花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    完【長編】現代パラレル『~Mr.president~7』

    ※舞台はニューヨーク
    現代パラレルです





    ・・・続きです。

    がくっっっと、膝から崩れ落ちそうになる夕鈴の身体。

    ーーーーーー腰砕けとは、よく言ったもので・・・・・

    いつの間にか、黎翔に抱きかかえられてフロアから連れ出されて・・・。

    真っ赤になった夕鈴は、黎翔に抱きかかえられたまま混乱していた。

    ーーーーー今のなに?今のなに?今のなに?この声、反則よっ!!!!

    囁かれた耳に手を当てて、指先まで真っ赤な彼女は
    黎翔をはしばみ色の大きな瞳で睨む。
    激しい動揺を隠さない揺れる瞳。
    今にも、泣き出すのではないかと思うぐらい瞳に涙が滲む。

    夕鈴は、黎翔の知るどの女性とも反応が違っていて面白かった。
    パクパクと何かもの言いたげな口が動く。

    会場のどんな女性より、生き生きとして愛らしい。
    例えるなら、なかなか慣れることのない野生の兎

    可愛らしい抵抗で、黎翔を煽る
    この後怒るのだろうか・・・・・・。
    容易に想像できて可笑しかった。

    そんな、兎を狩るのも面白い。






    ーーーー彼女は、気付いていなかった。

    たぶんあのままあの場で踊っていたならば、銃撃戦が始まっていたであろうことに。

    常に、身の危険に晒されている黎翔の勘。

    その勘には、ずいぶん助けられていた。

    自身の身の危険。
    なにより、ようやく見つけたお気に入りの獲物に傷がつくのは困る。

    彼女に知らせず、あの場から立ち去る方法。
    速やかに自然に抜け出せる方法。
    黎翔は、それを行動に移したたけだった。

    彼女は、本当に警護ができるのであろうか?
    黎翔が気付いた身の危険に
    護衛である夕鈴が、気付かないとは。


    身体の脱力から、未だ戻らず、黎翔に身を任せる彼女が
    強気のはしばみ色で無言で抗議していた。

    これからも、楽しめそうだ・・・・微かな含み笑いで黎翔は、苦笑した。


    リムジンに夕鈴を押し込めて、自分も乗り込んだ黎翔は、
    運転手に素早く指示をだして、会場を後にした。

    ニューヨークの街並みにリムジンの赤いテールランプが長く伸びて消えていく。
    喧騒のニューヨークの街角。
    いくつもの車のクラクションの音が鳴り響いていった

    その数分後、二人が立ち去ったホテルからいくつもの銃声が聞こえた。
    黎翔の読みは当たる。

    難を逃れた二人は、すでに街並みに消えた後だった。



    とりあえず完


    そのうちタネが降ったら、書きます

    半端なタネ一個じゃ書けない。
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    【長編】現代パラレル『~Mr.president~6』

    ※舞台はニューヨーク
    現代パラレルです





    ・・・続きです。

    クリスタルの豪華なシャンデリアの輝くホテルのパーティー会場

    華やかな人々の踊る中で、黎翔と夕鈴の二人も踊っていた。

    ・・・何故、こんなことをしなければならないの???

    不機嫌そのものの夕鈴に、踊りながら黎翔が耳元で囁く

    『君は、気付かないのか?』
    『もっと、にこやかに笑いなさい。』
    『君は、私の婚約者(役)だろう??』

    「お飾りの人形が欲しければ、モデルでも女優でも雇えばいいんです。」
    「なんで、わざわざ女性の警護の者を着飾らせて婚約者の真似事など・・・・」

    耳元で、囁きあう二人は、傍目には睦言を囁きあう恋人同士にしか見えない。

    ちらりと、夕鈴は、フロア中央でダンスをする人々を囲む淑女に視線を向けた。

    「ほら、あんなに綺麗な女性達が、貴方へ熱い視線を送っていますよ。Mr.『黎翔だ。夕鈴。ーーーー婚約者の君が、Mr.と呼ぶのはおかしい。』」
    『それに、私は彼女らに興味が無い。』
    『私が知りたいのは、婚約者である君の事。』
    『汀 夕鈴。   君のことが、知りたい。』

    「は!??・・・・わたしぃ?」

    まったく一度も、向けられたことの無い間抜けな返事で
    夕鈴は、まるくなったはしばみ色の瞳を
    外野の淑女から黎翔へと視線を戻した。

    こんな愉快な対応をするのは、君ぐらいだ。

    そのことに、満足した黎翔は、夕鈴を更に引き寄せ、
    耳朶に低く響く危険な甘さで囁いた。

    その効果が、女性にどんな効果をもたらすのか知った上で・・・

    『そうだ。ーーーー君の全てが知りたい。』

    …続く。



    2013年
    02月12日
    15:04 続きを読む

    【長編】現代パラレル『~Mr.president~5』



    ※舞台はニューヨーク
    現代パラレルです







    ・・・続きです。

    そして、夕鈴も知らなかった。

    運命のいたずら…

    この黎翔との出会いが、彼女の運命を変えたことを…。

    黎翔は、夕鈴の後ろに廻りこみ、
    手元のブラック・ベルベットの小箱を開けた。
    中に入っていたのは、深紅のルビーのネックレスとお揃いのルビーのイヤリング。

