花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    完【書庫】『安眠の方法』

    こちらは、本誌設定・長編を収めた書庫室です。
    こちらは、珀 黎翔陛下と汀 夕鈴妃の物語。続ける余地のある終わり方をしています。不定期更新。




     【本誌設定・長編】 



    完『安眠の方法』
    【長編】『安眠の方法Ⅰ』
    【長編】『安眠の方法Ⅱ』
    【長編】『安眠の方法Ⅲ』
    【長編】『安眠の方法Ⅳ』
    【長編】『安眠の方法Ⅴ』
    【長編】『安眠の方法Ⅵ』-完-

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    ☆【長編】『安眠の方法Ⅰ』

    夕鈴は黎翔に、今日何度目かの質問を試みる。

    『本当の、本気でやるのですか?』
    『…真面目に?』

    うろんな瞳で黎翔を見つめる夕鈴。

    当の黎翔は、すごく真面目な顔で夕鈴に答える。

    夕鈴の両手を取り上げ夕鈴に懇願する。

    『僕、スッゴく真面目にお願いしてるんだけど…』

    幻の耳が伏せてるっ

    『夕鈴の手が、必要なんだ。』

    …だからって

    …だからって

    …なんでこんなお願いなのぉ~~

    『だから、今日は、一緒に手を繋いで寝ようね♡』

    「あの…陛下、私一応…未婚者なのですけど…。」

    『大丈夫!!僕、心配してないから!!!』

    『夕鈴は、絶対に僕を襲わないって信用してるから大丈夫!!』

    …いや、そうじゃなくて…

    「私まだ結婚してないっ」

    『…知ってるよ』

    にっこりと笑う黎翔が、憎らしい。

    先ほどからの夕鈴の質問の意味を、黎翔は、分かってはいたが、私の意味を勘違いしてくる様が愛らしくて、つい…からかいたくなる。

    私を襲う…文字通り『寝首をかかれる』事なのだから…。

    すれ違う会話に、とうとう、夕鈴が折れた。

    「分かりました。陛下を、信用しましょう!!!」

    『そうこなくては…』

    黎翔は、夕鈴に笑った。
    『そうと決まれば…こっち・こっち・こっちに来て!!! 』

    黎翔は、夕鈴を、自分の寝台へと導く。

    2人並んで寝台に座り。

    子犬の笑顔で
    『今日は、よろしくね♡夕鈴。』
    と言われて毒気を抜かれた。

    黎翔は、いそいそと寝台に横になり、夕鈴を迎え入れるべく、絹の敷布を開けて待ち望む。

    黎翔の幻の尻尾は、盛大に振っていた。

    ~~っ

    (かなり、恥ずかしいのですけど。)

    かくして、黎翔の策略に乗せられた夕鈴の運命はいかに…


    …続く。

    ☆【長編】『安眠の方法Ⅱ』

    事の発端は、最近の『陛下の不眠』

    内政粛清の頃の夢により、良く眠れないという。

    特効薬の話を、陛下と話した。

    『良く眠れる薬があるのだけれど・・・』

    『ちょっと、難しいんだよなぁ・・・』

    ちらりと・・・視線を投げかけられる。

    ・・・・・は????

    『夕鈴しか持ってない、魔法の万能薬なんだけど・・・』

    ・・・・・はいぃ????

    ますますもって、分からない。

    何ソレ、私持ってないですけど・・・

    『夕鈴だけなんだ・・・』

    何だろう・・・歯切れが悪い陛下。

    『こんなこと、頼むのは、悪いしな・・・』

    『やっぱり、夕鈴に嫌われたら嫌だし・・・』

    ・・・・・だから、何なの??

    こんな時って、例の悪い予感がする。

    いつにない歯切れの悪い陛下の物言いにイライラする

    『陛下、何か私にして欲しいことがあれば、遠慮なく言ってください。』

    『私ができる範囲であれば・・・やりますよ。』

    『これでも、臨時ですけど、陛下の花嫁ですから。』

    宣言して・・・即、まさかの後悔の涙を流すことになろうとは・・・。

    高らかに宣言してしまっていた。

    『ありがとう、夕鈴♡』

    『・・・・・では、遠慮なく言うね。』

    『夕鈴の手が特効薬なんだ♡♡♡』

    『いつも癒されてるっていうか。』

    『だから、今晩、僕の寝台で手を繋いで一緒に寝てくれないかな!?』

    ええぇーーーーーーーーーーっ!!!!

    誰かお願い  嘘だと言って!!!

    信じられないお願いに

    ぐらりと 人生最大級の眩暈に、襲われた臨時花嫁だった。

    (これが・・・冒頭に続くのね。・・・さくらぱん談)





