花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【パラレル】ある夏の日の思い出

    こんばんは<(_ _)>

    さくらぱんさんリクの
    「ある夏の日の出来事」
    のおまけになります。

    パラレルですのでご注意ください!

    現代設定パラレル
    【黎翔×夕鈴】
    設定はデート・とぴと同じで行きます
    黎翔さんは社長さん、夕鈴は女子高生です



    よろしいですか?


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    【パラレル】ある夏の日の出来事2

    ええ!特権をフル活用して
    夕鈴といちゃこらしたい黎翔さんがここにおりました(笑)

    ハプニング・・・

    プールサイドをパタパタ走ってた夕鈴が
    水で滑って転びかけて

    「きゃっ!」

    「っ夕鈴!危ない!」

    “ぽすっ”

    っとかって黎翔さんが受け止めて

    「っは~、よかった・・・」

    「す、すみません
     ありがとうございます」

    って黎翔さんがうつむき加減でため息つきつつ
    ほっとしてるところに、黎翔さんの腕をつかんで
    うつむいていた夕鈴が上目づかいで黎翔さんを見上げて
    黎翔さん“ドキッ”的な??


    2013年
    09月12日
    10:05


    【パラレル】ある夏の日の出来事

    こみゅのほうのキリ番321を踏まれました
    さくらぱんさんにキリ番リクのSSを贈ります

    こちらのとぴはさくらぱんさんが管理していらっしゃるので
    はっち今回は代行です♪
    さくらぱんさん、おめでとうございます


    ついでと言ってはなんですが
    さくらぱんさんから先行配信で頂いた
    素敵な絵をのせちゃいます

    とぴのほうに上がってるのと同じですが
    嬉しかったので載せちゃいます




    さくらぱんさんの素敵な絵に乗せてどうぞ!

    現代設定パラレル
    【黎翔×夕鈴】
    設定はデート・とぴと同じで行きます
    黎翔さんは社長さん、夕鈴は女子高生です



    パラレルダメな方はここで引き返してくださいね!




    よろしいですか?

