花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    はじめまして

    足跡スタンプ☆ぽん♪ぽん♪ぽん♪

    はじめまして
    さくらぱんと申します。

    さくらぱんの世界へ ようこそ!   

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    簡易目次 リピーター様用


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    白陽国SNS地区というところで、月刊誌LaLa掲載の『狼陛下の花嫁』の『二次小説』や趣味を書き綴っています。
    『二次小説』は、本誌設定と、現代パラレル、if パラレル等様々です。
    そちらでの書き溜めた二次小説等を中心に、更新しております。
    いろいろと初めててなので、至らない点がありますが、温かく見守ってください。
    遅々としたブログですが、よろしくお願い致します。  
                       
     
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    さくらぱんが管理しています。
    ジャンルは問わないので、様々なジャンルが集っています。
    某SNSと変わらず、あいかわらずみんなで、わいわいがやがやしています。

    コミュの説明・遊びに来てね 


    白陽国SNS地区 同名コミュニティログ倉庫
    marble-color  
    みんなでワイワイやっています。





    白陽国SNS地区に興味のある方は、こちらからどうぞ。

    白陽国SNS地区                白陽国SNS地区
    ※携帯・スマホもOKです。

    《注意書き》
    ※こちらは、『狼陛下の花嫁』の作者様・出版社様とは一切関係ありません。
    ブログに掲載されております作品の著作権は、ブログ管理者です。
    コラボ品・頂きものの著作権は、それぞれ製作者様にあります。
    こちらのブログからの無断コピー・無断転載を一切禁止しておりますので、ご理解ご協力ください。

    あなたの快適ネットライフのお手伝い。     『夕鈴愛で隊』←今頃ですけれど・
    に↓『狼陛下マナー講座』                  
    入会させていただきました。
     管理人【兎妃の日常】かなめ様                                            夕鈴愛で隊
    ※【花の四阿】をご利用前に、是非ご一読ください。   ※隊員NO.18番賜りました。
                                      有難うございます!!!!


    ↓ 【花の四阿】は『狼陛下と花嫁サーチ』に参加しています。    
    ookm-sb1_200.gif 
    ※皆様の素敵サイト様の検索にご利用ください。  

      

    【ゲストの皆様へのお願い】

    『花の四阿』は万人向けには、作られていないブログです。
    お好みに合わない方やご不快に思う方は、無理をしないで退出なさってください。
    尚、分館『秘密の味は蜜の味』同様、こちらでもマナーはお守りください。
    上記を理解した上で自己責任で閲覧をお楽しみくださいませ。

                                    2014.01.20.さくらぱん  

                              大事なお知らせ『花の四阿をお使いになるその前に!!!』

    『花の四阿』のランキング集計結果←2014年元旦にリセットしました。昨年度のご協力ありがとうございました。





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    ◇花の四阿☆簡易もくじ◇ リピーター様用

    ※目次です。ただいま準備中。完成まで、お待ちください。  2014.02.03.現在 さくらぱん

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    こちらは、リピーター様向けの簡易書庫です。
     お好きな書庫で、お楽しみください。
     尚、大カテゴリ別目次と重複しています。ご了承ください。
     
     
     
    【詩文】花の四阿  

       花の四阿ーバラ白紙150

    【書庫】黒龍    
     
       黒龍

    【書庫】  臨時花嫁設定 黎翔&夕鈴  

       f臨時花嫁 
     
    【短編】 臨時花嫁設定 
    【詩文】 臨時花嫁設定  

    【書庫】  if設定 黎翔&夕鈴    
    【短編】 if 設定 黎翔&夕鈴
    【短編 if 設定 黎翔&夕鈴以外  登場人物が黎&夕では、ありません。御注意ください。

    【書庫】古代パラレル「楼蘭」 黎翔王&夕鈴姫   未完 

        楼蘭      楼蘭外伝 


    【書庫】お伽話・メルヘン 黎翔&夕鈴  未完 
     
      50お伽話-1

    【書庫】現代パラレル 黎翔&夕鈴   ただ今準備中

    ├ 【中編】2014 Saint Valentine's Day
    ├ 【長編】~Mr.president~
    ├ 【長編】氷解ーひょうかいー 
    ├ 【長編】花火 
    【長編】猫Cafe ※キャラ崩壊・大人風味 
    ├ 【長編】黎翔からの愛のプレゼント
    ├ 【長編】2013 デリバリー・サンタ  未完
    ├ 【中編】2012 クリスマス・キャロル
    ├ 【中編】黎翔の優雅な朝
    ├ 【中編】引くに引けない大喧嘩
    ├ 【中編】恋人達の日
    ├ 【中編】願い
    【中編】恋蓮華 ーこいれんげー
    ├ 【中編】蛍
    ├ 【短編】世界旅行シリーズ
    └ 【短編】現代パラレル 黎翔&夕鈴

