花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【詩文】『月と狼王』 ☆美女と野獣






    冴えた星の輝く
    月明かりが明るい夜

    何処からか
    悲しみに満ちた
    野獣の遠吠えの声

    閉ざされた城に
    一人

    友もなく
    恋人もなく
    家族さえもいない

    深い孤独感は
    彼を苛む

    不安な夜は
    彼に更なる
    淋しさを与える

    心は、凍え
    紅い瞳は、冷たい光を纏う

    闇に覆われた居城と同じ
    心も闇に閉ざされる

    誰かに愛されたいと願う心は、すでに諦めて久しい。
    誰にも愛されない深い孤独

    両手の鉤爪では、
    抱きしめることさえ躊躇われる

    鋭く光るこの牙では
    愛を囁き、睦みあうことさえ難しい。

    孤高の月に、孤独をぶつけ我が身を呪う。

    闇夜に低く木霊する狼王の悲しみは、
    深い森・濃い夜霧の閉ざされた居城に虚しく響き渡った。
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    第一章【美女と野獣 1 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン

    11/22いい夫婦の日限定とぴに出しました。  

    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    ☆プロローグ

    第一章『不思議な薔薇-ふしぎなそうびー』


    ここに一本の不思議な薔薇がある

    ガラスケースに入ったそれは 今は、見事な実を結実し・・・
    外と違う時の流れにそれは或る
    その薔薇の持ち主は、この薔薇の或る白亜の城の主
    白陽国の王  珀 黎翔の薔薇









    『・・・・夕鈴。』

    「はい。・・・黎翔様。」

    『幸せかい。』

    「はい・・・この上なく。」

    色づき始めた城の庭園に、秋の穏やかな日差し・・・
    久しぶりの良い天気に、国王夫妻の声は、明るい。

    庭園の端、下に美しい渓谷を眺められる
    見晴らしの良い高台のバルコニーにて、仲の良い夫婦は愛を語らう・・・

    長椅子に座る二人は、お互いに、お互いの手をしっかりと握り締めて
    王の赤褐色の暖かい瞳は、妃である愛しい人を
    妃のはしばみ色した美しい大きな瞳は、愛しき夫である王を
    愛に溢れたまなざしで、見つめあう。

    時折、優しく吹く風に妃の蜂蜜色した綺麗な髪がふわりと風に靡く

    愛を確かめるために、啄ばむような口付けを交し合う二人
    ・・・穏やかな時を過ごす国王夫妻。

    窓辺の薔薇は、その実を更に赤く染めて、二人を祝福していた。





    ・・・続く


    2012年
    11月22日
    12:33
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    第一章【美女と野獣 2 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン




    11/22いい夫婦の日限定とぴだしました。

    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第一章『不思議な薔薇-ふしぎなそうびー』

    続きです


    甘いKissに誘われ、小鳥達も歌いだす。

    駆け上がる感情は、誰のもの?

    手の中に収めた君のぬくもり
    選んでくれた愛しい人に変わらぬ愛を誓う

    実をつける前の薔薇が、散ることを怖れていた昔の自分はもう居ない。
    君という存在が、僕の呪いを解いてくれた。

    愛することを知り
    愛されることを知った。

    愛するということは、どういうことなのかを理解し
    愛されることは、どういったものかを知った。

    すべて、運命だったのだとしたら
    僕らの運命は、なんて強固だったのだろう。

    いつの間に、こんなにも君を愛していたのだろう。

    たった一人の愛する人をこの腕で、抱きしめて
    心を込めて、Kissを贈ろう。

    君という奇跡を神に感謝しよう。
    僕が愛した唯一の君に・・・甘く蕩ける魔法のKissを・・・・・



    ・・・・続く



    2012年
    11月22日
    13:57
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    第一章【美女と野獣 3 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第一章『不思議な薔薇-ふしぎなそうびー』


