花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    さかなやさんからの誕プレ【捏造注意】けんじゃとおくりもの【氾家兄妹】

    SNSで、ご交流いただいています。
    さかなやさんから、頂いた誕生日プレゼント!!!

    もう嬉しくてしかたない。
    UPを誕生日まで待てません。
    自慢します!!!
                     2013.12.12.さくらぱん
                     
      




    さくらぱんさんから種をもらったネタ。
    すいません、なんか色々頂いたのに生かせてなーい…

    ・すごい捏造です
    ・まだ若くていろいろいっぱいいっぱいな水月さんと、
    小さい紅珠先生の話
    ・紅珠先生の頭が弱すぎますが、
    欲しいものはどうしてもほしくて前が見えない子が小さいとこんなんじゃないかなーと思い。



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    水月は池の見える場所に座っていた。
    廊下なのだが、
    ここが一番綺麗に見えるからといって気にしない。

    父上のあの顔は初めてだったかも、
    と思い出してみる。
    怒っているわけではないだろうが。
    氾家の長男として生まれてこのかた、
    あの父親に怒られたことは一度もない。
    驚いているようにも見えなかった。
    強いているなら少し寂しがっているような、
    悲しんでいるのとは違う…

    理由は単純に、おもしろくなかったからだ。
    このままこの何人だか分からない人間の丸い背中に囲まれて、
    何時間も筆を握っているのが嫌だったのだ。
    試験の内容だって、
    この国で一番の難関といわれているわりには大したひねりもなかった。
    その時間はとても無駄に感じて、
    ついつい何も書かずに出てきてしまった。
    一応父親に言われて受けたのだから、
    名前ぐらいは書いてくればよかっただろうか。

    王宮はおもしろいところだと言われたけれど、
    あの試験を受けて選ばれた人間が集まる場所がおもしろいとは到底思えない。
    かといって、
    他に特別やりたいことがあるわけでもない。
    ただこうして毎日庭を眺めたり、
    楽器を弾いたり、
    散歩をしたりできればいいのだけれど。
    わざわざあの親が声をかけてくるということは、
    この生活に文句があるからだろうと思って、
    一応試験は受けようと思ったのだが、
    どうしても耐えられなかった。
    つまらないんだから仕方がない。
    しかも年齢のせいで、
    通り過ぎる人間にいちいち嫌味ばかり言われて、
    流石に疲れてしまった。

    後ろのほうでドタバタと音が聞こえている。
    末の妹が大きくなるにつれて、
    少し家の中は騒がしかった。
    最近は父が紅珠のために服や装飾品を集めているから、
    家には前より頻繁に商人が出入りしている。
    そろそろ後宮に入れるころなのだろうか。
    いやまだ確か6だか7だか…少し早いか。
    何歳年が離れているのかもあまりはっきり覚えていない。
    水月はあまり紅珠とはかかわってこなくて、
    なんとなく横を通り過ぎて、
    小さいと思うくらいだ。

    「紅珠様、
    危のうございます!」

    随分騒がしい、と思いながらもあまり気にはとめていなかった。
    ジョキ、と不吉な音がするまで。

    あまりにも聞きなれない音のため、
    流石の水月も驚いて後ろを見た。
    一番最初に視界に入ったのは小さい妹の紅珠で、
    その手にはハサミが握られた。
    それと、もう片方の手には髪の毛の束だ。
    なんて気持ちの悪いものを持っているんだ、
    と紅珠の綺麗な手から預かろうかと思ったが、
    よく見たらその色は自分の髪の色と同じであったし、
    随分頭が軽くなっていた。

    「紅珠、何しているんだい」
    「ないしょですわ」

    内緒も何もないだろう、と思うのだが、
    紅珠はすぐに後ろを向いて走りさっていってしまった。
    周りに立っている使用人や
    紅珠のお目付け役は青ざめている。
    念のため首の辺りに手をやると、
    やはりそこを覆ってくれるものはなくなっていて、
    ずいぶんぞんざいな理髪師である。