    +【書庫】現代パラレル 李順&夕鈴
    └ 【長編】チョコレート  

    +【書庫】イラスト館
    黎翔&夕鈴 
    黎翔  
    夕鈴 
    コミュ・シンデレラ投稿作品
    楼蘭・メルヘン
    ├ 現代パラレル
    └ その他 

    【宝物殿】お友達からの頂き物
    目次【宝物殿】最新の素敵プレゼント 
    月別【宝物殿】
    個人別【宝物殿】 

    【宝物殿】コミュ 
    ├ デートトピ『南国ですが・・・』
    ├ デートトピ『水族館』
    ├ デートトピ『ほおづき市』
    ├ デートトピ『海の家』
    ├ コスプレとぴ『医師・黎翔』
    アラビアンナイトトピ『千夜一夜』 未完
    ├ その他
    紅珠コミュ『誰も知らない物語』  未完 はこべらさんとコラボ

    【宝物殿】   
    2013年度クリスマス企画「メルティ・kiss」大作戦  2013.12.24.各自ブロガー同時up.
    無期限《6/2は、『プロポーズの日』》 
    無期限《展覧会の絵》
    ├ 2014.10.20.~10.31.《 Hallowe'en party 》
    ├ 2013.11.19.~11.22.《 いい夫婦の日 》
    ├ 2013.10.23.~10.31.《 Hallowe'en party 》
    ├ 2013.06.07.~06.12.《6/12は『恋人の日』》
    2013.05.19.~05.23.《幼な妻祭》
    2013.05.14.《記念日・ローズ・デイ》 
    2013.04.12.~04.22.《建国記念祭》
    2013.04.02.~04.07.《聖誕祭》
    2013.04.01.《春祭り》 
    2013.03.14.《キミに会いに走れ!!!》 
    2013.02.14.《バレンタイン祭・ふんどし祭》 
    2013.01.31.《一月の甘味》
    ├ 2012.11.22.《いい夫婦の日》
    2012.10.25.《あお祭り》
    2012.06.12..《恋人の日》

    【宝物殿】 コラボ 
    ◇柊かなめさん&さくらぱん 
    ◇よゆままさん&さくらぱん
    ◇河野 めいさん&さくらぱん  ←2012年度 PC版絵本ゲーム付き
    ◇とんとんさん&さくらぱん
    ◇おりざさん&さくらぱん 

    【コミュ倉庫】marble-color  
    花の四阿では読めないさくらぱんの作品が、多数おいてあります。

    分館】  preview-112.jpg    分館に入るには、本館の鍵の記事が必要です。ヒントはPixivにて




    移設作品
       ここに収めてあるのは、移設しています。こちらでは、一部だけ読むことが出来ます
    ├ ◆歌萌え喫茶   

    ◆【書庫】秘密の味は蜜の味
    ├  蜜蜂の書庫    その他は分館
    ├  続・逆転パラレル・メルヘン『茨王2』
    ├  咲き染まる紅梅のごとく
    ├  桜の天蓋
    ├  蒼い夜
    ├  花愛ずる時を知る
    ├  一双の絵いっそうのえ
    ├  柔らかな檻  その他は、分館
    ├  躾のなっていない小犬
    ├  暑い夏・ある日の王と妃の物語
    ├  色は匂へど……
    【蜜・R指定】本誌添い

    ◆【書庫】現パラ 秘密の味は蜜の味
    【R指定】幼馴染の秘密 
    【R指定】Saint Valentine's Day
    【R指定】緋のseason
    【R指定】止まない雨 
    【R指定】真夜中の方程式・真昼の方程式 
    【大人風味】人妻ですが…… 
    【R指定】現代パラレル 短編・詩文
     
