花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【詩文】『Hallowe'en~ハロウィン~』プロローグ


    真夜中のハロウィン
    血のように真っ赤な嗤う月が、地上を照らす。
    家々の玄関先には、オレンジ色の魔よけの光
    Jack-o'-Lantern

    闇の世界の住人が動き出す
    『今夜は、森へ行くのはおよし』
    『ハロウィンの森は、闇の世界が息づいている』
    『何があっても知らないからね』

    Jack-o'-Lantern
    Jack-o'-Lantern
    守っておくれ。
    闇の世界の住人たちから、人間を!!!

    Jack-o'-Lantern
    Jack-o'-Lantern
    お願いだから
    その魔よけの光りで追い払って
    闇の世界の住人たちを!!!

    Jack-o'-Lantern
    Jack-o'-Lantern
    頼りにしてるよ
    Jack-o'-Lantern その魔よけの光を!!!
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    【短編】『Jack-o'-Lantern~ジャック・オ・ランターン~』

    廻る・・・・廻る・・・時計の針
    長い坂道を転がるように走り抜ける
    シルクハットを被り 時計を持ったうさぎを追って

    森の入り口のジャック・オー・ランタンの光が届かない
    暗闇の森へと
    長耳兎のアリスが走る
     
    ジャックが叫ぶ

    『アリス、アリス、戻っておいで!!!』
    『僕の魔よけの光が届かない、森の奥へ行くのはおよし。』
    『森は、魔物たちが潜んでいるよ。』
    『戻っておいで、アリス!!!』

    兎に夢中のアリスの耳には届かない。
    誰の声も聞こえない。

    兎に誘われ 深い森の中へ
    更に・・・・ 更に・・・・ その奥へ

    ひらひらと翻る水色のドレス
    長い耳がぴょんぴょん飛び跳ねる。
    金茶の髪が闇の森に消える

    そのアリスの後を 心配したジャックが追いかける
    かぼちゃ頭のジャック
    紅い瞳がアリスを探す
    魔よけの光りが暗い森を照らす。

    アリスの軌跡を ジャックは追いかける
    彼もまた森の奥へ  魔物が潜む森の中へ

    【短編】『black cat~ブラック・キャット~』

    黒い毛並みの小さな獣

    ゆっくりとした足取りで長耳兎のアリスの目の前を通り過ぎる

    迷子のアリス・・・・

    いつの間にかシルクハットの兎を見失う。

    小さな黒豹が優雅に横切る 金の瞳がアリスを射抜く

    意味ありげなその視線

    古い迷信が頭をよぎる


    black cat 黒猫が前を横切ると不吉なことが起きる
    or
    black cat 黒猫が前を横切ると幸運なことが起きる


    どっちなの
    どっかしら・・・・

    小さなハートの白斑(エンジェルマーク)

    エナメルの光沢・黒い毛皮・金色の瞳の小さな獣

    貴方は、私に何をもたらすの???

    暗闇の森に消える間際に

    金の瞳がキラリ☆

    black catが、片目を瞑りウインク☆した気がした。

    【短編】『werewolf~ワー・ウルフ~』

    まぁるい月が紅い。

    遠くで狼の遠吠えがする・・・・

    闇の森に赤い月を見上げる一人の男

    紅い月を映しこんだような紅い赤い瞳

    ざわりと・・・黒髪が逆立つ

    紅い月が輝く・・・佇む男を照らし出す。

    そこに、長耳アリスがやってきた。

    闇夜の深い森に佇む人への不審を覚えず

    無防備に近づくアリス

    アリスが近づく男が何者かも知らず・・・

    ーーージャックの警告の声
    《アリス・アリス・気をつけて!!!》
    頭の奥で木霊する。
    だけど、アリスには、届かない。

    地を這うような低いうめき声

    ビクリとアリスの耳が反応する

    その声は、佇む男から、発せられた声

    紅い月に、雲が掛かる

    雲が切れた時、男は消えて、一匹の大きな黒狼

    アリスを捕まえ その背に乗せた

    そのまま、更に奥の暗闇の森へとアリスを連れ去る

    ーーージャックの警告の声
    《アリス・アリス・気をつけて!!!》
    頭の奥で木霊する。
    だけど、アリスには、届かない。

    《アリス・アリス・気をつけて!!!》
    ーーージャックの声は届かない

    ジャックの声は遅かった。

    【短編】『black cat~ブラック・キャットⅡ~』 ※パラレル

    《ねぇ…お嬢ちゃん、ここから先は、行かない方がいいわよ》

    暗闇の森の中で、黒髪の綺麗な

    黒猫アリスが、樹の枝から、話かける

    三角耳に長い尻尾。

    真っ赤な唇で、木の枝に座る

    真っ赤な舌で、ペロリと唇を舐めた。

    その顔は長耳兎のアリスの顔と同じ

    琥珀に金を溶かした瞳が、光る

    《この先は、お嬢ちゃんには、危険だわ。》

    《早く森からお逃げなさい》

    《ジャックが、貴方を探してる。》

    《ほら…あなたを呼ぶ声が聞こえるでしょう》

    《ジャックの呪いはあなたにしか溶けないのに…》

    《それても、貴方は、森の奥へ進むの?》

    長耳兎のアリスは、こくりと頷く

    私の見つけたいものは、この先にあるのかもしれないから・・・

    何を探しているのか?

