花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    完【中編】現代パラレル『願いⅣ』

    ◆黎翔×夕鈴
    ◆現代パラレル
    Fly So High  山田優さんの歌萌えです。

    実際の、PVはアメリカンな車ですが、曲だけ聞いてるとバイクの轟音に聞こえてきます。←
    どうしても、バイクで夜の闇をかっこよく切り裂く黎翔さんと夕鈴が書きたかった。
     

    実は、SNSの高月慧ネンさんの日記を100キリ番踏んだばかりなのですが、またまた2000キリ番を踏みまして

    つくづくご縁があるなぁと思いました。

    また、キリリク権を頂いたので考え中に前回のリクエスト『恋蛍♪』は、バイクの黎翔さんだったよなぁとふと思い出して

    リクエストしようかなとも思いましたが、この歌とがちっと咬みあったので、無性にバイクが書きたくなりました。

    発想が、前回のリクの派生品なので、こちらは、高月慧ネンさんに捧げます。

    『カモミール』に続けて2作目ですね。

    ちと長いですが、気に入りましたらブログにお持ち帰りください。

    煮るなり、焼くなりすきにしていいですよ。






    『夕鈴、着いたよ。』

    海岸線を何処までも走らせていたバイクを、とある岬で止めた黎翔さん。
    白み始めた空には、消えかけた月と星とが浮かぶ。

    被っていたヘルメットを脱ぐと、ひんやりとした潮風が頬を撫でた。

    『間に合ったかな?……おいで夕鈴。』

    「……はい。」

    差し出した黎翔さんのその手を、夕鈴はしっかりと握り締める。
    そのまま、二人は、防風林を抜けて海へと向った。

    夕鈴は、夜通しバイクで駆け抜けたと言うのに
    疲れた印象は無く、むしろ心は軽やかだった。

    『足場が悪いから、気をつけて!!』

    まだ陽の昇らないうすぼんやりとした景色。
    足元の覚束ない足場の悪い道を海へと進む二人。

    時折、黎翔さんの力強い腕が、彼女を支えて
    導かれるように、先を急ぐ……

    岬の突端にようやく着くと、一条の眩しい光。
    曙色した空に、今まさに昇ろうとしている太陽。

    新しい今日という一日にふさわしい美しい陽の光。
    爽やかな朝にふさわしい穏やかな大海が広がり
    明るく澄んだ柔らかな青い空が二人の頭上に広がる。

    かもめが水平線を目指して飛んでいく
    まるで、夕鈴の心のよう
    どこまでも空を飛んで行けそうなそんな気分。

    夕鈴は、昇る朝日を全身に浴びる。
    朝日に目をすがめて、彼女は空に両手を伸ばす。

    悩んで昨日が嘘みたい。
    閉ざされた悩みは、悩んでいても仕方ない。

    だから、振り返らないで
    未来を見つめよう

    掴みたい願い、思い描く未来。
    この両手は、未来の為にあるの。

    その祈りも想いもあの空に届くよう
    私の心がこの空にはばたいていく……
    翼があるかのようにとても軽い。

    いつの間にか心のもやもやも消えて無くなり……
    悩みも不安も全て黎翔さんが消し去ってくれた。

    心から湧き上がる想い。
    黎翔さんへの気持ち。

    黎翔さんへの感謝
    「黎翔さん、ありがとうございます。」

    何も言わなくても支えてくれる
    黎翔さんへの愛
    ちょっと、照れくさいけれど、ちゃんと伝えなきゃ……
    「黎翔さん、大好き!!!」

    朝日を見ていた夕鈴は、黎翔に真向かい想いを伝える。
    太陽よりも眩しい、曇りない満面の笑顔。

    夕鈴は、この日はじめて心からの笑顔を黎翔に向けた。

    『……何のこと?』

    眩しげに目を細めて、彼女に優しく微笑む黎翔。
    昇り行く朝日を浴びて、二人とも顔が赤い。

    それが、朝日のせいなのか照れてなのかは、二人にしか分からない。
    ぽつりと黎翔さん、が独り言のように呟いた。

    『あぁ……やっと君の笑顔が見れた。』

    どこかホッとしたような小犬の笑顔。
    優しくて暖かい夕鈴の大好きな黎翔さん。
    いつも見守って寄り添ってくれる黎翔さん。

    「黎翔さん、大好きっ!!!」

    黎翔さんへ想いを伝えきれない気がして、夕鈴はもう一度彼に伝えた。
    そのまま真っ直ぐに彼の胸に飛び込んだ。

    黎翔さんは、きゅっと彼女を抱きしめてくれた。
    彼の心からの愛が溢れる……

    晴れやかな笑顔が零れる。

    (あなたが好きっ……黎翔さんっ、大好き!!!)

