花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    はじめまして

    足跡スタンプ☆ぽん♪ぽん♪ぽん♪

    はじめまして
    さくらぱんと申します。

    さくらぱんの世界へ ようこそ!   

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    簡易目次 リピーター様用


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    白陽国SNS地区というところで、月刊誌LaLa掲載の『狼陛下の花嫁』の『二次小説』や趣味を書き綴っています。
    『二次小説』は、本誌設定と、現代パラレル、if パラレル等様々です。
    そちらでの書き溜めた二次小説等を中心に、更新しております。
    いろいろと初めててなので、至らない点がありますが、温かく見守ってください。
    遅々としたブログですが、よろしくお願い致します。  
                       
     
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    さくらぱんが管理しています。
    ジャンルは問わないので、様々なジャンルが集っています。
    某SNSと変わらず、あいかわらずみんなで、わいわいがやがやしています。

    コミュの説明・遊びに来てね 


    白陽国SNS地区 同名コミュニティログ倉庫
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    みんなでワイワイやっています。


    白陽国SNS地区に興味のある方は、こちらからどうぞ。

    白陽国SNS地区                白陽国SNS地区
    ※携帯・スマホもOKです。

     狼と嫁倶楽部 入会してみました
     img.gif   img-1.gif


    《注意書き》
    ※こちらは、『狼陛下の花嫁』の作者様・出版社様とは一切関係ありません。
    ブログに掲載されております作品の著作権は、ブログ管理者です。
    コラボ品・頂きものの著作権は、それぞれ製作者様にあります。
    こちらのブログからの無断コピー・無断転載を一切禁止しておりますので、ご理解ご協力ください。

    あなたの快適ネットライフのお手伝い。     『夕鈴愛で隊』←今頃ですけれど・
    に↓『狼陛下マナー講座』                  
    入会させていただきました。
     管理人【兎妃の日常】かなめ様                                            夕鈴愛で隊
    ※【花の四阿】をご利用前に、是非ご一読ください。   ※隊員NO.18番賜りました。
                                      有難うございます!!!!


    ↓ 【花の四阿】は『狼陛下と花嫁サーチ』に参加しています。    
    ookm-sb1_200.gif 
    ※皆様の素敵サイト様の検索にご利用ください。  

      

    【ゲストの皆様へのお願い】

    『花の四阿』は万人向けには、作られていないブログです。
    お好みに合わない方やご不快に思う方は、無理をしないで退出なさってください。
    尚、分館『秘密の味は蜜の味』同様、こちらでもマナーはお守りください。
    上記を理解した上で自己責任で閲覧をお楽しみくださいませ。

                                    2014.01.20.さくらぱん  

                              大事なお知らせ『花の四阿をお使いになるその前に!!!』

    『花の四阿』のランキング集計結果←2014年元旦にリセットしました。昨年度のご協力ありがとうございました。





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    . 続きを読む
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    ◇花の四阿☆簡易もくじ◇ リピーター様用

    ※目次です。ただいま準備中。完成まで、お待ちください。  2014.02.03.現在 さくらぱん

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    こちらは、リピーター様向けの簡易書庫です。
     お好きな書庫で、お楽しみください。
     尚、大カテゴリ別目次と重複しています。ご了承ください。
     
     
     