    ◆【書庫】闇・黎明
    【R指定】玻璃天蓋『ー蒼の月影ー』
    【R指定】蒼月期ーそうげつきー
    【短編・詩文】if闇

    【書庫】狼陛下の花嫁以外 
    ├ ◆【短編】狼陛下の花嫁以外
    ◆【詩文】狼陛下の花嫁以外

    【書庫】写真館      flowerbanner0002-花の四阿写真館 
     
    写真館に、下記作品は移設しました。 新しい更新は、写真館で行っております。
    ├ ◆【目次】写真館 以下は収蔵作品
    【食べ歩き】あっちこっちの胃袋
    【写真館】癒されたい
    【写真館】空の色
    【写真館】気分だけでも涼しくなりたい
    【旅行記】2013.8.函館
    【旅行記】2013.5.鶴岡
    【旅行記】2011.4.花見山
    【旅行記】2014.05.山形・寒河江
    【花散歩】2014.04.
    【花散歩】2014.05.

    【震災】それぞれの震災 東日本大震災の話
      写真館に、下記作品は移設しました。 新しい更新は、写真館で行います。
    【震災】忘れてはならない記憶
    私の震災体験  sinyaさんの手記より

    【雑記】
    ├ 【写真館】娘の女子弁
    ├ 忘れられたノート  中・高校時代の書きなぐり
    └ レシピ



    倉庫
    さくらぱんの徒然日記  ←忘備張-☆大事なところだけです。後は日々流しています。
    一纏め長文 詰め合わせ
    ├ 没作品及びタネタネ倉庫
    超初心者によるブログ講座 ←PCでの「花の四阿」ブログ工事の話 


     SNSコミュ倉庫 marble-color    
      ※marble-colorでしか、読めないさくらぱん作品です。

    1 電球陛下 「陛下の光☆窓の雪♪」 
    2 コミュ幼な妻。・派生品 大人味・鍵付
      「アダムの選択」    
    3 「 誘惑のイブ」  
    4 現代パラレル 短編 
    5 Yコラボ 「紫雨ーしうー」

    0.お楽しみのお部屋。(激大人味・鍵付)
     場所のヒントは分館に。

    その他・多数バトン・リレーあり

    0223 分館の秘密の味は蜜の味を更新しました。

    今日は♪
    さくらぱんです。

    え~と。
    その。

    昨日の「猫の日」絡みで
    一本お馬鹿を更新しています。

    一発書きなんで、しょうもないものなんですけど。

    【現代パラ蜜】僕に彼女が出来ました


    何でもOK、ドンと来いという方だけ、どうぞ。

    ドン引かないでくださいね!

    忠告は、しましたよ!

    お知らせでした。

    さくらぱん

    0222 分館「秘密の味は蜜の味」更新しました。

    今晩は
    さくらぱんです。

    うっかり更新しました。
    勢いあまって完結です。
    あれ?
    おかしいな。。。



    言質の夜


    言質の夜  27と1/2  Day Dream 白昼夢  真夏の太陽と君がみせる夢 5


    なんとか、当初のイメージに戻せたので
    ホッとしています。
    お気に召したらポチしてくださいね♪

    ・・・写真館とSNSとコミュニティが、すっかり放棄です。
    そちらのゲスト様は、もう少しだけお待ちくださいね。

    さくらぱん

    【本誌設定】猫になりたい……

    9e0fdda5.jpg





    陛下のお願いは
    いつも唐突で、私は時々困ってしまいます。


    「夕鈴。
    お昼寝するから膝枕してくれる?」

    小犬陛下の可愛らしい?
    おねだりで、その日の午後は始まった。

    「えっ!
    いま、此処で、です、、か?」

    「そう!
    今すぐ」

    「だって、
    ここ執務室ですよ」

    「問題ないよ。
    夫婦が仲良くしているのを見ても、
    誰も何とも思わないさ……」

    日当たりのよい南側の窓を開けて、
    近くにあった長椅子を窓辺に引き寄せた。

    いそいそと昼寝の支度をする陛下に、
    私は呆然と固まってしまった。

    職場で昼寝なんて、本当に平気なの?

    ぽすんぽすんとクッションを叩いて、
    陛下が、これでよしと私を手招きする。
    どうやら、そこに座れと言うことらしい。

    ぐずぐずと迷っていたら、
    急に陛下の機嫌が急降下した。
    眼差しが鋭くなる。

    「君は猫なら簡単に膝に乗せるのに。
    私はダメなのか?」

    ……は?

    突然の態度の急変と話の展開についていけず、
    私は固まったまま陛下を仰ぎ見た。

    「昨日、君は後宮に迷いこんだ仔猫を
    膝にのせたと聞いた。
    私は猫より下なのか?…………」

    だ、誰から聞いたの?
    というか猫に嫉妬ですか?