    輝く大粒のルビーを眩いダイヤモンドで囲んだ、素人目の夕鈴でさえ高価だと分かる宝飾品が入っていた。

    そのネックレスを、躊躇なく取り出して、彼女の首にかけはじむた黎翔に、夕鈴は青ざめる。
    そのヒヤリとした石の温度と重みは、更に夕鈴を青ざめさせた。

    『私の婚約者になるのだから、これくらいは、身に着けてはくれないと。』

    『イヤリングも、着けてあげようか?』

    …!

    「結構です。自分で着けられます!」




    『それと…』

    またもや取り出したのは、小さな小さな小箱。

    ブラック・ベルベットの小箱を開けると、見たことも無い眩い煌めきのダイヤモンドの指輪が出てきた。
    大粒の雫型の石に綺麗な桜色のピンクダイヤモンドが、枠を彩った華やかなもの。

    黎翔は、夕鈴の左手をとると、これまた躊躇なく薬指にはめだした。

    その指輪は、スルリとまるであつらえたかのごとく、夕鈴の薬指にはまった。

    満足気な黎翔とは、対象的に、不安気な夕鈴。

    そんな彼女を当然のごとく、エスコートして、ペントハウスを後にして、リムジンに乗り込んだ。

    彼にとっては、日常。
    夕鈴にとっては、非日常のはじまりだった。

    …続く。


    2013年
    01月29日
    15:07

    【長編】現代パラレル『~Mr.president~4』



    ※舞台はニューヨーク
    現代パラレルです

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    ・・・続きです。

    一時間後、隣の部屋から出てきた汀夕鈴は、

    別人のような変わり様だった。

    ワインレッドの身体の線に沿うようなシルクのロングドレス

    深いスリットからは、悩ましげな白い脚が見え隠れする。

    深い胸の谷間が見えるセクシーなパーティードレス姿。

    薄い色素の金茶の髪は、シンプルに一つに纏め上げられ

    遊び散らしたけた毛束の所々を華やかなスワロフスキーの小花のヘアピンが煌めく。

    若い印象の彼女を損なわないように、上品に彩るローズの口紅。

    恥ずかしいのか、頬が染まり

    なかなか隣の部屋の扉の影から出てこない彼女に、黎翔は苦笑した。

    なるほど・・・変われば変わるものである。

    黎翔は、着替えた夕鈴にほぼ満足だった。

    その寂しげな胸元と耳元を覗いて・・・


    夕鈴を値踏みするように、黎翔は冷静な紅い瞳で見た。

    『それなら、私を警護するものに見えないな。』

    『ーーーーいいだろう、汀夕鈴。』

    『君を採用しよう!!』

    『今日から、君は私の婚約者だ。』







    意外すぎる言葉に、夕鈴は固まる。

    ーーーー私は、警護の依頼でここにきたはず。
    (間違っては、いないけど・・・なんか違う!!!)

    ーーーー婚約者って、どうゆうこと??

    混乱をきたした頭は、ガンガンと頭痛をおこしていた。

    あまりにも、素直な心の機微が、顔に出ていてつくづく面白い。

    黎翔は、この短時間のうちに彼女がすごく気に入っていた。

    なぜか、彼女について興味が尽きない。

    黎翔は、それが彼の恋だとはこの時は気付かなかった。


    ・・・・続く



    2013年
    01月26日
    22:51

    【長編】現代パラレル『~Mr.president~3』

    ※舞台はニューヨーク
    現代パラレルです


    ・・・続きです。

    星屑が流れるような車窓からの夜景を見ることもせず…

    クリーム色の革張りのリムジンのシートに、黎翔と向かい合って、夕鈴はニューヨークの街を移動していた。

    大きなはしばみ色した瞳は、なかば黎翔を睨みつけるように、夕鈴は怒りを抑えて座っていた。

    顔を紅潮させ、なかばふくれっつらの彼女。

    そんな夕鈴の様子に黎翔は、こみ上げてくる愉快な笑いを押さえきれなかった。

    ずっと・・・笑ってる(怒)