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    『桜の刻印9』・寝室・

     ・寝室・

    「さ、明日も仕事だしそろそろ寝ないか?」

    「ええそうね、寝ましょうか」

    黎翔がお風呂から上がってしばらく二人で会話していたが
    時間に気が付いた黎翔が声をかけた。

    「夕鈴さん、寝室はこっちだよ」

    そう言って連れて行かれた部屋にはダブルベッド。

    「・・・あの、黎翔君?
     つかぬ事をお伺いしますが・・・
     ここ、あなたの寝室じゃないの?」

    「ああ、そうだよ?」

    「・・・まさかとは思うけど、
     一緒に寝るとか言わないわよね?」

    すると黎翔が妖艶な笑みを浮かべた。

    「そのまさか」

    「う、嘘でしょう!?」

    「嘘じゃないさ。家には客用の布団なんてないからな」

    「じ、じゃあ私今日はソファで寝るわ!」

    そう言って逃げようとした夕鈴。
    しかし黎翔が逃がすはずがなく、次の瞬間には
    腰をさらわれ、抱きしめられていた。

    「これはお仕置きも兼ねているんだ。
     これから一月、同じベッドで寝てもらう」

    「・・・え?おしおき?」

    「ああ。いつも言っているだろう?
     無茶はするなって。
     しかし君はどうだ、無茶をして
     挙句の果てにその腕のけが」

    「うっ・・・」

    「だからお仕置き。
     そうすればもう二度と無茶をしようとは思わないだろう?」

    「・・・どうしても、一緒に寝なくちゃいけない?」

    「ああ、私を怒らせた罰だ」

    「はぁ・・・、分かったわ。
     それで黎翔君の気が済むのなら」


    丸め込まれた夕鈴は結局黎翔と同じベットで休むことになった。

    「お休み、夕鈴さん」

    そう言うと黎翔はちゅっと夕鈴の唇にキスをした。

    「れ、黎翔君!?な、何を!」

    「何って・・・。おやすみのキス?」

    「な、なんで!?」

    「何でって、もちろん夕鈴さんを愛してるからに決まってるだろ」

    「あ、愛・・・。そう、ね、私もあなたのこと・・・
    あ、愛してるわ。~っお、おやすみなさい!」

    恥ずかしげに小さい声でだが夕鈴は黎翔に愛を告げると
    そのまま黎翔に背を向けて眠りにつくのだった。


    こうして黎翔の『お仕置き』が始まった。
    狼の巣に乗り込んで、これだけで済むはずがないことを
    このときまだ夕鈴は知らない・・・


    はっち作

    2013年
    09月21日
    22:23

    『桜の刻印8』・追い込まれた兎・

    「さて、夕食でも作るか」

    そう言って黎翔が立ち上がった。

    「・・・ごめんね、いつも作ってもらっちゃって」

    「ああ、夕鈴さんは料理からっきしだもんな。
     別にいいよ、それくらい」

    「仕方ないじゃない!実家ではいつも母が作ってくれてたんだもの。
     でも・・・、申し訳ないわ。
     明日にでも銀行に行って生活費持ってくるから」

    「心配しなくても一人分も二人分もそんなに変わらないよ。
     悪いと思うならもう、ごめんはなし!
     言うならありがとうにしてくれ」

    「うん・・・ありがとう」

    「よし!んじゃ夕飯作るよ。
     今日はもう遅いし、パスタとかでいいか?」

    「うん!」

    「じゃ、すぐ作るから待っててくれ」

    そうして出来上がったのはカルボナーラ。
    黎翔の作る料理はいつもひと手間かかっていて
    お店で食べるような料理が出てくる。

    料理下手な夕鈴と違って黎翔はそれこそ
    そこいらのファミレスでは太刀打ちできないような
    美味しい料理を作る。

    申し訳ないと思いながらも
    夕鈴はいつも黎翔の手料理を楽しみにしている。

    「「いただきます」」

    食事は美味しく、話は弾んだ。

    夕食が終わり、洗い物も済んだところで
    黎翔が夕鈴の座っていたソファの隣に腰かけて
    夕鈴の肩を抱き寄せた。

    「夕鈴さん、お風呂、入ろうか」

    「ええ!先、黎翔君入ってきて!
     私は黎翔君の後で入るから!」

    「・・・。
     いや、夕鈴さんが先でいいよ。
     行っておいでよ」

    「でも・・・」

    「俺はいいから。さ、行っておいで」

    「分かった。そうさせてもらうわ。
     ありがとう」

    そうして夕鈴はお風呂場へと向かった。

    「さて、と。
     あの腕でどうやって洗うつもりかね・・・。
     手伝ってやらないとな♪」

    黎翔がにやりと笑った。

    夕鈴が湯船につかっていると
    洗面台の方からかたん、と音が聞こえてきた。

    「・・・黎翔君?どうかした?」

    訝しげに夕鈴が湯船の中で膝立ちになって問いかけた。
    とそこへ腰にタオルを巻いた黎翔が入ってきた。

    「っきゃああ~~~!
     な、何考えてるのよ!!!」

    夕鈴は慌てて湯船に沈むと黎翔に向かって叫んだ。

    「なにって、その腕じゃうまく洗えないだろう?
     洗ってあげるよ。さ、おいで?」

    「む、無理!ぜぇったい無理!
     い、今すぐ出てって!」

    妖艶に微笑む黎翔に対し、夕鈴は涙目だ。

    (さすがにまだ無理、か・・・)

    夕鈴の必死な顔を見てそう悟った黎翔は仕方なく出て行った。

    (~~~~ほんっとに、黎翔君は何考えてるのよ!
     よ、嫁入り前の若い娘の入浴中に乱入するなんて!)

    それからしばらく夕鈴はそのまま動けずにいたのだった。


    「黎翔君!どういうつもり!?
     いきなり入ってくるなんて!」

    お風呂から出ると黎翔がソファで足を組んで新聞に目を通していた。

    「どうって、さっき言ったとおりだよ?
     夕鈴さんが困ってると思ったから行ったんだ」

    「じ、常識で考えなさいよ!
     結婚もしてないのにい、一緒にお風呂なんて
     入れるわけないでしょう!?」

    (ふぅん?結婚したらいいんだ・・・)

    「ああ、悪かったよ。
     悪気はなかったんだ。ただ夕鈴さんが困ってると思ったから・・・」

    「・・・はぁ、もういいわ。
     黎翔君もお風呂入ってきたら?」

    「ああ、そうさせてもらうよ」

    困惑したように謝罪する黎翔に毒気を抜かれた夕鈴。
    それが狼の作戦だとも知らずに・・・

    (ああ、これで結婚したら一緒にお風呂入れるな。)