    呪いやまじないの類ではないだろうが、
    いったい妹が何もしようとしているのかは気になって、
    水月は重たい腰を上げるとのろのろとその後を追った。
    話し声がするからなんとなく居場所はわかる。
    水月が角を曲がると、
    目があった使用人はびくりと反応して気まずそうな顔をした。
    その立っている扉の向こうに紅珠がいるのだろう。

    「紅珠は?」
    「この中にいらっしゃいます」
    「私が入ってもいいのかな」
    「止めるように申し付けられてはおりますが…」

    幼い紅珠のいうことよりも、
    もちろん長兄の水月の言葉のほうが重い。

    「入れてくれる?」
    「…はい」

    一言声をかければすぐに扉があいた。
    中には紅珠と、
    色とりどりの飾り紐。
    床に散らばって一枚の絵画のようになっている。

    「水月兄様!」
    「紅珠、水月兄様は仲間はずれなのかい」

    紅珠の隣には弟2人も座っていて、
    2人とも困惑した顔をしている。
    紅珠は入り口に立っている使用人を睨んだ。

    「ないしょだって言ったのに」
    「ごめんごめん。
    どうしても兄様が入りたいってお願いしたんだ」
    「もうっ」
    「何をしているの」

    尋ねると、
    紅珠は飾り紐のひとつを握って、
    誇らしげに近づいてきた。

    「兄様、
    シケンに落ちて落ち込んでいらっしゃるのでしょう。
    元気を出してくださいませ。
    紅珠が新しいかざりで髪を結んでさしあげますから、
    一緒にお外に出かけましょう」

    紅珠は水月の後ろにまわりこんで、
    やっとそこで自分のした過ちに気付いたようだった。
    布の上に置かれた髪の束と、
    短くなってしまった水月の髪を見比べて、
    泣き出した。

    「紅珠、
    泣かないで」
    「ごめんなさい、兄様。
    ないしょで一番似合うお色を選んで差し上げたかったの。
    だって紅珠の髪の色は兄様と違うから、
    分からなかったんだもの」
    「ありがとう。
    すぐに伸びるから、そしたら紅珠が結んでくれる?
    兄様は来年も試験を受けるから、
    そのときに合格できるように。
    1年後だよ」
    「…はい」

    鼻水でべちゃべちゃになった顔を拭いてやって、
    抱きしめると、
    紅珠はさらにわんわん泣き出した。
    小さい手に服の袖をつかまれるのは、
    そこまで嫌いではないと気付いたのはこのときだ。

    「ねえ紅珠、
    こんなにたくさんあるのだったら、
    兄様も紅珠に選んでいいかい」

    しかも、これだけで笑顔になるのだから。
    つい頭を撫でてやりたくなっても仕方ない。


    【補足】
    息子が思った以上に頭良すぎていろいろできちゃってつまらなそうだったので、
    ためしに科挙を受けさせようと思ったのだけど、
    つまらないといわれてしまい、
    じゃあ他の手段で王宮に入れるか…という大臣。

    今まで特に何も言われてこなかったのに急に試験受けろといわれて、
    父親に逆らうだけの理由もないしとりあえず会場に行ってみたけどなんかおもしろくないし帰ってきちゃって、
    でも帰ってきたら父親の反応が微妙でもしかしてなんかやらかしたんだろうか。
    でもなんか知らない人いっぱいだしいやなこと言われるし気持ち悪いしどうしよう、と思いつつもあまり考えてない水月さんの若い頃、と

    甘やかされてよくわかんないことになってる紅珠。


    水月さんは科挙受けたら受かるけど受けなかったんじゃないかなーという妄想。結局このあと大臣がなんとかして王宮に入れちゃう。
    で、大臣の息子だから何もいえないけどなんかすごい優秀で周りが何も言えなくなってしまった状態が今、みたいな。
    その後陛下が来て怖くなって逃げたけど、
    昔若いときに勤めてた優秀さは忘れられてないですよあたりまで妄想したけど正直水月さんの情報少なすぎて色々枝分かれしてしまいますね!