    ・・・続く

    ☆【長編】『安眠の方法Ⅲ』

    陛下の寝台は、広い。

    意を決して『陛下の安眠のためなら・・・』とエイヤと夕鈴は、寝台に入る。

    もちろん端っこの端。

    『夕鈴、そんなに離れてたら手を繋げられない。』

    んーーーたしかにそうかも。

    少し、距離を詰めてみる

    『端っこすぎて、心配で眠れないよ。もっと近くに・・・』

    ええっーーー

    そんなやり取りの繰り返し・・・気付いたら拳5つ分の距離。

    ち・・・・・近いっ・・・・近すぎる。

    陛下から、にぎにぎと片手を握られて、

    『夕鈴の手って小さくて可愛いよね♡』

    『柔らかいなぁ』

    『やっぱり、癒されるよ♡』

    至近距離での甘い囁き・・・

    「お願いだから、早く寝てください。」

    『うん、分かった』

    『でも、こういうのも、いいね。新婚みたいだ・・・僕たち♡♡♡』

    本当に嬉しそうに陛下は、笑った。

    ・・・・・///////。

    ・・・もう、なんなの。

    『おやすみ、夕鈴』

    しっかりと大きな陛下の手が、夕鈴の手を包む

    そのまま、二人どちらともなく夢の中に落ちていった。




    ・・・・・続く

    ☆【長編】『安眠の方法Ⅳ』

    真夜中に突然、陛下に強い力で握り締められ痛さで目が覚めた。

    ずるりと陛下の手が汗ばんでいた

    高熱に浮かされたかのようなうめき声

    ただならぬ気配に、飛び起きた

    隣に眠る陛下は、眉間に皺を寄せて、苦しげに悪夢にうなされていた。

    陛下の内政粛然は、血で血を洗う凄惨なものだったという…




    本当だったんだ       

    ・・・・・未だに、悪夢をみるとは。




    どれほどの犠牲を陛下は、支払ってきたのだろう

    痙攣のような震えと苦悶の表情

    確かに これでは、眠れないだろう・・・・

    それが、毎晩も 続くとなれば。




     ーーーーっ

    夕鈴は、胸が痛い。

    こんな陛下は、見てられない。

      


    陛下が、特効薬といってた私の手。

    この手で、陛下を癒せるのならば・・・・

    考えるよりに先に、行動に移していた。




    陛下に寄り添い、宥めるように優しく背を摩っていた。

    昔、弟・青慎にそうしていたように・・・

    ぽん・・・   ぽん・・・   ぽん・・・   ・・・


    リズミカルに、優しく・・・何度も・・・何度も。




    どれほど、そうしていたことだろう・・・・・。

    ・・・ゆうりん・・・

    寝言??

    寝ているはずの陛下から、名前を呼ばれびっくりした。

    いつの間にか、陛下の寝顔は、安らかなものへと変わり

    すやすやとした寝息に変わっていた。

    もう、悪夢の時間は終わったらしい。

    陛下の安らかな様子に、安心した夕鈴は、

    再び 眠りの世界へと 陛下と共に、旅立っていった。




    ・・・続く 続きを読む

    ☆【長編】『安眠の方法Ⅴ』

    ・・・・・きもちいい・・・

    徐々に覚醒する意識の中で、

    自分の髪を撫でてくれる気持ちよさと

    暖かなぬくもりに包まれている感覚




    ずっとそうしていたいような

    春の陽だまりにいるかのような

    あたたかさ




    ・・・とくん・・・とくん・・・とくん

    定期的に聞こえる力強い音

    不思議な安心感




    何故かしら・・・熟睡した気がする

    ・・・・確かな充足感


    目覚めたくないぬくもりの中で、無常にも覚醒する意識

    チチッ・・・  チッ・・・  ピチュ・・・

    鳥の囀(さえず)る声がする   ・・・ああ    朝なのね。

    もう、起きなくては・・・

    陛下が来ちゃう・・・

    ん?

    ・・・・・・・へいか?

    陛下!!!!



    …続く

    ☆【長編】『安眠の方法Ⅵ』-完-

    陛下は!?

    ぱちっ と、目が覚め、驚いた。

    何コレ 何コレ  

    なんでぇーーーーっ 

    目覚めたとたんに、夕鈴は顔から火が出るほどに恥ずかしい。

    始めに、気付いたのは、誰かの単衣の衣

    乱れた単衣から鎖骨が見える

    その誰かと唇が触れるほど私は近くに居る。

    頭の下にもその誰かの腕で・・・

    その人が、私を

    抱きしめて、髪をずっと撫でていた。

    先ほどからのぬくもりは、その誰かもの

    とくん・・・とくん・・・という心臓の音も、その誰かもの

    その誰かに、腕枕をされ、髪を撫ぜてもらい胸の中で眠っていたという事実。

    その誰か・・・・認めたくない現実と直視せねばならない。

    おそる  おそる  夕鈴が顔をあげると

    凄く嬉しそうな陛下!!!!  

    やっぱりという思いと、信じたくない気持ちが交錯して暴れだす。

    暴走する意識の中で、更に追い討ちをかける陛下の言葉。

    『おはよう。夕鈴。』
    『夕鈴のおかげで、良く眠れたよ』


    『夕鈴、僕に擦り寄ってくるんだもの』
    『僕、困っちゃったよ。』

    ・・・・・は? うそでしょ???


    『でも おかげで、僕のお嫁さん抱きしめて眠ることができた。』
    『いいにおいがするし・・・』
    『夕鈴、あったかいし、身体も柔らかくって・・・・』

    ふえぇ?


    『たっぷり、君の可愛い寝顔を見れたし・・・』
    『起きるとすぐに、君の顔が見れるなんて、朝からしあわせ。』

    ええーーーーーっっ

    記憶ないですぅ。
    何してちゃってるんですかっ  陛下ぁ!!!

    『こんなに、熟睡できるなんて・・』

    『ゆうりん 今晩もよろしくね。』

    始終 ご機嫌の子犬は、今夜のことを疑いもせず、瞳を輝かせ 兎にねだる。

    ぼふっん!!!

    耐え切れない兎が、爆発・炎上した。




    ーーその後の臨時花嫁の運命がどうなったのかは、誰も知らない。

                     ―完―
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