    裏を見せずだんだん追い込んでいく狼の意図を
    兎さんは気が付いていなかった。


    はっち作


    2013年
    09月21日
    22:20

    『桜の刻印7』・始まり・

     
    あの後、二人は業務を終え、まずは夕鈴の家に向かった。
    一月黎翔の家で生活するのだ。

    必要なものはまたいつでも取りに来られるとはいえ、
    生活必需品はある程度持っていかないと話にならない。

    「それじゃあ着替えとか用意してくるから
     ここでちょっと待ってて。」

    「ああ、分かった。
     困ったことがあったらいつでも呼んでくれ。」

    黎翔はプライベートな時間はタメ口になる。
    付き合い始めた頃に夕鈴が
    プライベートな時間まで敬語はやめてほしいとお願いしたのだ。

    夕鈴は何とか一人で下着は詰め終わると、
    そのかばんは閉めて、黎翔を呼んだ。

    「黎翔君!手伝ってー」

    「何を手伝ったらいい?」

    「底のクローゼットの奥にスーツケースが入ってるから
     出して欲しいの。スーツとかの荷造り手伝って?」

    「分かった。
     ・・・スーツケースってこれ?」

    「そう!それそれ!
     持っていくスーツはねぇ・・・」

    夕鈴が『お願い』して黎翔がスーツ、普段着、パジャマを詰めた。

    「・・・これで全部?」

    「ええ!衣類はそれで全部よ。
     助かったわ!ありがとう」

    「いいえ、どういたしまして」

    「あとはね~・・・」

    しばらくそうして夕鈴荷物を二人でまとめた。
    結局荷物はスーツケース一つにボストンバッグ一つ、
    それから手提げかばん二つにリュック一つとなった。

    刑事である以上スーツや靴、パンプス類は必需品。
    かさばる物なのでどうしても荷物が多くなってしまう。

    これでもコンパクトにまとめたほうだと言っていいだろう。


    「さてと、じゃあ僕のうちに行こうか」

    「ええ、よろしくお願いします」


    こうして二人は黎翔の運転する車で黎翔宅へと向かったのだった。


    「お邪魔します!」

    「はい、どうぞ」

    とうとう黎翔の家に来た。

    「これから怪我が治るまでの一月、よろしくお願いします」

    「・・・怪我が治るまで、じゃなくていいんだけど、ね」

    「・・・?え?何か言った?」

    どうやら黎翔のつぶやきは夕鈴には聞こえなかったようだ。

    「いいや?こちらこそよろしく。
     自分の家だと思って寛いでくれたらいい」

    「ええ、ありがとう!」


    こうして夕鈴と黎翔の共同生活の幕が上がったのだった。


    はっち作

    2013年
    09月21日
    22:17

    『桜の刻印6』・幕間・(失態・黎翔さんVer.)

    今度は黎翔さん目線でどうぞ!


     ・幕間・(失態・黎翔さんVer.)

    夕鈴さんが通り魔に切り付けられた。
    それを見た瞬間、私の目の前は真っ赤に染まったんだ。

    ・・・そのあとのことはよく覚えていない。
    気が付いたら通り魔をねじ伏せている自分がいた。


    夕鈴さんの傷は結構深くて、全治1か月、
    そのあともリハビリが待っているらしい。

    夕鈴さん、一人暮らしなのに
    利き手使えないんじゃ大変だよな・・・

    それに、いつも無茶はしないでくださいってお願いしているのに。
    ・・・約束を破ったんだからお仕置きしなくては、ね。


    へんなこと?
    へんなことはしないさ。
    エッチなわけでもない。

    ただ、愛しているんだ。
    あなたを愛する行為は変な行為でもエッチなわけでもないだろう?
    愛しているんだから自然な行為。
    まぁ、お仕置きを兼ねているけれど、ね。

    さぁ、覚悟してね。
    いくら信頼してるからって狼の巣に乗り込むのが
    どれほど危険なことか、その身に一月かけて教え込んであげるからね。


    ふふふ。
    さぁ、楽しい一月の始まりだ。


    はっち作

    『桜の刻印5』 ・失態・

    さぁ皆さん!
    やってまいりました!
    食後のデザートのお時間ですよ♪

    夕鈴さん目線でどうぞ!