    2013年
    12月07日
    00:53 続きを読む
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    あささんからの誕プレ《贈り物》

    【設定 未来夫婦】



    《贈り物》




    「はい、どうぞ。」

    「・・・?」


    突然の、夕鈴からの贈り物。

    全く心当たりが無くて、面食らった。


    「あの、夕鈴、これ。」

    「ふふ、ナイショ、です。」


    茶色の瞳がくるりと光り。

    楽しげに笑う。


    「どうぞ、開けてください!」


    期待に満ちた眼差しを裏切るのがもったいなくて。

    綺麗な手巾に包まれた小さなそれを、黎翔はそっと受け取り。


    「なんか、ふわふわしてる・・・」

    「ふふ。」


    開く。



    中から出てきたものは。


    純白の、小さな。

    柔らかな手触りの、ふんわりとした、産着。


    「_______っ!」

    「・・・私からの贈り物、です。」


    頬を染め、俯きながら。

    夕鈴は微かに震えて。


    「よ、喜んで、頂けましたか?」


    不安げに、問う。




    目の前には、愛しい妻。

    何を棄てても手に入れたい、愛しい、君に。


    僕、の。


    「_______夕鈴っ!」

    「むぐっ!」


    気づけば、力の限り抱き締めていた。


    「く、苦しっ!」

    「夕鈴、夕鈴!ありがとう!!」


    笑いながら、涙を流して。

    二人はいつまでも抱き締め合った。


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    Sanaさんからの誕プレ「聖なる夜の贈り物」前編

    ※本物夫婦かな?











    仲睦まじいと評判の王様とお妃様様は、その日も二人仲良く長椅子に座っていました。
    王様はお妃様を膝の上に乗せ抱きしめています。
    お妃様は恥ずかしそうに頬を染めながら王様に寄り添っていました。



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    王様が言います。

    「その日は異国では聖夜と呼ばれているんだ」
    「綺麗な響きのする記念日ですね」
    「その日は家族や恋人同士で贈り物をしあって一緒に食卓を囲むらしいよ」

    お妃様は王様の言葉に耳を傾けます。

    「僕たちもやってみない?」

    王様の事が大好きなお妃様は、王様の頼みを断る事が苦手です。

    「ダメ?」

    小首を傾げ小犬のような可愛らしい様子の王様に、お妃様が勝てるはずもありません。


    「やりましょう!」

    お妃様はしょんぼりしかけた王様を励ますように、王様の膝の上で拳を握りしめました。



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    約束したものの王様は悩んでいました。
    王様がプレゼントたいものは沢山ありますが、質素倹約を旨とするお妃様はいつも受け取ってくれません。
    王様はどうにかして大好きなお妃様を喜ばせようと一生懸命考えました。


    お妃様も頭を悩ませていました。
    王様はあまり物を欲しがりません。
    それにこの国で一番偉い人ですから、何でも持っています。
    お妃様はいつも優しい王様にどうしても喜んでほしくて一生懸命考えました。


    聖なる夜、王様とお妃様はいつものように二人で仲良く過ごします。
    王様もお妃様も贈り物を楽しみにしていました。
    そして自分が選んだ贈り物が喜んでもらえるか、とてもドキドキしていました。

    どちらから渡すか、譲り合って決まらなかったので、二人で一緒に贈り物を出すことにしました。

    王様とお妃様は向かい合って立ち、背中に贈り物を隠します。

    「せーの」の掛け声と共に差し出された贈り物を見た二人は声を揃えました。




    「「こんなの使えない(です)!!」」



    王様もお妃様も相手からの贈り物に驚き、目を見開きました。


     

                  011.gif 続きを読む

    Sanaさんからの誕プレ「聖なる夜の贈り物」後編

    ※本物夫婦?アホアホです!