    【詩文】花の四阿  

       花の四阿ーバラ白紙150

    【書庫】黒龍    
     
       黒龍

    【書庫】  臨時花嫁設定 黎翔&夕鈴  

       f臨時花嫁  150寒日桜1-  チューリップ-150-1 
     
    【書庫】  if設定 黎翔&夕鈴 

       rose-150IF.jpg  -短編150IF薔薇    

    【書庫 if 設定 黎翔&夕鈴以外  
                  ※登場人物CPが黎&夕では、ありません。御注意ください。
     
       150IF.jpg

    【書庫】古代パラレル「楼蘭」 黎翔王&夕鈴姫   未完  

        楼蘭       楼蘭外伝 

    【書庫】お伽話・メルヘン 黎翔&夕鈴  未完 
     
      50お伽話-1

    【書庫】現代パラレル 黎翔&夕鈴   ただ今準備中

    ├ 【中編】2014 Saint Valentine's Day
    ├ 【長編】~Mr.president~
    ├ 【長編】氷解ーひょうかいー 
    ├ 【長編】花火 
    【長編】猫Cafe ※キャラ崩壊・大人風味 
    ├ 【長編】黎翔からの愛のプレゼント
    ├ 【長編】2013 デリバリー・サンタ  未完
    ├ 【中編】2012 クリスマス・キャロル
    ├ 【中編】黎翔の優雅な朝
    ├ 【中編】引くに引けない大喧嘩
    ├ 【中編】恋人達の日
    ├ 【中編】願い
    【中編】恋蓮華 ーこいれんげー
    ├ 【中編】蛍
    ├ 【短編】世界旅行シリーズ
    └ 【短編】現代パラレル 黎翔&夕鈴

    +【書庫】現代パラレル 李順&夕鈴
    └ 【長編】チョコレート  

    +【書庫】イラスト館
    黎翔&夕鈴 
    黎翔  
    夕鈴 
    コミュ・シンデレラ投稿作品
    楼蘭・メルヘン
    ├ 現代パラレル
    └ その他 

    【宝物殿】お友達からの頂き物
    目次【宝物殿】最新の素敵プレゼント 
    月別【宝物殿】
    個人別【宝物殿】 

    【宝物殿】コミュ 
    ├ デートトピ『南国ですが・・・』
    ├ デートトピ『水族館』
    ├ デートトピ『ほおづき市』
    ├ デートトピ『海の家』
    ├ コスプレとぴ『医師・黎翔』
    アラビアンナイトトピ『千夜一夜』 未完
    ├ その他
    紅珠コミュ『誰も知らない物語』  未完 はこべらさんとコラボ

    【宝物殿】   
    2013年度クリスマス企画「メルティ・kiss」大作戦  2013.12.24.各自ブロガー同時up.
    無期限《6/2は、『プロポーズの日』》 
    無期限《展覧会の絵》
    ├ 2014.10.20.~10.31.《 Hallowe'en party 》
    ├ 2013.11.19.~11.22.《 いい夫婦の日 》
    ├ 2013.10.23.~10.31.《 Hallowe'en party 》
    ├ 2013.06.07.~06.12.《6/12は『恋人の日』》
    2013.05.19.~05.23.《幼な妻祭》
    2013.05.14.《記念日・ローズ・デイ》 
    2013.04.12.~04.22.《建国記念祭》
    2013.04.02.~04.07.《聖誕祭》
    2013.04.01.《春祭り》 
    2013.03.14.《キミに会いに走れ!!!》 
    2013.02.14.《バレンタイン祭・ふんどし祭》 
    2013.01.31.《一月の甘味》
    ├ 2012.11.22.《いい夫婦の日》
    2012.10.25.《あお祭り》
    2012.06.12..《恋人の日》

    【宝物殿】 コラボ 
    ◇柊かなめさん&さくらぱん 
    ◇よゆままさん&さくらぱん
    ◇河野 めいさん&さくらぱん  ←2012年度 PC版絵本ゲーム付き
    ◇とんとんさん&さくらぱん
    ◇おりざさん&さくらぱん 

    【コミュ倉庫】marble-color  
    花の四阿では読めないさくらぱんの作品が、多数おいてあります。

    分館】  preview-112.jpg    分館に入るには、本館の鍵の記事が必要です。ヒントはPixivにて




    移設作品
       ここに収めてあるのは、移設しています。こちらでは、一部だけ読むことが出来ます
    ├ ◆歌萌え喫茶   

    ◆【書庫】秘密の味は蜜の味
    ├  蜜蜂の書庫    その他は分館
    ├  続・逆転パラレル・メルヘン『茨王2』
    ├  咲き染まる紅梅のごとく
    ├  桜の天蓋
    ├  蒼い夜
    ├  花愛ずる時を知る
    ├  一双の絵いっそうのえ
    ├  柔らかな檻  その他は、分館
    ├  躾のなっていない小犬
    ├  暑い夏・ある日の王と妃の物語
    ├  色は匂へど……
    【蜜・R指定】本誌添い

