花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】『戸惑いの愛の星』  ※現代パラレル ネクタイの日続き



    近くの公園に二人ベンチに座り、噴水の流れる水を見ていた。

    ライトアップされた噴水は、オレンジ色のほのかな外灯の光りを反射して
    静かに煌めきながら、美しい水滴を滝のように流れ落とす。

    黎翔は、夕鈴と手を繋ぎながら、彼女の涙が落ち着くのを待っていた。
    二人無言でベンチに座る。
    しっかりと繋がれた二人の手。
    静かな時が流れる。
    ただ・・・夕鈴の泣き止まない嗚咽だけが、黎翔に聞こえていた。

    中天に、十六夜が美しく輝く。近くに、宵の明星が明るく輝いていた。
    いつの間にか、夜の訪れが早くなっていた。
    あたりは、すっかり夜の帳が降りようとしていた。


    ようやく落ち着いてきた夕鈴に、先ほど怒っていた理由を聞いてみる
    気がつくと宥めるように、繋いだ手首の内側に口付けていた。

    『ねえ、夕鈴。落ち着いた?』

    「はい、取り乱しちゃってごめんなさい。」

    『どうして、車から降りちゃったの?』
    『どうして、逃げるの』
    『僕が、馬鹿って・・・僕何かしたかなぁ。』
    『理由教えてよ。』

    「・・・・・・・。」

    『僕が悪いなら、謝るよ。』
    『ゆうりん?』

    「・・・・・・。」

    俯く夕鈴の顔を覗き込む黎翔。
    夕鈴の頑なな心は、黎翔の優しい笑顔で溶かされていく。

    (この笑顔を信じたい。)
    (信じていたいの。)

    柔らかな雨のように降る手首への口付け。
    キスされた手首がじんわりと熱い。

    (黎翔さん、貴方を信じたい!!!)

    瞑目した夕鈴は、ゆっくりと深い深呼吸をした。

    ー数秒。

    はしばみ色した瞳が開く 何かを決意したかのような強い光。

    まっすぐに、黎翔の瞳を見つめる。

    揺れ動く瞳が、黎翔を見つめる。
    見つめているだけで、涙が零れそうだった。

    (もう一度だけ・・・・信じたい。)
    (こんなにも、あなたが好き。)
    (・・・・心が、張り裂けそう・・)

    揺れ動く気持ちのままに、今度はゆっくりと黎翔の目を見ながら
    夕鈴は、先ほどと同じ質問を繰り返すのだった。


    うーーん。。エンドレス・スパイラル

    ・・・・続く


    2012年
    10月03日
    23:05 続きを読む
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    【短編】『十六夜愛の星ーいざよふあいのほしー』※要注意 現代パラレル ネクタイの日企画




    ●昨日の『引くに引けない仲直り』
    ※要注意 現代パラレル ネクタイの日企画の大喧嘩の原因です。



    何気なく黎翔さんを見つめていて、気付いてしまった。

    聞きたくても、聞けない。

    沈黙する車内

    夕刻の風景が車窓から瞬く間に流れ消える

    東の山並みに綺麗な十六夜がでてきた。

    昨日と違い躊躇(ためら)うように月の出が遅い。

    あの月は、私と同じ・・・

    躊躇いの月

    本当は、信じているのに信じられない

    視界が歪む

    (愛しているのに・・・)
    (疑心暗鬼に囚われ、自分が醜い。)

    ちらりちらりと視線を送る。

    気付いてしまった自分を呪いたい。

    貴方を信じたい。

    質問すれば、貴方は、答えてくれるのかしら・・・

    「・・・あ・・あの。」

    何百回目の躊躇いの後、ようやく質問する勇気が持てた。

    『・・・何、夕鈴。』

    「黎翔さん、正直に答えて欲しいのですけど・・・。」

    もう、自分の言葉は撤回できない。躊躇いのまま質問は、続く。

    瞑目したまま、恋人に先ほどから質問したくて、
    しょうがなかった質問を問う。

    「黎翔さんのネクタイに鮮やかなローズピンクのキスマークついてます。」
    「いったい、誰の口紅ですか?」

    目頭が熱い。耳鳴りがする。
    激しくかき鳴らされる心音に音が途絶えた・・・

    耳をすますのは、貴方の声だけ
    信じていたい貴方の声だけ

    『えっ・・気付かなかったな。』

    黎翔は、北へ向かう車のハンドルを左折しながら、輝く金星を見つけた。

    夕闇にひときわ輝く愛の星

    『心当たりは、・・・・あるかな。』

    幸せそうに笑う黎翔を凍りついたかのように夕鈴は、見つめた。

    涙が、一筋、二筋、零れ落ちる。

    (・・・・・・嘘。                   黎翔さん!!!)

    心がついていかない。

    一度も見てくれない恋人に心が押しつぶされそう。

    信号待ちの一瞬に、気付いたら車から飛び出していた。


    ・・・・・続く


    2012年
    10月01日
    15:32 続きを読む

    【短編】『引くに引けない仲直り』※要注意現代パラレル ネクタイの日企画




    ●今日は、ネクタイの日とのことで…
    突然ワン・シーンで降ってきたタネです。

    どぞ。




    どうしても
    分かって欲しかった。

    伝わらない苛立ちだけが残る。

    大好きだけど…
    『大嫌い』

    言葉だけ、空回りする、デートの最後。
    別れ間際の大喧嘩。

    『夕鈴』

    車を降りて、走り去る私を、追いかけて
    貴方は捕まえる。

    そのまま抱きしめられて逃げられない。

    逃げる気持ちの無い私に囁かれた。
    アナタの言葉が、私の導火線に火をつけた。

    『…ゴメン。』

    のなにげない一言。

    何に対して、謝るの
    悪いのは、今日の自分。

    貴方への苛立つ気持ちが、静まらない。
    暴れ出す感情の嵐。

    腕の中に目についた彼のネクタイを引き寄せて、
    噛みつくようにキスをした。

    『…黎翔さんのばか。』

    『大っ嫌い!』

    涙目のまま睨みつけるも。
    貴方には、効果はない。

    見透かされた視線が絡み合う。

    結局、いつの間にか仲直り。

    もう一度、ネクタイを引き寄せて、自分から、甘くトロけるキスをした。

    仲直りの長くて濃厚なキス。

    キスに酔いしれ、思考が霧散する。

    …結局、喧嘩の原因って、何だったのかしら!?



    おしまい。

    なんて、半端な…
    ゴメンなさいです。
    深々…平謝り。



    2012.10.01.


    ・・・・続く