    王様は一生懸命考えました。
    王様はずっと愛するお妃様に贈り物をしたいと思っていたのです。
    贅沢だといつも怒られていた王様は考えました。
    自分で作れば受け取ってもらえるかもしれないと。
    幸いにして、その話が出たあとに地方への視察がありました。
    王様は自ら近くの鉱山へと赴きました。
    王様の登場に鉱山は騒然としましたが、王様は望むものを手に入れました。

    王様は考えを巡らせました。
    お妃様は実用的なものが好きです。
    これならば喜んでもらえるかもしれないと職人に弟子入りして自らの手で一生懸命作りました。



    「陛下!こんなの使えません!!」


    一生懸命作った作品に対してお妃様はそんなことを言います。


    「なぜだ?君に似合うと思って一生懸命作ったのだぞ?」
    「陛下が作られたのですか!?」
    「そうだ。私が鉱山に赴き、職人に弟子入りして作ったのだ」


    王様は誇らしげに胸を張ります。

    「尚更使えません!!」


    お妃様は王様からの贈り物を握りしめ、悲鳴をあげます。


    王様からの贈り物、それは銀で作られたお玉だったのです。
    しかも柄の部分には王様が自ら探したルビーが燦然と輝いています。

    「なぜだ?料理好きの君に合わせたつもりだったのだが」

    王様は顔を悲しげに歪ませます。

    「こんな高価なもので野菜炒めが作れますか!?」


    王様とお妃様の部屋に、お妃様の絶叫が響き渡ります。


        017.gif


    お妃様は一生懸命考えました。
    王様が喜ぶものはなんだろうと。
    王様はいつもお妃様の手料理を喜ばれます。
    だけどお妃様は形に残るものを渡したかったのです。

    王様が大好きなものでお妃様があげられるもの、それを考えるのは難しいことでした。


    これだ!と閃いたお妃様は回りの女官たちの反対を振り切り、陛下の為に準備なさいました。


    「こんなの使えないよ!」


    王様は思わず叫びます。

    お妃様は考えました。
    王様はお妃様の髪が大好きなのです。
    だからこれを上げれば喜ぶんじゃないかしらと思いました。

    王様はお妃様の髪が大好きで、伸ばし続けるようにと言われています。
    膝近くまで伸びた髪をお妃様はいつも切りたいと思っていました。
    だからいい機会だと思われたのです。


    腰近くまで切られた髪は、丁寧に集められ、筆に加工されました。

    お妃様も職人さんの所に出向き、作り方を教えてもらい一生懸命作りました。



    「君の髪に墨をつけるなんて出来るわけがない!」


    けれどお妃様が大好きな陛下にはそんな使い方をすることは出来ません。




    結局、二人が送ったものは、その用途では使われることはありませんでした。

    けれど心のこもった贈り物は二人を暖かい気持ちにさせました。


    王様が忙しくてなかなかお妃様の元に帰ってこられない時、お妃様は王様からの贈り物を手に取り寂しさをまぎらわせます。
    ルビー付の銀のお玉には王様のお妃様への思いがこもっています。
    お妃様はそれを見ると優しい王様に温かい食事を作ってあげたくなります。

    王様もお妃様からの贈り物に心を休められています。
    仕事が忙しく、お妃様にお会いできない時、王様は懐からお妃様の贈り物を取り出されます。

    お妃様の髪で出来た筆に口づけをします。
    実際のお妃様の髪には劣りますが、やはり大好きなお妃様の髪に慰められます。

    早く仕事を片付けて、愛するお妃様に会いに行こうと一生懸命仕事に取り組みます。


    二人の贈り物は直接には役にたたなかったけれど、二人の絆は更に深くなりました。


    その後、聖なる夜には、王様とお妃様の絶叫が響き渡るのが恒例になりました。

    後宮の人々はその絶叫を聞きながら、今年もお二人は仲良く過ごされてるなと温かい気持ちになりました。

    聖なる夜の贈り物の習慣はそうやって白陽国に根付きましたとさ。 



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    お誕生日おめでとうございます!
    お遊び品の残りを納品です(^ー^)つ

    さくらぱんさんにとっていい一年になりますように。
    素敵な一日をお過ごし下さいませ☆

    2013年12月24日 06:30
    Sana






    おりざさんからの誕プレ 現パライラスト

    お誕生日、おめでとうございます *^-^*

    いつも親切に仲良くしてくださってありがとうございます。

    お誕生日プレゼントにイラストを描かせていただきました。

    2013年12月23日 月曜日 午後9:29

    おりざ


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    高月慧ネンさんからの誕プレ【Creuzシリーズ】

    SNSで、ご交流いただいています。
    高月慧ネンさんから頂いた誕生日プレゼント!!!