    ◆【書庫】現パラ 秘密の味は蜜の味
    【R指定】幼馴染の秘密 
    【R指定】Saint Valentine's Day
    【R指定】緋のseason
    【R指定】止まない雨 
    【R指定】真夜中の方程式・真昼の方程式 
    【大人風味】人妻ですが…… 
    【R指定】現代パラレル 短編・詩文
     
    ◆【書庫】闇・黎明
    【R指定】玻璃天蓋『ー蒼の月影ー』
    【R指定】蒼月期ーそうげつきー
    【短編・詩文】if闇

    【書庫】狼陛下の花嫁以外 
    ├ ◆【短編】狼陛下の花嫁以外
    ◆【詩文】狼陛下の花嫁以外

    【書庫】写真館      flowerbanner0002-花の四阿写真館 
     
    写真館に、下記作品は移設しました。 新しい更新は、写真館で行っております。
    ├ ◆【目次】写真館 以下は収蔵作品
    【食べ歩き】あっちこっちの胃袋
    【写真館】癒されたい
    【写真館】空の色
    【写真館】気分だけでも涼しくなりたい
    【旅行記】2013.8.函館
    【旅行記】2013.5.鶴岡
    【旅行記】2011.4.花見山
    【旅行記】2014.05.山形・寒河江
    【花散歩】2014.04.
    【花散歩】2014.05.

    【震災】それぞれの震災 東日本大震災の話
      写真館に、下記作品は移設しました。 新しい更新は、写真館で行います。
    【震災】忘れてはならない記憶
    私の震災体験  sinyaさんの手記より

    【雑記】
    ├ 【写真館】娘の女子弁
    ├ 忘れられたノート  中・高校時代の書きなぐり
    └ レシピ



    倉庫
    さくらぱんの徒然日記  ←忘備張-☆大事なところだけです。後は日々流しています。
    一纏め長文 詰め合わせ
    ├ 没作品及びタネタネ倉庫
    超初心者によるブログ講座 ←PCでの「花の四阿」ブログ工事の話 


     SNSコミュ倉庫 marble-color    
      ※marble-colorでしか、読めないさくらぱん作品です。

    1 電球陛下 「陛下の光☆窓の雪♪」 
    2 コミュ幼な妻。・派生品 大人味・鍵付
      「アダムの選択」    
    3 「 誘惑のイブ」  
    4 現代パラレル 短編 
    5 Yコラボ 「紫雨ーしうー」

    0.お楽しみのお部屋。(激大人味・鍵付)
     場所のヒントは分館に。

    その他・多数バトン・リレーあり

    2017年度 母の日のプレゼント

    娘からです。
    たぶん夕鈴(笑)

    おもい



    0422 分館の秘密の味は蜜の味を更新しました。


    14685f4b71abd17f_1024x1024.jpg

    こんにちは。
    お久しぶりです。
    さくらぱんです。

    久しぶりの蜜話の更新です。
    ただ単に、エッチなの書きたかっただけという。

    【蜜短編】銀糸の雨

    【現パラ蜜】 RED

    よろしければお楽しみください。

    2017.04.22.
    さくらぱん

    【散文】桜の天蓋 ~さくらのてんがい~



    桜の天蓋-1



    見上げた空は
    桜の天蓋

    一筋の白い飛行機雲
    梢を掠めて何処へ行くの?