    やめてください………


    「あれは!
    私、陛下に膝枕しないって、
    言ってないですよ、ね?」

    むくれる陛下を宥めつつ、私は陛下に一歩近づいた。
    ご機嫌が治らない…………って。
    もう、どうして!

    「もお、やだ!
    猫にまで嫉妬しないでくださいっ!」

    ご機嫌を急降下させて、
    半ば脅してくる陛下に本気で呆れながら
    指定された長椅子に私はヤケ気味にポスンと座った。

    ……ああ。
    結局、陛下のお願いは断れないのね。

    首尾よく私の膝を独占することができた陛下は、ごきげん麗しく

    「猫になりたいな。
    猫になったら、
    日がな1日、夕鈴の膝を独占できるのに……」
    などと、まだ寝言を呟いている。

    多少、戸惑ったが、いつもと変わらない午後の昼下がり。
    陛下も、ご機嫌だし。
    これなら午後の政務にも、支障なさそうね。

    私は少しほっとして
    陛下に油断をしてしまった。



    「……夕鈴」

    少し艶を含んだ声で、陛下が私を呼ぶ。

    「はい。
    なんでしょうか?」

    突然、呼ばれたことを無邪気に問う私に
    陛下が、それはそれは艶っぽい微笑みで私を魅了した。

    垂れ下がる私の髪を、くるくると指に巻き
    器用に遊び始めた。

    「私も君に猫の挨拶がしたい。
    鼻と鼻とをあわせるのだったか?」

    次の瞬間……

    そう言うと素早く起き上がって、私の鼻先に陛下の鼻先が触れた。
    それだけでなくペロリと鼻先まで舐められた!

    「……ふぎゃ!」

    盛大に驚いた私は、間抜けな大声を出した。
    そのまま涙目で真っ赤な顔のまま、舐められた鼻を両手で押さえる。

    「昨日、仔猫に鼻を舐められたらしいな。
    今後、猫と言えども私以外が触れることは許さない!」

    ……だ、だからなんで、
    そんな事を陛下が知ってるのよ~~~~!

    誰?
    こんなことを陛下の耳に入れたのは!

    「毎日、君の膝を独占できるなら猫の身分もいいな。
    今後、私は君の猫になろうか!」

    「なりません!
    いい加減、お仕事してくださーいっ!!」

    白陽国の王宮は、
    仲睦まじい国王陛下夫婦のおかげで大変賑やかで
    今日も平和なのです。




    おしまい(笑)


    2017.02.22.初稿 本日、猫の日



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    【長編】『楼蘭―風の行方―』 52  ※要注意!古代パラレル