    続きです

    不思議な薔薇は、知っていた。

    国王夫妻の受難の歴史を

    真実の目を持ち、選び取った愛を・・・

    それを、この薔薇は、静かに見つめていた。





    遡る時   この薔薇のつぼみの頃。

    まだ二人が出会う前の話。

    この薔薇が、まだ或る創造主の手に握られていたころのこと。



    ・・・・・・・・薔薇よ。語れ。或る恋の物語を。



    第一章『不思議な薔薇-ふしぎなそうびー』  ー完ー



    続く


    2012年
    11月22日
    22:00

    第二章【美女と野獣 4 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。




    第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』
    続きです

    この薔薇がようやく咲きほころび美しい薔薇になった頃のことです。





    あるところに、素晴らしく栄えた白陽国という国がありました。

    美しい緑と水に包まれた祝福された土地で、

    人々は幸せに暮らし、

    白陽国の城は、そこに住まう国王・珀黎翔の威光を示す

    白亜のとても素晴らしい城でした。

    まばゆい光の城は、息をのむばかりに美しく、

    どれをとっても非の打ち所の無いものでした。





    ところが、白陽国の若い王だけは、違っていました。

    幼い頃から、望むもの全てを与えられて恵まれて育ちながら・・・

    その心は、冷たく荒れ狂う獣の魂を持つ王でした。

    人を信じることができず、心は閉ざされ疑心暗鬼に瞳は曇り

    自分勝手で、わがままな黎翔王。


    だけど、だれひとりとして、黎翔王を諌める者はおりませんでした。

    皆、王の逆鱗に触れることを怖れて・・・・

    この王に正しい道を示すことが出来なかったのです。

    いつしか、黎翔王は、狼陛下と呼ばれ・・・

    人々から怖れられるようになりました。


    そう・・・あの凍えるような冬の夜が来るまでは・・・・


    続く



    2012年
    11月24日
    21:50

    第二章【美女と野獣 5 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』




    続きです

    白陽国のはずれの深い森の奥に、一年中春のような暖かい美しい薔薇の庭がある小さな家がありました。

    そこには、ひっそりと一人の魔女が住んでおりました。

    魔女の耳に人々の噂が入り、魔女は心を痛めます。

    一年中、常春の自分の庭を魔女は歩きます。

    彼女の銀糸の髪は震え、黄昏時のアメジストの瞳は翳りました。

    『冷酷非情な狼陛下…噂どうりの人物なのか?確かめなくては…』



    魔女は、庭の薔薇を見渡すと、一本の咲き始めたばかりの美しい深紅の薔薇に目を止めました。

    『お前…王の為に、狼陛下の薔薇になって、王の行く末を見守っておくれ…』

    深紅の薔薇は、肯…の意味をこめて、ほんのりと光りました。
    『…ありがとう…』

    魔女は、薔薇を手折ると庭の外。
    極寒の白陽国の冬の大地に輝く、冴えた星空を見上げました。

    『白陽国・珀黎翔陛下…噂どうりの人物なのか。』

    『…この私が、この目で確かめましょう。』

    そう呟くと薔薇と共に、魔女の姿は消え失せました。




    続く




    2012年
    11月24日
    21:51

    第二章【美女と野獣 6 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン




    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』




    続きです


    月が凍るような冷たい光りに輝くとても寒い夜のことです。

