛し君の傍で寝そべり、君の奏でる音を聞く
    瞳に映る  我が至福。

    光りに透ける金茶の髪は、春のそよ風に靡き
    引き結んだ紅を掃く唇は、微笑みの弧を描く

    大地に根を張るはしばみ色の大きな瞳
    まじめな彼女は、僅かに緊張の色を瞳に浮かべ

    月琴を奏で
    私を和ませる。

    寛ぎいく 時の流れは穏やかに
    緩やかな至福のひととき。

    愛し君と過ごす 四阿の時間

    曲が終わった我が恋人を抱き寄せ、口付けた

    李園の恋  誰にも奪えぬ恋人達の時間。



    2013年
    04月16日
    23:26

    天藍の玉響・玻璃天蓋「月琴詩譜―げっきんしふ―」

    玻璃天蓋天藍の玉響を混ぜて作っています。
    爪弾く日常の黎&夕。
    ほのぼの。



    011.gif





    玻璃天蓋の薔薇の庭
    爪弾く音が、玻璃を震わす 



    ――っ!

    「……ぁぁ、また!!!」

    奏でる音は、拙いものの…
    繰り返すその音には、
    持ち主の性格が込められていた。

    素直な優しい音の繰り返し

    陛下から賜った月琴(げっきん)は、
    五色の宝玉が綺麗な螺鈿細工の4本弦のもの
    膝に乗せ、五本の付爪で弾奏する。

    賜ってから、まだ10日と満たない。
    夕鈴は、お妃の仕事をするまで、楽器とは縁がなかった。

    「難しいものね。
     ……なかなか上手に弾けないわ。」

    手にする楽器を、彼女は悲しげに眺める。
    思い浮かべるのは、賜ったときの陛下の優しい笑顔。
     
    「李順から聞いた。
    確かに君には馴染みない教養だけど、これならばすぐに弾けるし
    手慰みになると思うよ。」

    なかなか上手に弾けない自分に、夕鈴は悲しくなってきた。

    「思ったとおりに、巧(うま)く音が出ないわ。」

    ため息と共に呟いた言葉は、
    明るい玻璃天蓋の薔薇の庭に儚く消えた・・・。




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    うな垂れて……悲しげに月琴を撫ぜる様子を、
    彼女に近づく人物が 見ていた。

    『……夕鈴。』

    「陛下!」

    『また、ここで練習していたの?』

    「はい。まだ上手に弾けなくて……」

    『……そう?』

    『毎日の練習の成果は、出ているよ。
    わずか10日足らずの練習で、良く弾けている』

    『指南(しなん)の先生も良く誉めていたよ。』

    「そうなのですか?
    自分では、良く分からなくて……」

    自らの月琴に指を這わせ
    ぽーーんと、音を爪弾く。
    その音に、再び夕鈴は、悲しげに瞳を曇らせた。

    『夕鈴、焦らずともよい…』

    陛下は、優しくその手をとって、自らの手を重ねた。
    慰めるように、夕鈴の顔を覗き込み、優しく微笑む。

    『まだ、練習を始めたばかりだよ。
    10日しかたっていない。』

    『大丈夫だよ。
    君の楽器は、きっと君に応えてくれる。』

    優しく微笑む陛下に、勇気を貰い
    夕鈴は、少し元気が沸いた。

    「はやく陛下と合わせて演奏できるように
    練習しますね。」

    いまだ弱々しいながらも、なんとか微笑むことが出来た。
    陛下は、いつだって彼女に優しい。

    その優しさに、つい甘えてしまいたくなる。
    臨時の花嫁と忘れ、本当に愛されているような気がしてしまう。
    そんなことは万が一でも起こるはずが、ないというのに……
    その優しさに、ツキン……と胸が痛い。

    『楽しみにしているよ。』

    優しい陛下の言葉。
    その期待に応えたい。

    琵琶の名手でもある陛下と、弾奏したい。
    そう願い、練習を重ねてきた。

    夕鈴は、自分では上達が分からなくとも、陛下がそう言うのだからと、
    信じるのだった。
     

    『練習を続けてくれる?
    君の傍で、練習を見ていたいな。』

    「ええっ!!
    上手な陛下の前で、ですか?」

    「私の音、聞くに堪えない音ですが……」

    泣きそうになりながら、陛下に止めたほうが良いと
    夕鈴が止めても
    陛下は、聞き入れてくれない。

    いつも、夕鈴の予想外の行動をする陛下に
    彼女は困惑する。

    『それとも、邪魔かな。』

    垂れた小犬の尻尾が見える。

    ……ああぁ。
    なんでそこで、落ち込むの?

    断われないっ!

    「……いえ、そんなことは。
    ほんとうに下手なんですよ。
    いいんですか?」

    『君の音は、一生懸命頑張っている
    君らしい音だよ。』

    『優しくて それでいて、
    しなやかな力強さを持っている。』

    『聞いていると、自然と力が湧いてくる。
    私は、君の音色が好きだよ。』

    そんな風に、陛下に誉められて
    自然と頬が染まりだす。

    『……だから、夕鈴。
    練習を続けて……側で聞いていたいんだ。』

    「分かりました。
    そこまで陛下が、仰るのなら……」

    再び、玻璃天蓋を震わして、夕鈴が月琴を奏で始めた。

    たどたどしくも、澄んだ優しい音色に耳を傾ける陛下。

    長椅子に二人寄り添い、
    瞳を閉ざして、微笑みを浮かべる陛下に励まされて、
    夕鈴は、月琴を奏でた。

    玻璃天蓋の中庭に、薔薇が咲く。
    花弁が、甘く震える 二人だけの穏やかな時間。

    音だけが、時を刻む玻璃天蓋の春の庭。

    夕日に天蓋が染まるまで、月琴は鳴り止まなかったという。


    おしまい。










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