    楼蘭



    ストゥーパの長い影が、楼蘭の水源の湖にかかる。
    砂漠を渡る風は湖で冷やされ、夕鈴の髪を優しく乱した。

    はしばみ色の大きな瞳は、わずかな光を残して消えようとしている
    砂漠の太陽を見詰める。

    物心ついたころの一番古い記憶と何一つ変わらない夕暮れ
    悠久の時の流れを感じる楼蘭の街並み。

    墨流しの空に、美しい一番星が光り輝く。
    過去と変わらぬ星の光。

    日中の謁見の緊張感も今は、ほぐれ……
    穏やかな暮れなずむ空を、ただ…静かに見守る夕鈴姫。

    かけひき上手な漢の将軍。
    ロブ=ノールで別れ、きちんと約束を守ってくれた黎翔国王。

    真昼の強烈な残像が夕陽と共に静かに消えていく。

    ほぅ……

    思わず零れた夕鈴姫の安堵の溜め息は、風にかき消され儚く消えた。











    最後の一条が砂漠の向こうに消えた頃。

    夕鈴姫は、ふと気がついた。
    どこからか聞こえる馬頭琴の寂しげな音色…

    物悲しく心震わす琴(きん)の音色は、間違いない。
    父…比龍王のもの。

    母を想い、奏でられる馬頭琴に誘われるように、
    夕鈴姫は自ら王宮の湖へと、せり出した四阿の方へ
    吸い寄せられていくように自室を抜け出した。


    馬頭琴の音色が流れる四阿に居たのは、やはり父・比龍王だった…

    自分と同じ金茶の髪を、しっとりとした夜風に靡かせて、琴を奏でている。

    謁見では、親子としての対面を、あまり実感出来なかった夕鈴姫。
    四阿の入り口で改めて、父王を見つめた。

    髪に白いものが混じり…
    王としての激務からか、その顔に深い皺が刻み込まれていた。

    年老いた父。

    幼き頃、武帝から隠し
    王宮から逃げるように立ち去った楼蘭。

    その間、夕鈴姫は父王とは、ほとんど会えなかった。

    父と会えない分だけ、武帝から身を隠せた。
    知らぬ間に父から自由を貰った。

    年老いた父を見つめる夕鈴姫。

    会えなかった日々。
    淋しかった離宮での想い出。

    私以上に妻も子も居なかった父は、どのような日々を一人王宮で過ごしていたのだろうか?

    こんな風に馬頭琴をかき鳴らして
    淋しさを紛らわせていたのだろうか?

    いつの間にか夕鈴姫の両頬を静かな涙が濡らしていた。


    四阿の入り口で近づくことさえ出来ない夕鈴は、
    父王を見つめて、ただ一人涙するのだった。


    ……続く



    2017年 02月21日初稿
    2013年 09月26日初稿


    続きを読む

    【散文】とある朝

    ピューイ……

    ピィー

    何処かで呼ぶ声に振り仰ぐ

    ピューイ……

    ピィー

    曇よりとした曇り空。

    真っ黒な鳶の影と

    真っ白な粉雪と

    雲に隠れた灰色の太陽と

    真っ白な私の吐息



    「ああ、寒いなぁ……」

    すぐ脇をすれ違ったトラックドライバーが呟いた。

    彼の手には真っ白な湯気のたつ
    暖かなカップ麺が握られていた。

    指ぬきの黒い手袋で大事そうに両手で抱えている。
    少し丸めた背中が、彼の寒さを物語っていた。

    そこのコンビニで作ってきたんだろうか。
    車で今から朝食?

    午前9時の賑やかな駐車場。

    静かに円を描く一羽の鳥だけが、この地上の喧騒を知らない。

    【長編】『楼蘭』―再会編―51  ※要注意!古代パラレル

    楼蘭


    「その前に、お前に紹介しておきたい者がおる
    お前も既に見知っておろう……
    東の漢帝国の皇帝の懐刀、炎彬将軍。

    それと遠く西の小国、
    白陽国を治める国王・珀黎翔殿だ」

    あえて見ないようにしていた夕鈴が、その名を聞いて動揺した。

    父王である楼蘭国王に紹介された炎彬将軍と黎翔は夕鈴姫の前に進み出る。
    どちらの眼差しも痛い。

    推し量り、どんな些細なものでも見逃さないであろう厳しい眼差しの将軍と
    謁見の間に入ってから、熱心に見つめる黎翔王の熱い眼差しと。

    ……そんな眼差しで見ないでください。
    黎翔さま。

    気づかれてしまいます。


    顔にかかるベール越しでなく、素顔で相対したい衝動を堪え
    不審がられないように、夕鈴姫は、まず帝国の使者である炎彬将軍に向き合った。

    「お久しぶりですね、将軍。
    皇帝陛下は御健勝ですか?」

    先の楼蘭の遠征時に、武帝に付き添う姿を覚えていた夕鈴姫は、
    サッと立ちあがり将軍に向き合った。
    優雅に臣下の礼をとりながら、炎彬将軍は夕鈴姫の質問に答えた。