    麗らかな春の日
    小鳥たちの歌声と共に

    長閑な時間は過ぎゆく……


    桜の天蓋-2


    【長編】『楼蘭―風の行方―』 55  ※要注意!古代パラレル

    楼蘭


    「どうして……?」

    状況が呑み込めず、ぽかんと呟く夕鈴に
    熱い視線を送り、抱きしめる腕を強くする黎翔。

    夜目に夕鈴が慣れてくると、四阿の外に明々と焚かれた篝火
    四阿の天幕を仄かに明るくさせていた。

    僅かな明かりで抱きしめる人物を確かめると、それはやはり黎翔王だった。



    「貴女と別れ、逢えない日々。
    私は、ずっと貴女を想い慕い、貴女を夢に見ておりました」
     
    触れる彼の唇は、夕鈴の顔の輪郭を辿り
    耳朶に…頬に…額に

    「ずっと貴方に焦がれていた……夕鈴姫」

    ふたたび塞がれた唇は、先ほどよりも甘く情熱的だった。

    二度目の黎翔との口付け。
    不意打ちで唇を奪われたのに、不思議と夕鈴は嫌悪感を感じなかった。
    むしろ彼に求められていることが嬉しい。

    唇は……愛しい人を覚えていた。
    触れられた場所から、黎翔の熱が彼女の心に灯を点す。

    ……こんなにも黎翔王に求められ愛されていることに、夕鈴姫は胸が熱く締め付けられた。

    ロブ=ノールから別れて数日。
    ほんの数日だったというのに、何十年も会えなかったように淋しく感じた。

    情熱的な口付けに、おずおずと彼女も舌を絡ませる。
    黎翔は、そのことに気付いて微笑み、更に口付けを深くした。


    夕鈴も、また彼に心惹かれ求めていたことに気付いた。
    愛する人との口付けで、黎翔王を愛していることに気付けた。

    “好き……”

    甘酸っぱく切ない想いが、彼女の心を満たしていく。


    “いけない。
    私には、もう婚約者がいるのに……”

    “でも、もっと……口付けて”

    理性と本能が、せめぎあう。
    恋を知ったばかりの彼女に、彼の愛に抗う術は無かった。

    黎翔王との口付けが甘い。
    ふわふわと夢のように心地良かった。

    いつの間にか、彼の背を抱き
    覚えたばかりの二度目の口付けを、情熱的に彼女は求めた。

    全ては、良き思い出の筈だった。
    夕鈴姫の初恋。

    ロブ=ノールでの甘く優しい愛のひととき。
    もう忘れようと諦めた人だった。
     
    素敵な恋の思い出を秘め
    父と変わらぬ歳の皇帝の元へと嫁ぐ覚悟でいた。

    愛を告げずに終わった恋。
    そう彼女は思っていた。

    黎翔王は、父王から事情知り、私を諦めてくれるだろう。
    私を忘れてくれるはず……胸が痛いことだったが、あらがえぬ運命と知っていた。

    甘い思い出に縋り、彼女は異国で静かに朽ちていく筈だった。
    そう思っていた。


    ……でも 、そうじゃなかった。

    忘れようとしても忘れるはずも無い。
    初めて自分が愛した人を。
     
    二度目の口付けは彼女に、ゆるゆるとした変革をもたらす。
    恋を成就させたいと願ってしまった。



    彼を本気で愛していると知った今。
    彼と結ばれたいと思ってしまった。



    *****
    ********
    ***********


    彼女の身も心も蕩かす
    情熱的で熱砂のような黎翔王の口付け。
     

    あれほど頑なだった彼女か、彼に応え始めた。
    彼の求めに、あらがいは微塵もなく口付けに身を任す夕鈴。

    彼の背を華奢な彼女の腕がしがみつき
    そのことに無上の喜びを隠せない黎翔王は、ますます彼女を可愛らしいと思った。
     
    真っ赤な顔で口付けに翻弄される彼女。
    もっと……と
    強請るように、熱に潤んだ大きなハシバミ色の瞳が潤むと
    黎翔の心に歓喜が湧きあがり、どうしようもなくもっと泣かせたくなってしまう。