    長耳兎のアリスには、それさえも分からない

    ただ・・・

    迷い無い足取りで  森の奥へと足取り軽く 進んでいく

    《ちゃんと、忠告したわよ。お嬢ちゃん》

    真っ赤な色の嗤う満月。 黒々と飛び行くジャックの影・・・

    《かわいそうな…ジャック》

    《・・・貴方の声は、アリスには届かない。》

    《こんなにも、貴方は、彼女を心配しているのに》

    《本当にかわいそう・・・・》

    最後の言葉は誰のため?

    ジャック? それとも、長い耳のアリス?

    金の瞳は、闇の森の奥へ・・・・

    その瞳は、何を見ているのか?

    黒猫アリスは、謎めく笑いを残したまま、夜の森に解けて消えた

    【短編】『Chiroptera ーキロプテラー』

    漆黒の翼を持つものが、空を飛び行く

    闇の森をどこへ行くというのか?

    Chiroptera ーキロプテラー   蝙蝠よ

    冷たい闇の住人達の御使いよ

    その漆黒の黒墨(こくぼく)の瞳で、今日の生け贄を探せ!!!!

    温かき血潮の生け贄を!!!

    漆黒の闇の森・全ての Chiroptera に告ぐ

    温かき血潮の生け贄を我の元へと一刻も早く導け!!!

    紅き瞳の我のもとに・・・・


    Chiroptera ーキロプテラー  
     ラテン語で、こうもりという意味です。

    【短編】『Trick or Treat~トリック・オア・トリート~』※少し流血注意です。

    『Trick or Treat~トリック・オア・トリート~お菓子をくれなきゃいたずらするよ』

    真っ赤な瞳のヴァンパイアが、長い耳のアリスに問いかける。

    アリスは、籠ごとお菓子を差し出す。

    「はいどうぞ。」
    「これで、いたずらするのは、やめてね。」

    ホッとして、ヴァンパイアに、にっこり笑った
    はしばみ色の瞳のアリスは、金茶の髪を靡(なび)かせながら、ヴァンパイアに無垢な笑顔で笑った。

    (だって、お菓子があるのですもの。)
    (ヴァンパイアでも、怖くないわ。)