    「お会いできる日を心待ちにしておりました。
    ますますお美しくなられて、皇帝陛下もさぞお喜びでしょう」


    「皇帝陛下は、健やかであらせられます。
    姫が嫁がれる日が待ちきれないとのことで、
    私が護衛とお迎えを仰せつかりました」

    「それはご苦労なことです。
    でも私も、たった今、王宮に着いたばかり……
    すぐにと申されても困ります」

    「もう少し待っていただけないかしら?
    父とも、積もる話がしたいし……」

    「それとも私の夫となる皇帝陛下は、久しぶりの親子の会話を待てないほど
    狭量な方なのかしら?」

    「そんなことはございません。
    現に、姫とのお約束を守り
    十分に姫の成長を待たれたではありませんか?」

    「皇帝陛下にとって夕鈴姫は特別なお方。
    正妃の座をご用意してお待ちです」

    「それは先に嫁がれた貴姫たちの嫉妬が怖いわね。
    皆、正妃の座を欲しがるでしょうに。
    それに真に正妃と望んでいた方は私の母君だったのでしょう?」

    ゆらゆらと陽炎の如く瞼から消えぬ暗い焔の影
    次々と苦悶の影が揺らめく様が幻のように浮かんで消えた。


    ……皮肉なものね。
    望む方には、嫁ぐことが許されず。
    その手を取ることさえ叶わない。

    こんなにも、お傍に居るのに……

    つい本音が口から出てしまったのは、彼女の若さゆえだった。
    ーーー漢帝国と楼蘭王国の関係は、友好であらなければならない。


    そのことを、ふと忘れてしまったのは。
    彼女本人を望まれた婚儀ではなかったためだろう。


    苛立ちぎみの彼女の言葉に……


    「夕鈴!」

    父王の咎める声が響き、夕鈴姫はハッと我に返った。
    いつのまにか荒ぶる心のままに、将軍に対峙していた。

    将軍は、そんな夕鈴姫の態度にも余裕の微笑みを讃えていた。
    底の見えない微笑みは、得たいの知れない人物に見える




    あいかわらずめんどくさい国。
    そんなことをおくびにも出さず……夕鈴姫は、多少慇懃無礼に将軍の答えをかわしながら
    適当に、話を切り上げた。

    どうせ嫁ぐのは変わらない。
    この将軍にどう思われようと彼女にはどうでもよかった。


    *****

    次に、夕鈴に声をかけたのは黎翔王だった。
    夕鈴姫が差し出した手を、恭しく受け取りながら西洋風な挨拶を交わす。
    手の甲に軽く、黎翔の唇が触れた。

    既知の親しみが感じられないように……そっけなく。
    ありきたりな挨拶を、二人は手短に交わした。

    ロブ・ノールでの約束を守り
    二人は、初めて会ったもの同士の当たり障りのない挨拶を交わしたのである。


    黎翔王が触れた彼女の手は
    謁見が終わって自室に戻っても、まだ熱を帯びて熱かった。


    夕鈴姫は、黎翔王が触れた場所に自らの唇を重ねた。



    黎翔さま……


    自室で密かに呟いた声は、誰にも聞かれず静寂に秘された。


















    ……風の行方編・52へ 続く

    2017.02.20..改訂
    2016.04.23..改訂
    2013.04.25.初稿
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    【IF設定】春を待つ

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    小さな鉢植えの花が、後宮に届いた。
    それは硝子細工のような純白の花。

    ……まだ蕾の小さな小さな蕾が数輪。

    「これは……?」

    珍しく居室に届けられた鉢植えを、物珍し気に眺める女主(おんなあるじ)に
    お付きの侍女たちは、微笑みながら答えた。

    「国王陛下からの贈り物だそうです。
    なんでも高地に咲く、とても珍しい花だとか」

    「まあ、陛下が……
    とても愛らしい花ですね」

    「“セツブンソウ”といかいう花で
    春を呼ぶとのことです。
    蕾が膨らんでおりますので、ここ数日のうちに開花しそうですね」

    「ここのところ庭へも、おいでになれない
    お妃さまのお慰めになれば……

    そう、陛下より伝え聞いております」

    「今日は顔色がよろしいようですね。
    お庭へ行かれますか?
    お部屋に籠もりきりなのも、お身体に障りますし」

    「体調がよろしければ、お散歩などはいかがでしょうか?
    陛下からのお誘いが来ておりますが、どういたしましょう……」

    「そうね。
    病気ではないのですし、陛下がご一緒であれば安心だわ」

    大きくなったお腹を摩りながら
    すっかり母の顔をした夕鈴が
    小さな鉢植えを眺めて、嬉しそうに微笑んだ。

    「春」はもうすぐ……

    愛しいあの方に暖かな家族を。
    そう願って、身ごもった。


    彼女が育む命が、白陽国に「春」を呼ぶ

    セツブンソウよりも早く。

    開花を待ちわびる彼女も、また自らの春を待つ。



    子供という宝物を愛する人のその腕に抱かせるために

    その喜怒哀楽を分かち合う為に……


    白陽国の春は、もうすぐ。



    0219 分館「秘密の味は蜜の味」更新しました。

    今晩は
    お久しぶりです。
    さくらぱんです。


    もう陛下暴走しました。
    エロエロ更新しています。

    言質の夜


    言質の夜  27と1/2  Day Dream 白昼夢  真夏の太陽と君がみせる夢 4


    ふっ…最近、蜜館ばかりの更新でやさぐれ中。
    すいません。