花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    カテゴリ:【中編】 決戦はChristmas eve の記事一覧

    現パラ【短編】決戦はChristmas eve


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    郷愁を誘うメロディアスなチャイムが、駅のホームに鳴り響く。
    電車の発車を知らせる音と共に、ゆっくりと扉が閉まった。

    音をたてて……
    ゆっくりとホームを離れる車窓に
    夜景に彩られた僕の顔が映る。

    今夜は、white Christmas。
    街は、白い雪が舞い散る。

    僕は、真っ赤な薔薇を抱えて、君の待つ駅へと急ぐ。
    抱えきれない花束は、君への愛の証。

    恥ずかしいけど……
    映画のようなシュチュエーションに憧れる彼女への
    最高のChristmas プレゼント

    今夜は、最初に何て言おうかな?

    「結婚してください!」

    いやいや……
    いくらなんでも性急すぎるだろ?
    黎翔。

    やっぱり、ここは……

    「夕鈴、愛してる。
    コレを受け取ってくれないか?」

    ポケットに忍ばせた、小さくて大事なプレゼントの在処を指先で確かめる。
    車窓から、流れる街の夜景。
    今夜は、街中にクリスマスソングが聞こえる。

    幸せと不安がいり混じる僕の心を映したのかのように、
    雪も街も何もかも飛ぶように車窓から消える。

    イルミネーションのような輝く街並みが、今夜は特別美しく見えた……
    もう少しで、君の待つ駅に着く。

    恥ずかしがり屋な君へ
    駅での一世一代のプロポーズ。

    後にも先にも
    こんなプロポーズを贈るのは、君一人だけ。

    君は、喜んでくれるかな?

    presentを受け取ってくれるかな?

    僕の愛を受け入れてくれるかな?

    返事は、yesかな?

    甘く震える心を
    更に甘い芳醇な108本の真っ赤な薔薇が僕を応援してくれた。

    今夜は、負ける気がしない。

    108本の赤い薔薇は
    「結婚して下さい」という意味を持つ花言葉があるということを
    彼女から知った。

    花言葉なんて興味の無い僕が
    唯一覚えた花言葉。

    未来への賭けに、僕は瞑目し深く息を吸った。

    決戦は、今夜Christmas eve。
    あと一時間足らずで決着がつく。

    汽笛が鳴る。

    僕の運命は、彼女が握る。


    ……続く。

    2014.12.26.改定
    2014.12.25.初稿
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    現パラ【短編】聖なる夜に……

    前作
    現パラ【短編】決戦はChristmas eve
    続きは……との、白友さんのリクエストに応えて。(……るのか、不明)


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    差し出さた深紅の大輪の薔薇の大きな花束。
    夕鈴は、その豪華な花束を受け取るべきか躊躇していた。

    「夕鈴、
    merry Christmas!
    僕の愛を、受け取って!」

    どう見ても二週間分の食費は、ありそうな高価な花束。

    ……ああ、それだけあったら……

    ついつい育ち盛りの弟にお腹いっぱい食べさせてあげられると思うのは、母親代わりの主婦歴が長いからだろう。

    そんな計算だけは、手早く出来てしまう
    一般庶民の自分の身が、哀しい。
    その豪華な花束を差し出されたのは、自分だというのに……


    「夕鈴、
    君の為に選んだんだ!」

    先ほどから、受け取ってくれることを疑いもしない純粋さで、
    愛を囁くのは、紛れもなく私の恋人。

    私より美人で、社会的にも地位のある人……

    私より、この薔薇が似合うのは彼ではないかしら……
    美しいその顔を見ながら、つまらないことを考えてしまう。

    それにしても……
    クリスマスに、いつもは車でのデートが、今日に限って電車でのデート。

    いつもの彼の気まぐれだと分かっていても、
    突然、視界が真っ赤に染まり、
    その赤が薔薇だと知れば……誰だって驚くわ。

    まさか、こんな計画をたてていただなんて。

    膝まづかれて、
    かしづかれたことなんて無い。


    それに……
    ここ、駅の構内なんだけど……

    人の往来が激しく
    先ほどから、注目を浴びまくっていた。
    恥ずかしくって、居心地が悪いったらありゃしない。

    顔から、火が出そうな勢いで
    顔を真っ赤にして耐えていると……

    奇異と羨望と気の毒そうな人々の視線。
    夕鈴は、そんな視線を一身に浴びている気がした。

    まったく黎翔さんは、ぜんぜん分かってないっっ!!

    恥ずかしさに潤む瞳で、大好きな恋人を見た。
    勘違いした恋人が、にっこり微笑んでくれた。




    あーーー!

    もう、どうしてこうなったの?

    2014.12.26.改定
    2014.12.25.初稿