     ・失態・

    黎翔君と付き合い始めて半年がたった。

    あれから何度かデートしたし、
    お互いのうちに遊びにも行った。

    ・・・2か月前にはき、キスもした。
    私が異性と付き合うのは黎翔君が初めてで・・・

    最初は苗字で呼んでいたけれど
    せめて二人っきりの時は名前で呼んでって言われて、
    その時から黎翔君って呼ぶようになった。

    彼は「君」付けなのが不満みたいだけど・・・

    し、仕方ないじゃない!
    恥ずかしいんだもの・・・

    そ、それに黎翔君だってゆうりんさんって呼ぶんだからおあいこよ!
    うん!


    ・・・・・・・・・・・


    「っ!待ちなさい!」

    逃げようとした通り魔を捕まえようと私は追いかけた。
    そしたらね・・・

    「わぁぁーー、く、来るな!」

    そう言って持っていたナイフで無我夢中で切りつけてきて。

    「っつぅ!」

    男を掴もうとした右腕を思いっきり切られちゃったわ・・・。

    「っ夕鈴!くそ!」

    私が腕を抑えてうずくまっているすきに
    通り魔は逃げて行こうとしたのだけれど、
    被害者の対応をしていた黎翔君が追い付いてきて
    通り魔をねじ伏せたの。

    彼のおかげで何とか通り魔も捕まえられた。

    でも私は久々の大失態・・・
    はぁ・・・始末書、書かなくちゃいけないわね。


    そのあと犯人は駆けつけてきた警官に任せて
    私は彼に付き添われて病院に行ったわ。

    結局10針縫うことになって全治一か月、
    筋肉にも傷がついてるからそこからまた
    リハビリが待ってるって医者には言われちゃった。

    「はぁ、ついてないわね。
     よりにもよって利き腕やっちゃうなんて。
     これからどうしようかしら・・・」

    「・・・それなら私のうちに来ませんか?」

    「・・・え?」

    「汀さん、一人暮らしで何かと大変でしょう?
     私も一人ですし、良かったらどうかなって」

    「で、でも・・・」

    「ご実家は県外でご友人も地元ばかりって
     言ってましたよね?」

    「・・・ええ」

    「その腕では何かと不便でしょう?
     だから、ね?家に来てください」

    「・・・じゃあ、お言葉に甘えようかな。
     でも・・・」

    「?何か不安でも?」

    私が言いにくくて言葉を濁していたら
    不思議そうに首をかしげて彼はそう問い返してきたわ。

    「・・・へんなこと、しない?」

    上目使いでそう聞くと逆に問い返されちゃった。

    「変なこと?変なことってどんなことですか?」

    「その・・・え、エッチなことよ」

    恥ずかしくてもじもじしながら言うと
    黎翔君は心外だといった表情で言い返してきた。

    「何を言うんですか!
     私がけが人に手を出すほど非常識な人間だと?」

    「そ、そうよね!
     ごめんね、疑って・・・」

    「いえ、いいんです。分かってくださればそれで」


    そうして私は怪我が治るまでの間、
    彼のマンションで生活することになったの・・・



    まずここまで!
    さーて、フラグは立てたわよ♪


    はっち作

    2013年
    09月21日

    22:12

    『桜の刻印4』 ・恋愛・

    黎翔は告白した次の日もいつも通りだった。
    こちらが拍子抜けするほどいつも通り。

    次の日も、その次の日も・・・

    しかし、夕鈴は違った。
    仕事に支障はない程度だが
    周りに何かあったと気づかれるくらいにはおかしかった。

    黎翔のちょっとした行動やしぐさ、言動に
    ドキドキしている自分がいる。

    異性として意識し始めると
    自分の気持ちに少しずつ気が付き始めた。


    そんなある日のこと。

    旦那さんからのDVに怯えた女性が相談に来た。

    その時偶然他の女性警官が出払っていたこともあり、
    夕鈴が担当することとなった。

    その時部下である黎翔も同席した。

    それだけで終わればよかったのだが・・・

    その女性はそれから何度も署に足を運んできた。
    お目当てはどうやら黎翔のようで、
    彼の見目の良さに当初の目的を忘れて
    誘惑しようと日参するようになってしまった。