    “我ながら意地悪だな”

    と思うが、彼女が無意識に自分を煽るのだから仕方ない。


    誰にも見られることのない天幕の中の夜の四阿で
    ロブ=ノールで出逢った運命の恋人達は、お互いの再会を純粋に喜び合う。

    愛してやまない魂の片割れ。
     
    黎翔は、ゆっくりと彼女を床に押し倒した。


    “離れたくない……”

    “離したくない……”


    絡めあう四肢は、いつの間にかお互いの身体を求めてた。
    言葉はなく口付けで会話する恋人達。
    お互いの気持ちが一つに繋がった時間だった。

    楼蘭の運命が変わる。
    これから襲う楼蘭の悲劇を、二人は知るよしもない。

    四阿の外から馬頭琴の物悲しい音色が聞こえた。

    震える馬頭琴の音色を含んだ風が楼蘭に吹く。

    湖から吹き抜ける風は、タクラマカン砂漠を越えて
    はるかはるか遠くへと流れていった。

    吹く風は、さほど強くも無いのに
    サラサラと砂丘の形を崩し、瞬く間にその形を変える。
     




    比龍王は静かに楼蘭の街を見渡した。



    今は街の灯は 落とされ、静かな眠りの静寂が満ちる。


    比龍王が守ってきた平穏で豊かな楼蘭王国。

    苦渋に満ちたはしばみ色の瞳。
    比龍の 眉根に、皺が深く刻まれた。

    比龍は楼蘭王国・国王としてではなく、
    夕鈴姫の父として重大な決断をする時が迫っていた。



    ……続く


    2017.04.06.改訂
    2013.09.28.初稿

    春めく

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    エイプリルフールですが……

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    【短編】現代パラレル『milk cocoa』 ※Boxing Day

    ※こちらは、現代パラレル『ミルク・ココア』です。
    現代パラレルが苦手な方は、閲覧を控えてください。
    それでもかまわないかたは、どうぞお楽しみください。








    20100205121511d5d.jpg



    彼女の手に、じんわりと温かなマグカップ
    中身は、ミルクたっぷりのココア

    風邪を引いてしまった恋人の為に、たった今、心を込めて夕鈴が作ったばかり。
    まだ、火を止めたばかりなので病人には熱すぎて飲めない。

    「黎翔さん、ココアを作ってきました。
    ……飲めますか?」

    寝ている彼のベットサイドのテーブルに“コトン”と静かにマグカップを置いて、
    夕鈴は近くの椅子をベットサイドに引き寄せた。

    介護に手慣れた様子で、てきぱきと風邪をひいた恋人の看護をこなしていく。




    ゴホゴホ……ゴホ


    「大丈夫ですか?
    ゆっくり起き上がってください……」

    「ーーーーすまない」

    せっかく座った椅子から立ちあがり、夕鈴は彼の背中を支えて
    起きあがるのを手伝った。
    背中にクッションを入れて楽にしてあげる。

    本当に手慣れている。
    黎翔は、怠そうに起きあがると彼女の差し入れたクッションに
    深々と身を沈めるように凭れた。

    顔色がよくない。

    熱のせいで彼の瞳が潤んでいた。
    いつもは堂々とした屋敷の主ぶりだが、
    今日は病のせいか覇気もなく気弱に見える。


    「ごめん、夕鈴。
    せっかくの休みなのに……」

    しょんぼりと項垂れた彼は小犬のよう。
    うるうると熱で潤んだ瞳で彼は申し訳なさそうに彼女に謝罪した。

    「ううん。
    いいんです。
    気にしないでください。
    わたし黎翔さんのお役にたてて嬉しいんです」

    温かな笑顔で彼女は明るく頬笑んだ。

    「普段、わたし黎翔さんの役にたってないから……」

    困ったように、眉を下げる恋人の手を黎翔は、掴んだ。

    「そんなことない。
    君は十分役に立っているよ!
    ……君が来てくれて助かった」

    「ほんと!?」

    …とポツリ呟いた夕鈴の手を握り、黎翔は真摯にうなづく。

    彼の両手で握られた夕鈴の手が熱い。
    風邪の熱で高い彼の熱が伝わる。

    でもそれだけじゃなくて。

    役に立っていたことが嬉しくて、でも恥ずかしくて…‥
    自然、夕鈴の顔も恥ずかしさで、どんどん赤くなっていく。
    結局、耳まで火照った顔を見られまいと、夕鈴は俯いてしまった。