    (ううん、大好きじゃ足りない。……黎翔さんっ、だい・大・大好きっっ!!!)

    夕鈴の溢れる想いは、止まらない。
    更に、黎翔さんをギュッと抱きしめた。

    黎翔の願いは、朝日と共に叶えられた。

    彼が願いようやく取り戻せた
    誰よりも愛しく眩しい夕鈴の笑顔が、そこにはあったのだから。

    お互いにお互いを抱きしめ、大海原に昇る朝日を見た。
    朝日を浴びながら、美しい世界を見つめる。

    二人の目の前に広がる世界。
    美しく耀く太陽。煌めく海面。どこまでも澄んだ空。

    二人の心は、昨夜と違いとても晴れやかだった。
    そして、今まで以上に二人の絆が強く結ばれたのだった。


    ー完ー

    2013年
    06月23日
    08:56


    夜の闇を切り裂いたか??っていうと疑問です。



                                         さくらぱん
    スポンサーサイト

    【中編】現代パラレル『願いⅢ』

    ◆黎翔×夕鈴
    ◆現代パラレル
    とある曲の歌萌えです。
    どうしても、バイクで夜の闇を切り裂く黎翔さんと夕鈴が書きたかった。






    君が落ち込んでいて酷い状態だと君の親友から緊急の連絡が来た。
    しばらく待っていても、君からのSOSの連絡が来ない。

    君の涙も、痛みも、僕は分かち合いたいのに
    君のことだから、僕に心配かけまいと自分を隠すんだね。

    僕は、こんな時こそ恋人である僕を頼りにしてほしいのに。

    僕にとって大切な君だから、君の笑顔が曇るのは見過ごせない。
    なりふりなんか構ってなんかいられない。

    周囲に迷惑かけてもいい……
    君を元気にしたくて、気付いたら君の家までバイクを走らせていた。

    想像以上の君が居て……

    そんなに沈んだ顔しないでよ……
    僕が居るよ。

    怖れないで
    笑ってよ、夕鈴。

    笑顔の無い君が
    いたたまれなくて、家から連れ出した。

    君の心を曇らしている
    心の重みを少しでも軽くしたい……

    君が好きだから、僕が手助けしてあげたい。
    君を笑顔にしたいんだ。

    僕にとって
    誰より大切な君だから


    僕がいるよ。
    一人で悩まないで

    自分に嘘をつかないで
    君は、君らしく
    そんな君が僕は大好きなのだから

    見失わないで夢を!!!
    忘れないで願いを!!!

    きっと大丈夫!!!
    君の夢はすべて叶うから!!!

    その涙も痛みもこの夜に溶けていけ。
    君の苦しみも悲しみも消えていけ。

    一人きり涙が止まらない時は
    思い出して
    涙止まるまで、僕が傍に居てあげる

    だれも皆一人ではないんだよ。
    君のすべてを僕は抱きしめていてあげる。



    ……続く。


    2013年
    06月22日
    21:26

    【中編】現代パラレル『願いⅡ』

    ◆黎翔×夕鈴
    ◆現代パラレル
    とある曲の歌萌えです。
    どうしても、バイクで夜の闇を切り裂く黎翔さんと夕鈴が書きたかった。





    深夜の冷たい風を切って、黎翔の操るバイクは、
    暗がりの道を駆け抜ける。

    夕鈴には、黎翔が何処へ向かおうとしているのか
    分からなかった。

    だけど、そんなことはどうでも良かった。
    彼の背に身体を預けていると不思議と安心感があった。

    なにより、霧が晴れて行くように夕鈴の心が晴れていく。

    星も町明かりも全て二人の目の前を流れていく
    光りの軌跡が全て、バイクの轟音とともに、後ろへと流される。

    バイクの速さとしては、夕鈴に合わせて遅いのかもしれない。
    だけど、夜のスピード感が増した景色に
    いつの間にか、夕鈴はバイクの爽快感に包まれていた。

    大好きな恋人の背に腕を廻す。
    普段は、そんなこと恥ずかしくて夕鈴から出来ない。
    だけど、今日は言い訳がちゃんとある。
    彼の熱を腕に感じながら、彼の鼓動を感じ取る。