    そうしてしばらくそんな日が続いたある日、
    夕鈴が外に出ている時に偶然その女が来た。

    「あら?今日はあの女刑事さんいないんですね」

    「ええ、ですから今日はお引き取り下さい」

    黎翔は冷たくあしらうが女話懲りない。
    それどころか胸にしなだれかかってきた。

    「ねぇ、そんなつれないこと言わないで。
     私、あなたが好きなの」

    「・・・離してください」

    民間人なので邪険にすることもできず
    黎翔がやんわりと女を引きはがそうとするが
    女はますます強くしがみついてくる。

    「んもう!照れなくてもいいじゃない!」

    そこに夕鈴がタイミング悪く戻ってきた。

    「なに、してる、の?」

    呆然とした様子で目を見開き、小さくつぶやく夕鈴の声を
    耳ざとく耳に止めた黎翔と女がそちらを見る。

    「!?汀さん!ち、違うんです!誤解です!」

    「あら?誤解じゃないわ!
     私たち、こういうことなの♪
     邪魔しないでくださる?」

    慌てて否定する黎翔。
    しかし女は夕鈴を蔑んだような眼で見て、
    勝ち誇ったような笑みを浮かべそう言い放った。


    「お、お邪魔しました!」

    そう言って駆け出す夕鈴。

    「ま、待って!夕鈴さん!」

    急いで黎翔が追いかけようとするが女は絡み付いて離れない。

    「ねぇ、いいでしょう?
     あんな旦那とは別れるわ。
     だから私といいことしましょうよ♪」

    その言葉を聞いてついに黎翔はぶちぎれた。

    「・・・いい加減にしろ!
     二度と私に近づくな!」

    「な、なによ!
     警察が民間人にそんな口きいていいと思ってるの!?」

    「そっちこそ、公務執行妨害で今すぐ豚箱にぶち込んでやろうか?」

    そう言って冷たい目で見降ろすと女はやっとひるんだようだ。

    「二度と私の前に姿を見せるな!
     次に会ったときは・・・覚悟しておけ。」

    そう言い放つと黎翔は夕鈴を追って走り出した。

    一方夕鈴はというと無我夢中で泣きながら走っていた。

    「そ、そっか・・・。
     わ、私、黎翔のこと、す、好き、だったん、だ。
     い、いまさら気が付くなんて・・・。
     馬鹿なわたし・・・。」

    その時ようやく黎翔が夕鈴の背中を見つけた。

    「夕鈴さん!」

    大声で叫ぶとびくっと肩を震わせた夕鈴は
    ますます速度を上げて走ってゆく。

    しかしそこは女性。
    しかも足元は今日に限って慣れないパンプスだ。

    黎翔はぐんっとスピードを上げると一気に追い上げ、
    夕鈴を捕まえた。

    「は、離して!」

    「嫌です!」

    「あ、あんなにきれいな彼女がいるんじゃない!
     なのに、なんで私のこと、す、好きだなんて言ったのよ!!」

    夕鈴がもがきながらわめくが黎翔は離れない。

    「誤解だって言ってるだろう!」

    黎翔は怒鳴ると夕鈴の肩をつかみ、自分の方を向かせ、
    左手で腰を引き寄せ、右手で顎を持ち上げた。

    「っな!?」

    痛いぐらい真剣でつらそうな眼を向けられ、
    しっかりとその両腕に拘束された夕鈴は
    逃げることも目をそらすこともできず固まった。

    「あの女が勝手に言い寄って来ただけです。
     夕鈴さんだって知ってるでしょう?
     私がここの所ずっと迷惑してたの。」

    「え、ええ、まぁ」

    「それに、この前伝えましたよね?
     私が好きなのはあなただって。
     愛しているのは夕鈴さん、あなただけです!」

    「あ、愛!?」

    「ええ、そうです。愛しています!
     ・・・そろそろ返事を聞かせていただけませんか?」

    「・・・きよ。」

    「え?」

    「あ、あなたが、好き、よ?」

    涙で潤んだ瞳で上目づかいで黎翔を見上げ、
    真っ赤にほほを染めて夕鈴が思いを伝えると、
    今度は黎翔が固まった。

    「?珀君?」

    夕鈴の問いかけにはっと気が付いた黎翔は
    そのままぎゅうっと夕鈴を抱きしめた。

    「きゃっ」

    「ありがとうございます!嬉しいです!!」

    そこまで言って黎翔は少し体を離し、
    夕鈴の顔を見下ろした。

    「大切にかわいがってあげますから」

    そう言って見下ろす黎翔はあの日見た妖艶な表情を浮かべていた。

    ゛ブルル・・・"

    (な、なに?さ、寒気がする・・・)

