花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】IF・万葉「紅の薄様ーくれないのうすようー」※平安パラレル

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    【短編】IF・万葉「御所からの手紙」

    焚き染めた(たきしめた)東宮様からの手紙

    その雅で涼やかな香薫に、まだ見ぬ黎翔様への人となりが偲ばれた

    温かな気遣いの手紙

    優雅でありながらも、男らしい力強く伸びやかなその文字に

    どのような方なのだろうかと心が馳せる。

    急ぎ手紙をしたためて、庭の紅梅を手折る

    塗りの文箱に、手紙と共に東宮御所へと使いを走らせた。

    私からの文を、喜んでくださるだろうか?

    明日は輿入れの日。

    (もうすぐ、貴方に会えますね、黎翔様)


      2013.03.26. さくらぱん

    【短編】IF・万葉「月夜野」

    冴えた光る星に惹かれ
    (きざはし)から、庭へと降りた。
    見上げれば、満天の星空。
     
    永遠に等しい寿命の星にしてみれば、
    私の一生など、瞬きよりも一瞬にすぎないに違いない。

    ――それでも。

    ふと……思うと、
    夕鈴は、頬を染めた。

    たとえ儚(はかな)い瞬きだとしても、
    恋をして、一生を添い遂げたいと請い願う。

    ……願わくば、未だ見ぬ、東宮様と恋に落ちたら……

    恋歌を交わす仲なれど、
    顔を知らない東宮・黎翔さまを恋慕う。

    胸に忍ばせた、焚きしめた文から薫る。
    爽やかな針葉樹の森のような雅な香り。

    人となりを知るのは、したためた文だけ…

    伸びた輿入れの日を指折り数えて、
    善き日を待つ。

    どのようなお方なのだろうか?
     優しい方ならいいな…

    文から薫る香を吸い込み、思いを馳せる。

    あなたも、この夜空を見ていますか?
    私のことを、考えていますか?

    黎翔さま……
    もうすぐ、あなたに会えますね。

    何から、お話しましょうか?

    会える日を楽しみにしています。

    【短編】IF・万葉「伽羅」

    焚きしめた衣から
    薫る
    伽羅の香り

    「どうした…?」

    東宮様に、これ以上
    ご心配をかけたくないのに……

    ドキドキがおさまらない!

    火照る頬を、袂で隠し俯いた。

    茹でダコみたいな赤い顔を、見せられないわ~

    ……っ!

    お願いだから、もう近づかないで……
    私の願いも、虚しく

    東宮様に、
    肩を引き寄せられた。

    「あっ…あの……」

    「そのように、緊張せずともよい。」

    「でも……あの……、
    東宮様!」

    「黎翔だ、夕鈴」

    「今宵からは、
    夫婦なのだから……」

    「はい……
    でも、黎翔様。
    わたくしは、
    恥ずかしいのです!」

    「何を、恥ずかしがるというのだ?」

    「恥じらう姿も、また良い。
    まこと匂いたつ花のごとし……
    今宵は、存分にそなたを愛でようぞ」

    指先で、おとがいを捕らえられ……
    上向かされて、顔を覗かれた。
    私の唇に、
    東宮様の唇が触れる……

    柔らかな感触と
    雅な伽羅の香

    震える指先で握り締めた
    東宮様の直衣。

    御簾の内側

    はじめての口づけ




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    【短編】IF・万葉「櫻」  大人味

    慎さんからのギフト
    (撮影☆麻杉慎様)



    東宮御所にも、春が来た。

    赤い緋毛氈をひき、しばし櫻の花陰にて
    春に酔う。

    澄んだ空に、雲雀が歌う。

    光を纏った花びらが、ひらひら……

    夕鈴の瞳は、春霞のように櫻の夢に酔い。

    夕鈴は隣に座する黎翔に、酒を勧めた

    「黎翔さま、もうおひとついかがですか?」

    「君が為 花開く櫻の見事なことよ。
     花散らす時を夢見るは、覚めても覚めても 君なればこそ……」

    「宵まで待てぬ、夕鈴。
     今ここで、そなたの花を存分に愛でようか?」

    酒盃をあおり、夕鈴を引き寄せた。

    「黎翔様…酔っておいでですね。
    お戯れを……ここは、イヤでございます。」

    「夕鈴、否とは言わせぬ。」

    「……東宮さまっ!!」

    焦る夕鈴を緋毛氈に縫い付けた。
    黎翔は、花狩り人の気配を纏い、夕鈴を戒める。
     
    ン・・・んぅ。

    そのまま…唇を奪い、甘美な花の蜜を味わう。

    はらはらと櫻が舞い踊る。
    穏やかな春の日。
    薄紅の花弁の散る緋毛氈の上で

    幾重にも開いた十二重の愛しい花が咲き誇る。

    乱れるほどに美しく咲く
    櫻と見まごう薄紅色の愛しくも清らかな花

    宴が始まる
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