    夕鈴は、全身で風を感じていた。
    日中の嫌なこと全てが流されていくようだった。

    恋人の動きに合わせ、夕鈴も体重移動する。
    バイクも黎翔も夕鈴も、いつの間にか一体となっていた。

    星降る夜に、疾風のごとく駆け抜ける二人は一陣の風になっていた。


    バイクは、街を駆け抜けて、郊外の海岸線へと続く道へと入った。
    間もなく、大きな月と夜の海が見えてきた。

    さざなみが、海に出来た月の道を彩る。

    何処までも二人を乗せたバイクは、海岸線をひた走る。

    幻想的な夜の海。


    月と星とが美しい夜。
    ぽつりぽつりと耀く街灯が……優しい地上の流星を作る。
    夢のような景色を夕鈴は、黎翔の背で感じていた。

    全身で、彼を感じ、世界を感じる。
    なんだか、この世界に二人しか居ないような感覚。
    夕鈴は安心感とともに幸せを感じていた。

    (あぁ……なんか癒されていく)

    (黎翔さん……私癒されていく)

    (やっぱり、あなたが好き……)

    夕鈴は、黎翔の背に廻した腕をきゅっと抱き締め直した。

    何処までも追いかけていく静かな月が、二人を見ていた。


    ……続く。


    2013年
    06月22日
    20:31

    【中編】現代パラレル『願いⅠ』

    ◆黎翔×夕鈴
    ◆現代パラレル
    とある曲の歌萌えです。
    どうしても、バイクで夜の闇を切り裂く黎翔さんと夕鈴が書きたかった。







    星の瞬く綺麗な夜に
    深夜の静寂を切り裂く

    近所迷惑な
    街角に鳴り響く大音量の爆音

    心当たりの無いその音は
    大きなバイクの音だった。
    重低音のエンジンが鳴り響く・・・

    雷が鳴り響くようなその音は、
    ピタリと、夕鈴の家の目の前で止まった。

    騒音が止まると同時に
    夕鈴のスマホの着信音が鳴る
    この音は、黎翔さんの着信音。

    大好きな彼からの電話に
    本来なら輝きの笑顔を魅せる夕鈴なのだが
    この日の夕鈴は、ちょっと顔を曇らせた。

    今日は、彼とはちょっと話せない。
    仕事で、失敗ばかりの一日。
    そんな日だからこそ、彼に心配かけたくない。

    コール音が部屋に鳴り響く。
    何時までも、このままでは、やっぱりマズイよね。

    勘の良い恋人は 何かを感じ取るはず……
    躊躇いつつも……彼と話す為に、スマホに手を伸ばした。

    「はい。」

    (やっと、出てくれたね、夕鈴。)

    「ごめんなさい、すぐに出れなくて……」

    「黎翔さん。こんな夜更けにどうしたの?」

    ちらりと、時計を見ると日付が変わる時間帯だった。

    (急に君に逢いたくなって……、出てこれない?)

    (今、君の家の前に居るんだけど……)

    「……!!!!」

    その言葉に、慌てて夕鈴は窓のカーテンを開けて外を見た。
    ーーーーーーそこには、大きなバイクを背に、スマホ片手に夕鈴に手を振る恋人の姿。

    「……黎翔さんっ!!!!」

    びっくりして、慌てて階段を駆け下りて、家を飛び出した。
    夕鈴は、恋人のもとに、駆け寄る。

    「……どっ、どうしたんですか?黎翔さん。」

    「しかも、バイクなんて……」

    『だから、君に逢いたくなっちゃって……』

    『来ちゃった。』

    悪びれない小犬の笑顔で応える黎翔さん。

    『たまには、いいかなって……』

    『夕鈴、ちょっとつきあってよ。』

    そう言って、大型バイクからピンクのヘルメットを取り出して、片手で夕鈴に放り投げた。

    放物線を描き、ポスンと夕鈴は、ヘルメットを受け取った。

    「黎翔さん、今日は私……」

    言い訳にならない、言い訳を並べようとした夕鈴の言葉を黎翔さんが遮る。

    恋人の赤の瞳が、優しく笑っていた。

    『何も言わないで……』

    『ほんの少し、僕につきあってよ。』

    きゅぅーんとした、小犬の瞳で見つめられては、断われない。

    結局、

    「少しなら……」

    という約束で夕鈴は、黎翔のバイクに乗ることになった。


    ……続く


    2013年
    06月22日
    18:16