    こうして兎は狼に捕まった。
    小犬の皮を被った狼に・・・


    はっち作


    2013年
    09月21日
    22:07

    『桜の刻印3』・告白・

    「それじゃあ行きましょうか」

    「ええ。でもどこのお店に行くの?」

    「私の選んだ店で構いませんか?」

    「それはいいけど・・・
     あんまり高い店はちょっと・・・」

    言いよどむ夕鈴に黎翔が微笑んで答えた。

    「今日は僕のおごりですから。
     気にしないでください。では行きましょう!」


    黎翔に連れてこられた店はいかにも高級そうな
    イタリアンのお店。

    「こ、ここ!?」

    「ええ、行きましょう」

    黎翔は驚く夕鈴をエスコートして歩き出した。

    「いらっしゃいませ。珀様。
     どうぞこちらへ。」

    店内に入ると黎翔の顔を見た店員が
    名前の確認もせず、席へと案内した。

    「・・・ねぇ、あなた何者?」

    「まぁ、それはおいおい。
     それより何にしますか?」

    「あなたにお任せするわ」

    明確に答えない黎翔にいらだったようで
    夕鈴は投げやりに答えた。

    「では」

    黎翔が片手をあげ、視線を向けると店員がすっと寄ってくる。

    「いつものようにディナーのコースを」

    「はい。かしこまりました」

    そう言って店員はいったん下がると
    すぐにワインとグラスを二脚持ってきた。

    「ごゆっくりどうぞ」

    ワインをグラスに注ぎ終えるとそう言って
    店員は一礼して去って行った。

    「「乾杯」」

    ゛チンッ"

    軽くグラスを合わせてそれぞれ一口飲む。

    「それで?話ってなに?」

    間髪を入れずに夕鈴が問いかける。

    「まぁまぁ落ち着いて。
     まずは食事を楽しみましょう」

    妖艶に微笑んでそう流す黎翔に
    夕鈴は訝しげにしながらも追及はしなかった。

    初めて見る黎翔の色気のある表情に
    一瞬でも見惚れてしまった自分を恥じ、
    夕鈴の顔は真っ赤に染まった。

    (ど、どうしちゃったの?私・・・
     相手はあの黎翔よ。まだ子供じゃない)

    そのあとはあの事件はどうだった、
    この事件はこうだったなどと色気のない話をしながら
    食事を楽しみ、なんやかんやで盛り上がった。

    食事が終わるころには夕鈴の緊張もほぐれていた。

    「では、そろそろ話をしましょうか」

    「ええ、何?」

    それまでにこやかに笑って会話をしていた
    黎翔の表情ががらりと変わった。

    「夕鈴さん」

    「は、はい!」

    初めて黎翔に下の前で呼ばれ、
    夕鈴はびっくりして大きく目を見開きながら返事をした。

    「初めてお会いした時から好きでした。
     私と付き合っていただけませんか?」

    「えっ?」

    しばらく呆然としていた夕鈴だったが
    黎翔は真剣な表情を崩さずじっと見つめてくる。

    じわじわと言葉を理解するにつれ、
    だんだんと目を見開き、顔は真っ赤に染まっていった。

    「ええぇ!?
     す、好きってわ、私が?」

    「はい。どうか僕と付き合ってください。」

    「い、今答えなきゃダメ?」

    「いえ、今すぐにとは言いません。
     考えていただけませんか?」

    「・・・わかったわ」

    「それではご自宅までお送りしますよ」

    そう言うと黎翔は立ち上がり会計へと向かった。

    黎翔は有無を言わさず夕鈴をタクシーに乗せ、
    夕鈴の自宅前まで送った。

    その日はそのまま別れた。

    (っ~~~!明日からどんな顔して会えばいいのよ!?)