    【Creuzシリーズ】
    甘い二人をありがとうございます。                 2013.12.24.さくらぱん




    【黎翔×夕鈴】【Creuzシリーズ】【ラストちょこっと大人表現?】

    冬の夕暮れは早い。
    授業を終え学校を出た夕鈴は、バイトに行くため、すでに暗くなり始めている道を駅に向かう。
    電車に揺られ最寄駅に着くと、学生やサラリーマン、OLで溢れ返っている改札を抜ける。

    駅を出て歩き始めた彼女が足を止めたのは、知っている声が耳に届いたからだった。
    目の前の駅ビルに設置されている、大型のテレビ。
    ちょうど流れていたのは、王手菓子メーカーの新商品のCMだ。

    とても端正な顔立ちの俳優が、商品の箱を片手に持ち、画面の前(つまりは視聴者)に向かって囁き掛ける。

    『寒い冬』

    『溶けるほどの 口付けを君に』

    『melt♥kiss』

    チョコレートを一粒口に銜えた彼は、妖艶な笑みを湛えた。
    しかも、チュッと言うリップ音付き。

    「キャー!!」
    「いや~ん、カッコいい~~っ!!」

    同じようにテレビを見上げていた年齢を問わずの女性達から、悲鳴のような声が上がる。

    「Reiみたいな彼氏が欲しい~。」
    「…それ、高望み過ぎない?」
    「えー?でも、Reiって確か彼女いるよね?」
    「その女が羨ましい~!」

    高校生くらいの数人の女の子達の会話に、夕鈴は思わず肩を竦め、身を小さくする。

    「Reiって、滅茶苦茶情熱的っぽいと思わない?」
    「彼にキスされたら、文字通り溶けて腰砕けそう。」

    俯く夕鈴の顔が、ますます真っ赤に染まった。

    大型テレビはもう別のCMが流れている。
    先程チョコレートのCMに出ていた、彼女達が話している俳優Reiは、実は夕鈴の恋人だった。

    彼はとても情熱的で、口付けは甘く優しく、彼女達が言っているように、夕鈴はいつもとろとろになってしまう。
    真実を知っているわけではないのに言い当てられ、居た堪れなくなった夕鈴は、火照った顔をマフラーに埋めるようにして、とぼとぼと歩き始めた。

    21時過ぎ、バイトを終えて外に出ると雪が降っていた。
    今夜は客が少なかったので、途中から裏で在庫整理や掃除をしていて外の事が分からなかった。
    いつから降っていたのか、道の隅や植木にはうっすらと積もっている。

    そう言えば今夜は冷えると朝の天気予報で言っていたなあと思う。
    手袋をしていても寒くて悴む手を擦り合わせて、夕鈴は歩き始めた。
    するとすぐに夕鈴の横に、一台の車が停車した。
    驚いて足を止めると窓が降り、運転席にいる男がにこりと笑う。

    「お疲れ様、夕鈴。」

    どんな変装していても、普段絶対にテレビでは見せない表情をしているとしても、彼の放つ一般人ではないオーラは隠しようがない。

    黒縁眼鏡の奥で光る紅い瞳。
    全ての人を魅了する、容姿端麗な男。
    そこにいるのは、紛うことなき芸能人Reiだ。

    夕鈴はキョロキョロと辺りを見渡し、道行く人々が自分達を見ていないか確認して、急いで車に乗り込んだ。

    Reiこと珀黎翔は、運転をしながら楽しそうに夕鈴に話し掛ける。
    「今日はね…」と自分自身の事を話したり、「夕鈴は今日何か良い事あった?」と、興味津々に問い掛けて来たり。
    多忙で、年下の可愛い恋人となかなか一緒にいられない彼は、二人で会える時間をとても大事にしていた。

