花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    カテゴリ:【中編】蛍 の記事一覧

    蛍 Ⅱ

    ふわり

    静かに、一匹の蛍を見つけた。
    強く弱く点滅する蛍を見続けたら
    いつの間にか、視界が蛍で埋まった。

    「うわぁ・・・。」
    感嘆の声で喜ぶ夕鈴の瞳に
    蛍の光が映りこむ

    静かな蛍の乱舞に喜びが隠せない君
    蛍から目が離せない君に、僕は目が離せない。
    蛍に喜ぶ姿が儚げで、美しくて、
    せつなくなるほど、愛しくて・・

    君を見つめたまま耳元で囁く
    「綺麗だね。」
    君に対して、僕のありったけの気持ちを込めて・・・
    「ほんとに綺麗。」
    言葉の意味をいつも取り違える君にせつなくなるけれど・・・
    「ほんとだね。」
    今は、ほんの少しだけ伝わればいい。
    もう、逃がさないから・・・
    今のうちだけ。
    本気の気持ちが全部伝わった時、僕は君を捕まえる。

    その時、君はどうするのかな!?
    捕らえたまま、逃がす気はないけれどね。




    ダリ子さんの蛍 
    (2013.07.27.挿絵・ダリ子さん)


    ふわりふわりと無数の蛍の乱舞を夢中で見ていたら
    「綺麗だね。」
    と囁かれ
    黎翔さんに背中から抱きしめられた。
    そのまま腕の中で蛍を見つめる
    やさしい熱が池の清冽な空気に冷やされた身体を温める。
    そんなさりげないやさしさに胸がいっぱいになる。
    涙があふれそうな貴方の気持ちに
    「ほんとに綺麗。」
    そう囁いて蛍を見つめる

    幻想的な世界に二人っきり。
    お互いの熱を確かめながら
    ただ、蛍の静かな乱舞を最後の光が消えるまで、見つめていた。

                         -完.-
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    蛍 Ⅰ

    蛍狩りができるという
    境内の奥の湧水池に二人で向かう
    下駄が危ないからと、二人手をつなぐ
    普段は、恥ずかしくて、とてもできないが・・・・
    浴衣を着てる為か
    すごく自然に手を繋げられた。
    つないだ手のぬくもりが心地よい

    カラコロと二人の下駄の音が、静かな石畳に響く
    ・ ・・カラコロ・・・カラコロ・・・

    さぼど歩くことなく、
    蛍が見れる池に着いた

    木立に囲まれ薄暗い。
    欝蒼とした木々の向こうに
    月明かりが見えるも、池には光が届かなかった
    お互いの表情が、近くに行かないと
    見えないほど池の畔は薄暗かった。

    静かな池に蛙の声が低く響く
    黄色のショウブが咲いている

    「居ませんね。」
    残念そうに、君がつぶやく
    「そうだね。・・・少し、時間が早かったかな」
    そんな会話をしていたら・・・。

    ふわり .





                                             ・・・・続く


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