花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    第三章【美女と野獣 9 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン




    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第三章『鍵の乙女-かぎのおとめー』

    続きです

    ひっそりと、人知れずたたずむ野獣の城から遠く離れた地に、

    美しい小さな村がありました。

    その村には、国中で一番の美女が住んでいました。

    娘の名は、夕暮れ時の美しい鈴と書いて【夕鈴】

    蜂蜜色した素直な髪。

    おおきなはしばみ色の瞳。

    真珠のような美しい白い肌。

    咲き初めの薔薇色の頬。

    薄く色づいた淡い唇。

    その美しさには、だれもが振り返るほどでした。

    夕鈴が村を歩くと、パン屋もかじ屋も果物売りも、乳搾りの女達も、

    子供たちまでもが遊ぶ手を止めて夕鈴の姿に見とれています。

    けれど、夕鈴は自分が見られていることになど、まるで気がついていません。

    それどころか、自分が人目を引くほどの美人とは、思っていませんでした。

    彼女の頭の中は、愛する家族・・・特に大事な弟のことばかり。

    幼い頃に母親を亡くし、父親はすっかり元気がなくなりました。

    人が変わったように、闘鶏にのめり込みました。

    父の気持ちも分かりますが、弟を養わなければなりません。

    彼女は、必死に働いて弟を幼い頃から育ててきました。





    時には、父親代わりになって、時には、母親代わりになって、

    弟を育ててきたのです。


    弟は、そんな姉に感謝して、国のためにお役人になるんだと勉強をしました。

    彼女にとって弟は、彼女の誇りであり、心の支えであり、希望の光りでした。

    今日も、家族のために村へ夕飯の買い物に来ていました。

    八百屋のおじさんに、にっこり笑うと、おじさんも笑い返します。

    『いらっしゃい。夕鈴ちゃん。今日は、何をご入用だね。』

    「・・・・そうね。今日の特売・オススメは、なにかしら?」

    『今日は、いい大根が手に入ったよ。オススメは大根だ。持ってくかい?』

    「じゃ・・・それを。1・・・いいえ、三本買うから、安くして頂戴!!!」

    『いつも、負けるなぁ・・・夕鈴ちゃんには、じゃ半額にまけとくよ。』

    『ついでに、ジャガイモ3個もサービスだ。』

    「おじさん、ありがとう。」

    気さくで、明るい彼女のことを訳知る村人は、進んで彼女の力になりたいと

    思っていました。

    夕鈴は、そんな不思議な魅力を持った乙女でした。

    彼女の魅力は、それだけじゃありませんでした。



    続きます。



    2012年
    11月27日
    09:36
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    第三章【美女と野獣 10 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第三章『鍵の乙女-かぎのおとめー』

    続きです


    彼女は、正しい美徳感を持った人でした。

    弱いものを助け、曲がったことは、大嫌いでした。

    進んで、村の困っている人に手を貸して
    揉め事には、いち早く駆けつけ、仲裁をします。
    又、約束事は、必ず守る人でした。

    ですから、困ったことがあると、人々は彼女のもとへ行き
    彼女は、人々を助けました。

    皆に慕われ、高い信用を勝ち得ていたのです。

    そんな彼女ですから、村の人や友人たちは、彼女のことが
    気になって仕方ありませんでした。

    特に、幼馴染の青年は、彼女を慕い、心配してこう言いました。

    『色気は、ないわ』
    『所帯くさいわ』
    『凶暴だわで』
    『村でも、貰い手のねえって評判の女が』

    ・・・・はぁーーーーーーっ・・・
    『それ以上、揉め事に首を突っ込んでどうすんだ。』

    幼馴染は、憐れみの目でため息をひとつつきました。


    「余計な、お世話よ。」
    (ええ・・ええ・・散々言われてきましたとも、あんたに。)
    (バイトと家事三昧で嫁き遅れ街道まっしぐらだと・・・!!!)

    今日も、道の往来で、仲の良い幼馴染二人の喧嘩が始まりました。
    村の人々は、青年の気持ちを知っていましたので
    とても暖かい目で見守ります。



    ・・・・ただし、肝心の彼女には、ちっとも青年の気持ちなど伝わっていないのでした。

    そんな、毎日が平凡で穏やかな美しい村に彼女は、住んでいました


                ー鍵の乙女-かぎのおとめー完ー


    続きます。


    2012年
    11月29日
    10:46