花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    第四章【美女と野獣 11 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』

    続きです


    ある日、夕鈴の父と弟は、街まで用事で行くことになりました。

    街までは遠く、馬の足でも数日かかる道のりです。

    幾つもの森や村を抜けたところに街はありました。

    夕鈴は、村で留守番をすることになっていました。

    父親は、娘に尋ねます。

    『せっかく街まで行くんだ。お土産は何がいいかな。』

    夕鈴は、答えました。

    「父さん達が、無事に帰って来てさえ、くれたら何もいらないわ。」

    弟は、そんな姉に更に尋ねます。

    『そんな事を言わないで、頼んでみたら、姐さん。』

    「では、薔薇を。道端の綺麗な薔薇を一本お土産に下さいな。」

    『薔薇だね、姉さん。分かった。』

    『お土産に、綺麗な薔薇を持って帰るから。』

    『行ってきます。』

    「行ってらっしゃい。気をつけてね。」

    そう言って、村に夕鈴を残して、二人は、街へと出かけていきました。




    続きます。



    2012年
    11月29日
    20:10
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    第四章【美女と野獣 12 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』

    続きです

    街での用事を済ませた二人は、家に帰る途中
    森で深い霧に包まれて、道に迷ってしまいました。

    だんだんと、森の奥へと入っていくようです。

    狭い道では戻ることも出来ず、かといって
    こんな森の中では、止まることも出来ず・・・

    馬車は、霧の森の中を進みます。

    「父さん、道に迷ってしまったみたいだね。」

    『そうだね。でも、道があるのだから、きっとどこかに繋がっているんだよ。』

    二人は心細くなりながらも、生来の明るさで馬の歩を進めます。
    周りには、見たこともない景色がひろがっています。

    鬱蒼とした木々が茂った森は、どこまでも続き、濃い霧の為に
    先を見通すことさえもできません。

    だんだんと道が狭くなり、二人には
    森の木々がこちらに迫ってくるように見えました。

    深い灰色の霧は、何もかも色を奪い

    ポタッ・・・・ポタッ・・・・ポタッ・・・・・・・。

    枝から滴り落ちる露の音が、しんと静まり返った森に響き渡りました。

    風が吹き抜けると、節くれだった指のような枝が、がたがたと震えました。
    森は、地面に濃い黒々とした木々の影を落とし、
    木々が揺れると影も揺らめきます。

    なんて不気味な森なのでしょう。

    人を寄せ付けない雰囲気の濃い霧に包まれた暗い森の道を
    二人は、身を寄せ合いながら馬車を進めました。







    続きます。


    さらに、原作・まぜまぜ・・・・ディズニーまぜまぜ・・・・美味しくなぁれ・・・ぐつぐつ。


    2012年
    11月30日
    07:03

    第四章【美女と野獣 13 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。






    第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』


    続きです


    ふいに、襲ってきた寒さに、二人は上着の襟を引き寄せました。
    そのとき、葉擦れの音がして、木々の間を黒い影が滑るように動きました。

    「父さん、何かがいるよ」
    『そうだな、どうやら引き返したほうがよさそうだ・・・』

    しかし、時すでに遅し、一対の黄色の目が藪の中で不気味に光っていました。
    気配に、敏感な馬は、おびえたように立ち止まり、耳をしきりに動かしました。

    藪の中の目は、次々と増えていきます。
    一対が、二対に・・・二対が、四対に・・・・四対が・・・・
    不気味な黄色い目は、藪の中からこちらを窺がっています。

    今は、それが、恐ろしい敵でないことを祈るばかりです。

    しかし、すさまじいうなり声とギラギラ光る鋭い牙に儚い望みはたちまち消し飛んでいきました。

    藪から二人の前に現れたのは、獰猛な狼だったのです。

    「ーーーーと・父さん。」
    『ヤバイな。』


    グルルルルー・・・・・・

    ビシッー

    狼のうなり声と、馬の鞭を振るうのは、同時でした。
    狼が、二人を襲おうと身を躍らせて、飛び掛ってきたのです。

    二人は、もう必死で馬を駆けさせ、馬の鞭で狼をなぎ払いました。

    それでも、群れとなった狼は、二人を次々と襲い追いかけてくるのです。
    いつの間にか、濃い霧は、激しい雷雨となり
    闇雲にひたすら森の中を逃げ惑いました。

    射すような冷たい雨。時折、激しい稲妻が空を走ります。
    そして、暗い森の奥 二人を追いかける獰猛な獣が後ろから追いかける恐ろしい吼え声と足音

    もう、二人は生きた心地がしませんでした。
    ひたすら、神に祈り、助かることだけを考えていました。

    幾度、木々の枝葉が顔に打ち付けようとも、
    痛がっている暇などありません。
    夢中になって、暗い森を駆け抜けました。

    それでも、二人の行く手をたち塞ぐ狼達。

    右に左に逃げ回る二人を、からかうように執拗に追いかけてきます。

    その時です。
    強い雷鳴が光ったかと思うと、はるか彼方にぼんやりと浮かんだ大きな城の影が目に入りました。
    その城を目指して、二人は馬を駆けさせました。
    しかし、森はますます深くなるばかり。
    道など無く、荒れた土地に、茨が生い茂りまるで、人が来るのを拒んでいるかのようなお城です。

    突然、森の中に古びた鉄の門がありました。

    『助けてくれ!!』

    親子は、必死で叫びました。

    『誰か助けてくれっ!!!』

    門が軋みをたてて開きました。

    二人を乗せた馬車は、中へ駆け込み、大急ぎで門を閉めたところへ
    狼達が、なだれのように押し寄せてきました。
    狼達が体当たりする音が聞こえます。

    名残惜しそうに、門から鼻を突き出し、鋭い牙を見せて
    逃げてしまった獲物を睨んでいました。
    鋭い鉤爪の狼の前足が、門の隙間で、むなしく空(くう)を掻きます。

    危機一髪で逃れた二人は、門から離れた場所で、
    その様子を身を寄せ合って眺めていました。

    「はぁーーーーーっ・・・助かった。」
    『もうダメかと、思ったよ。』

    安心感で、へたり込み、
    恐ろしさで、二人の胸はまだ心臓がドキドキしています。

    先ほどの城の影は、どこだろうかと、振り向いた瞬間です。
    二人は、あっと息をのみました。


            ー第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』・完ー




    続きます。



    2012年
    12月05日
    08:39