    そんな黎翔の様子が、夕鈴は気に入らない。

    先ほどの一時間前のホテルでのやり取りを、夕鈴は思い出していた。



    『そんなに、この仕事がしたいか!?…汀夕鈴。』

    「もちろん!」

    即答の返事に、Mr.は、ニヤリと夕鈴に笑った。 
    紅い瞳が、印象的に輝く。

    『採用しても、良いが一つ条件がある。』
    『汀夕鈴、その着ている服を脱ぐなら、採用を考えよう。』

    「・・・・は!?」

    『Yesか?Noか?…汀夕鈴 !?』

    その言葉が意味が飲み込めなかった。
    とっさに、『Yes』と、あの時答えていた。





    ・・・・・それからだ。

    Mr.は、どこかに電話すると、数分後、ペントハウスには人が増えていた。

    皆、一様に女性物のドレスやら、箱を手にしていた。

    彼らに、Mr.から指示がとぶ。

    『一時間後、○○のレセプション・パーティーに行く』

    『ここにいる女性を一時間後に連れて行くから、時間までに仕上げろ。』

    『隣の部屋を使え!!!』

    「Mr・・・・これって、いったい???.」

    『君は、先ほどYesといった。』
    『私は、パーティーに出席できる服を着て来いと依頼した。』
    『そんな、ガチガチのいかにも仕事してます風のビジネススーツでは、困る。』
    『彼らに、ついて行って着替えてくるんだ。』
    『着替えてきたら、仕事をさせてもいい。』



    なかば、強引にひきずられて本当に着ているものを全部脱がされた。
    唯一、護衛の為の銃を除いて・・・



    ・・・・続く

    2013年
    01月26日
    22:20 続きを読む

    【長編】現代パラレル『~Mr.president~2』

    ※舞台はニューヨーク
    現代パラレルです


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    ・・・続きです。



    『そんなに、この仕事がしたいか!?…汀夕鈴。』

    依頼人が、名前を知っていたことに夕鈴は、驚いた。

    驚きで、はしばみ色の瞳が、更に大きくなる。

    怒りに満ちた顔は、紅潮して黎翔をまっすぐに見ていた。

    黎翔は、感情を素直に表す娘に、純粋な興味が初めて湧いた。

    こんなにも、他人に感情が読みとれる性格で、
    よくSPという仕事が成り立つものだ…

    そもそも、彼女は何歳なのだろうか?
    過去の履歴は偽造なのではないだろうか?

    どうしても、黎翔には、彼女が優秀なSPとは、思えなかった。


    履歴書では、二十歳と記載してあるが、
    それよりはずいぶん若い気がしてならない。

    黎翔の勘が働いた。

    「もちろん!」

    即答の気持ち良い返事に、黎翔は…少し、意地悪をしたくなった。

    『採用しても、良いが一つ条件がある。』

    『汀夕鈴、その着ている服を脱ぐなら、採用を考えよう。』

    半分冗談、半分本気の黎翔の条件。

    …はたして、夕鈴の反応は?

    青ざめて、ぶるぶる震えだした、夕鈴を愉快そうに黎翔は、見ていた。


    …続く


    2013年
    01月25日
    18:49 続きを読む

    【長編】現代パラレル『~Mr.president~1』

    ※舞台は、ニューヨーク
    現代パラレル

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    『No!君は不採用だ!』

    依頼人の要望により、向かった先の高級ホテルのペントハウス。

    ここの住民は、最上階からの眺めには興味が無いらしい。

    摩天楼のニューヨークの一室で、
    依頼人からの盛大なため息と、呆れた声で、出迎えられた夕鈴。

    失礼な物言いと、ばっさりと切られた言葉。

    夕鈴が、何も言わないまま5分で宣言されたその言葉に、今はじめて会ったということを忘れて、怒りを覚えた。

    「何故、不採用なのですか!?」
    「理由を教えて下さい。Mr.president !!」

    『珀だ。珀黎翔。』


    『ーー理由か。』
    『そんなことを、聞くのは、君がはじめてだな…』
    『簡単なことだ。』

    『君は、私の求める条件を満たしていない。』

    『採用は、取り止める!』

    前髪をかき上げた漆黒の髪から、覗く紅い瞳は、夕鈴をチラリと興味なさげに冷たい瞳で見ると、扉へと促した。

    紳士的に、帰りの扉を夕鈴に開けてやると、外へ出て行くように促した。

    行動は、極めて優雅だが、非常に冷酷だった。

    ・・・・・とりつくしまがない。

    『帰りたまえ!!』

    凍りつくような冷ややかな黎翔の言葉が、部屋に響く。

    ソレにもかかわらず夕鈴は帰らなかった。

    「Mr.珀 黎翔!」

    顔を真っ赤にしながら、夕鈴は、黎翔に詰め寄った。

    「依頼どうり、女性のSPで、パーティー用の服を着てくるようにとの条件でした。」

    「キチンと条件は、満たしているはずです。」

    「どこが、不採用なのですか?」


    『いや…君は、満たしていない。』


    …………!?

    ますますもって、わからない。

    夕鈴は、不採用理由が分からないことが、とても気になった。

    しかも、今回の仕事はとても報酬の良い仕事だった。

    他の誰かにとられたくない、夕鈴はさらに詰め寄った。





    …続く


    2013年
    01月25日
    17:54

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