    黎翔は明日も朝早くから仕事で、夕鈴も学校がある為、今夜は真っ直ぐに彼女の自宅に送って行く事にする。
    名残惜しいが、仕方が無い。

    「あ、そうだ夕鈴、これ。」

    信号待ちの時、彼が渡してきたのは先程見たCMで彼が食べていたチョコレート。

    「業者さんに頂いたんだけどね、すっごく甘くて美味しいよ。僕のオススメ。」

    一粒食べてみると、さすが黎翔が勧めてくるだけある。
    生チョコが、スウッと口の中で溶けていく。

    溶けるような、彼の口付けと同じ。
    その感触を思い出して、夕鈴は一人頬を染めた。

    黎翔が夕鈴を自宅に送る時、いつも車を停める公園の傍。
    別れの前に、二人は熱い口付けを交わす。

    夕鈴としては恥ずかしくて、いつ誰に見られるかもわからない場所でこんな事をするのはためらいがあるが、黎翔は必ず抱擁と口付けを贈る。

    ただ触れるだけでは足りなくて、ちょんちょんと彼女の唇を舌で突く。
    躊躇いがちに開かれた唇の間から舌を挿し入れると、少しだけ夕鈴の身体が強張った。
    慰めるように頭を撫でながら、一通り咥内を味わって離す。

    「はぁ…。」

    とろんとした夕鈴から、甘い吐息が漏れる。

    「…夕鈴の中、とっても甘い。」
    「っ!…チョコ食べたからです…!」
    「ううん。」

    顔を真っ赤にして弁解する彼女に、黎翔はふふっと笑う。

    「…媚薬のように甘くて、溶けそうになる。僕を魅了する、夕鈴の味だよ。」

    また口付けて、舌を絡め合い、深い口付けを交わす。


    大粒のぼたん雪が、ふわふわと舞い降りてくる。
    溶ける事なく積もっていく雪は、明日の朝まで降り続けるだろう。

    夕鈴の甘い声と、水音だけが車内に響く。

    外は闇
    舞い降る雪


    黎翔と夕鈴は
    二人だけの世界で

    甘い口付けに、溶けた。


    END

    はっちさんからの誕プレ・初コラボ品

    こーんにーちわー!
    クリスマスサンタ夕鈴小犬Ver.
    をお届けします!

    さくらぱんさんとの初コラボ作品です。

    ではどぞー!

    【現パロ】【夕鈴×黎翔】

    「あ、そろそろ黎翔さん帰ってくる時間だ!
     急がなくっちゃ!」

    今日はクリスマスイヴ。
    黎翔さんの大学は今日まで講義があるらしくて
    彼はまだ帰ってきていない。

    私は先週の金曜日が終業式だったから既に冬休み。
    黎翔さんと相談して私が先に黎翔さんが
    一人暮らしをしてる部屋に行って準備をしておいて
    今晩2人っきりでクリスマスパーティをする事になった。

    それにしても…はぁ……
    気が重いなぁ。
    あんな格好して黎翔さんに呆れられないかしら。
    明玉に押し付けられちゃったけど…

    …よ、よし!
    女は度胸よ!
    は、恥ずかしいけど頑張ってみよう!

    ーーーーーーーーーー

    ガチャッ

    「ゆーりん、ただいまー!」

    「黎翔さん!おかえりなさい!」

    「わー!すっごい美味しそう!」

    黎翔さんがコートを脱ぎながらリビングに入って来た。

    リビングに入った黎翔の目に飛び込んだのは
    テーブルいっぱいに並ぶクリスマス料理の数々。
    ローストビーフにローストチキン、
    色とりどりのサラダに湯気を立てるコーンスープ。