    物乞いの一人の老女が城の門を叩きました。

    寒さに身を震え、今にも倒れてしまいそうな姿を見て、家来はさっそく老女を

    黎翔王のもとへと通しました。

    老女は、黎翔王に向かってうやうやしくお辞儀すると、

    籠から深紅の薔薇の花を一輪、取り出しました。

    老女は、黎翔王に懇願します。

    「おやさしいかた、どうか寒さをしのぐ一夜の宿をお貸しください。

    あいにくお金は、持ち合わせておりませんが、せめてもの感謝のしるしに、

    この見事に咲いた一輪の薔薇を差し上げましょう!!!」

    家来達は、この老女に同情し、あわれに思いましたが、

    黎翔王はその薄汚れたみすぼらしい姿に冷ややかな侮蔑の視線を向けると、

    冷たくこう言い放ったのです。

    『けがわらしい老女よ、すぐにこの城を立ち去るがよい。

    それから言っておくが、この城の鏡を見てはならんぞ。

    お前のおぞましいその姿に鏡が割れては困るからな!!!』

    老女の黄昏の瞳が黎翔王を見つめます。

    「王よ、外見にまどわされてはなりませぬ。

    どのようなものにも、美しさは、備わっているものですよ。」

    『そうか。』

    老女の言葉に、黎翔王は答えました。

    『ならば、ほかの城へ行って、その美しさとやらを探すがいい。』

    そして、家来達にこう命じたのです。

    『誰か、この目障りな老婆を城の外へ連れて行け!!!』

    しかし、家来達が老婆の身体にふれるより早く、

    老婆の全身が強い光りを放ち始めました。



    続く




    2012年
    11月25日
    20:34

    第二章【美女と野獣 7 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン




    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』


    続きです


    まばゆい光りを放つ老婆に、皆がおそれおののきました。

    みんなの見ている中で、老女は、美しい魔女へと姿を変えました。

    銀色の月光を紡いだような光り輝く髪。

    黄昏の空の色のアメジストの瞳。

    あの白陽国の外れの森に住む魔女でした。

    黎翔王は、恐ろしさに打ち震えました。

    魔女のアメジストの瞳には、ぞっとするような怒りの焔が

    冷たく宿っていたからです。

    『どうか、お許しください。』

    黎翔王は、魔女にひざまづいて、許しを請いました。

    『そのようなかたとは知らずに・・・・』

    けれど、魔女は黎翔王の言葉を最後まで聞こうとしませんでした。

    ひざまづいた黎翔王を今度は、魔女が冷ややかに見つめます。

    その瞳には、失望と・・・・凍りつくような怒りの焔がありました。

    「先ほどの言葉で、おまえの心にはひとかけらの愛がないことがよくわかった。

    愛を知らぬ者は人間とはいえぬ。」

    「・・・・ならば、その心にふさわしい野獣となるがいい黎翔王よ!!!」

    『お許しを!!魔女殿、そればかりはどうか・・・』

    黎翔王は、必死に叫びました。

    怒りに満ちた魔女が両手を

    高々と上げると、銀色の髪が逆立ち眩い光りが、城の大広間に満ちました。

    光りと共に黎翔王の姿がしだいに変わり始めました。

    通り名の狼陛下にふさわしく、顔や手・・・全身に黒々とした漆黒の毛に

    覆われていきます。

    指先には、鋭く尖った鉤爪。

    歯が鋭く長い牙へと。

    王冠の変わりにその頭上には、鋭く捻じ曲がった山羊の角が生えました。

    自らの身が、変わる痛みに、黎翔王は、苦痛と失望の悲鳴で絶叫しました。

    その恐ろしい黎翔王の悲鳴は、冷たい夜の城に響きました。




    続く







    2012年
    11月25日
    21:27