    それぞれ眠れぬ夜が更けてゆく。
    それぞれの思いと葛藤を胸に・・・


    はっち作

    2013年
    09月21日
    22:02

    『桜の刻印2』・日常・

    ある日のお昼休み。
    黎翔と夕鈴は食堂で一緒に昼食をとっていた。

    時が過ぎるのは早いものであれからもう1年がたつ。

    「あの時はほんっとうに腹立たしかったわ。」

    「すみません。」

    「ふふ、いまさらよ。
     あの後あなた1人であの男を捕まえてきたじゃない。
     あれ、実はけっこう感心してたのよ?」

    「・・・そうだったんですか?」

    「ええ。だって私尻尾つかむまでに半月もかかったのに
     たった3日で逮捕でしょ?
     もう、腹が立つのか誇らしいのか分かんなくなっちゃったわ。」

    「まぁ、私はあの時男の顔を見てましたから。」

    「それでもすごいわよ!
     ミスしたのだってあの1回だけだし。」

    「・・・ちょっとは成長したでしょうか?」

    「あたりまえじゃない!
     あなたは私の頼れる相棒よ。
     自信を持ちなさい。」

    「ありがとうございます。」

    「あの、・・・汀さん」

    黎翔が顔をあげて真剣な目を向けて呼びかけてきた。

    「ん?なに?」

    「今晩、業務が終わったら二人で食事に行きませんか?」

    「え?いいけど・・・なんで?」

    「ちょっとお話があるんです。」

    「ええ、分かったわ。」

    「ありがとうございます。
     決まりですね。では今晩。
     私は調書の作成が残ってるので
     お先に失礼します。」

    「ええ。」

    にっこり笑うと黎翔はそう言ってトレーを持って去って行った。

    (・・・?話って何かしら?)


    はっち作

    『桜の刻印1』・出会い・

    とある日の街中・・・

    「君、ちょっといいかい?」

    黎翔がある女の子の肩を掴んだ。
    見た目は自分より少し下くらい。

    先程から男の後をつけていて怪しくて声をかけた。

    「・・・なに?私、忙しいんだけど」

    振り向いた女の子は眉間にしわを寄せて不機嫌そうに答えると、
    また男の方を向いた。

    黎翔は左手で肩をつかんだまま
    右手で上着の内ポケットから警察手帳を取り出して見せながら問いかけた。

    「僕は警察なんだけどね。
     君、さっきから男の後をつけているよね。
     ちょっと一緒に来てもらおうか。」

    「・・・離して」

    「ん?」

    「だから離してって言ってるのよ」

    「それはできない」

    「何言ってるのよ!
     私の仕事の邪魔しないで頂戴!」

    そう言うと女性は黎翔の手を振り切って
    再び男の方を向いた。

    ・・・しかし男はもうそこにはいなかった。

    「っああ!いない!
     あなたのせいで下着泥棒取り逃がしちゃったじゃない!」

    「え?」

    「あなたこの前、刑事一課に配属されてきた珀黎翔でしょう?
     私も同じ一課の刑事よ!しかもあなたの直属の上司!
     あなた、上司の顔も覚えてないの!?」

    「・・・汀警部補?」

    「はぁぁ、ほんっとうにわかってなかったのね・・・
     あいつはね、この地区のコインランドリーから
     下着を盗みまくってる下着泥棒の常習犯よ。
     やっっと見つけたから現行犯逮捕しようと思って
     後をつけてたのに・・・
     どうしてくれるのよ!
     女性の敵を取り逃がしちゃったじゃない!!」

    「っ!申し訳ありませんでした!」

    黎翔は直角に頭を下げた。

    「はぁ、仕方ないわ。署に戻りましょう。
     さ、行くわよ。」

    「はい・・・。すみません。」

    しかし、まさか汀警部補殿だとは思わなかった。
    日頃の彼女は長い髪をうなじで1つにまとめた
    スーツ姿のかっこいい女性だ。

    それが今はどうだ。

    そこら辺にいそうなちょっと野暮ったい大学生のような
    Tシャツにジーンズ、足元はスニーカー。
    髪はお団子にしてクチバシクリップで一つにまとめ、
    メガネをかけている。

    そんな格好で男をつけていては誰だって
    男のストーカーと勘違いするだろう。

    しかしやってしまった。

    密かに憧れ、もうちょっと仕事に慣れて
    自信が付いたら告白しようと思っていたのに・・・

    さっそく仕事の邪魔をしてしまった。

    はぁ、先は長いな・・・


    はっち作



    2013年
    09月21日
    21:57

    『桜の刻印』はっちさんへの提供萌え

    設定

    ●年下の旦那様 21歳黎翔さん
    奥様は警部補23歳
    可愛らしいのに男前夕鈴さん

    黎翔さんからの職務質問から始まる愛。
    同じ職場なんだよ~

    家庭では、上司と部下が逆転。

    狼な黎翔さんに
    夕鈴ピーンチ!!

    さくらぱん作

    【書庫】はっちさんのお部屋


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    一緒にパラレルトピックを廻しているはっちさんのお部屋です。
    元気いっぱいな爽やかな二人の現代パラレル作品を書く
    はっちさんの世界をお楽しみください。  



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