花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    カテゴリ:◇おりざさん&さくらぱん の記事一覧

    【中編】学パロ「会長と私」

    ◆現代パラレル
    ◆学パロ
    ◆キャラ崩壊
    ◆お馬鹿ネタ



    「おい…
    会長見なかったか?」

    「生徒会室に、居ないのか」

    「居ないから、聞いてるんだけど。」

    「……また、副会長の教室なのかな?」


    恒例となった会長探し。
    生徒会長殿は、たびたび居なくなる。

    見つかるのは、いつも三のA。
    副会長殿の教室だ。 

     俺たちは、顔を見合わせて、
    同時に重いため息をついた。

    生徒会の1日は、会長探しから始まる。
    生徒会長殿のパターンは、すでに読み切っている。

    決まって、愛しの副会長殿の側で見つかる。
    その副会長が問題だった…

    頭脳明晰、スポーツ万能、そして顔もよしの副会長殿。
    信頼も厚く、各方面からひっぱりだこ。
    教室に居たためしがほとんど無い。
     

    (今日は、教室にいるといいな……)

    どちらともなく、思ったことは、
    お互いに口にせずとも分かってしまった。

    チラッと見た時計は17時。
     とりあえず、副会長殿の教室に行くしかない。
     
    予定の入っていない急な案件だが・・・
    会長殿が居なくては、話にならない。

    (まだ教室に、副会長殿がおりますように!!)

    俺達は、急いで三のAに向かうべく
    急いで階段を駆け上がって行った。


    …続く




    .


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    【中編】学パロ「会長と私2」

    ◆現代パラレル
    ◆学パロ
    ◆キャラ崩壊
    ◆お馬鹿ネタ

    「ねぇ…
    黎翔ぉ~
    おなかすいた~

    「まだ帰らないの?
    もう帰ろうよぉ……」

    「…夕鈴。
    さっきから、そればかりだよ。
    …っていうか、背中から下りて」

    「…嫌!
    ここがいいの!!!」

    ぷぅ…と両頬を膨らませて、駄々をこねる。
     子供じみた駄々をこねる彼女は、とても同い年には見えない。
    黎翔は、幼なじみでもある彼女に大仰にため息をついた。

    「…夕鈴。
    下りて欲しいんだけど。
    重い!!」
     
    「失礼ね。
    私は、そんなに重くないわよ。」

    背中に張り付く夕鈴は、笑いながらも下りる気配がない。
    毎度のことだが、どう説明したらいいんだろう……

    年頃のはずの彼女は、子供じみていて羞恥心が薄い。
    最近、彼女の身体の柔らかさを意識してしまう黎翔は、
    自分自身をもてあましていた。

    思春期の黎翔は、複雑なため息を再び吐いた。

    自分より身が小さく、無茶ばかりする彼女を守りたい。
    冷たくしても、無邪気に慕う彼女を心から大事にしている自分が居る
     
    みにょーーん。

    「黎翔。
    眉間にしわ。」

    「夕鈴っ、頬をつねるな!!」

    はしばみ色の瞳が至近距離で、黎翔の瞳を覗き込む。

    「最近、難しい顔ばっかり、
    黎翔、心配事なら相談に乗るわよ?」

    問題のタネからそう言われても、相談なんて出来やしない。

    「悩み事なんて無いよ?」

    「うそ。ここに書いてあるわよ」

    ぐりぐりと、眉間を指でこずく夕鈴。

    自分のことより、いつも他人のこと。
    とりわけ黎翔のことには、心砕いている姿が愛おしい。
    少しは、自分のことに敏感であって欲しいのに……

    苦笑いするしかない黎翔は、それ以上何も言えず夕鈴を背中に貼り付けていた。




    ――そのとき。


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    (挿絵☆おりざさん)


    「いたぁ―!
    会長ぉ~×2」

    「なに????
    やっばい!
    黎翔、見つかった!」
     
    「なんだ?」

    三人三様の言葉が、飛び交う。

    「黎翔副会長!!!
    夕鈴会長を捕まえていて下さいっ!!」

    「…夕鈴、また脱走か!?」
     
    「脱走ではない。
    今日は、何も予定がないばずだ。」

    「しかたがない。
    黎翔…逃げるぞ!!!」

    「うわぁぁ、夕鈴!!!
    もみあげを掴むな」

    「黎翔、少しは我慢しろ。 

    会長命令だ!!
    あっちだ。
    逃げ切れ!!!」

    「あぁ~
    夕鈴会長ぉ~
    珀副会長ぉ~~」

    会長命令とあらば、仕方ない。
    白陽生徒会は、絶対君主に従うのが、ルールだ。

    学園一、俊足の黎翔。
    あっという間に、追ってを引き離した。

    黎翔が、わずかに上がった息を整えていると…
    背中から、声がした。

    「さすがだな……黎翔。
    誰も鬼ごっこではかなわない。」

    「…夕鈴。
    今度は、なんだ?」
     
    「なんだろうね?
    急用ではなさそうだから、明日でもいいのかなと……」

    おっとりとした口調で、のほほんと話す夕鈴は、
    白陽学園の生徒会長を勤めている。
    実質は、黎翔以下の強力な生徒会陣が
    夕鈴を支えているのだか……

    直観力と、なりふり構わない行動力。
    そして、いつの間にか巻き込まれて彼女に協力したくなるという
    不思議な魅力で白陽生徒会を潤滑に運営していた。

    世のため、人のため、学園のために無鉄砲に奔走する彼女を、
    誰もが慕い、誰もが見ていられないだけなのだけど。

    「……夕鈴。」

    冷たい空気を孕ませて、黎翔が夕鈴に問いかける。

    「ん…狼陛下の降臨かしら?」

    「問題事は、ゴメンだ。」

    「だーーーい丈夫だよ。
    あの二人、そんなに切羽詰ってなかったもん。」

    あはは……と笑って、夕鈴が言葉を紡ぐ。

    「それに、だいたい予想はつくわ。
    新設の部費の件だよ。」

    「私そういうの苦手…予算の数字がのきなみ赤字ばかりで頭痛くなった」

    「…ゴメン、黎翔。
    そのあたりは、あなたが何とかしてくれるのでしょう?」

    ペロリと舌を出して、悪びれず謝る夕鈴に、
    黎翔は毒気を抜かれる。

    「それと、せっかくあなたと二人で会える貴重な時間を邪魔されたくなかったの…」

    ほぽっ…と頬を染める夕鈴。
    頬を染めて可愛らしい言葉を、至近距離で言われたら
    狼陛下も牙が抜ける。

    ふぅ……

    「夕鈴、肉まん3個で手を打とう。」

    「ええぇっっ・・・・・黎翔、1個で。」

    「それじゃ、ダメ。……3個。」

    「ふぇ…じゃ、せめて2個。」

    …………

    ……



    夕映えの校舎に、長い影が伸びる。
    じゃれあう二人の影が、遠ざかる。
    響きあう明るい二人の笑い声。

    今日も、白陽学園は平和だった。


    おしまい。




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