    黎翔さんは、そんな彼女を見て、益々可愛くて仕方ないとばかりにギュと両手で握りしめた。

    静かすぎる時が流れて行く。
    庭で鳴く小鳥の声が部屋に響いたが、二人の耳には届かなかった。


    「あの……」

    「何?
    夕鈴」

    そんな甘やかな沈黙を破ったのは、状況に耐えられなくなった夕鈴だった。
    先ほどから、ずっと気になっていたことがある。

    閑散とした今日の屋敷の様子に夕鈴は戸惑っていた。
    いつもは、たくさんの使用人が居るはずの大きな屋敷は今日は人の気配が無い。
    廊下にも庭にも台所にも、今日は来てから誰一人とも出会っていなかった。
    そのことに彼女は首を傾げていた。

    大きな厨房を使ったことがないので尻ごみしたが。
    病人に温かな飲み物を作ることができて夕鈴はホッとしていた。

    なにしろ夕鈴が来るまで水分さえ(面倒くさくて)摂らなかったらしい。
    自分の体力に自信があったがために油断して、結果的に風邪をひいたらしかった。

    普段、頼らせてなどくれない恋人だから、アレコレ世話を焼くのは楽しい。
    でも病気の主を置いて使用人たちは何処へ行ったのだろうか?

    「今日は人が居ないのですね。
    ……いつもの使用人の方達は?」

    「今日はBoxing Dayだからね。
    数日間、休みをとらせている」

    夕鈴は聞きなれない単語が出てきて、もう一度黎翔さんに聞き返した。

    「Boxing Day(ボクシング・デイ)……?
    何ですか?
    それ……」

    「簡単にいうとクリスマスに働かなければならなかった人の為に
    家族で過ごすクリスマス休暇のことだよ」

    「だから休暇の間は自分のことは
    自分で、しなければならないのだけど……」



    ……ああ、だからなのね。
    と彼女は納得した。

    風邪をひいたのは、きっと夜遅くまでお仕事を優先していたに違いない。
    それを止める使用人たちが居なくて、彼は寝食を忘れて無茶をしたのだろう。


    まったく、この人は。
    辣腕ぶりで世間から恐れられているというのに……
    自分のこととなると、あまりにも無茶で無頓着だ。

    これは風邪だけですんでよかったのかもしれない。
    誰も居ない屋敷で、過労で意識なく倒れていたらと思うと怖いものがある。



    「夕鈴、ホントにごめん。
    せっかく、お見舞いに来てくれたのに、家事を全てやらせてしまった」

    「いいんです。
    これくらい家族で慣れてますから」

    「元気になったらデートしようね。
    何処へ行きたい?」

    「それより、せっかく作ったココアが冷めてしまいます。
    これを飲んで、もう一眠りして早く治してください」

    夕鈴は、ベットサイドに置いたマグカップを手に持つと、
    弟にしていたように、ふぅふぅ……とココアを冷まし始めた。

    黎翔は、その様子を呆気に取られてみていた。
    使用人たちは、黎翔に飲み頃の適温しか渡さない。

    夕鈴のやり方のような飲み物の冷まし方など知らなかった。
    見つめられていることに、気付いていない夕鈴は、一生懸命に黎翔のココアを冷ましてくれている。

    黎翔は、口元に手を当て顔を真っ赤にして耐えていた。

    ……ヤバイ。
    可愛すぎるよ、夕鈴。
    家に帰したくないな。

    ーーーーこのまま朝まで看病してほしい。
    そんなこと言ったら、嫌われるだろうか?