    テーブルに溢れんばかりにのったそれらは
    お腹を空かせて帰って来た黎翔の食欲を唆るに十分だった。

    ぐぅぅ〜。
    案の定黎翔のお腹が鳴った。

    「お、お腹すいちゃった。」

    顔をほんのり赤く染めて照れ臭そうに
    黎翔が笑う。

    「手を洗ってきて下さい。
     すぐに食べましょう!」

    「はぁい!」

    クスクスと笑いながら夕鈴が黎翔を促した。

    ーーーーーーー

    「あー、美味しかった!
     やっぱり夕鈴は料理上手だね」

    「お粗末様でした。
     良かった。食べきれないかもって思ってたの」

    嬉しそうに笑いながら夕鈴が言う。

    「あの、ケーキも焼いたんですけど
     食べれますか?」

    「んー、ちょっと時間置いたら
     食べられると思う。
     今はちょっとキツイかも…」

    おずおずと聞いた夕鈴に黎翔が困り顔で答えた。

    「そう、ですよね。
     それじゃあもう少し後にしましょう!」

    「ねぇ夕鈴、プレゼント交換しよ?」

    黎翔がフォローするように話題を変えた。

    「はい!
     あ…
     あ、あの、ちょっと洗面所お借りしてもいいですか?」

    「??
     うん、いいけど?」

    不思議そうに黎翔がそう返す。
    夕鈴はどこか挙動不審だ。

    「じ、じゃあお借りしますね。
     ちょっと待ってて下さい」

    そう言い残して夕鈴は洗面所へ消えた。

    黎翔が待つことしばし…
    夕鈴がリビングの扉に隠れながらヒョコっと顔を出した。
    その頭にはサンタ帽がのっている。

    「あの、お待たせしました」

    恥ずかしいそうに小声で声を掛けてくる。

    「夕鈴、そんなとこに隠れてないで
     出ておいでよ。サンタ帽、可愛いね」

    微笑んで黎翔が呼び掛けるともじもじしながら
    胸元にプレゼントを抱き締めた夕鈴が出て来た。

    その格好は肩が出たワンピース型のサンタ服。

    思わず見とれ、固まった黎翔。
    夕鈴も恥ずかしげに俯いてそれ以上は寄って来ない。

    はっ、とした黎翔が素早く立ち上がり
    足早に夕鈴に近づくとギュッと抱き締めた。
     


    DSCN0891-25.jpg 
    (2013.12.23.挿絵☆さくらぱん)


