花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】if『泡沫の夢―うたかたのゆめ―』

    もしも・・・・、後宮から去った夕鈴の未練の日常





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    【短編】『水盤』 ifもしも夕鈴が投獄されたら

    重い空気が身体に絡みつく

    身動きさえ取れない
    蒸し暑い夏の午後

    緊張感から冷たい汗が背中に流れる
    貴方の一挙手・一動に私は目が離せない。

    重い掛け金がガチャンと掛けられ
    王を謀った罪で投獄された

    確かに貴方に雇われたはずなのに
    身に覚えの無い濡れ衣で
    陽の射さぬ地下牢に閉じ込めたのは何故?


    私は、貴方を信じて協力していただけなのに・・・・



    水盤に、水滴が落ちる
    小さな漣の波紋が出来る


    どうして・・・・と口に出せずに
    未だに「愛している・・・」と愚かにも思うのは何故なの?


    辛そうに私から紅の視線が反らされる
    真っ直ぐに、もう私を見つめてくれないの?
    それがこんなにも哀しい。


    いっそこの身から
    貴方へと脈打つ心臓を取り出して
    私の時を早く止めてよ。


    投獄された時のままの妃の衣が物悲しい

    水盤に私の涙が零れ落ちる
    簡単に歪む 水面
    重苦しい時が流れる


    身分も何もかも偽りがばれた私に
    王である貴方は情けは掛けられない

    冷酷非情な狼陛下
    ここに貴方が来たということは

    王としての役割を果たすため
    貴方、自らが私の時を止めに来たの?

    擦れた声が呟いた言葉

    「・・・・・・へ・いか。」

    ……好きです。

    ……信じてる。

    伝え切れない気持ちを飲み込み






    ただ一度だけ貴方の名を呼ぶ。
     
    最初で最後であろう貴方の名を。

    「……黎翔さま」

    ……愛しています。

    秘めた想いを込めた貴方の名前。

    ほろりとはしばみ色の大きな瞳から涙が一滴頬を伝い、流れ落ちた。







    人払いがなされた。

    陛下と私の他には誰も居ない。
    誰も居なくなった地下牢に何処からか水滴の音だけが響く……。





    「夕鈴……すまない。」


    ひざまづく陛下は私を抱きしめる。


    「ここから、逃げてくれ!!!」
    「私の為と思うなら、夕鈴ここから逃げてくれ!!」


    「このままでは、君を殺めなくてはならない。」
    「私は君を殺めたくない。」


    「皆に、準備を整えてもらった。」
    「白陽国から出るんだ」

    辛そうに震える陛下の声
    抱きしめられてその顔が見えない。


    「夕鈴……守ってやれなくてごめん。」

    「……生きろ!!!」


    王でない黎翔としての悲痛な叫び。


    「……浩大。」
    「任せたぞ!!!」

    陛下から引き剥がされて
    ふらつきながら地下牢から連れ出された。

    一度だけ振り向き、最後に私が見たものは
    地下牢に一人佇む……孤高の狼陛下。

    私の守りたかった王
    厳しくて国を思うばかりに偽りの仮面を被る
    とても優しくて淋しがりやの私の愛した王さま


    ――――もう二度と逢えない。
    私の愛した貴方をこの目に焼き付けようとしたけれど……
    溢れる涙で、像が滲む。

    私の愛した王を想い、王の望む未来へと足を踏み出す。
    連れ添う浩大に袖をひかれ……共に隠し扉から闇に消えた。




     



    地下牢にたった一人佇む狼陛下。


    かつての妃に言葉にならない言葉で呟いた言葉は
    「……愛している」

    唯一心から望んだ娘に伝えたかった言葉は
    彼女に届くことはなく……静寂の空間に飲み込まれ融けて消えた。

    愛した娘の消えた方向を
    彼はいつまでも何時までも見つめていたという。


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    【闇詩文】『紅蓮』※黒陛下

    紅蓮の曼珠沙華が咲き出しました。
    この花を見ると、陛下の闇が蠢きます。
    無性に、黒い陛下が書きたくなるそんな季節です。










    闇詩文なので開封にはご注意ください。


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    【詩文】絶望の井戸の底

    苔むした井戸の底
    この身は
    冷たい水に体力を奪われ……

    地上は、遥か…
    はるか遠く

    見上げても
    切り取られた丸い空
    遠い星明かり

    光は
    仄暗い闇に
    侵蝕されていく

    絶望と闇が
    私を包む

    それでも…

    滑る壁に
    爪を立て

    何度も
    冷たい漆黒の水に
    頭から滑り落ち
    沈み込む

    泥を飲み
    足掻く…

    そして
    また壁に挑む

    あきらめたくない!
    何を?

    あきらめきれない!
    光を

    この場所は、好きじゃない!
    嫌いだから……


    何度でも…

    何度でも…

    無限の空を見るためなら…

    何度でも足掻こう

    誰が笑おうとも
    自分だけは信じて…


    いつか、ここから抜け出してやるんだ!

    自由になるんだ!

    あの遥か遠い場所まで、
    這い上がってやる!

    望む世界を掴む為。



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