    第二章【美女と野獣 8 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン




    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』



    続きです


    「この城にも、呪いをかけてやろう。」

    「黎翔王よ。おまえはもう、人間の住むところへは、行けぬ。」

    「ここで、誰一人、友も無く、さびしく暮らすがいい。」

    そのとたん、家来たちも一人残らず姿が変わっていきました。

    それぞれが次々と魔女によって姿が変わっていきます。

    執事は、置時計に、給仕長は、燭台に、料理番はティーポットに、

    他の家来たちも家具や陶器や銀食器にと

    城の備品に次々とそういったものに姿を変えられました。

    そして、とうとう一人も人間の姿をした家来は、

    誰一人としていなくなってしまったのです。

    すると、魔女は先ほどの薔薇を差し出しました。

    「この薔薇は魔法の薔薇。」

    「お前の21歳の誕生日までは咲き続けるが、それを過ぎれば枯れてしまう。」

    「この薔薇が散る前に呪いを解くことだな。」

    「もし、それが叶わぬときは、黎翔王よ。お前は、死ぬまで永遠に野獣の姿のままだろう。覚悟するがいい。」




    『しかし・・・呪いを解くにはどうすれば・・・』

    変わり果てた姿の黎翔王は驚いて、魔女に尋ねましたが、口から出てきたのは、獣が吼えるような恐ろしいうなり声でした。

    声までもが変わり、黎翔王は、驚愕に目を見開きました。

    美しい魔女は、黎翔王に近づいて言いました。

    「・・・・呪いを解く道は、ただひとつだけ。」

    「誰かを愛し、その者の愛を勝ち得ることだけ。」

    テーブルの上へ置いた魔法の薔薇に、ガラスの覆いをかぶせると、

    魔女は、籠の中から銀の手鏡を取り出しました。

    「さて、おまえのために、もうひとつ置き土産を残してやろう。」

    「この鏡には、お前の望んだ場所が映し出される。」

    「気が済むまで、眺めるがいい。」

    「二度と、戻ることの出来ない人間界の様子をな!」

    次の瞬間、激しい雷鳴と稲妻とともに魔女の姿は、消えていました。

    魔女の薔薇と銀の手鏡を残して・・・・


    野獣は、すぐさま部屋を飛び出し、尖塔の階段を駆け上がりました。

    上へ上へと、毛に覆われた脚を駆り、まだ不慣れな身体をあちこちぶつけ

    躓(つまづ)き転びながら、どうにか、尖塔のてっぺんまでたどり着くと、

    稲妻と共に消えた魔女を呼び止めようと探しましたが、

    どこにもいませんでした。

    それどころか、塔の窓から、外を眺めた野獣は、愕然とします。

    目に映る景色の変わりように、野獣は言葉を失いました。

    城の周囲に、人影は無く、家も道も、緑の畑も姿を消し、

    日の光に明るく輝いていたはずの村は、厚くたれこめた灰色の霧に

    すっかり飲み込まれていたのです。


    「誰かの愛を勝ち得ること」魔女の言葉が、野獣の耳に蘇ります。

    『だが、この世のどこに、こんな醜い獣を愛してくれる人がいるというのだ。』

    深い絶望感が、野獣となってしまった黎翔王の胸を穿(うが)ちます。

    後ろ足で立ち上がり、彼方へ向かって叫ぶ野獣。

    それは、檻に閉じ込められた獣の叫び。

    何もかもを失ってしまった、若い王の悲痛な心の叫びでした。


            ー第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』・完ー




    続きます。




    2012年
    11月26日
    12:00

    第三章【美女と野獣 9 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン




