花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    完【書庫】『オレンジ』

    こちらは、本誌設定・長編を収めた書庫室です。
    こちらは、珀 黎翔陛下と汀 夕鈴妃の物語。続ける余地のある終わり方をしています。不定期更新。





    完『オレンジ』
    【長編】『オレンジⅠ』
    【長編】『オレンジⅡ』
    【長編】『オレンジⅢ』
    完【長編】『オレンジⅣ』
    【長編】『オレンジ』番外編

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    ☆【長編】『オレンジⅠ』

    夏が、駆け足で過ぎ去り
    秋が近づく頃に
    狼陛下の唯一の妃宛に
    沢山のオレンジの実が
    献上品として届けられた。


    籠に盛り付けられた、
    明るい橙色したオレンジの実

    爽やかな香気と瑞々しさに
    夕鈴の心は嬉しくなった。

    ふんだんに
    侍女が盛り付けた実を
    一つ手にして、香りを嗅ぐ

    『・・・・・なんていい香り』

    目を瞑ると、
    お日様の光を、燦々に浴びて
    実るオレンジが見えるようだった。

    オレンジの香気が
    夕鈴の居室を満たす

    心浮き立つ香気は、
    場を明るく華やかにし
    和ませる

    (陛下の為に・・・)

    籠盛のなかで、
    夕鈴は、一番美味しそうに見える
    オレンジの実を選んで

    陛下といつもお茶を飲んでいる
    卓上に一つ置いた。




    ・・・続く

    ☆【長編】『オレンジⅡ』

    夜になり
    黎翔が、いつものように
    夕鈴の居室に向かうと

    部屋の前から
    柑橘系の良い香り・・・・

    『夕鈴、今 戻った。』

    「お帰りなさいませ、陛下。」

    優雅に会釈して、黎翔を暖かく迎え入れる夕鈴。

    (ああ・・・やはり、夕鈴はいいなぁ。) 

    毎晩 王ではなく黎翔として
    暖かく迎え入れてくれる花嫁に、
    その変わらない態度に、
    何度、黎翔は心慰められたことだろう。

    愛しさを抑えきれない黎翔は、
    自分の胸に 夕鈴を引き寄せて
    薔薇色の両頬に 素早く口付けた

    とたんに気付く
    彼女の香り

    黎翔の大好きな花の香りは、かすみ
    代わりに 爽やかで甘ずっぱい柑橘の香り

    夕鈴の背中越しに
    卓に置かれた果物
    オレンジの実が目に入る

    夕鈴を抱きしめながら。彼女に移るオレンジの香りを黎翔は味わう。

    甘酸っぱい・瑞々しい香り

    『・・・・いい香りだな。』

    夕鈴に耳元で、賛辞の言葉を呟いた。



    2012.09.07.    

    ・・・続く

    ☆【長編】『オレンジⅢ』

    「そうなんです。献上品として、オレンジをいただいたのです。」

    「いい香りですよね。」

    君を誉めたつもりなのに、伝わらなくて…。
    いかにも、彼女らしくて、苦笑してしまう。

    『…いい香りだ。(きみが…)』




    「今夜のお茶の水菓子として、召し上がっていただこうと思ってたんです。」

    「早速、召し上がりますか?」

    『せっかく、夕鈴が選んだのだろう?』

    『では、早速いただくことにしよう。』

    「分かりました。早速ご用意いたします。」

    「お待ちくださいませ。」


    噛み合わない会話のまま、夕べのひと時は、続いてゆく・・・・。


    いつものお茶を待つ時間の間、

    黎翔は、卓上のオレンジの実に気付いた。

    手にとってじっとオレンジの実を見つめ・・・・閃いた。

    隠し切れない笑みが零れる。

    その黎翔の様子は、お茶を用意していた夕鈴は、知らなかった。



    ・・・続く。 続きを読む

    完【長編】『オレンジⅣ』

    『夕鈴、早速食べたいな。』

    『剥いてくれる?』

    『夕鈴が剥いてくれた、オレンジが食べたい。』

    ・・・・・?

    「最初から、そのつもりでしたけど、陛下。」

    「少々、お待ちください。」

    ・・・・・??

    なんか・・・・・ご機嫌?
    しかも、まだ人払いしてないし・・・なんで?

    にっこりオレンジを待つ ご機嫌な子犬陛下に悪い予感。
    幻の陛下の尻尾は、盛大 に振られている。
    しかも、人払いがされていないため、お妃演技は、続けなくてはならない。
    ますます、黒い子犬の意地悪に、
    夕鈴は、膨らむ悪い予感を止めれない。

    そんなことをつらつらと考えつつも、夕鈴は、綺麗にオレンジを剥いていく。
    綺麗に筋も取り去り、柔らかく瑞々しいオレンジの子房になった。
    どうやらタネもないみたい。

    「剥けましたよ。陛下。」

    「どうぞ、お召し上がりください」

    お皿に剥いたオレンジを置こうとした時、陛下に手首を掴まれた。

    『君の手から、直接オレンジが食べたい。』

    そう言って、夕鈴の指ごとオレンジの実を食べた。

    『ああ・・・甘いな。』

    『夕鈴、もっと食べたい。』

    『もっと、食べさせて・・・』

    ーーーーーーーーーーーーーっ

    (//////・・・・ヤラレタ)



    人払いされていないため、怒ることも、拒否することも叶わず。

    陛下は、夕鈴からオレンジ3個を手ずから食べることに成功した。


    次の日、夕鈴の部屋からオレンジの実は、消えた。

    浮き浮きで、夜帰宅した陛下は、がっかりしたという。


                  ー完ー


    2012.09.07.

    ・・・続く 続きを読む

    ☆【長編】『オレンジ』番外編

    ●●さん さくらぱんの夕鈴は自室にて、陛下が侍女を下げない時は
    何かがあると警戒するのですが、
    ・・・・結局策にはまって悔しい思いをしています。

    さくらぱんも 次の日は、陛下が果物を持ってくると思います。
    りんごでも、梨でも、桃でも最後は、夕鈴の手からあーーんかしら。
    ・・・・でもって、たまに夕鈴の指先を『かぷり・・・』と噛んで、激しく夕鈴動揺してほしい。





    ・・・かぷっ

    「痛っ☆。」

    「ちょっ・・陛下 今、噛みましたね。」

    『えっ?・・・そう?     僕、間違えちゃった?』 

    『痛かった?   ごめんね。夕鈴。』 
    瞳うるうる。耳伏せ・・・尻尾しょぼん反省態勢の小犬陛下の片鱗あらわる。

    ヤバイ!!! 小犬陛下が・・・
    慌てて、侍女たちを盗み見る。・・・どうやら気付かれていないらしい。


    陛下に甘噛みされた指先が熱い。
    恥ずかしさと甘い痺れに、顔が火照りだす。視界が滲む。

    涙目のまま夕鈴は、陛下に注意する。

    「今度から、気をつけて下さいね。」
    『気をつけるよ。   ごめんね。夕鈴。』 

    夕鈴から、許しをもらった小犬陛下は、
    心配の声色をみせつつ・・・尻尾を嬉しそうにまた振り始めるのだった。

    『夕鈴。もう一個、食べたいな♪』 ←エンドレス☆


    ・・・にやり☆


    2012.09.15.  さくらぱん
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