    「夕鈴、すっごく可愛い。
     そんな格好して僕を誘惑してるの?」

    黎翔は抱き締めたまま夕鈴の耳元に囁いた。

    「ち、違います。
     明玉がせっかくのクリスマスだからって
     押し付けてきたんです」

    そう消え入りそうな声で返す夕鈴。
    余程恥ずかしいのかその肌はほんのり赤く染まっている。

    「でもホント食べちゃいたいくらい
     綺麗で可愛いサンタさんだね」

    「も、もう!やめて下さい!
     はい!これプレゼントです!」

    恥ずかしさの限界に達したのか
    夕鈴は黎翔の腕の中で身をよじり、
    その手に持っていたプレゼントを
    黎翔の胸に押し付ける。

    「あ、ありがとう!」

    そう言って受け取る時に緩んだ黎翔の腕から
    夕鈴はするりと抜けだした。

    苦笑しつつも初心で恥ずかしがり屋な
    可愛い年下の恋人の事を考えて
    黎翔はそのまま逃がしてあげる事にした。

    「わー、なにかな?」

    真っ赤なまま俯く夕鈴を気遣って
    わざとはしゃいだ声で楽しそうに包みを開けると
    出て来たのは暖かそうなマフラーと手袋。

    「これ、夕鈴が編んでくれたの?」

    「はい。
     売り物みたいにちゃんとしてないので
     少し恥ずかしいんですが…」

    「そんな事ないよ!
     凄く上手だね!それにすっごく暖かいよ!
     ありがとう!夕鈴!」

    その場で身に付ける黎翔の様子に夕鈴の気も緩んだようで
    クスクスと笑いながら話しかけてきた。

    「室内でしたら暖かいに決まってますよ」

    「それもそうだね」

    そう言って2人で顔を見合わせてひとしきり笑った。

    「じゃあ今度は僕の番!
     夕鈴」

    「は、はい!」

    はしゃいでにこにこしていた黎翔が
    急に表情を引き締めるとすっ、と近付いて
    夕鈴の前に跪いた。

    「れ、黎翔さん!?」

    驚いた夕鈴は狼狽えたが
    黎翔の真剣な瞳に見詰められて動きを止めた。

    「夕鈴、いつか僕と結婚してほしい」

    そう言って夕鈴の左手を取ると
    薬指にそっとピンクゴールドの指輪が嵌められた。

    夕鈴の指にピッタリなその指輪。

    「こ、これ…」

    「エンゲージリングとは言えないような安物だけど
     永遠に君を愛し続けると誓うよ。
     虫除けに付けてて?」

    最後はちょっぴり笑いながら黎翔が伝えると
    感極まった夕鈴はポロポロと涙を零しながら
    何度も何度もコクコクと頷いた。

    「あーもう、そんなに泣かないでよ」

    そう言いながら立ち上がった黎翔が夕鈴を抱き寄せると
    2人はギュッと抱きあった。

    「だ、だって、嬉しくて…」

    「夕鈴…
     この世の誰よりも君を愛してる」

    「わ、私も黎翔さんの事、愛してます」

    顔を上げてそう告げた夕鈴。

    2人はこのまま惹かれ合うようにそっとキスをした。

    2つの影は寄り添い、そっと重なったのだった。


    Fin


    ケーキ、食べてくれなかった(笑)
    時間があればオマケで書きます。



    2013年
    12月24日
    14:22 続きを読む

    そあらさんからの誕プレ 

    心温まるメッセージとエピソードを
    Fullむんっ さん

    Fullむんっ さんの娘さん
    そあらさんから頂きました。

    私の誕プレとして
    急遽描いてくれたそうです。
    ありがとうございます。


    securedownload-22.jpg


    >デジタル初心者
    とのことですが…アナログonlyのわたしにとって
    先輩ですね←笑

    素敵なクリスマスの夜をお過ごしください。



    麻杉慎さんからの誕プレ【短編】「秘密の花園―クレマチスの花影で―」  

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    【宝物殿】短編「ふんわり桜」 OCOさんから

    白友・OCOさんから、素敵なプレゼントを頂きました。
    ありがとうございます♪


    黎翔×夕鈴(内緒の恋人設定)



    「見てください陛下!!綺麗ですね〜。」

    風に舞う桜の花びらを眺めながら夕鈴は黎翔とお花見をしていた。

    「そうだね…でも本当は満開の桜を夕鈴に見せたかったんだ。遅くなっちゃって…少し散りはじめてきちゃっね…ごめんね。」

    黎翔は幻の耳と尻尾をしょぼーんとさせて夕鈴を見つめていた。

    「( ズキュン/////)そ、そんなことないですよ!!まだまだ見頃ですよ!!そうだ。お弁当作ってきたので食べましょう。ね、陛下♪」

    「わぁ〜!!ゆーりんの手作り!!食べるーー!!」

    ぱぁっ
    ぱたぱた…♪

    「(また耳と尻尾が見えた気が…!! ) 」

    これが人々が恐れ、冷酷非情の狼陛下と呼ばれている人とは誰も思わないわよね〜などと思いながら夕鈴はお弁当をひろげた。


    ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎


    「お味はどうですか?陛下。」

    「とっても美味しいよ!!やっぱりゆーりんの作るのはどれも最高だね♪」

    「/////////あ、ありがとうございます。フフッ♪」

    甘々なんだから!!と思いながらも美味しいと言ってもらえて嬉しくないわけがない。すぐに顔に出る夕鈴を愛おしく黎翔は見つめていた。

    「我が妃は本当に愛らしい…。では、次はこちらをいただくとしよう。」

    「えっ!?へい……んっ…。」

    「夕鈴…。」

    「ちょ…んっ…。ま、待って下さい!!せっかくお花見にきたんですから、綺麗な桜を堪能しましょう!!ねっ!?////////」

    「あぁ。桜はとても綺麗だ。だが私は桜よりもこちらの花を堪能したくなってな…。」

    「///////でも、へい…んんっ!!」


    真っ赤になって噴火しそうな兎と愛しい花を愛でる準備に入った狼。


    二人きりのお花見の行方は??



    おわり