    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第三章『鍵の乙女-かぎのおとめー』

    続きです

    ひっそりと、人知れずたたずむ野獣の城から遠く離れた地に、

    美しい小さな村がありました。

    その村には、国中で一番の美女が住んでいました。

    娘の名は、夕暮れ時の美しい鈴と書いて【夕鈴】

    蜂蜜色した素直な髪。

    おおきなはしばみ色の瞳。

    真珠のような美しい白い肌。

    咲き初めの薔薇色の頬。

    薄く色づいた淡い唇。

    その美しさには、だれもが振り返るほどでした。

    夕鈴が村を歩くと、パン屋もかじ屋も果物売りも、乳搾りの女達も、

    子供たちまでもが遊ぶ手を止めて夕鈴の姿に見とれています。

    けれど、夕鈴は自分が見られていることになど、まるで気がついていません。

    それどころか、自分が人目を引くほどの美人とは、思っていませんでした。

    彼女の頭の中は、愛する家族・・・特に大事な弟のことばかり。

    幼い頃に母親を亡くし、父親はすっかり元気がなくなりました。

    人が変わったように、闘鶏にのめり込みました。

    父の気持ちも分かりますが、弟を養わなければなりません。

    彼女は、必死に働いて弟を幼い頃から育ててきました。





    時には、父親代わりになって、時には、母親代わりになって、

    弟を育ててきたのです。


    弟は、そんな姉に感謝して、国のためにお役人になるんだと勉強をしました。

    彼女にとって弟は、彼女の誇りであり、心の支えであり、希望の光りでした。

    今日も、家族のために村へ夕飯の買い物に来ていました。

    八百屋のおじさんに、にっこり笑うと、おじさんも笑い返します。

    『いらっしゃい。夕鈴ちゃん。今日は、何をご入用だね。』

    「・・・・そうね。今日の特売・オススメは、なにかしら?」

    『今日は、いい大根が手に入ったよ。オススメは大根だ。持ってくかい?』

    「じゃ・・・それを。1・・・いいえ、三本買うから、安くして頂戴!!!」

    『いつも、負けるなぁ・・・夕鈴ちゃんには、じゃ半額にまけとくよ。』

    『ついでに、ジャガイモ3個もサービスだ。』

    「おじさん、ありがとう。」

    気さくで、明るい彼女のことを訳知る村人は、進んで彼女の力になりたいと

    思っていました。

    夕鈴は、そんな不思議な魅力を持った乙女でした。

    彼女の魅力は、それだけじゃありませんでした。



    続きます。



    2012年
    11月27日
    09:36

    第三章【美女と野獣 10 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第三章『鍵の乙女-かぎのおとめー』

    続きです


    彼女は、正しい美徳感を持った人でした。

    弱いものを助け、曲がったことは、大嫌いでした。

    進んで、村の困っている人に手を貸して
    揉め事には、いち早く駆けつけ、仲裁をします。
    又、約束事は、必ず守る人でした。

    ですから、困ったことがあると、人々は彼女のもとへ行き
    彼女は、人々を助けました。

    皆に慕われ、高い信用を勝ち得ていたのです。

    そんな彼女ですから、村の人や友人たちは、彼女のことが
    気になって仕方ありませんでした。

    特に、幼馴染の青年は、彼女を慕い、心配してこう言いました。

    『色気は、ないわ』
    『所帯くさいわ』
    『凶暴だわで』
    『村でも、貰い手のねえって評判の女が』

    ・・・・はぁーーーーーーっ・・・
    『それ以上、揉め事に首を突っ込んでどうすんだ。』

    幼馴染は、憐れみの目でため息をひとつつきました。


    「余計な、お世話よ。」
    (ええ・・ええ・・散々言われてきましたとも、あんたに。)
    (バイトと家事三昧で嫁き遅れ街道まっしぐらだと・・・!!!)