    アリスの鮮やかな微笑み。
    煌めくはしばみの瞳、揺るがない自信。

    ・・・・だけど、
    ヴァンパイアは、籠を受け取らない。

    もう一度アリスに問いかける。

    『Trick or Treat』
    『僕が欲しいのは、このお菓子じゃない。』
    『君は、お菓子を用意できなかったね。』


    ・・・・・嘘つきなヴァンパイア。

    アリスを捕まえ、紅い瞳で魅縛(みばく)する

    静かな時

    のけぞり晒されるアリスの白い首筋

    「・・・・・・・ぁ」

    プツンと―

    長い牙がゆっくりと・・・・

    白い首筋に流れる

    赤い・・・・あかい・・・・二本の血筋

    『美味しかったよ。お菓子をありがとう。』

    紅い瞳は、愛しげに少女にキスをする。

    ヴァンパイアの腕の中には、少女が一人。

    お菓子は君だったんだよ。

    嘘つきなヴァンパイア

    ばらばらと・・・

    散らばり転がる色とりどりのキャンディー

    ・・・・・赤い月

    今夜は、ハロウィン

    《魔物たちの宴》

    【短編】『Jack-o'-Lantern~ジャック・オ・ランターンⅡ~』

    『僕は、間に合わなかったんだね』

    かぼちゃ頭のジャックは、悲しげに

    地面にうち捨てられた長耳兎のアリスを掻き抱く

    紅い焔の瞳が、悲しげに揺れ動く

    『僕の声は、聞こえなかったのかい?』

    『何度も、探したんだよ・・・・君を』

    まだ暖かいアリスの首筋に 赤い二つの穿つ傷跡

    痛ましげに傷をなぞる ジャックの白手袋が血で染まる

    『アリス・・・アリス・・・・僕の愛しい君』 

    『僕は、間に合わなかった』

    『せめて、僕の破魔の焔で、君の穢れを浄化してあげる』

    ジャックの唇が首筋の傷をなぞる

    ちろちろ・・・と炙る オレンジの焔

    ジャックの唇が離れると、アリスの首筋は白い綺麗な首筋に

    穿った穴は、もう見当たらない。

    もうどこにも、傷など見当たらない。

    ジャックとアリスに赤い月

    嗤う月に影が掛かる 嘲笑う魔女の横顔

    《奇跡を望むか?》

    赤い月が問いかける

    《その娘の奇跡を願うか?ジャックよ!!!》

    《願うならば、望むが良い。今夜は、ハロウィン。》

    《魔物たちの夜》

    《お前の破魔の力を解き放てば、お前の望みは叶うであろう。》

    《その代わり破魔の力は、使えなくなるであろう。》

    《それでも、望むか? ジャック》

    【短編】『Hallowe'enの奇跡~ハロウィンの奇跡~』 

    赤い月が輝く ジャックの浄化の焔が立ちのぼる

    願うのは、奇跡

    愛しい娘の復活。ジャックの願い。

    オレンジ色のジャックの焔は、月に向かって立ちのぼる

    浄化の火の粉が落ちる

    その色は、魔物を滅する破魔の色。

    銀色の火の粉が落ちる

    静かに静かに降り積もる

    アリスとジャックに降り注ぐ

    くず折れた二人の影が地面に落ちる

    銀色の火の粉が降り注ぐ・・・

    それは、ジャックの願い・ジャックの望み

    ピクリと、長耳が揺れ動く

    銀色の粉の中でアリスが起きた

    朝の目覚めのように伸びをする。

    金茶の髪、はしばみ色した長い耳の可愛いアリス

    ジャックの願いは、叶えられた。

    代わりに動かないジャック

    かぼちゃ頭の可愛そうなジャック

    再び開いた大好きなはしばみ色の瞳を見れないなんて・・・

    彼の瞳は、黒く穿ち  光りは見えない。

    「ジャック・・・あなたが、助けてくれたの?」

    銀粉に半分埋もれたその姿

    「ありがとう・・・」

    ぽろりと、透明な涙が零れ落ちる

    ジャックの頬を濡らす。

    アリスは、ジャックにキスをした。

    お別れと、感謝と真心を込めて、ジャックの唇に。

    パリーーーーーーーーン

    ガラスが割れるような音。空気にヒビが入る。

    ぱらぱらと剥がれ落ちるかぼちゃの頭

    ジャックの呪いが解ける

    見る間に、黒髪の端正な顔の青年が・・・・

    アリスは、驚いたまま動かない

    青年の瞳が開く

    ーーーーー赤い紅い瞳

    アリスが、びくりと身を震わせる

    その顔は、狼男・ヴァンパイアのもの。

    その瞳は、狼男・ヴァンパイアのもの。

    『アリス、生き返ってくれたんだね。』

    『呪いを解いてくれて、ありがとう、アリス。』

    温かな言葉。

    その声は、ジャックのもの。

    温かな優しい紅い瞳。

    その瞳は、ジャックのもの。

    「あなたは、ジャックなの?」

    いつの間にか、浄化の銀色に姿を変えた月

    月光に輝く銀粉の中で

    アリスとジャックは、抱(いだ)きあう。

    お互いの無事を確かめ合うために。

    優しい紅い瞳が見つめる先は、愛しいはしばみ色の瞳。

    ジャックは、愛を囁く

    『アリス、愛しているよ。』

    『ずっと前から、愛していたんだ。』

    重なる二人の唇・・・・柔らかな優しい抱擁

    復活を遂げて、望みを叶えたジャックに祝福を!!!

    森の中で金の瞳の小さな獣が、
    ウインク☆しながら宙返りして闇夜に消えた。


            ―Hallowe'en~ハロウィン~・完―

    『Hallowe'en~ハロウィン~』・・・・はじめに

    ●こちらは、ハロウィン用の短編・詩文を一つにまとめたものです。本日のハロウィンまで、少しづつ公開してきました。
    もしも・・・・仮装でなくて、本物だったらの短編・ヴァンパイアのタネから、次々とタネが落ちてきました。
    ヴァンパイアでは、少し陰惨な流血表現を含みます。
    完全捏造・パラレルですので、狼陛下のイメージを壊したくないかたは、お勧めしません。それでも、いいよという優しい方のみ閲覧願います。

    それでは、さくらぱんのHallowe'enを、どうぞ皆様お楽しみください。

                        2012.10.31.さくらぱん



    【詩文】『Hallowe'en~ハロウィン~』プロローグ

    【短編】『Jack-o'-Lantern~ジャック・オ・ランターン~』

    【短編】『black cat~ブラック・キャット~』

    【短編】『werewolf~ワー・ウルフ~』

    【短編】『black cat~ブラック・キャットⅡ~』 

    【短編】『Chiroptera ーキロプテラー』

    【短編】『Trick or Treat~トリック・オア・トリート~』※少し流血注意です。

    【短編】『Jack-o'-Lantern~ジャック・オ・ランターンⅡ~』

    【短編】『Hallowe'enの奇跡~ハロウィンの奇跡~』 


    おまけ
    【短編】パラレル・メルヘン『魔性の月』※大人風味 もしも夕鈴がバンパイアだったら