花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】IF『比翼連理』& 『柔らかな檻2』※慎さんのイラスト付

    ◆義理の兄 黎翔 と 視力を失った義理の妹 夕鈴。
    ◆倒錯めいた兄妹愛。
    ◆血のつながらない妹を愛する黎翔。
    ◆愛する彼女が兄にとった行動とは


    続きが読みたいと言ってくれた麻杉慎さんに捧げます。

                     さくらぱん


    ◆◆◆
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    【連作】比翼連理“夏色の君”

    冷たい清水に

    素足をつけながら…

    まだ夏の暑さが残る
    初秋の森を眺める

    身近に居すぎて
    知らなかったよ。

    君が、こんなにも…眩しく感じて。

    置き去りにしてきた
    夏の忘れもの

    ドキドキ…と
    爪弾く恋

    僕の隣に君が居る。
    いつもと同じはずなのに……

    こんなにも胸が騒ぐ。
    君とのポジションに悩んでる。


    無邪気に笑う君に、
    僕は、どう接していいのか分からない……

    今の関係より
    もっと先に進みたい。
    でも、
    変わらない良い関係でいたいとも願う。

    君は急に大人びて…
    僕の目には眩し過ぎて

    僕を信じる
    無邪気すぎる笑顔が、
    仕草が…
    切なくなるんだ。

    “夕鈴。
    君が愛しい……”

    僕は…
    僕だけが…苦しくて、切ない。

    「…兄さま?
    どうしたの?」


    はしばみ色の瞳に、僕以外を映したくない。

    その笑顔の先は、僕だけに。

    君の指先も
    髪の一筋さえも、
    僕だけが触れることができる。

    「黎翔兄さま……
    大好き。」

    “コツン…”と
    肩にかかる重みが、愛しい。

    “兄さま”と
    呼ばれる度に、胸が抉られる。
    血など、繋がってはいないというのに。

    温かな優しい瞳で見つめてくれるのは、僕だけ…
    誇らしさと嬉しさで溢れる。

    “夕鈴。
    君だけを愛してる”

    そんな僕の感情は、君は知らない。

    ――知られるのが、とても怖い。

    煌めき踊る水面の光。
    照り返す太陽の光にも似た君の微笑み。

    僕を信じてやまない
    まっすぐな瞳。

    大人びた夏色の君が忘れられない…

    君の隣が急に息苦しく感じて、
    居心地が悪い。

    ドキドキと高鳴る鼓動。

    …これが、恋なのか?

    知らなかったよ。

    こんなにも、大切な愛おしい存在がすぐ隣に居たなんて……

    夕鈴。
    君を妹だなんて……もう思えない。

    好きだよ。
    君だけを愛してる。

    引き寄せれば、すぐ抱き寄せられる距離なのに、僕は君の小指に指を絡ませただけに終わる。

    焦らなくていい。
    ……大事にしたい
    恋だから。

    ……少しずつ
    君との距離を縮めるから。

    小指の先から始めよう。