    ますます黎翔の顔が赤くなる。
    もしかして首筋まで赤いかも……

    くすぐったくて凄く嬉しい。
    こんなこと、されたことないから、尚のこと。

    う~~~~ん。。。
    風邪じゃなかったら今すぐ君を押し倒すのに。

    そのままココアが冷めるまで、真っ赤な顔で夕鈴をジッ見ていた。
    不埒な妄想ばかりが、彼の頭を占めていく。

    彼の視線に、やっと気付いた夕鈴は、真っ赤になって謝った。

    「ああっ!
    黎翔さん、子供じゃないのに……
    ごめんなさいっ!!!
    ーーーーつい。」

    「いや、新鮮で嬉しいよ。
    夕鈴」

    彼女の冷ましたミルクココアを受け取りながら
    とても幸せな気分で一口飲んだ。

    「美味しい!」

    彼女に心からの感謝の言葉を伝えた。
    嬉しくて笑みが止まらない。


    君の心は、僕の心を温かくする。
    触れると、このココアのように身体の芯から温まるんだ。

    ホントは君の唇の甘さも欲しいのだけど……
    風邪をうつすのは気がひけるし

    今は、コレで我慢。
    残りのココアをイッキに飲み干して、君の気持ちを飲み込んだ。
    彼女のいう通り、早く風邪を治さなきゃな。

    夕鈴にお礼のkissも出来ない。
    「ご馳走様」とひと言呟いて、黎翔は再び横になった。

    「喜んでいただいて嬉しいです。
    じや、私コレ片づけてきますね」

    「待って。
    それ後にしてよ」

    引き留めるつもりなんて無かったのに、気づいたら彼女を引き留めていた。
    お互いに、戸惑った視線が交錯する。

    「黎翔さん?」

    「ねぇ、夕鈴。
    手を握ってよ。
    僕が眠るまで傍に居て」

    「……こう?
    ですか?」

    少しだけひんやりとした小さな柔らかな手が、僕の左手を、おずおずと覆った。

    「……安心するね。
    気持ちいいな」


    いつもの日常って、こんなに幸せだったっけ!?
    今日はBoxing Day。

    屋敷には、君と僕の二人っきり。

    君は気付いていないようだけれど……今、二人っきりなんだよ。
     










    早く、こんな日常が来るといい。
    家族になろうよ、夕鈴。


    僕は彼女の温もりを感じながら微睡みの中へ落ちて行く。






    ーーーー願いと共に。









    “a story ” by sakurapan

    2017年03月16日改訂
    2012年12月26日初稿

    【頂き物】  感謝 … それを読んで思うこと

    どんなひどい困難に出会おうと、
     
    病気や事故になろうと、
     
    死ぬことと比べたら
     
    すべては「カスリ傷」
     
    のようなもの。
     
     
     
    もし明日死ぬとわかったら、
     
    多くの人が、今ある何げない
     
    当たり前のような幸せに
     
    感謝することだろう。
     
     
     
    歩けること、
     
    空気が吸えること、
     
    友や家族と語らえること、
     
    大喧嘩(おおげんか)
     
    したことでさえ、
     
    愛(いとお)しくなる。
     
     
     
    金も、家も、名誉も、宝石も、
     
    いかに大切なものであろうと、
     
    死んだらこの世に置いて
     
    いかなければならない。
     
     
     
    それなのに、
     
    悲しいかな人間は、
     
    目の前のモノや金や名誉を
     
    もっともっと、と欲しがってしまう。
     
     
     
    もっとも肝心な、
     
    「生かされている」
     
    ということに比べたら、
     
    すべてはちっぽけなこと。
     
     
     
    すべてのことに感謝して、
     
    ありがたさをかみしめ
     
    生きていきたい。
     
    DSCN5724.jpg 
    (撮影 さくらぱん)


    FBより抜粋

    ****

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