    今日も、道の往来で、仲の良い幼馴染二人の喧嘩が始まりました。
    村の人々は、青年の気持ちを知っていましたので
    とても暖かい目で見守ります。



    ・・・・ただし、肝心の彼女には、ちっとも青年の気持ちなど伝わっていないのでした。

    そんな、毎日が平凡で穏やかな美しい村に彼女は、住んでいました


                ー鍵の乙女-かぎのおとめー完ー


    続きます。


    2012年
    11月29日
    10:46

    第四章【美女と野獣 11 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』

    続きです


    ある日、夕鈴の父と弟は、街まで用事で行くことになりました。

    街までは遠く、馬の足でも数日かかる道のりです。

    幾つもの森や村を抜けたところに街はありました。

    夕鈴は、村で留守番をすることになっていました。

    父親は、娘に尋ねます。

    『せっかく街まで行くんだ。お土産は何がいいかな。』

    夕鈴は、答えました。

    「父さん達が、無事に帰って来てさえ、くれたら何もいらないわ。」

    弟は、そんな姉に更に尋ねます。

    『そんな事を言わないで、頼んでみたら、姐さん。』

    「では、薔薇を。道端の綺麗な薔薇を一本お土産に下さいな。」

    『薔薇だね、姉さん。分かった。』

    『お土産に、綺麗な薔薇を持って帰るから。』

    『行ってきます。』

    「行ってらっしゃい。気をつけてね。」

    そう言って、村に夕鈴を残して、二人は、街へと出かけていきました。




    続きます。



    2012年
    11月29日
    20:10

    第四章【美女と野獣 12 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。


    第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』

    続きです

    街での用事を済ませた二人は、家に帰る途中
    森で深い霧に包まれて、道に迷ってしまいました。

    だんだんと、森の奥へと入っていくようです。

    狭い道では戻ることも出来ず、かといって
    こんな森の中では、止まることも出来ず・・・

    馬車は、霧の森の中を進みます。

    「父さん、道に迷ってしまったみたいだね。」

    『そうだね。でも、道があるのだから、きっとどこかに繋がっているんだよ。』

    二人は心細くなりながらも、生来の明るさで馬の歩を進めます。
    周りには、見たこともない景色がひろがっています。

    鬱蒼とした木々が茂った森は、どこまでも続き、濃い霧の為に
    先を見通すことさえもできません。

    だんだんと道が狭くなり、二人には
    森の木々がこちらに迫ってくるように見えました。

    深い灰色の霧は、何もかも色を奪い

    ポタッ・・・・ポタッ・・・・ポタッ・・・・・・・。

    枝から滴り落ちる露の音が、しんと静まり返った森に響き渡りました。

    風が吹き抜けると、節くれだった指のような枝が、がたがたと震えました。
    森は、地面に濃い黒々とした木々の影を落とし、
    木々が揺れると影も揺らめきます。

    なんて不気味な森なのでしょう。

    人を寄せ付けない雰囲気の濃い霧に包まれた暗い森の道を
    二人は、身を寄せ合いながら馬車を進めました。







    続きます。


    さらに、原作・まぜまぜ・・・・ディズニーまぜまぜ・・・・美味しくなぁれ・・・ぐつぐつ。


    2012年
    11月30日
    07:03

    第四章【美女と野獣 13 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン



    ☆こちらは、ディズニー・ベースで書き進めています。
    ・・・・が、ヒロインだしたら、波乱の予感。
    いろいろと、ディズニー&狼陛下と食い違う部分が多いと思います。
    原作がお好きな方は、読むのは控えてください。
    それでも、いいよ・・という方のみ続きをどうぞ、お楽しみくださいませ。






    第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』


    続きです


    ふいに、襲ってきた寒さに、二人は上着の襟を引き寄せました。
    そのとき、葉擦れの音がして、木々の間を黒い影が滑るように動きました。

    「父さん、何かがいるよ」
    『そうだな、どうやら引き返したほうがよさそうだ・・・』

    しかし、時すでに遅し、一対の黄色の目が藪の中で不気味に光っていました。
    気配に、敏感な馬は、おびえたように立ち止まり、耳をしきりに動かしました。

    藪の中の目は、次々と増えていきます。
    一対が、二対に・・・二対が、四対に・・・・四対が・・・・
    不気味な黄色い目は、藪の中からこちらを窺がっています。

    今は、それが、恐ろしい敵でないことを祈るばかりです。

    しかし、すさまじいうなり声とギラギラ光る鋭い牙に儚い望みはたちまち消し飛んでいきました。

    藪から二人の前に現れたのは、獰猛な狼だったのです。

    「ーーーーと・父さん。」
    『ヤバイな。』


    グルルルルー・・・・・・

    ビシッー

    狼のうなり声と、馬の鞭を振るうのは、同時でした。
    狼が、二人を襲おうと身を躍らせて、飛び掛ってきたのです。

    二人は、もう必死で馬を駆けさせ、馬の鞭で狼をなぎ払いました。

    それでも、群れとなった狼は、二人を次々と襲い追いかけてくるのです。
    いつの間にか、濃い霧は、激しい雷雨となり
    闇雲にひたすら森の中を逃げ惑いました。

    射すような冷たい雨。時折、激しい稲妻が空を走ります。
    そして、暗い森の奥 二人を追いかける獰猛な獣が後ろから追いかける恐ろしい吼え声と足音

    もう、二人は生きた心地がしませんでした。
    ひたすら、神に祈り、助かることだけを考えていました。

    幾度、木々の枝葉が顔に打ち付けようとも、
    痛がっている暇などありません。
    夢中になって、暗い森を駆け抜けました。

    それでも、二人の行く手をたち塞ぐ狼達。

    右に左に逃げ回る二人を、からかうように執拗に追いかけてきます。

    その時です。
    強い雷鳴が光ったかと思うと、はるか彼方にぼんやりと浮かんだ大きな城の影が目に入りました。
    その城を目指して、二人は馬を駆けさせました。
    しかし、森はますます深くなるばかり。
    道など無く、荒れた土地に、茨が生い茂りまるで、人が来るのを拒んでいるかのようなお城です。

    突然、森の中に古びた鉄の門がありました。

    『助けてくれ!!』

    親子は、必死で叫びました。

    『誰か助けてくれっ!!!』

    門が軋みをたてて開きました。

    二人を乗せた馬車は、中へ駆け込み、大急ぎで門を閉めたところへ
    狼達が、なだれのように押し寄せてきました。
    狼達が体当たりする音が聞こえます。

    名残惜しそうに、門から鼻を突き出し、鋭い牙を見せて
    逃げてしまった獲物を睨んでいました。
    鋭い鉤爪の狼の前足が、門の隙間で、むなしく空(くう)を掻きます。

    危機一髪で逃れた二人は、門から離れた場所で、
    その様子を身を寄せ合って眺めていました。

    「はぁーーーーーっ・・・助かった。」
    『もうダメかと、思ったよ。』

    安心感で、へたり込み、
    恐ろしさで、二人の胸はまだ心臓がドキドキしています。

    先ほどの城の影は、どこだろうかと、振り向いた瞬間です。
    二人は、あっと息をのみました。


            ー第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』・完ー




    続きます。



    2012年
    12月05日
    08:39

    【書庫】『美女と野獣 ーLa Belle et la Bêteー』  ☆19000リク

    ☆こちらは、SNSさくらぱん日記 19000キリ番踏みの白友かなめさんのキリ番リクエスト『美女と野獣 ーLa Belle et la Bêteー』の書庫です。

    ☆プロローグ
     第一章『不思議な薔薇-ふしぎなそうびー』 
    2012.11.22.
    第一章【美女と野獣 1 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン
    第一章【美女と野獣 2 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン
    第一章【美女と野獣 3 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン

     第二章『魔女の薔薇-まじょのばらー』 

    第二章【美女と野獣 4 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン
    第二章【美女と野獣 5 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン
    第二章【美女と野獣 6 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン
    第二章【美女と野獣 7 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン
    第二章【美女と野獣 8 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン

     第三章『鍵の乙女ーかぎのおとめー』 
    第三章【美女と野獣 9 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン
    第三章【美女と野獣 10 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン

     第四章『人知れずの森ーひとしれずのもりー』 
    第四章【美女と野獣 11 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン
    第四章【美女と野獣 12 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン
    第四章【美女と野獣 13 ーLa Belle et la Bêteー】パラレルメルヘン

     第五章【野獣の城ーやじゅうのしろー】  
    休止中、しばらくお待ちください。

    その他 美女と野獣関連
    2013.03.01.【詩文】『月と狼王』